同じような見た目ばかりだと、誰からも愛されない―アクセンチュア インタラクティブ 柳太漢|CREATIVE X INTERVIEW #5

同じような見た目ばかりだと、誰からも愛されない―アクセンチュア インタラクティブ 柳太漢|CREATIVE X INTERVIEW #5

須田 允(まこと)

須田 允(まこと)

こんにちは、まことです。僕が「CREATIVE X」を通じて出会ったさまざまなクリエイティブ業界の方々にお話を聞いて、クリエイターのキャリアパスやこれからのクリエイティブの形を伝えていく本連載。

前回のCREATIVE X INTERVIEWに引き続きアクセンチュア インタラクティブにお伺いしています。5回目となる今回、デザイナーの柳太漢さんにお話を聞いてきました。

柳太漢
アクセンチュア株式会社 デジタルコンサルティング本部 マネジャー
アクセンチュア インタラクティブ

これまでクリエイティブ・エージェンシーにて、オンライン・オフラインなど、カテゴリーに左右されないアートディレクターとして幅広く仕事に従事。アクセンチュア インタラクティブではブランド・エクスペリエンス・デザインチームに所属し、ビジュアルブランディングを中心に仕事に携わる。企業の持つ個性を浮かび上がらせることを得意とし、ユニークな視点と発想によるビジュアル開発とクリエイティブコンサルティングは、多方面より評価を得ている。

イメージを作り、浸透させる役割

同じような見た目ばかりだと、誰からも愛されない―アクセンチュア インタラクティブ 柳太漢|CREATIVE X INTERVIEW #5

まこと:こんにちは、須田允(すだ まこと)といいます。前にアクセンチュアにいたことがあって、Web系の200メディアぐらい運営していたベンチャーから、2012年の7月に第二新卒で入社したんです。

アクセンチュアでは本当にたくさんのことをやらさせてもらって、恵まれていて。そうこうしているあいだにLIGという会社に出会ったんですね。最初はインタビュー記事からスタートしたんですよ。そしたらいつのまにか、「いつ来てくれるんですか」って言われるようになり、そこからLIGに入社したのが3年前でした。

アクセンチュアについては元社員ですが今も好きな会社ですし、思い入れもあります。そこに加えて、いまこういったデザイン文脈でお話できることにもワクワクしています。前回インタビューした清水さんとともに、第一線で活躍される柳さんに、今日は深くお話を聞いていこうかと思っています。まずは、アクセンチュアでいま何をされてるかお伺いしていいですか。

柳:僕はいま、アクセンチュア インタラクティブという部署の中にある、ブランド・エクスペリエンス・デザインというチームに所属しています。現代におけるブランドってなんだろう、をお客さんとつくっていくチームです。

僕は、クリエイティブ寄りの人間でして、皆さんが想像するようなビジュアルブランディングの分野を専門としています。主にビジュアル面からブランドを構築する一方で、通常のコンサルティング業務も行います。

まこと:アウトプットとして出てくるものって、たとえばこのオフィスの設計みたいな、コンテみたいなものを考えているんですか?

柳:オフィスで例えると、まず考え方から作ることから始めます。このオフィスがどんなコンセプトであるかを文にしたり、「どんなイメージなんだろう?」ってイメージボードを作ったりして、みんなに眼に見えるカタチで浸透させていく役割ですね。僕が全部の具体的なデザインを作ったり、設計するわけではないです。

ふだんの業務における僕の役割は、クリエイティブ面からのコンセプト設計から、開発まで、一気通貫して仕事に携わっています。ロゴやビジュアルのシステム開発とか、一般的なアートディレクター仕事はぜんぶやります。だから、一言でアートディレクターというとわかりやすいと思います。

仕事も家も曖昧になる場所

まこと:たとえばここのオフィスのコンセプトはなんですか? もともとどういう課題があったんでしょうか。

柳:僕が会社に入ってから一番はじめのプロジェクトだったんです。すでにプロジェクトは進んでおり、コンセプト自体は「町屋」で決まっていました。麻布十番は、歴史的に“商人の町”として栄えてきました。日本の商人は「町=TOWN=BUSINESS」と「屋=HOUSE=LIVING」の融合した場所として、「町屋」というコンセプトをルーツとして築きあげてきました。われわれも、お客様やパートナーに来ていただいて、同じひとつのチームとして、内外混成で共創したいというビジネス上のねらいがありました。そこに、このコンセプトがとても合っていたんですね。

 

