LIGブログにご訪問いただきありがとうございます。
近年オウンドメディアを活用して集客や問い合わせ獲得を目指す企業が多くなっており、弊社でも多くご相談をいただいています。
そのなかでもよくご相談いただくのが、「時間や費用をかけたものの成果が得られない」「そもそもどのようにマーケティングを進めるべきなのかわからない」といったお悩みです。
オウンドメディアの立ち上げや運用には多くのコストやリソースが必要であり、現在の方向性が正しくないのであれば早めに軌道修正をする必要があります。
そこでこの記事では、オウンドメディアマーケティングではどのようなことができるのか、どのような特性や役割があるのかを初心者の方にもわかりやすいようにまとめました。
オウンドメディアマーケティングを成功させたいという方のお役に立てれば幸いです。
オウンドメディアマーケティングをおこなう上では、戦略設計やそれに紐づいたコンテンツ制作が大切になります。
・SEO対策で自然流入が14倍。うち10位以内は0%→7%に
・認知拡大を目的とするオウンドメディアで、コンテンツ企画〜制作までを継続的に支援し、月間40万PVまで成長
など、15年近くオウンドメディアの運営・支援をおこない実績をだしてきた弊社が、オウンドメディア運用支援プランをご用意しました。オウンドメディアマーケティングにおける課題を明確にし、最短で成果を出すためのノウハウを提供します。ぜひ一度、資料をご覧ください。
目次
※編集部注:2022年12月に公開された記事を編集・更新しました。
そもそもオウンドメディアとは
そもそもオウンドメディア(Owned Media)とは、自社で所有している、情報を発信できる媒体の総称です。
「ペイドメディア」や「アーンドメディア」と合わせ、企業マーケティングの核となる3つのメディアとして定義されています。
- オウンドメディア(Owned Media)とは・・・自社で所有している、情報を発信できるメディア
- ペイドメディア(Paid Media)とは・・・テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webの広告など、企業がお金を払うことで利用できる他社の広告メディア
- アーンドメディア(Earned Media)とは・・・TwitterやFacebookといったSNSや、コミュニティ型ブログなど、第三者であるユーザーやインフルエンサーが情報発信者となるメディア
例えばノウハウを発信するような自社ブログや、採用目的で社員の情報を発信しているようなメディアがオウンドメディアに該当します。
※オウンドメディアとは何か理解を深めたい方は、こちらのオウンドメディアの事例や作り方について解説している記事をご覧ください。
オウンドメディアマーケティングの役割
オウンドメディアはその特徴から、マーケティングにおいて以下のような役割を持たせることができます。
- 問い合わせやリードの獲得
- ブランディング
- 採用強化
いずれの場合でも、事業課題の解決に紐づいた役割を持たせることが大前提です。
コンテンツマーケティングやデジタルマーケティングとはどう違うのか?
オウンドメディアマーケティングと似た意味を持つ用語に「コンテンツマーケティング」「デジタルマーケティング」があります。
コンテンツマーケティングとは、コンテンツを使ったマーケティング手法です。ここでいうコンテンツとは、今みなさんがご覧になっているような記事コンテンツの他にも動画やメールマガジン、SNSなど、さまざまあります。
一方オウンドメディアマーケティングとは、オウンドメディアという媒体を利用してコンテンツを届ける手法です。
どちらもコンテンツを届けるという点は同じですが、その中でオウンドメディアを活用するものはオウンドメディアマーケティング、ただ単にコンテンツを使ったマーケティング手法のことをコンテンツマーケティングという、と理解しておけば十分でしょう。
デジタルマーケティングは、デジタル化できる情報を活用したマーケティング手法のことで、コンテンツマーケティングやオウンドメディアマーケティングより、広義なものです。
例えば広告運用やメールマーケティング、モバイルアプリを活用したマーケティングなどもデジタルマーケティングに該当します。
オウンドメディアマーケティングでできること
BtoB領域への認知拡大や問い合わせ獲得につながっている事例(株式会社才流)
出典:メソッド|株式会社才流
才流は、コーポレートサイト下にノウハウやメソッドを発信する自社ブログを開設しています。
コンテンツの内容は、実践にもとづいたBtoBマーケティングの知識や、現場で使えるテンプレートやマニュアルなどが中心で、どれもクオリティが非常に高く業界内での信頼が厚いです。
このような情報を発信することで、専門性と信頼性の向上、競合他社との差別化につながります。
また、しばしばSNS上で話題になることも多く、認知拡大や新規顧客獲得にも通じている事例と言えるでしょう。
才流がオウンドメディア上で行っていることをまとめると以下の通りです。
- 才流のオウンドメディアマーケティングの実践内容例
-
- 潜在顧客を主なターゲットとしたノウハウ系コンテンツの発信
- CTAとしてホワイトペーパーダウンロードを設置し、潜在顧客のリード情報を得る
- オウンドメディア上でセミナー告知などの集客を行う
才流のようにターゲット層に向けてナレッジなどのコンテンツを発信することで、まだ自社サービスを知らない潜在顧客との初回接触の機会を生み出すことができます。
