LIGには、底知れぬ「好き」へのエネルギーを持つデザイナーがいるという噂があります。
推し活への愛、チンチラへの情熱、そして、永遠に尽きないデザインへの探究心……。iPadでは常に何かを生み出して、SNSのチンチラアカウントは度々バズるのだそうです。
そんな「好き」に対する熱い想いの持ち主が、今回お話を聞いたデザイナーのまきまきさんです。
デザイナーとしてのキャリアは10年。その確かな経験を武器に、LIGでも活躍しています。
「呼吸をするようにインプットしたい。楽しくなければ仕事じゃない」と話すまきまきさんの、LIGでのクリエイティブな日々について話を聞いてみました!
「会社の歯車」ではなく「自ら動くデザイナー」でいたかった。
――まきまきさんは去年LIGに入社されるまで、デザイナーとして幅広くキャリアを積んでこられたとお聞きしています。
そうですね。最初の会社が少数精鋭のブランディングプロデュース会社で、本当に何でもやってきましたね。
ブランドの立ち上げならネーミングから考えますし、イベント企画、クライアントとの打ち合わせ、見積もり作成、印刷会社とのやり取りも全部自分。予算がなければ、施工するのも自分でやるような会社でした。
――施工まで! Webやグラフィックだけでなく、リアルな空間デザインも手がけられていたんですね。
はい。オフィスの壁面デザインや飲食店のメニュー看板をデザインしたり、本当にいろいろやってきました。
当時はデザイナーが私を含めて2人しかいなかったので、先輩の仕事も自分の仕事も、とにかく全部やる、みたいな。プロダクト制作の受発注や発送作業までしていましたね。今思えば1人で何十個も案件を抱えて、どうやって業務をこなしていたのか覚えていないくらいです(笑)。
――そこからLIGを選んだのは、どんな理由があったのでしょうか?
LIGのことは以前からブログで知っていて、「面白い人が多そうだな」という印象でした。
ただ、サイトがリニューアルされたのを見て「すごくかっこいい雰囲気になったな」と、LIGのイメージが大きく変わったんです。そんな印象をずっと持っていたのですが、ある日転職エージェントの方からLIGを勧められて。LIGなら「面白いことができる」「型にはまらないデザインができそう」と思い、応募を決めました。
――実際に入社してみて、その「面白いこと」は実現できていますか?
はい、そう思っています! 私がなりたくなかったのは、「会社の1つの歯車みたいなデザイナー」なんです。誰かが動くから自分も動く、というのではなく、「自分が動くデザイナー」でありたかった。LIGでの業務は自分で考えて動いて、クライアントともやり取りしながらデザインを進められています。
――働き方に変化はありましたか?
すごくありました。LIGはアートディレクターとデザイナーの役割がきちんと分かれているので、純粋にデザイン作業に集中できる時間が増えましたね。そのおかげでアウトプットの振り幅が格段に広がったと感じています。入社して半年、自分の想いを実現できる環境だと思います。
呼吸するようにインプットを続ける。制作の武器は、自分でつくる。
――まきまきさんのデザイン愛が伝わってきます! アイデアの引き出しの多さは、どこからきているのでしょうか?
最初の会社に入ったとき、上司に「呼吸をするようにクリエイティブをインプットした方がいい」と言われたんです。その言葉がずっと心に残っていて。
だから義務的に学ぶというよりは、趣味として当たり前のようにデザインに触れるようにしていますね。
――具体的にはどんなインプットをされているんですか?
自分のなかのノルマとして、月に2回は必ず展示会に行くようにしています。
たとえば最近行ってきたのは「ストリートアートの進化と革命展」や「デザインあ展neo」といった王道の展示会から、「恐怖心展」や「行方不明展」のようなちょっと変わったテーマのものまで、ジャンルを問わず足を運びます。
あとは、紅茶や日本酒といった専門店のラベルデザインを見に行ったり、バレンタインの時期には百貨店でひたすらチョコレートのパッケージやチラシを眺めたり。日常のすべてがインプットの対象ですね。
インプットをとにかくすることで、アウトプットの純度が高くなると思っています。
――楽しみながらインプットされていて素敵です! 最近はBlenderなどの新しいツールも積極的に学ばれていますよね。
「得意なことより、苦手なことをなくしたい」と強く思っているんです。有名なデザイナーさんなら「これが得意です」という武器があると思うんですけど、私は何でもできるデザイナーでありたい。だから、自分に足りないと思ったら、すぐに学びたくなります。
▲LIGのオフィスでは、デザイナー同士の意見交換も活発です。
――「できない」をなくしていくんですね。いつも前向きに挑戦されているイメージなのですが、その原動力は何なのでしょうか?