柳:「町屋」というコンセプトは、店の空間である「みせ」と、接客空間である「おもて」、日常生活空間である「おく」で構成されている建物の設計思想です。それにもとづき、このスタジオも、計算しつくされた空間になっています。リビングルームにも仕事場にもすぐ行けて。そういう働き場所と家をひとつにしようという意図です。そのコンセプトを詳細化し、そこからどのようにクリエイティブに落としていくかを、僕が入って言語化していった形です。

 

柳:ここの部屋は「Q」という部屋なんですけど、“休”むようにくつろぎながら使って欲しいという思いが込められています。Q=休です。ぐだぐだしながらも、みんなで楽しめるような打ち合わせをできる部屋にしたいという思いです。

そういった一部屋一部屋のコンセプトだとか方向性だとかを、「町屋」というところから導き出して、言語化・視覚化して、作り上げていきました。

 
同じような見た目ばかりだと、誰からも愛されない―アクセンチュア インタラクティブ 柳太漢|CREATIVE X INTERVIEW #5

まこと:そこのカフェも、コンセプトがあるんですか?

柳:「PAUSE」って書いてあるじゃないですか。英語だとかなり強い言葉ですよね、「止まれ」とか「やめろ」みたいな言葉なんですけども。日本人って働きすぎると思っているんです。だからこのカフェで、仕事とプライベートの合間としてまず休みなさいよっていう意味を込めて、「PAUSE CAFE」って名前にしています。あそこのライト、出っ張ってる照明はPAUSE、一時停止のマークなんですよ。

エントランス付近も含めて、全体としては、お客様も介在して、仕事も家も曖昧になる場所を目指しました。

まこと:そんな発想をされる方がアクセンチュアに入っていると思わなかったです。

柳:ありがとうございます。うれしいことに、このオフィスにお客様を連れてきて紹介してる社員がたくさんいるんです。それを見ると、世の中を動かす最新のイノベーションを作る会社って、きっちりネクタイを締めて仕事に向かい合ってるだけじゃだめだよねって話になっていく。そんなんじゃアイデアも生まれてこないよね、という会話ができるらしいんですよ。こういう流れから仕事にもつながっていくのではないかと思います。

アクセンチュアって昔から、自分でも試してみてからお客様に提供する文化があるんです。まさにそれをいま、実行していますよね。

最良から最愛に

同じような見た目ばかりだと、誰からも愛されない―アクセンチュア インタラクティブ 柳太漢|CREATIVE X INTERVIEW #5

まこと:アクセンチュアが企業のデザイン領域に関わるだなんて思ってもなかったです。特にロゴをつくっているイメージがなくて(笑)。

柳:僕が入ってからそのデザイン領域の仕事がさらに拡大したんだと思います。いままでは、なにかサービスを作るときに、UIのデザインだけだった場合が多かったかもしれないですが、いまは空間や会社自体のブランディングに繋がっていっています。

新規サービスが立ち上がるときに、「サービス性だけだとだめですよ」という話をチームリーダーの清水がお客様にしたんですね。「“ブランド”というものが大事です」と。

僕らがよく使う言葉で「最良から最愛に」という言葉があります。“ブランド”とはつまり人に愛されるための理由。お客様に選んでもらうためには、愛してもらえるようなサービスや会社になる必要があるという意味です。

そのためには、ただただ使いやすいものとか、楽なものばっかり生み出してるばかりじゃなくて、企業が持つ世の中に対しての思想や姿勢が見えてくるとか、色や佇まいが素敵だなぁという、人間で言う性格とか雰囲気とか言葉で表せないことを作らなきゃいけないですよ、と話しています。

あるお客様から、「ビジュアルブランディングもできるんですか?」、と言われたときに、清水が僕をチラ見してから「できます」って言ったんです(笑)。言語化も、可視化もやりますよってお伝えしたんですね。

その後、サービスを一言で表すコンセプトやプロジェクトのインナーメンバーをまとめ上げるスローガン、サービスを体現するようなビジュアルを開発していきました。アクセンチュアの同僚たちからすると、僕らがふだんから行っているデザインのプロセスは新鮮に見えたのだと思います。「サンプル作ってみたんですが、こんな感じでいいですか? これはこういう意図で……」みたいなふだんどおりのことをしていたら、とても感謝されてなんだか恥ずかしくなりました(笑)。

まこと:昔とぜんぜんやってること違いますもんね。

柳:僕らは絵がちょっと描けて、そのセンスが万人に受けられるようなものだからデザイナーって名乗ってるだけですって話をしたりしました。得意なことがそれぞれ違うだけなんですよね。

期待値以上にデザインする

同じような見た目ばかりだと、誰からも愛されない―アクセンチュア インタラクティブ 柳太漢|CREATIVE X INTERVIEW #5

まこと:アクセンチュア インタラクティブに入ったのはいつでしたっけ?

