こんにちは、エディターのハダタローです。
先日2/3(土)、DMMにておこなわれた「CREATIVE X #1 今あるデザイナの危機に立ち向かう知識」というイベントに行ってきました!
今注目の企業が参戦!デザイナー必見のイベントが2月3日(土)にDMM.comで開催
僕はデザイナーではないのですが、これからの編集者はコンテンツ制作においてデザイナー的視点も絶対に必要になると思ったので参加してきました。
というわけで、たくさん学びのあったイベントの模様をお届けします。
目次
デザイナーとチームが意識すべき結果とは?
Session1のテーマは「デザイナーとチームが意識すべき結果とは?」
- 株式会社LIG 経営企画室長執行役員 須田允さん
- 株式会社DMM.comラボ CDO 赤坂幸雄さん
このセッションですごくおもしろかったのは、「感性で上がってきたものに関しては基本的に評価しない」という姿勢です。デザイナーは自分が作ったものをロジカルに説明できなければならないということ。 そうじゃないとクライアントしかり、相手を納得させられない。そのため、自分が作ったものに関して説明できるというのもデザイナーとして持っておくべきスキルとのことでした。
また興味深い話だったのが、昨今デザイナーの業務領域が年々広がっているということです。デザインでクライアントの課題を解決するという業務においては、クライアントの潜在的な課題を見つけるヒアリング能力やデザインについてロジカルに説明できる能力が求められます。
デザイナーとしてのキャリアパスが変化していく中でJavascriptなどエンジニアスキルを持ったテクニカルデザイナーといった職種は、今後も重宝される存在になります。若い人たちには世界に目を向け、横のつながりを広めていってもらいたいと赤坂さんは語ってくれました。
- まとめ
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- デザイナーは自分が作ったものをロジカルに説明できなければならないと
- 広がるキャリアパスで唯一無二の存在になるにはデザイン+αを融合すること
デザイナーの創業期に置ける役目とは
Session2のテーマは、「デザイナーの創業期に置ける役目とは」
- モティファイ株式会社CEO Gustavo DORE(ドリー)さん
- 株式会社DMM.comラボ クリエイティブディレクター 光岡いさおさん
ドリーさんはデザイナーからCEOへ、光岡さんは建築業界からデザイナーへ転職したという点でお二人とも異色のキャリアパスを持っていました。
まずおもしろかったのが、ドリーさんのスタートアップの考え方。
「日本のスタートアップは、ヘリコプターからパラシュート無しで、落ちるまえにパラシュートを作ってるイメージ。」というイメージだということ。
ドリーさん曰く、スタートアップのデザイナーに必要なスキルとは、高速でインプットできることだそうです。
とにかくスピード感を求められらるスタートアップは、いくらでも失敗していいけど、その中でどれだけ早く勉強し吸収できるが勝負になる。だからこそ常にスピード感を持ってインプットできるスキルは重要になります。採用の時もこの点は意識しているそうです。
あと、たまには深呼吸してゆっくり考えるのも大切だそう。特に、1週間という短いスパンで高速PDCAを回していく中では 、毎日少なくとも30分〜1時間はゆっくりと考える時間も必要不可欠です。
- まとめ
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- 高速でPDCAを回す
- スピード感を持ってインプットし、それを適切な形でアウトプットする姿勢が大切
デザイナーが知るべき法律と強みとは
Session3のテーマは、「デザイナーが知るべき法律と強みとは」
- 株式会社コロプラ弁理士 佐竹星爾さん
- クリエイティブディレクター 石坂昌也さん
まず、知っておきたいのが商標・特許・著作権の違いです。
商標 | ロゴやネーミングなど。商標がイメージするものが認識されていなくても商標登録自体は受けられる。 |
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特許 | 新しいもの、アイデアそのものの価値を保護する。 |
著作権 | 作ったものの価値を保護する。著作品を発表した時点で発生、申請や登録の必要はなし。 |
商標の中で、気をつけなければいけないのはネーミングの創作に価値が認められるというよりは、ユーザーの頭にイメージを沸かせられる状態に価値があるということです。また、法律に触れていなくても炎上してしまうものもあり、デザイナーは攻めがちだがその中で法務的な「守り」の視点も必要とのことでした。
- まとめ
- 商標は比較的コストがかからないから取っておいた方がいい
デザイナーが海外で戦うとは
Session4のテーマは、「デザイナーが海外で戦うとは」
- 株式会社メルカリ デザイナー 鈴木伸緒さん
- クリエイティブディレクター 玉木穣太さん
ちなみに、海外の会社で多彩なキャリアを歩んできた玉木さんですがTOEICは350点だそうです。
弊社のバックエンドエンジニアまさくにさんと同じレベルということですね。
海外では、文化、天候、配送、支払いのシステムなど様々な違いがあります。その中でデザイナーとして感じた違いを話していただきました。
