今や多くの企業がマーケティング施策の一環として取り組んでいるオウンドメディア。しかし、多くの企業が取り組んでいるからこそ、その中で成果を出すことが難しいという一面もあります。
そのためオウンドメディアの正しい作り方を知らなければ、「一生懸命取り組んでいるのに成果がでない」「更新の手間だけかかって社員のモチベーションが低下する」といった事態になってしまう可能性もあるのです。
そこで当記事では、2017年からオウンドメディアを複数立ち上げた筆者の経験をもとに、失敗しないオウンドメディアの作り方を準備編・サイト制作編・コンテンツ制作編に分けて詳しく解説。費用相場や運用方法などの気になる情報もまとめています。
「オウンドメディアを作るためにはどんな準備をすればいいのかわからない」「運用方法や費用相場が知りたい」とお悩みの方の参考になれば幸いです。
「オウンドメディアを立ち上げたいけど何から始めればいいのかわからない」「成果を出すにはどうすればいいのだろう」などとお困りではありませんか?
・SEO対策で自然流入が14倍。うち10位以内は0%→7%に
・認知拡大を目的とするオウンドメディアで、オウンドメディア制作から運用までを継続的に支援し、月間40万PVまで成長
など、15年近くオウンドメディアの運営・支援をおこない実績をだしてきた弊社が、オウンドメディアの構築から運用までをトータルでサポートさせていただきます。ぜひ一度、資料をご覧ください。
目次
編集部注:2019年に公開されたものを、最新情報を踏まえ再構成・編集しました。
オウンドメディアの作り方【準備編】
オウンドメディアを作る前にやるべきことを、準備編としてまとめました。
- STEP1. オウンドメディアの運用目的を決める
- STEP2. ペルソナを決める
- STEP3. コンセプトを設定する
- STEP4. 運用体制を決める
それぞれ詳しく解説します。
STEP1.オウンドメディアの運用目的を決める
まずはオウンドメディアの運用目的をしっかりと決めることが大切です。
目的が曖昧なまま運用を始めると、発信するコンテンツ内容が定まらない・ネタ切れになるなど、さまざまな不都合が生じます。
オウンドメディアの目的とされるのは、主に以下の4つです。
- 集客
- 売上拡大(新規リード・問い合わせ獲得、購買促進)
- ブランディング
- 採用強化
なお、目的はひとつに絞る必要はありません。オウンドメディアの成長に応じて目的を増やす、という方法もあります。
STEP2.ペルソナを決める
続いて、オウンドメディアの目的に沿ったペルソナを決めます。
ペルソナとは、「20代女性」のようなざっくりとしたターゲット像をさらに具体化したもので、「商品やサービスを実際に利用する顧客の架空の人物像」のことを指します。例えば、名前、年齢、学歴、住んでいるところ、職業、趣味まで詳細に設計をします。
採用強化が目的であれば求める人物像を、ブランディングが目的であればどのような人にどう感じてほしいのかなど、社内でペルソナの共通認識を持ちましょう。
ペルソナは、サイト制作やコンテンツを企画する上で基準となるものです。ペルソナがどんな気持ちなったら問い合わせや採用応募につながるのか、そのためにどんなコンテンツを作ればいいのかなど、これを起点に考えていくためぜひしっかりと設定するようにしてください。
(ペルソナの設計方法についてはこちらの記事で詳しくまとめています)
STEP3.コンセプトを設定する
オウンドメディアの目的が問い合わせ獲得や購買促進など社内的なものであるのに対し、コンセプトは「このメディアはどういうメディアなのか」、「何を目指しているメディアなのか」を言語化したものです。
コンセプトを設定するときは、できる限り既存サイトと差別化ができるような、独自の価値観を生み出すことを重視しましょう。
また、ペルソナが抱えている課題に目を向けて作成をすることも大切です。
独自性のあるコンセプトを設定することで発信するコンテンツに統一感をもたせることができ、さらにはユーザーに「あのメディアでは、こんな問題を解決できる」といったブランディングにつながります。
結果としてファンやリピート顧客が増えたり、指名検索が増えるといった可能性も高まるでしょう。
コンセプトの例
- SmartHR Mag.:ホットな人事労務マガジン
- 人事・労務手続を自動化するクラウド人事労務ソフト Smart HRだけではサポートできない課題を解決したり、時に人事・労務担当者が楽しめるようにと立ち上げられたメディアです。
働き方や人材マネジメントなど、人事・労務担当者が気になる話題について専門的な情報を発信しています。