柳:今から2年前です。入ってすぐはこのスタジオのプロジェクトもあったので、アートディレクターとして仕事をすることができました。ただ、最初は、サービス開発のワークショップなども多くやっていました。そんなにすぐに、自分のビジュアルデザインという特長を活かせる仕事がなかなか見つからなかったのが正直なところです。

だから、最初の時期は提案書とか企画書をひたすらデザインしたんです。僕の力をわかってほしかったんですよ。普通に「まとめて」って言われてただけなんですけども、無駄にデザインして出して。成果物が期待値以上になりすぎて、受け取った人はなにが起こってるのかわからなくなるぐらいには(笑)。

それが実際に社内に自分のプレゼンスとして蓄積されていくんですよね。「なんか美しい資料作れるやつがいるぞ」って話になって。そのあと、資料作りをよく頼まれるようになったんですが、そういうことじゃないぞと(笑)。

まこと:その資料ってどんなツールで作ってたんですか?

柳:IllustratorとPhotoshopとKeynoteですよね。パワーポイントは使わずにいました。あと、それまでは、なかなか僕のような人材って少なかったんですよね。こんなラフな格好でお客様に最初お会いした際は、新しい人種と捉えられていたように思います。

まこと:僕も外に出て、LIGって会社に入ってみて、これが世の中的には普通なんだ、と自分の中の基準を改めて見直すことも多かったですね。ラフなスタイルする人とかパッと見でゆるいけどプロフェッショナルな人たちがいるってことを知らなかったんです。

ぜんぜん違うバリューもあるし、それで動いてる人たちも多い。

逆にいまLIGで僕みたいなコンサル出身みたいな人はいないんですけどね。ロジカルに物事を積み上げていくタイプは、役員だと副社長の大山ぐらいじゃないかな。

他の役員では、創業者のふたり、代表取締役の吉原ゴウとかCTOの高遠和也(づや)は、小学校からの幼馴染でもあって。精神性に重きを置くというか、人間の魅力がすごくある。やりたいことをぜんぶとりあえずやる。新しいカルチャーがたくさん生まれてく。その部分をビジネスサイドから支える役割をやってます。

アクセンチュアもだいぶ新しい人たちが入ってきて、新しいカルチャーが入ってきてどんどん変わっていってますよね。

柳:この会社は本当にすごいと思います。これだけ人数がいるのに、変化を厭わないんです。会社全体の方針として、新しいものをちゃんと受け入れていくんですよね。芽があれば「そこへ行くぞ!」って強力に旗振りするじゃないですか。それって普通の企業じゃできない。そこが、アクセンチュア インタラクティブに入って、いちばん感動したとこですね。

まこと:出過ぎた杭は拾われる、というのはありますよね。「出過ぎろ」っていわれるんです。そしたら本当に拾われる。だから僕はアクセンチュアが好きだなって思います。

前職での9年間

同じような見た目ばかりだと、誰からも愛されない―アクセンチュア インタラクティブ 柳太漢|CREATIVE X INTERVIEW #5

まこと:またちょっとキャリアの話に戻るんですが、いままで柳さんはどんなお仕事をされていたんですか?

柳:大学のときにHTMLのコーダーをやってて、そのうちになんかデザインって概念があるらしいぞ、と気づいたんですね。そこから卒業して、最初に入ったのは、ちっちゃい代々木にあるグラフィックデザインの会社でした。絵本を作ったり……Webデザインをはじめたのもその頃です。

そのあと、クリエイティブ系のエージェンシーに9年間勤めました。デジタルのデザインとFLASHのコーディングなど、Webにまつわるところをすべてやっていました。

けっこう喋るタイプだったっていうこともあり、グループ本体の代理店の営業さんが気に入ってくれて、直接僕に声かけてくれてお客様に一緒に提案する、みたいなこともやってましたね。

評価してくれる人がすごく多くて、恵まれていました。そのときに得たデジタルのアートディレクターという役割が、いまの仕事の根幹を作っています。

まこと:前職での9年間を分割するとしたら、どういう感じですか?

