オウンドメディア構築には数百万円の費用がかかるのが一般的ですが、公開後の運用コストも安くはありません。SEOで上位表示させるためには、継続的なコンテンツの作成や、サイトの維持費用、ツール代など様々な費用がかかります。
今回は、そんなオウンドメディアのSEO対策にかかる運用コストについて徹底解説します。何にどれくらい費用がかかるのか知りたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
オウンドメディアのSEO対策にかかる費用一覧と費用相場
オウンドメディアのSEO対策をしていく上で必要になる費用を一覧表としてまとめました。
費用など | 補足 | |
---|---|---|
人的コスト | 25〜30万円/月・人 | 最低でも一人、本格的に運用するなら2〜3人は専任の担当者が必要です。 |
コンテンツ制作費用 | 文字単価2〜3円程度 | 文字単価は、専門性の高い記事であればさらに高くなります。 |
コンテンツの監修費用 | 数万円/1記事 | 専門性の高いジャンルであれば、監修者を入れることも多くなっています。 |
オウンドメディアの維持費用 | 数千円〜10万円/月 | サーバー代やSSL化費用、ドメインの更新料、CMSの利用料金など、トータルで最低でも数千円〜10万円/月程度かかります。 |
ドメイン費用 | 数百円〜数万円/年 | ドメインの種類により費用が大きく変わります。 |
CMSの利用料金 | 無料〜20万円/月 | WordPressは無料ですが、有償のCMSは毎月利用料金がかかります。 |
ツール費用 | 数万円/月 | 順位取得ツール、競合分析のツールなど、無料で使えるGoogle アナリティクスやSearch Console以外にも必要なツールがあります。 |
SEOコンサル費用 | 20〜30万円/月 | SEO対策を本格的におこないたい場合に必要になるコストです。 |
それぞれ詳細を解説します。
人的コスト/25~30万
オウンドメディアを運用していく上では、ライターさんの管理や指示出し、企画の考案や日々の分析などをおこなえる専任の担当が必要です。
他業務との兼任で担当をおこうと考えている方もいるかもしれませんが、オウンドメディアの運用は思っているよりもやることが多く、ミニマムで運用していく場合でも最低一人以上の専任担当をおくことをおすすめします。
コンテンツ制作費用/文字単価2~3円程度
オウンドメディアのコンテンツにはたくさんの種類がありますが、SEO対策において王道なのは記事コンテンツです。
社内で記事コンテンツを制作できる人が入ればいいですが、リソースが足りないという企業さんもいらっしゃいますよね。このような場合、コンテンツは外注することになります。
外注する場合、ライターさんに直接依頼するか、SEO会社に依頼するかで費用が変わってきます。
費用 | メリット・デメリット | |
---|---|---|
ライターさんに直接依頼する場合 | 文字単価2〜3円。
(ライターさんの経験や知識による) |
費用は抑えられるが、自分でライターさんを探す必要がある。また、人によっては明確な指示が必要になる。 |
SEO会社に依頼する場合 | 記事単価数千円〜10万円。
(依頼する業界やジャンルによる) |
SEO対策を踏まえて記事を作成してくれ、また細かな指示出しがなく楽。費用はやや高くなる。 |
ライターさんに直接依頼するときは文字単価で費用が決まることが多く、安くても2〜3円程度が一般的です。単価はライターさんの経験や専門知識の有無で左右されます。
- 例えば……
- 文字単価3円で5,000文字の記事を20記事を依頼する場合、3円×5,000字×20本=30万の費用がかかります!