- サイボウズ式:新しい価値を生み出すチームのメディア
- ブランディングを目的としたオウンドメディア「サイボウズ式」では、自社サービスの紹介は一才せず、会社や組織のあり方、多様な働き方や生き方について発信しています。
出典:サイボウズ式
▼コンセプトの設計方法について詳しく知りたい方はこちらの記事で解説しています。 オウンドメディアのコンセプト設計方法【コンサルタント直伝】
STEP4.運用体制を決める
オウンドメディアの肝ともいえるのが、運用体制です。実は、成果がでないとご相談いただく企業様は、運用体制が整っていないことが本当に多いです。
オウンドメディアで成果を出すには、正しい戦略や方針があることは前提として、継続的な記事制作や、既存記事の更新(リライト)といった、ある程度の行動量も必要になります。
少し厳しい言い方ですが、他の業務も兼業できるほどオウンドメディア運用は甘くないので、サイト規模や予算を考慮しつつ、しっかりと運用体制を整えましょう。
社内でリソースがないときは、一部作業を外部に依頼することも検討してみてください。
理想的な運用体制については、以下の通りです。
理想的な運用体制の例 | ||
---|---|---|
編集長 | 社内で1名 | オウンドメディアの責任者。企画考案や記事クオリティの担保などを行う。 |
記事制作担当 | 社内で1名以上 | 記事を制作するスタッフ。記事のディレクションだけ行い、外部ライターへ依頼する体制も可能。この場合、ライターの管理なども仕事に含まれる。 |
デザイナー・ カメラマン |
スピード重視するなら内製化推奨だが、アウトソースでも可能。各職種1名以上。 | 記事内画像や、アイキャッチ画像を作成するスタッフ。カメラマンはインタビュー記事などの作成時に必須となる。 |
必ずしも上記の役割が一人ずついたほうがいいわけではありませんが、オウンドメディアに力を入れていきたいのであれば専任の担当者をおくことが理想です。
内製化することで、自社にノウハウが蓄積される、記事公開までのスピードが上がるなどのメリットもあります。
もし外注を依頼する場合でも、オウンドメディアの運用にコミットできる人材を最低でも1名はおき、ノウハウを集約できるようにしてください。
内製化支援をおこなうコンサルティング会社に依頼することもおすすめです。
オウンドメディアの作り方【サイト構築編】
目的やペルソナ、コンセプト設計ができたら、いよいよオウンドメディアを構築していきます。サイト構築は、自社で制作する場合と制作会社に外注する場合で流れが異なるため、該当する項目をご覧ください。
①自社で構築する場合 | WordPressなどのCMSツールを利用し、自社でオウンドメディアを構築する。制作コストは抑えられる一方で、専門的な知見がない場合はSEO対策などで不利なサイト構造になってしまうリスクがある。 |
---|---|
②社外に外注する場合 | 自社制作と比較すれば費用は高くなるが、専門的な知見がある会社が構築してくれるので安心。サイトデザインの自由度が高い。 |
①自社で制作する場合
自社でオウンドメディアを構築する場合、以下のことを決めていきます。
-
- サーバーやドメインの選定
- サイトデザインやCMSの選定
サーバーやドメインの選定
オウンドメディアを立ち上げるには、まずは環境の整備が必要です。
サーバー | 主流であるクラウド型のサーバーがおすすめ。機能・容量の変更がしやすく使い勝手がよくなります。 |
---|---|
ドメイン | オウンドメディアにどのような役割をもたせるかによりますが、基本的には新規取得よりもコーポレートサイトなどのサブディレクトリ内での立ち上げがおすすめです。 |
※ドメインの選び方でお困りの方はこちらの記事もご参考ください。
サイトデザインやCMSの選定
サイトを立ち上げる環境が整ったら、続いてサイトデザイン・CMSの選定を行いましょう。CMSとはコンテンツの保存や更新などの管理が簡単にできるシステムで、代表的なものにはWordPress・microCMS・HubSpotなどがあります。
多くのCMSでは、テンプレートを提供しているので、希望のサイトデザインも含めて選定してみるのもよいでしょう。特にこだわりがなければ、WordPressがおすすめです。
WordPressはサイトのテンプレート(テーマ)も豊富で、0からデザインを決める手間がかかりません。また、世界的に利用者も多く、何か困った時でも解決策が見つかりやすいといったメリットがあります。