日本と海外で異なる1つとしてあるのがディスカッションの形。日本人から見ると喧嘩のようなものが海外では日常茶飯事。そこに怯んで意見ができなければ賛成したと見なされてしまいます。また、名刺の肩書きへのこだわりなども日本ならではだそうです。
デザインも売られている商品もニーズも課題も違う海外では、日本だけしか知らない状況では問題意識も限られてしまいます。
そのためこれから海外でも活躍しようと思っているデザイナーは、他の国の文化について積極的に触れておくことが必要です。
また、鈴木さんは「デザイナーだからという思考に縛られず、様々な領域、それこそ法律や経済、既存の産業について知っていくことで、これからの10年はすごく面白くなるだろう」ということも語ってくれました。
- まとめ
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- 様々な領域に興味を広げ、デザイナーにしかできない可能性を探る
- 様々な国の文化について触れることで新しい可能性が生まれる
デザイナーに知ってほしい文字のこと
Session5のテーマは、「デザイナーに知ってほしい文字のこと」
- 株式会社モリサワ フォントデザイン部 富田哲良さん
- 株式会社DMM.comラボ アートディレクタ 細川絵理さん
このセッションはかなり具体的なフォントのお話で……。実際にデザインスキルのない僕はほとんどわかりませんでした。わかったことといえば。
とにかくOpen Typeハンパない ということだけ……。
というわけで一緒にイベントに参加したデザイナーのヴィクトリアさんに教えてもらいました。
Designer:ヴィクトリア 2016年入社の若手デザイナー。主にコーポレートサイトのリニューアルやキャンペーンサイトのデザイン、先輩デザイナーのヘルプに入って日々勉強中。好きな書体はサンセリフ。 |
「わたしがいちばん感動したフォントのお話は「みちくさ」というフォントについてです。趣があって古めかしい雰囲気がありつつも、やわらかくてふんわりした優しい空気を持つフォントです。こちらのフォントは約1,000の連綿体や代替字形が用意されており、OpenType機能を使用して、縦組みの際に文脈を考慮した連綿体(合字)などを呼び出すことができるのです! この機能のおかげで、わたしたちデザイナーが一文字一文字間隔や大きさを調節したりしなくても、よっぽど綺麗で素晴らしい形のフォントに自動変換していってくれるのです! (すごい!)切り替わって行く様子を見ているだけで感動しました・・・。詳しくはこちらその他にも、フォントの流行についてや最近話題の「貂明朝」のお話など、すごく勉強になりました!」
- まとめ
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- Open Typeはめちゃくちゃ便利
価値を生み出す、体験の作り方
最終Session6のテーマは「価値を生み出す、体験の作り方」
- 株式会社ラナエクストラクティブ アートディレクター 新井俊樹さん
- チームラボ株式会社 カタリスト 渋谷直毅さん
このセッションでは、新井さんが関わっているサービス「みんチャレ」と渋谷さんが関わっているサービス「メチャカリ」を事例に、どのようにUI/ UXのために取り組んでいるのか紹介いただきました。
「ユーザーの声をどのようにサイトに生かすのか?」 という課題に対しての2人の共通点は、ユーザー属性や利用状況を調べながらチームでPDCAを回してサービスづくりに取り組んでいる点でした。
「メチャカリ」では、最初はポップなデザインでローンチしたものの、当初想定していたターゲットとは異なるユーザー層がサービスを愛用してくれていることを発見。そこで、ロゴを始めクールなデザインに変更するリブランディングを実施されました。
逆に「みんチャレ」では、当初は目標に向かって頑張る人をイメージさせる人物写真を生かしたデザインでしたが、段階的に猫キャラクターをメインにしたポップでカジュアルなデザインに変更していったそうです。どちらのサービスもデザインの変更によってユーザーの利用が増えたというお話を聞いて、ユーザーを知り、その期待に応えるデザインをしていく重要性を感じました。
最後のまとめで話されていた中で「デザイナーはいちばんユーザーに近い位置でものを作れる力を持っている」という言葉がとても印象的でした。ユーザーのしたいことを探り、本質的な課題解決としてどんなデザインが求められているのか見極めること、そのデザインひとつひとつにどんな意味があるのか言語化しUIに落とし込んで提案していくことが求められていると感じました。
- まとめ
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- PDCAを回しながら、より良いサービスにしていく
- 常に違う分野を掛け合わせ、新しいものを作り続ける
まとめ
登壇されたみなさんのお話の中にあったのが、デザイナーという枠にとらわれず、積極的に他の領域にアプローチしていくべきだということでした。
今回のセッションでは、デザイナーではない僕も概念的な話やUI/ UXの話など勉強になるところが多くありました。デザイナーの方ならなおさら学びのあった1日だったのではないでしょうか?
次回のCreative X #2も開催が決まり次第、LIGブログで告知するので楽しみにお待ちください!
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