明日から、身につける。
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2019.05.13

デザイナー、コピーライター必見!“想い”をかたちにするブランディングのイベント「CREATIVE X night #1」に行ってきました!

ゆうこ

こんにちは、デザイナーのゆうこです。

先日3月28日(木)に、渋谷ヒカリエにあるDeNAセミナールームで行われたイベントCREATIVE X night #1「ブランディング夜会」に参加してきました。


今回は「ブランディング夜会 〜伝わるブランディングに必要な、ART&COPY〜」というテーマをもとに、企業やプロダクトのブランディングをする上でのこだわり、そして一時的な表現ではない本質的なブランド構築について、2社のクリエイターに熱く語っていただきました。

デザイナーとコピーライターがそれぞれの視点でブランディングについて語る興味深いイベントだったので、そのときの様子をお届けしたいと思います。

デザイナーとしてのブランディング / 株式会社BAKE

Web制作に携わっている方なら、一度はBAKEのWebサイトを見たことがあるのではないでしょうか。デザインが洗練されており、多くの参考サイトに掲載されている有名なサイトです。

そんな素敵なサイトを運営しているBAKEで、アートディレクター兼デザイナーをされている柿崎さんに、ブランディングについてお話ししていただきました。

柿崎弓子(株式会社BAKE アートディレクター/デザイナー)
武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒後、デザイン事務所にてパッケージデザインを中心にブランディング、VI・CI計画に従事。2016年BAKE Inc.入社。PRESS BUTTER SAND、Chocolaphilの立ち上げに携わる。

“想い”をかたちにするブランドづくり

株式会社BAKEは「お菓子を、進化させる」というステートメントのもと、今の時代に合った商品、業態、デザインや販売手法を取り入れ「お菓子の可能性」を広げていくことを目指しています。

「良い材料を使うこと」「手間をおしまないこと」「フレッシュな状態で提供すること」をおいしさの3原則とし、お菓子作りの本質を掘り下げおいしさを追求しています。

BAKEには「8割主義」という言葉があるそうです。これは、「8割のお客様が知っている、好きなお菓子カテゴリーの中で挑戦する」という意味です。あえて誰もが知っているお菓子の中から新しいものを生みだそうという試みは、とても挑戦的で、クリエイティブです。

また、購入前、購入時、購入後、すべての場面でワクワクできるよう、Webサイトなどのデジタルコミュニケーション、パッケージのグラフィックデザイン、ストアデザインなど、購買体験の追及にもこだわっています。

BAKEは個性を活かした8ブランドのお菓子で成り立っています。

どれも商品開発の早い段階から「素材のストーリーやブランドが目指すもの」「会社としてのメッセージ」「何故それをやるのか?」という想いを拾い上げ、ブランドの礎がつくられています。

BAKEでは、想いを頭で考えるグループ、手を実際に動かすグループ、ディレクションと、大きく3つに分かれたセクションでブランディングを行っています。

驚いたことに、コンセプトメイキング、アートディレクター、ディレクターを一人が兼任して行っているそうです。

バターサンド専門店「PRESS BUTTER SAND」

BAKEのブランドのひとつに「PRESS BUTTER SAND」があります。

サクッとしたクッキーはバターの風味が生かされており、2層のクリームとキャラメルが、クッキーとよく合います。以前LIGにもお土産として置いてあったのですが、一瞬でなくなってしまうほど大人気でした。

PRESS BUTTER SANDは、「日本を代表する土産菓子をつくる」という想いで、BAKEで初めてとなる箱菓子カテゴリーへ挑戦したそうです。箱菓子であっても、手間暇をかけ、良い素材を追及し、自分たちが持っていたいと思えるかっこいい箱菓子を作ることをコンセプトとしました。

出来上がったPRESS BUTTER SANDは、土産菓子にはもちろん、自分用、結婚式の引き出物、箱で暖色系が使われているにも関わらず香典返しに使用されたケースもあったそうです。こうして贈り物のすべての場面で利用されるお菓子となりました。

 ガトーショコラ専門店「Chocolaphil」

続いてはBAKEの新商品、「Chocolaphil(ショコラフィル)」のブランディングについて紹介していただきました。

Chocolaphilのコンセプトは「チョコレートよりもチョコレートなガトーショコラ」です。熱を入れることで、チョコレートをそのまま食べるよりも素材をまっすぐ堪能できるようにという想いが込められています。

原材料には、カカオ豆の栽培、収穫、チョコレートへの加工までを短期間で一貫して行うコロンビア産のチョコレートを使用し、カカオの持つ魅力をダイレクトに伝えているそうです。

ブランドのキャラクターは「良いものも悪いものも、経験を通して知っている」「知的好奇心が強く、ユーモアがある」「30〜40代のおとなの女性」としっかり設定が決められています。