理由がありWordPress以外の選択肢をご検討中の方は、以下の記事でおすすめのCMSを紹介しているので参考にしてください。
オウンドメディアのCMSはどれを選ぶべき?Web担当者の悩みを一挙解決
②制作会社に外注する場合
成果がでるオウンドメディアを構築するには、ユーザーが使いやすいデザインやサイト構造になっていることが重要です。
サイトデザインを重視するあまり、利便性を欠いたサイトになってしまっては元も子もありませんので注意してください。
特にSEOからの流入を想定している場合は、SEO対策に知見がある制作会社であるかも必ず確認しましょう。
具体的な選び方のポイントは以下の通りです。
- 近い業界での制作実績・事例があるか
- SEO対策の知見があるか
- コンセプトに沿ったデザインにしてくれるか
- 費用は想定内であるか
このようなポイントを踏まえて制作会社を選べば、成果に繋がりやすいオウンドメディアを構築することができます。
デザインに優れたメディア制作を強みとしており、ユーザービリティ・SEO対策も考慮したサイトをお客様と並走して制作します。
オウンドメディアの作り方【コンテンツ制作編】
オウンドメディアという箱ができあがったら、そこにコンテンツを拡充していきます。ここでは、オウンドメディアのコンテンツの中でも主流である記事コンテンツの作り方を解説します。
全て解説すると長くなってしまうので、ここでは完結にまとめています。詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
オウンドメディアの記事制作ガイド【SEO記事・企画記事】
前提知識:コンテンツの種類
オウンドメディアの記事コンテンツは以下の2種類に大別できます。それぞれ制作時の考え方が異なるので、違いをしっかりと理解しておきましょう。
- SEO記事:検索エンジンからの流入を見込んだ記事。検索キーワードをもとに、ユーザーニーズにあった記事を作成する。
- 企画記事:主にSNSからの流入を見込んだ記事。ペルソナの興味をもとに、話題性のある記事を作成する。
それぞれ詳しく解説します。
①SEO記事の場合
SEO記事とは、検索エンジン上で上位表示させることを狙った記事コンテンツのことを言います。
SEO記事を作成するときは、①ペルソナが検索しそうなキーワードを選定する、②そのキーワードからニーズを読み解く、③そのニーズを満たすコンテンツを作成する、という作業が必要になります。
キーワードを選定する
まずは、どのキーワードで上位表示させたいのかといった、対策キーワードを選定します。
対策キーワードを決めるときは、前提としてペルソナが検索しそうなキーワードであること、次いで月間検索ボリュームやコンバージョンへの近さ、上位取得の難易度などを考慮しましょう。
月間検索ボリュームとは | そのキーワードが月間平均でどれくらい検索されているのかを表す数値。「月間検索ボリューム ツール」などで調べると、無料の調査ツールが出てきます。 |
---|---|
コンバージョンとは | 問い合わせや申し込みなどユーザーが行動を起こすこと。「サイト制作会社 おすすめ」「サイト制作会社 口コミ」などの行動を起こそうとしているキーワードは、コンバージョンに近いと考えられる。 |
月間検索ボリュームが多くコンバージョンへ近いキーワードは、競合他社も狙っている可能性が高く、難易度が高い傾向があります。
記事制作のリソースがどれくらいあるかにもよりますが、競合他社のコンテンツの質や更新頻度、ドメインの強さなどを確認し、勝ち目があるのか見極めることも大切です。
なお、対策キーワードの選定は、考慮すべきことが多く複雑です。選定するキーワードを間違えて全く成果に繋がっていないという企業様も本当によくお見かけするので、自社内で知見がなければ専門家に相談してほしいポイントです。
キーワードからニーズを読み解く
SEO記事で上位表示するには、「そのキーワードで検索してくるユーザーのニーズに応えること」が必須です。
そのためいきなりコンテンツを書き始めるのではなく、まずはキーワードの検索ニーズを調査します。
上位コンテンツを見たり関連キーワードを調査したり、そのユーザーがどんな情報を欲しているのか、ユーザーがコンテンツを読んでどんな状態になるのが一番いいかを書き出していきましょう。
そのニーズを満たすコンテンツを作成
ニーズを調査したら、そのニーズを満たせるようなコンテンツを作成していきます。
また、記事コンテンツは公開して終わりではありません。作成したコンテンツが1位に表示されればよいですが、そうでない場合、ユーザーニーズが完璧には捉えられていなかったということになります。