柳:3年ずつに区切ると、最初の3年はとにかく「広告」というものがまずわからなかったんですよ。入って最初の3年間は「広告ってなんだろう」とか「人に見せるデザインってなんだろう」ってことを学んだ時期でしたね。

それまでは最初の会社の影響もあって、自分がかっこいいとか素敵なものだけを作るとかそういう勉強ばかりしてたんですが、人に受けるデザインってどういうものなのかとか、何のために僕らのデザインって存在するんだろうって考えていました。次の3年ぐらいは、いわゆるアワード、賞をいただくようになりましたね。そうすると認められるじゃないですか。

人に従わなくていいというか、自分の考えでプロジェクトを進めていい、自分の考えが人に認められるようなポジションになってきたって自覚し始めてました。我を出していく時期でしたね。自分の感性がどこまでお客様やユーザーに受け入れられるか、ひたすらやっていました。

最後の3年は……悩んでいました。そんなに大成功したわけでもなく、世の中の人が知る著名なクリエイターでもない。一方で、ある程度自分も会社で認められて、役員に可愛がられていて、右にいけと言えば、右にいってくれる人たちもたくさんいて居心地がよくて。17時に出勤して19時に帰ったりしていました。

まこと:それ、何も言われないんですか? (笑)

柳:一応ちゃんと仕事はしてたんですよ(笑)。とはいえ、外部メディアにインタビューしていただいたり、いろんなイベントに出させていただいているうちに、「俺は一体何を作っていて、何を評価されているんだろう?」って麻痺してきちゃったんです。デザインとかクリエイティブの業界をもうやめようかなと思っていました。

なんか道が見えなくなっちゃったんです。周りにはすごいクリエイターの人たちがいらっしゃるんですけど、たぶん、いまの自分がいる場所の延長線上にいると思ったんです。すごく時間がかかるし、努力しないとたどり着けないとは思うんですけど……死ぬほど頑張ればたぶんいけるだろうって悟っちゃって。その瞬間にチャレンジ性がなくなってしまって、楽な仕事の仕方になっちゃってる。もうやめようって決意しました。

まこと:次はどこに行こうって思いましたか?

柳:ゲームの会社に最初行こうと思ったんですよ。ゲームを作りたかったんです。作ったこともないのに、ワクワクして一人でどの企業に行こうって考えてました。

そんなときに、同い年の友人が「辞めるの? うちきたら」って言ってくれて。とはいえ、最初は「彼のいる『アクセンチュア インタラクティブ』ってなんだろうな?」って思ってたぐらいなんです(笑)。ただの不勉強なんですけども。

アクセンチュア インタラクティブに入った理由

まこと:でもそこに入ることになった。なぜですか?

柳:よくよく考えると、前職の最後の3年間って考えてたことがひとつあって。「なんで単発的にクリエイティブって捨てられるんだろう」ということなんですが。

たとえば広告キャンペーンって、いろんなCMを打つじゃないですか。CMを打ってバーっと盛り上がるけど、すぐ終わる。一発一発で終わっちゃう事象が多すぎるなって思っていました。逆に言うと、アップルとかGoogleは、思想もクリエイティブも首尾一貫してやっていて、企業にしっかりと蓄積されていっている。そういうものに惹かれていたんですね。使い捨てられるものって作りたくないなって思いもありました。

「クリエイティブの力はもっと高次元で使えるものなのでは?」と、悶々している時期でもあったんですよね。

まこと:やれることの領域をさらに解放してくれたってのがアクセンチュア インタラクティブっていう感じですよね。

柳:ですね。この会社だったら際限ないと思いました。「お客様に価値を感じてもらえて、お客様を大きくして世の中を良くする、っていう仕事の流れがある。そこで、君のやりたいこともできるし、どんどん試せるんじゃない? やり方はいくらでもあるよ」と誘われた友人から言われて。「なんだそれ、そんなことができる会社があるのか!」って思って、面接を受けましたね。

まこと:実際にアクセンチュア インタラクティブに入ってからの話を伺いたいんですが、前の会社と今、仕事のやり方で変わった部分ってありましたか?

柳:変わりましたね。そこは一番苦労しました。しっかりした稼働管理だとか、メールが英語だとか、根本的な仕組みに馴染むのにまずつまづいて(笑)。プロジェクトを進める上では、多様な業界の人たちが集まってきているので、言語がぜんぜん違うんですよね。

「ポートフォリオ」っていう言葉はデザインだと自分の実績を集めたものですが、会社のポートフォリオだとまったく違う意味合いですよね。「提案書」も、デザイン畑の人たちからするとただの企画書なんです。一方コンサルタントが言う提案書って、がっちりリサーチして試算とかもぜんぶつけて……契約するかどうかの資料になるんです。そういった言語をどう合わせるかがとても難しかったですね。レベル感が違いました。そこはみんな苦労するポイントでもあります。

まこと:会社を超えてプロジェクトやる場合はなおさらですよね。

柳:間違いないです。

まこと:アクセンチュアの中でのコミュニケーションの仕方ってここ数年で変わってきましたか?

