
カスタマージャーニーとは?マップの作り方と活用法を紹介
マーケティングを担当している方にはおなじみのことかと思いますが、Webサイトを作るにも、コンテンツを作るにも、まずはターゲットを決めペルソナを設定しますよね。そしてそのペルソナの情報は、詳細であればあるほどWebサイトやコンテンツ制作に役立つものです。
しかしこのペルソナとはどんなものなのか、しっかりと理解していますか?きっと「いまいち作り方がよくわからない」という人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、マーケティングにおけるペルソナとはそもそも何なのか?といった基本的なことから、具体的な作り方までをわかりやすく解説します。
目次
ペルソナとはどんなものなのか、まずは定義を紹介します。
人格、位格を表すラテン語で、正確な発音はペルソーナ。元来、俳優が頭部にすっぽりかぶる仮面の意。転じて俳優が演ずる役割、役柄、登場人物をさし、さらに人物、個人、性格、人格を意味するに至る。(出典:コトバンク)
ペルソナとは、ユーザー中心設計やマーケティングにおいて、サイト、ブランド、製品を使用する典型的なユーザーを表すために作成された仮想的な人物像のことである。(出典:Wikipedia)
・・・定義を読んでみてもいまいちピンとこないですよね。上記の内容を簡単にいうと、ペルソナとは「これから作る商品やサービスを実際に利用する人たち」を仮の人物像として設定することです。もう少し噛み砕いていきます。
ペルソナと似た言葉として「ターゲット」というものがあります。ペルソナの定義を見た人の中には、ターゲットとはどう違うの?と疑問を抱いた人もいるのではないでしょうか。
ユーザー像を考えるという点ではどちらも同じですが、この2つは情報の細かさが異なります。ターゲットは実在している集団、ペルソナはその中にいる個人と考えると理解しやすいです。
ターゲット | ペルソナ |
---|---|
20代 男性 |
氏名:田中太郎 年齢:27歳 結婚:未婚 職業:Web制作会社で営業の仕事 住居:世田谷区在住、一人暮らし 趣味:キャンプ、ドライブ 週末はソロキャンプをする 普段はYoutubeやInstagramでキャンプに関する情報収集をしている |
冒頭でお伝えしたように、マーケティングをする上ではまずペルソナを作ります。しかし、ペルソナは絶対に作らなきゃいけないのでしょうか?ペルソナを作りターゲットを明確にすることにどんな意味があるのか、その重要性を見ていきましょう。
それぞれ詳しく解説していきます。
ペルソナを作る一番の意味・目的は、顧客視点での分析ができるようになることです。マーケティングをしていく上では、誰に対してサービスやWebサイトを作るのか?、その人はどんな悩みを(ニーズ)を抱えているのか?といった分析が何よりも重要になります。
しかし、これがとても難しいんです。
例えば、進めていく過程で自分たちの都合が良いようにユーザー像を描いてしまい、結果的にそのサービスを利用するユーザーのニーズに応えられていなかった、というのもよく聞く話です。これではマーケティングが上手くいったとは言えませんよね。
そこで役立つのがペルソナです。ペルソナ像を最初に設定しておけば、進めていく上で顧客のニーズを見失いそうになっても立ち返ることができ、軌道修正を行うことができます。また、顧客を深く理解できれば、潜在的なニーズ(インサイトともいいます)や感情を分析でき、抱えている課題を解決することにつながります。
コンバージョンとは、「商品の購入」や「サービスへの問い合わせ」といった、企業側のゴールのことです。ペルソナを設定することで、そのペルソナがどのように考え・行動してゴールまでたどり着くのかという道筋を設計しやすくなります。
道筋を設計できれば、ユーザーに対し効果的なコンテンツを作りやすくなるというわけです。
プロジェクト内では複数の人が関わるのが一般的。プロジェクトのメンバー内で、ターゲットとするユーザー層がある程度は決まっていたとしても、具体的なユーザーのイメージそれぞれ違うものを思い描いている場合があります。
この場合、せっかくコンテンツを作っても、反対意見など出てなかなか前に進みません。ペルソナを設定しておけば意見が食い違ったときに、「ペルソナの場合はどうするか?」を考えることができ、プロジェクトがスムーズに進みやすくなります。(それでも意見が食い違った場合は、ペルソナに直接聞けば解決できます)
ペルソナはビジネス上だとこのように生かすことができます。
ペルソナを作ることで、商品やサービスの方向性・搭載する機能・UI・デザインといった仕様決めることに役立ちます。漠然と考えるだけではでない答えも、ペルソナがあればスムーズに出すことができます。