順位が思うように上がらない、または一度上がったけど落ちてしまった場合などは、リライトをして上位表示を目指しましょう。
リライト時も、新規コンテンツの作成と考え方は同じです。上位記事を参考にユーザーニーズを掴みつつ、古い情報を更新したり、必要な情報を足したりしていきます。
既にその記事に流入があれば、ヒートマップを使って実際のユーザー動向を確認してみましょう。
▼SEO記事の作成方法はこちらで詳しく解説しています。 SEOライティングの基礎|初心者向けに書き方のコツをわかりやすく解説
②企画記事の場合
企画記事とは、SNSからの流入を見込んだ、インタビューや連載などある特定のテーマについて掘り下げた記事です。
企画記事を制作するときは、影響力のある方に出演・執筆してもらうか、企画性で勝負するかの2パターンがあります。
前者は予算があれば実行可能で、出演者のフォロワーに応じてある程度拡散されます。
一方企画性で勝負する場合、拡散はあくまで自然現象なので成功する保証はありません。
とはいえ、SEO記事だけではメディアの価値を生み出しづらい側面もあり、純粋に読み物としての充実度を上げるためにも必要なコンテンツとなります。
成果を出すには?オウンドメディアの運用ポイント
ここからはオウンドメディアを実際に運用していくためのポイントをお伝えします。
より詳しくお知りになりたい方は、以下の記事もご覧ください。 15年オウンドメディアを運用してきた弊社の成功ポイント5つ
SEO対策をおこなう
オウンドメディアで成果を出すためには、サイト全体でみたときに検索エンジンに評価されやすい状態になっているかも重要です。
具体的には、
- ユーザーにわかりやすいサイト構造にする
- 外部リンク(被リンク)対策をおこなう
などを考慮してください。
サイト構造は、ユーザー視点で迷いがなく欲しい情報に辿り着きやすいように設計にします。コンテンツをカテゴリー分けするときは、ダブりや漏れがないカテゴリー分けを意識しましょう。
また、SEOで評価されるためには、外部リンク(被リンク)対策も必須です。異なるドメインから多くの外部リンクを獲得できれば、ユーザーから評価が高いサイトとみなされて、SEOでも評価されやすくなります。
KPIを設定する
「KPI」とはKeyPerformanceIndicatorの略で、日本語訳は「重要業績評価指標」です。簡単にいうと、最終的な目的を達成するための行動目標というところでしょうか。
KPIは、オウンドメディアの目的にあわせて具体的な数字で目標を設定します。
例えば問い合わせ獲得を目的とする場合の、KPI設定方法を考えてみましょう。ユーザーが問い合わせに至るまでの遷移がコンテンツページ(ノウハウ記事など)→サービスページLP→問い合わせという流れの場合、ページへの遷移率やコンバージョン率から必要なUU数を逆算します。
- 例)
- 問い合わせ数の目標が10件、CV率が5%の場合、10÷5%=200UU必要ということになります。
続いて、算出したUU数を満たすためにはどのキーワードで何位を取得すればいいのかを算出します。例えば月間検索ボリューム1,000のキーワードで1位を取得した場合、CTR(クリック率)は約14%*なので月間で1,000×14%=140の流入が見込めます。(*最新のCTRは、「検索順位 クリック率」などで検索して調べてみてください。)
ここで算出した検索順位をKPIとし、新規記事の作成やリライトを進めていきます。
▼オウンドメディアのKPIについてはこちらの記事もご覧ください オウンドメディアの適切なKPIの設定方法は?具体例とともに紹介
定期的に効果測定をおこなう
SEO記事は上位表示されているのか、企画記事はどれぐらいPVがあるのか、そこからリードや問い合わせを獲得できているかなど、日々の記事がKPIに近づいているのかを測定していく必要があります。
目標に近づいていないならば、どうしたら近づくのか、コンテンツの方向性は合っているのかなど見直しが必要です。
また、KPIは必ずしも同じものを追い続ければいいというわけではありません。全社の事業内容や方針に合わせて、KPIを見直すことも大切です。
有益なコンテンツを高頻度で発信する
オウンドメディアに人を集めるためには、そのメディアならではの有益なコンテンツを発信していく必要があります。
有益なコンテンツとは、ふだんの生活のなかでは得られない一次情報や、明日から自分ですぐに実践できそうなナレッジ、今までの考え方に新たな気づきがあるような情報などです。