名前の由来は「chocolat」+「phil」=「Chocolaphil」です。「phil」は「〜好きな」「〜を愛する」「愛好家」を意味しています。

ブランドカラーは「Ultramarine blue(ウルトラマリンブルー)」です。ウルトラマリンブルーの青と「海(青)を越えてやってきた、おいしいカカオ」のイメージがリンクしたそうです。

また、チョコレートを守る銀紙で使用されているSilver(シルバー)をサイドカラーに設定しています。チョコレートの銀紙は、風味を守るという機能性に加え、テーマ性がありどこか新しさを表現することができることから選んだそうです。

クラシックな装飾性とモダンさ、そしてテンパリングするときのチョコレートのようなとろけるイメージを表現するため、ロゴのフォントには「Bodoni 72」を選んでいます。

ストアはブランドカラーの青を基調に、銀紙のシルバーを表す鏡から、たくさんものが映り込んで派生していくイメージを、マテリアルで表現しています。Webサイトも同様に、青を基調とし、スクロールするたびにコンテンツがゆらゆら揺れ、鏡に映っている様子を再現しています。

“想い”のもとに決めたカラーやコンセプトを、ストアデザインチームやWebチームに伝え、その“想い”を聞いたプロフェッショナルな人たちがそれぞれの領域で表現をしています。

ブランドのどこを切り取っても「〜らしい」と言えることが大切です。

コピーライターとしてのブランディング / T&T TOKYO

コピーライターに限らず、制作の現場で働いている方であれば、キャッチコピーを考えたことがある方も多いのではないでしょうか。キャッチコピーの出来によって商品自体の売れ行きが大きく左右されることもあるため、重要な役割となります。

T&T TOKYOでコピーライターをしているタカハシトモヨシさんに、コピーライターとしてのブランディングについてお話していただきました。

タカハシ トモヨシ(T&T TOKYO コピーライター)
1984年、広島県生まれ。力ンヌライオンズ、One Show、CLIO賞、D&AD、アドフェスト、ニューヨーク・フェスティバル、スパイクスアジア、 ACC賞、TCC新人賞、消費者のためになった広告コンクール、広告電通賞、文化庁メディア芸術祭、グッドデザイン賞、日本カー・オブ・ザ・イヤーなど多数の賞を受賞。

そもそもブランディングとは

Wikipediaによると、そもそもブランディングとは「イメージづけ」を意味しています。ブランディングは主に「広告」「商品、サービス」「SNS/HP」「PR」に用いられ、ブランディングをしてこそ想いや行動が変わっていきます。

タカハシさんには国内外での具体的な事例をあげていただきました。

「とっとと、やれ」by バーガーキング

お店が燃えていますね。これはただの火事の写真ではなく、アメリカのバーガーキングの広告だそうです。

「お肉が直火焼であること」を表現するために、実際に過去バーガーキングで火災が起きたときの写真を広告にしようしたそうです。とても過激で、日本でやるとネット上でも炎上しちゃいそうですね。

「バーガーキングは怖いもの知らずだね」とバーガーキングCMO(マーケティング最高責任者)はよく言われるそうですが、そんなことはなく、常に恐れているそうです。それでもチャレンジすることが大事ということでした。

それに対してタカハシさんは「とっとと、やれ」とコメントしていました。リスクを恐れずに、まずはやってみることが大切ですね。

「ずっと、やれ」by キユーピー

キユーピーの広告は、1968年から同じクリエイターが担当しています。

野菜をちゃんと取りましょうという意味を込めて、色のついた野菜や、食べる順番、スピードをフューチャーし「野菜を食べるための調味料」というイメージを訴求し続けています。

キユーピーのコピーライターである秋山さんの言葉に下記のようなものがあります。

「クリエイターがイメージをつくる。そのイメージが引き金となって見る人がイメージする。そして、最初に発信されたイメージは変質し、増殖する。イメージは見る人がつくるものだ」

これに対しタカハシさんは「ずっと、やれ」とコメントしていました。軸をぶらさずにずっと継続し続けることは、難しいことですよね。

タカハシさんには、ほかに手がけた案件についても具体的に説明していただきました。担当案件について理解を深め、数えきれないほどの案を提案し、度重なる打ち合わせを行ってはじめて、一行のキャッチコピーができていることがわかりました。

駅や電車広告、CMなど、キャッチコピーに対する見る目が変わりそうです。

おわりに

いかがでしたか?

デザイナーもコピーライターも、「誰に何を伝えるか」を明確にしてブランディングを行っていることが印象的でした。デザイナーとコピーライター、それぞれの視点からお話が聞ける機会はなかなかないので楽しかったです。

帰り際にいただいたお土産のChocolaphilも、チョコレートの甘さは控えめだけど濃厚で、とても美味しかったです。

登壇者のみなさま、ありがとうございました!