自社サービスの認知拡大を目的として広告を打つときにペルソナを設定すれば、そのペルソナにはどんなデザインや言葉が刺さるのか?といった視点で制作を進めることができます。
採用したい人物像をペルソナ化することで、どんな媒体で採用をかけるべきなのか?面接ではどんな質問をすると良いのか?といった視点で採用を進めることができます。
ペルソナのプロファイルは詳細であればあるほどいいです。ただ、ペルソナを作る中でやってはいけないのは、自分の想像の中だけでペルソナを作り上げてしまうこと。
例えば、女性用化粧品のペルソナを作るのに男性の想像で女性のペルソナを作ってしまうとどうでしょうか。おそらく現実の女性とはかけ離れたペルソナができ上がるはずです。そうなると実際の女性により沿ったコンテンツを作ることはできません。前述したペルソナを作る目的も達成できないでしょう。
たまに想像の中で非常に精度の高いペルソナを作ることができる方もいるのですが、そういう人はかなり稀ですので、最初のうちはちゃんとヒアリングしてペルソナを作った方が無難です。
ペルソナの人格(性格)まで詳細に設定することも大切です。ペルソナ作りで重要なのは、どれだけリアルな人物像を作れるかということ。氏名や年齢、職種や家族構成などの情報から、性格面などの心理的な要素も詳細に設定することをおすすめします。
ちなみに心理的な部分は、時間の経過や時代の流れによって変化します。そのためプロジェクトが長くかかる場合は、ペルソナの心理状況に変化はないかなど定期的な見直しが必要です。
先ほど紹介したように、ペルソナ設定の目的にはユーザー像を統一することがあります。つまり、いくらペルソナを作成しても、関わる人たちがイメージできないペルソナであれば意味がありません。そのため、ペルソナを作るときは、誰でもイメージしやすい平均的な人物像を設定するのが基本。外見の写真を用いることも効果的です。
いよいよペルソナの作り方を見ていきましょう。
詳しく解説していきます。
先ほどお伝えしたように、ペルソナを作るときは実際にペルソナとなる人たちからヒアリングすることをおすすめします。ターゲットに該当する人たちから、詳細のデータを収集していきましょう。
必要なデータ項目を例として挙げているのでよければご活用ください。
なお、データを収集する方法は、主に以下の3パターンあります。
1対1形式でヒアリングを行います。あらかじめ何を聞くか、何を喋ってほしいかを考えおき、インタビューの内容を設計します。1人1人深く話すことができるので、思わぬ情報を聞ける場合もあります。
デメリットとしては、作るペルソナのセグメントが多ければ多いほど、インタビューに時間を取られてしまうことが挙げられます。
大人数でのオリエン形式です。1対1のインタビュー形式に比べ、時間効率は良い方法です。集める人達の時間調整が大変だったり、グループの中で意見を言い出しづらい人が混ざったりすると難しい点は注意。
いい流れを作ればどんどん意見がでてくるため、そういった流れを作るためのファシリテーターがかなり重要になります。
手軽に進めたいのであれば、アンケート形式も有効です。しかし、深い質問がしづらい点には注意が必要。質問項目の作り方が重要になります。
ターゲットからデータを収集した後は、分析・統計していきます。具体的には、収集したデータを、以下の2つの切り口で分けていきましょう。
・デモグラフィック:性別、年齢、居住地域、所得、職業、家族構成など人口統計学的な属性
・サイコグラフィック:人格・価値観・興味・ライフスタイルなどの心理学的な属性
統計したデータを元に、平均的なペルソナ像を作成します。テキストだけでなく、写真やイラストを用いることでよりイメージが湧きやすくなるのでおすすめです。
▼ペルソナシートの例
ペルソナ像が作れたら、そのペルソナがユーザー像とずれがないのか検証をしていきます。例えば、実際のユーザーと多く関わっているカスタマーサービスのスタッフ、営業スタッフなどに評価を依頼してみるのが良いでしょう。可能であれば、実際のユーザーにお願いするのも効果的です。
ここまでペルソナとはどんなものなのか?どうやって作るのか?について紹介してきました。何かを作るにはターゲットの詳細な情報が必要ですしそれを手に入れるのが難しくても、それに近しいペルソナを作ることが必要です。 カスタマージャーニーとは?マップの作り方と活用法を紹介
この記事の内容を参考に、ペルソナを作ってみてください。
なお、ペルソナを作った後はそのペルソナがコンバージョンするまでの道筋を設計します。(マーケティング用語では、カスタマージャーニーという言い方をします)
「ペルソナを作ってみたけど、その後どう生かすんだっけ?」という人は、こちらの記事も併せてご覧ください。