特にSEO記事の場合、上位記事を真似たような記事を作成してしまう方は多くいらっしゃます。このような記事は、今後ますます評価されづらくなるはずです。
書籍などの文献をもとに作成する、有識者にヒアリングをして知見を得るなど、インターネット以外から得られる情報にも目を向け、自社のオウンドメディアならではのコンテンツを作成しましょう。
また、コンテンツの更新頻度も留意したいポイントです。いくら有益なコンテンツを発信しているWebメディアでも、半年に一度の更新であれば評価されにくいでしょう。コンテンツの質を保ちながらも、定期的にコンテンツを出していくことが大切です。
例えば成功事例として紹介しているオウンドメディアでは、少なくとも1日1本以上をコンスタントに公開しているところが多いです。
オウンドメディアの成功事例13選!BtoB、BtoCなど目的別に紹介
オウンドメディア制作にかかる費用相場
オウンドメディアの制作にかかる費用は以下の通りです。
- 制作会社への外注費用
- 立ち上げ後にかかる運用費
制作会社への外注費用
制作会社に依頼する場合、数十万〜数千万と、値段にはかなり幅があります。
まずは低コストで試しに運用してみたいのであれば、テンプレートを使ったデザインや最低限の機能が備わったものであれば、数十万円〜で外注することができるでしょう。
ただしこの場合、自社側で戦略やデザイン・訴求方法といった上流工程に入り込んでいく必要がでてきます。
ブランディングなども本格的にやってほしい、戦略からサポートしてもらいオウンドメディアを制作したいのであれば、数百万〜の費用を見積もっておきましょう。
制作会社を選ぶときは、自社の目的を達成するためにはどんなデザインが必要なのか、どんな設計が必要なのか、きちんと吟味した上で制作会社を選んでください。
デザインに強い制作会社に依頼すると費用が高くなりますが、メディアサイトのコンセプトから一緒にワークショップを開いて考えてくれたり、Webマーケティングの知見を活かした設計を構築してくれるなど、その価値は十分に感じられるはずです。
クリエイターが選ぶデザインに強いWeb制作会社12選
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立ち上げ後にかかる運用費
オウンドメディアの運用には、人件費以外にも以下の費用がかかります。
サーバーやドメイン代
オウンドメディアを始めとするWebサイトを運用していくには、サーバーとドメインの利用料が発生します。
それぞれの費用相場は以下を参考にしてください。
- サーバー代:年間数万円〜10万円程度。サーバーの容量やサポート内容によって料金差がでる。
- ドメイン代::年間数百円〜数千円程度。トップドメイン*により料金差が出る。
*ドメイン名のドットで区切られた右部分のことです。「.jp」「.com」など。
記事制作の外注費
オウンドメディア運用の肝となる記事制作ですが、よいコンテンツを作るには多くの手間を要するため、ライティングを記事制作代行会社に外注する企業も多くいます。
外注する場合、費用は文字単価で決定することが多く、単価相場は2~3円/1文字程度です。医療分野や法律系など専門性が高い場合は、5円〜/1文字など高くなる傾向があります。
- 例えば
- 文字単価3円のライターに記事を依頼し、納品記事が3,000字だった場合、記事費用は3,000文字×3円=9,000円+税になります。
分析ツールなどの費用
オウンドメディアの運用には、記事制作や効果測定のための分析ツールが必要です。Google Analyticsや Search Consoleといった無料で使えるツール以外にも、最低限以下のツールを用意しておきましょう。
ツール種類 | 特徴 | 費用相場 |
---|---|---|
順位取得ツール | 登録したキーワードの順位変動を計測してくれるツール | 数百円〜数千円/月 |
キーワード分析ツール | 関連キーワードや月間検索ボリューム数を調査できるツール | 無料〜数千円/月 |
競合分析ツール | 競合の流入キーワードや被リンク状況などを調査できるツール | 約1万円/月 |
ヒートマップツール(※流入が増えてきたら) | 記事を見たユーザーがどんな動きをしているのか可視化・分析できるツール | 無料〜数万円/月* |
*PV数や取得ページ数によって差がでる
なお、上記ツールはバラバラで契約するのもいいですが、これらを全て含んだSEOツールを契約する方法もあります。
ツールがばらけると管理が手間になるので、可能であれば一括での契約を検討してみてください。
オウンドメディアのSEO対策にかかる運用コストを徹底解説!