柳:かなり変わってきたと思います。ひとりひとりの意見、それこそLGBTQの観点も踏まえて意見を取り入れてるし、そこも会社としてすごいと思います。

まこと:ダイバーシティってずっと言ってきてますもんね。

柳:LGBTQの人も普通にいるし、主婦でも活躍しています。みんなポジティブに働いている印象です。

同じような見た目では愛されない

まこと:アクセンチュア インタラクティブに入って、業務領域が広がってきたお話を聞いてきましたが、今後はどういった仕事をしていきたいですか?

柳:僕がやりたいのは企業に人格を作っていくことなんです。明確に各企業の世の中に対する、顧客に対するスタンスを作っていきたい。

日本という国は、感性にもっと頼ってもいいんじゃないかなと思っています。昔の人達は「わびさび」があったけれど、日本はいま、簡単さとか便利さとかで尖っている国になってきた。でもそれってコモディティ化していってしまうんですよね。

同じような見た目ばかりだと、誰からも愛されない。でも企業はそうなっちゃってるんじゃないかと思うんですよね。個性を与えるための支援をしていきたいんです。「最良のものじゃなくて最愛のもの」になるようにしていきたいですね。

まこと:いま、アクセンチュア インタラクティブではどういう人を求めているか、そして代理店やコンサルティング企業ではたらく人たちが次のステップに進むために身につけなきゃいけない力がなにか聞かせてください。

柳:部署によって違いますが、僕としては「越境」というのがひとつキーワードですね。どんな仕事も挑戦するっていうのは大事でしょう。そして、ダイバーシティを重んじる心を持っている人が求められています。

あと、スペシャリティですね。身につけるスキルはなんでもいいと思いますが、自分の強みがなにかは、ひとつでも言えるようにしたほうがいいと思っています。

若い子たちっていま、「これがよさそうだ!」って言って、いろんな知識を身につけてますよね。それも素晴らしいんですが、「結局なんなの?」って問いに答えられるかどうか。広く手を出してもいいけど、何が軸なのか。何かひとつ、人に自慢できるポイントを作ることです。

まこと:柳さんの、自分を刺激するための学びってどういうところから得てるんですか?

柳:実は、あんまりクリエイティブのものを見ないようにしていますね。どっちかって言うと自分と真反対のものから自分の中に落とし込むとどうなるのか考えますね。

出勤するまでの時間もそうだし、そういう日常の中で学ぶ感じになってますね。興味を持ってそこを掘り下げるとか。なんでまことさんはスカジャンを着てんだろな、とか(笑)。

まこと:これはアクセンチュアのオフィスの中に、しかも元アクセンチュアの人間でこういう格好した人がいるとどうなるんだろうって実験したかったんです(笑)。上野のアメ横ってこういう感じなので、そういうカルチャーを背負ってる、という感じを出したかったんですね。

柳:なるほど。そういうところはやっぱり知りたいですよね。そういう人の話を聞いたなかで得た視点って、実は企業向けにも生かせる。スキルは本を買っちゃえば身につきますし、やればやるほど身につくものですが、スキルと、生の実体験や視点との掛け算なのかなって思います。

まこと:CREATIVE Xというイベントもそうなんですが、僕は、ぜんぜん違う仕事してる方たちの話を聞くのが楽しくて。アプローチの仕方がみんな違うから、自分のインプットにしようっていう風にはすごい思ってます。自分もこの観点で考えてみようってトライできるのが良いですよね。

今日は僕はアクセンチュア インタラクティブのこの場に来れたことも嬉しいですし、新しいカルチャーのことについても話せて、とても良い時間を過ごさせていただきました。本当にありがとうございました。

柳:僕も有意義でした。ありがとうございました。

 

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須田 允(まこと)
須田 允(まこと) BiTT開発事業部長 / 須田 允

1986年生まれ。約15年の海外生活を経て早稲田大学に入学し、ロンドン大学へ留学。 2010年に株式会社サイブリッジに入社。オウンドメディアのデジタルマーケティングを統括し、課長に就任。 2012年、アクセンチュア株式会社に入社し、通信や放送メディア領域における戦略立案・デジタルマーケティング業務/施策のコンサルティングを担当。 2018年より株式会社LIGの取締役に就任し、Web制作、BiTT開発、メディアの3事業部門を統括し、LIG PhilippineのCEOも兼務。 社員におにぎりを食べさせるべく、寝る間を惜しみ日々疾走中。

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