現在のSEO対策においては、コンテンツの専門性や権威性、信頼性が検索順位に大きく影響する*ため、費用を抑えることを優先せずに、オウンドメディアのジャンルに合わせて信頼できるライターさんに依頼するようにしましょう。
*参考:Googleのコアアップデートについてサイト所有者が知っておくべきこと
SEO会社に依頼をする場合は、記事単価で数千円〜10万円程度が一般的です。YMYLと呼ばれるような、生活やお金に関わるジャンル(法律・医療などの専門的な分野)であれば単価が高くなります。
記事コンテンツの監修費用/数万円〜10万円程度
専門家に監修をしてもらうことで、記事コンテンツの専門性や権威性、信頼性を担保する方法もあります。ジャンルや監修者が持っている資格などによって変わりますが、1記事あたり数万円〜10万円程度かかるのが一般的です。
オウンドメディアの維持費/数千円〜数万円程度
サイトを公開してから、それを維持するためにかかる費用には、ドメイン更新料、レンタルサーバー代、SSL化費用などがあります。費用の総額はドメインの種類やプランによって異なりますが、トータルすると月数千円〜数万円程度です。
- SSLとは
- SSL化とは通信を暗号化することでセキュリティーレベルを上げる仕組みのことをいいます。URLの左横に鍵マークがついているサイトは、SSL化が行われている証拠です。逆にSSL化が行われていないと、「保護されていない通信」という警告が出て、ユーザーに不信感を与える要因になります。SSL化は無料のものもありますが、個人情報を扱うような法人サイトの場合は企業型SSL化のほうが適している場合もあります。企業型SLLの場合、費用は年間5~8万円程度です。
ツール費用/数万円
オウンドメディアを運用していく上では、分析も必須です。Google アナリティクスやGoogle Search Consoleのような無料で使えるツールもありますが、SEO対策も並行してやっていく場合、次のようなツールが必要になります。
ツール種類 | 費用目安 | 例 |
---|---|---|
順位チェックツール | 数千円〜/月 | ・GRC
・Advanced WEB RANKING |
被リンク分析・競合分析ツール | 1~2万円/月 | ・ahrefs
・MOZ |
キーワード取得ツール | 数千円〜/月 | ・Uberseggest
・KeywordTool |
ヒートマップツール | 無料〜数万円/月 | ・UserHeat
・Mouseflow |
また、より高度なSEO対策をおこないたい場合は、上記のような機能も含むオールインワンのSEOツールを導入するのもおすすめです。キーワード設計のヒントや現在のコンテンツの改善点を教えてくれるようなツールもあり、より細かな分析をすることができます。
このようなオールインワンSEOツールの場合、初期費用に加え、月額料金10万円程度の費用がかかるのが一般的です。
SEOコンサル費用/〜50万円程度
SEO対策を何から始めればいいのかわからないという場合や人的リソースが足りない場合、SEOコンサルタントの方と並走して進めていくのも一つの方法です。SEOコンサル会社に依頼をする場合、どこからどこまでを依頼するかにより、費用が大きく変わってきます。
- ※SEO対策の大まかな流れ
- サイト設計→キーワード設計→コンテンツ作成→リライト
上記のうち、サイト設計などの上流工程からコンテンツ作成までの全体をみてもらう場合は30〜50万円/月程度かかると見込んでおきましょう。
結局いくらかかる?月額費用のシミュレーション
ここまで紹介した費用を踏まえ、月額でどれくらいのコストがかかるのかを計算してみました。なお、コストを算出した条件は以下の通りであり、オウンドメディアの立ち上げ間もない時期を想定しています。
- SEO担当者1名(月給25万円)
- 文字単価3円のライターさんに、月20本の記事コンテンツを直接依頼(合計30万円)
- SEOツールは以下のツールを利用
-afrefsのライトプラン(被リンク・競合分析ツール、12,500円/月)
-GRCのスタンダードプラン(順位取得ツール、990円/月)
-Uberseggestのパーソナルプラン(キーワード分析ツール:2,999円/月) - さくらのレンタルサーバープレミアムプランを利用(36ヶ月契約の一括支払いで月額換算900円)
- 無料のSSLを利用
- ドメインは更新料1,728円/年で算出(月額換算144円)
上記をすべて合計すると、56万7,533円でした。
ただし、これはかなりミニマムで運用していく場合であり、オウンドメディアの規模やジャンルによってはさらにコストがかかることになります。
オウンドメディア運用時の注意点
長期的な運用が前提
オウンドメディアは一朝一夕で効果がでるものではありません。ドメインパワー*にもよりますが、効果が感じられるまで早くとも半年、場合によっては1〜2年ほどかかる場合もあります。その間、もちろん継続的にコンテンツを更新する必要があり、それだけ予算や人的リソースが必要です。
また、なかなか効果が感じられない中で進めていくことになるため、運用をすすめるメンバーにとっても忍耐が必要な仕事になります。これらも踏まえ、長期的な視点で戦略を立てるようにしましょう。
- ドメインパワー*とは
- 検索エンジンからどれくらい信用されているかを定量データとして表したものです。主に被リンクの質や数がドメインの強さを評価する要素になります。とはいっても、Googleが明確にドメインパワーを開示しているわけではなく、各分析ツールが独自のロジックにより疑似的なドメインの強さを評価し表示しています。ドメイン取得したばかりの場合、ドメインパワーはほぼないため、被リンク対策なども並行して行い、ドメインを育てていく作業も必要です。
SEOの難易度は高くなっている
ひと昔前のSEO対策は上位記事の内容を真似るというのが一般的でした。Googleの精度も今ほど高くなく、このような作り方でも上位表示をすることができたのです。
しかし、Googleはその当時から様々なアルゴリズムのアップデートを繰り返し、今やこのようなテクニカルなSEO対策は通用しなくなっているのが現状です。
つい上位表示している記事を参考にしてしまうかもしれませんが、ユーザーにとってどんなコンテンツがよいのかを0から考え直してみるというのもSEO対策においては重要になるでしょう。
まとめ
オウンドメディアのSEO対策には、ここまで紹介してきたようにさまざまな運用コストがかかります。また、効果を感じるまで早くとも半年、長い場合は1〜2年かかることもあるため、長期的な運用を前提とし、予算を確保するようにしてください。
最後までご覧いただきありがとうございました!