オウンドメディアをつくり始める前の注意点
今や多くの企業がオウンドメディアを運用していることから、「すぐにでもオウンドメディアを始めたい」とお考えの方もいるかもしれません。
オウンドメディアは一過性のある広告と異なり、運用が軌道に乗れば費用をかけずに集客が可能です。
また、ユーザーとの長期的な関係構築ができるなど多くのメリットがあります。
しかし一方で、いくつか考慮すべき点があり、その答えによってはオウンドメディアがマーケティング施策の最適解ではないことも。オウンドメディアの立ち上げに失敗しないためにも、まずは以下を改めてご確認ください。
オウンドメディアは「企業課題を解決する手段」
これだけオウンドメディアが主流になった現在でも、「たくさん集客ができそう」「売上につながりそう」などの曖昧な理由からオウンドメディアを作った結果、成果がでずに困っているという企業様は本当に多くいらっしゃいます。
運用目的が曖昧なまま初めてしまうと、発信すべきコンテンツが定まらない・オウンドメディア内での訴求に一貫性がなくなるといった事態に陥り、なかなか成果に繋がりにくい状態になってしまうのです。
そこでお伝えしているのが、オウンドメディアは企業課題を解決する手段であるということです。
運用自体が目的にならないように、まずはオウンドメディアでどんな企業課題を解決したいのかを明確にすることが大切です。
- 例えば
-
- 商品・サービスの認知を拡大させたい
- 売上を上げたい
- 採用ブランディングを成功させたい
- 管理職層の採用を成功させたい
継続的な運用には相当のリソースが必要
なかなか成果がでないとお困りの企業様でよくあるのが、担当者が他業務と兼務で運用をしていたり、成果がでるまでに時間がかかることを理解せずに初めた結果、徐々にモチベーションが下がって運用がおざなりになることです。
オウンドメディアで成果を出すにはしっかりとした戦略や計画が必要で、コンテンツを制作するにもそれ相応のリソース・時間が必要になります。(また、成果が本当にでるかわからないという状況で運用をしていくのは精神的にも堪える仕事であり、担当者へのフォローも必須です。)
残念ながら、これらを理解しないまま初めてしまうと、成果を出すことはかなり難しいでしょう。
サイト規模や分野にもよりますが、最低でも1名はフルコミットできるスタッフをおくことをおすすめします。
さいごに
オウンドメディアは今日やって明日効果が出るものではありませんが、従来の広告とは違い莫大な費用や知名度がなくても始めることができますし、ペルソナ(想定読者)に合った情報発信をし続けることで、着実に成果を得られるマーケティング手法です。
やるべきこと、考えるべきことが多いかもしれません。ですが新たなマーケティング施策をお考えでしたら、ぜひオウンドメディアも検討のひとつに入れてみてはいかがでしょうか!
LIGは自社メディア「LIGブログ」で培ってきた経験をもとに、企業様のオウンドメディア運用のお手伝いをすることができます。立ち上げからのご支援も可能ですので、オウンドメディア運用でお悩みの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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