また継続的に情報を発信することで「その分野で詳しい会社」と認知され、比較検討のフェーズで第一想起してもらうことにもつながります。
ブランディングや認知拡大につながっている事例(サイボウズ株式会社)
企業理念である「チームワークあふれる社会を創る」に紐付き、組織作りや生産性、チームワーク向上につながるような情報を発信しています。
サイボウズ式の特徴は、「自社製品のPRをしない」ということ。これをブログ運営開始の2012年から継続しており、まずはサイボウズのファンになってもらうことに重きをおいたコミュニケーションをとってきました。
コンテンツ内容は、ノウハウというよりも「思い」が中心にあるコンテンツが多く、そこに共感した人が集まるようなオウンドメディアに成長したのだと思います。
結果として、「チームワークといえばサイボウズ」というような認知向上に大きく貢献した事例といえます。
- サイボウズのオウンドメディアマーケティングの実践内容例
-
- 「新しい価値を生み出す、チームのためのコラボレーションとIT情報サイト」という方針に沿ったコンテンツを発信
- 自社製品のPRはしない、サイボウズを好きになってもらうことに重きをおいたコミュニケーションを徹底
ブランディングとは、「ブランド」を形作るためにおこなわれる活動のことを指す言葉です。簡単にいうと、「○○といえばこの会社」「このキャラクターといえばあのサービス」といったようなイメージをユーザーに浸透させることをいいます。オウンドメディアを活用してこのような想起を浸透させるには、競合他社との差別化や心に残るようなコンテンツを発信していく必要があります。
サイボウズはその成功事例として、とても参考になる事例といえるでしょう。
採用強化につながっている事例(株式会社メルカリ)
フリマアプリを運営する株式会社メルカリのオウンドメディア「メルカン」では、「メルカリの人を伝える」をコンセプトに、社内の情報や働き方について発信しています。
このようなコンテンツを発信することで企業文化の透明性が高まり、そこに共感した人材の集客や、求職者の企業理解の向上につながります。
例えば一般的な求人媒体の場合、条件面ではマッチした人材でも企業文化とあわないことが珍しくありません。
オウンドメディアで自社のカルチャーを理解してもらえるようなコンテンツを発信したり、社員が自らコンテンツを発信すれば、企業理解度が高まり、結果として自社にマッチした人材の採用につながるでしょう。
積極的に情報発信していることで親近感や信頼感も増し、求職者にとっても好印象に映るはずです。
関連記事:オウンドメディアの成功事例13選
オウンドメディアをマーケティングに活用するメリット
マーケティングにはデジタルマーケティングやコンテンツマーケティングなどさまざまな手法がありますが、それらと比較したときにオウンドメディアにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
発信内容を自社で自由に決めることができる
まず第一にいえるのは、オウンドメディアは発信できる情報の自由度が高いということです。
たとえば他社メディアに自社の情報を掲載する場合、記事を制作するのは掲載先の企業ですし、表現方法やトンマナなどもその企業に委ねられます。また、SNSでは文字数やフォーマットに制限があり、こちらも発信できる内容が限られます。
オウンドメディアであれば発信できる情報、公開のタイミングも全て自由です。自社で発信内容をコントロールできることは、オウンドメディアを活用したマーケティングならではのメリットだと言えるでしょう。
細かな顧客データを蓄積・分析できる
オウンドメディアは、広告やSNSなどと違い細かなデータを取得・分析することができます。
例えば、各ページに訪れたユーザー属性や、問い合わせをしたユーザーがどのページを閲覧したのか、どこをクリックしたのかなど…取得できるデータは膨大です。
蓄積したデータを分析すれば、顧客の興味関心、購買行動、課題などを理解でき、効果測定もしやすくなります。データを分析した結果を元に、より効果的なマーケティング施策の策定もできるでしょう。
広告費の削減につながる
Web広告の出稿には、それ相応のコストがかかります。一概には言えないものの、集客効果を感じるにはまとまった金額が必要になる、という認識で間違いありません。
オウンドメディアを適切に運用すれば、検索エンジンやSNSから集客が可能です。これらのチャネルからの集客が軌道に乗れば、広告費をかけずにユーザーに情報を届けられるようになります。
また、Web広告を出稿するのに費用がかかるだけでなく、出稿を停止すれば集客効果は下がります。検索エンジンで上位表示できれば継続的に流入が見込めるので、これもオウンドメディアのメリットいえるでしょう。(もちろん定期的なメンテナンスは必要です。)
顧客とのつながりが強くなる
オウンドメディアはコンテンツの自由度が高いため、さまざまな状態のユーザーと接点をもつことができます。
- 例えば
-
- まだ自社製品のことを知らない潜在顧客
- 自社製品のことは認知しているが問い合わせに至っていない顧客
- 一度製品を購入したことがある顧客
このようなフェーズにわけてコンテンツを発信すれば自社の情報に継続的に触れてもらうことができ、サービスの継続的な利用も見込むことができます。また、接触回数が増えれば企業に対する信頼感も高まります。
オウンドメディアマーケティングの実践方法
目的やコンセプトを明確にする
オウンドメディアを運用していくには、まず運用目的やコンセプトを明確にする必要があります。
たとえばLIGの場合は、「DXやシステム開発の企業である」「デザインに強みを持つ」というブランディングやお問い合わせ獲得を目的としています。
関連記事:オウンドメディアのコンセプト設計方法
戦略的にサイトを構築する
目的やコンセプトに合わせた、戦略的なオウンドメディアづくりも必須です。
たとえば極端な話ですが、「デザインに強みを持っている」というブランディングを行いたいのに、オウンドメディア自体のデザインがイマイチだったり、操作性が悪かったりしたら、ブランディングを成功させることはまず難しいでしょう。
オウンドメディアのデザインや見せ方、サイト構造にいたるまで、目的を達成するためにはどんなオウンドメディアにすべきかを考え構築をしていきます。
KGI・KPIを設定する
「KGI」はKey Goal Indicaterの略であり、プロジェクトの最終ゴールのことで、「KPI」とはKey Performance Indicatorの略であり、KGIを達成するためにチェックする中間数値指標のことです。
具体的な数値を目標に掲げることで、自ずと出すべきコンテンツも決まってきます。
また、会社全体の事業や方向性によって、メディアも変化していく必要があります。事業計画とともに見直し、適切なKPI・KGIを設計しましょう。
質の高いコンテンツを定期的に発信する
オウンドメディアに集客するには、質の良いコンテンツをコンスタントに公開していく必要があります。
ユーザーにとって有益で記憶に残るコンテンツの例は下記のとおりです。
- 実用的である:自身の業務に取り入れやすいコンテンツ
- 新発見がある:一般的だと思っていたことが覆るようなコンテンツ
なお、よく「どのくらいの頻度で記事を公開していくべきか」という質問もありますが、極端な話、毎日数本薄い記事を配信しているメディアにも、すごく濃い記事を1年に1回配信しているメディアにも、コンスタントには人は集まってこないでしょう。
質を落とさない範囲で、できるだけ高頻度でコンテンツを更新し、量と質のバランスを保つことが大切です。
関連記事:オウンドメディアの記事の作り方について
マーケティングに取り組む上での注意点
オウンドメディアマーケティイングに取り組む上で注意しておきたいポイントをまとめました。
成果が出るまでに時間がかかる
オウンドメディアは、開設してすぐに集客ができるというものではありません。SNS流入が見込めるようになるまでにも、SEOで上位表示され検索流入が見込めるようになるまでにも時間がかかります。
成果が出るまでに少なくとも半年〜1年はかかるので、数年単位で運用を計画しましょう。
長期的な運用体制を作るのが難しい
成果が出るまでに時間を要するので、運用体制も長期的に整えることが大切です。編集長、編集者、デザイナー、必要に応じてカメラマンやSEO担当者のポジションを設ける必要があり、採用するにも外注するにもコストがかかります。
また、社員の離職や業務委託契約の終了が発生した場合には、新たな人材やパートナーを探す必要があるなど、長期的な運用体制を築くまでには一定のハードルがあります。
コンテンツ企画にも労力がかかる
オウンドメディアでコンテンツを作っていく場合、主にSEOからの流入を狙ったもの、SNSからの流入を狙ったものの2パターンがあるかと思います。
SEOからの流入の場合は、比較的作成するコンテンツを選定しやすいですが、SNSからの流入を狙ったコンテンツは企画力が試されます。
世の中に出ていないオリジナリティのあるコンテンツを作り上げるには、市場動向やユーザーニーズを捉える力に加え、発想力が求められます。
インプットの量にも比例するので、結構な労力がかかります。このことからも、前述したようなコミットできる人材が必要です。
オウンドメディアの運用にかかるコストについて
オウンドメディアを使ってしっかりとマーケティング運用しようと思うと、実はさまざまなコストがかかります。
例として、専任の担当者の人的コスト、コンテンツ制作費用、コンテンツの監修費用、オウンドメディアの維持費用、ドメイン費用、CMSの利用料金、ツール費用、SEOコンサル費用などがかかります。
具体的な費用を算出してみると以下のとおり。オウンドメディア立ち上げ間もない時期で、専任の担当者は1人、月に20本コンテンツを発信していくことを想定しています。
- 専任担当者1名(月給25万円)
- 文字単価3円のライターさんに、月20本の記事コンテンツを直接依頼(合計30万円)
- さくらのレンタルサーバープレミアムプランを利用(36ヶ月契約の一括支払いで月額換算900円)
- 無料のSSLを利用
- ドメインは更新料1,728円/年で算出(月額換算144円)
上記をすべて合計すると、約55万円になりました。
専任のSEO担当者やSEOコンサルに入ってもらうとなると、また金額は変わってきます。
さいごに
LIGは自社メディア「LIGブログ」で培ってきた経験をもとに、お客様のオウンドメディア運用のお手伝いをしています。オウンドメディア立ち上げにも伴走いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
LIGのオウンドメディアコンサルティングサービスの強みについては、以下で詳しくご覧いただけます。
戦略設計・メディアグロース・運用代行まで。LIGのメディアコンサルティングの強み