例えば3D(Blender)やコーディングも、外注するとしても知識として自分の中にあった方がいいですよね。
自分で直接やらなくても、知識があればできる・できないの判断がつきますし、専門の方にも的確に指示が出せますから。それに、「これ知ったら面白いよね」って自分に言い聞かせるんです。催眠術みたいですけど(笑)、そうやって常に探究心を持っていますね。
Blenderでキャラクターモデリング!愛するチンチラを3D化してみた
――プライベートでもグッズ制作などをされているそうですね。
そうなんです! 「せっかくなら形に残したい」という気持ちが強くて。
たとえば、応援している俳優さんのドラマがDVD化されないと聞けば、自分で映像を編集して、オリジナルのDVDカバーまでデザインしちゃいます。昔、海外旅行に行ったときの写真をまとめて、写真集を作ったこともありますよ。
▲「まきまきさんはiPadでずっと何かを描いている」と別のLIGデザイナーからのタレコミも。
――クリエイティブへの情熱がすごいです……! 愛するチンチラの「ぴのちゃん」グッズもたくさん作られていますよね。
はい(笑)。トートバッグやキーホルダー、Tシャツとか、色々作っています。これも、最初の会社で見積もりの取り方や発注のノウハウを学んだ経験がすごく活きていて。
どうすればスムーズに形にできるかが分かるので、アイデアが浮かんだらすぐに作っちゃいますね。
▲愛するチンチラのぴのちゃんをモデルにしたオリジナルグッズ。ぴのちゃんは世界一幸せなチンチラですね!
――仕事で得たスキルがプライベートのものづくりにも活きているんですね。まさに理想的なサイクルです。
そうですね。「楽しくないと仕事じゃない」というのが私の根本にあるので。仕事も趣味も、全部繋がっている感覚ですね。
変化はチャンス。デザイナーとして、ひたすら食らいついていきたい。
――この10年で、デザイナーを取り巻く環境は大きく変わったと思います。まきまきさんはそうした変化をどう捉えていますか?
Webデザインは、本当にどんどん進化していきますよね。例えばコロナ禍になった瞬間、オフラインのイベントが全部なくなって。その代わり、オンライン視聴用のイベントページや、採用活動のための診断サイトを作ったりと、状況に合わせて作るものがガラッと変わりました。
今後も状況は変わり続けていくし、それは素敵なことです。デザイナーとしては、その変化にひたすら食らいついていくしかないと思っています。
――ひたむきに変化に対応していくんですね。最近だとAIの進化が著しいですが、まきまきさんは脅威に感じていたりしませんか?
そうは感じていません。私が学生だった頃、タイポグラフィーで有名な先生がいたんです。今でも手作業、つまりアナログでロゴデザインやチラシを作るような方で、その先生が「Adobe製品があるから、昔より簡単にデザイナーになれるようになった」と話していたんです。
それと同じで、今はAIやノーコードツールがその役割を担っているだけだと思っています。確かにデザイナーになるためのハードルは下がって、デザイナーの母数は増えるでしょうね。でも、だからこそ、プロとしてのスキルがより必要になると思っています。
――「プロとしてのスキルがより必要になる」とは、具体的にどのようなスキルだと思いますか?
一番は、AIにはできない、クライアントの意図を深くヒアリングする力ですね。
AIは指示されたものは作れますが、お客様の話を全部聞いて、「本当の課題はここかもしれない」とこちらから提案したり、その想いを感覚値でデザインに落とし込んだりするのは、人間にしかできません。
――たしかに、そのヒアリングの部分は人間にしかできない重要な役割ですね。
そう思っています。それにAIやテンプレートで作ったものは、後から「なぜこのデザインなんですか?」と聞かれたときに、コンセプトを説明するのが難しいです。結局AIに指示を出してもそこから修正するのは大変ですし、クライアントの意図を汲んで、なぜこのデザインなのかを説明することは人間にしかできません。
――その背景にある課題解決やコンセプトメイクが重要になる、ということですね。
はい。だからこそAIは仕事を奪う敵ではなく、あくまで「効率を上げてクオリティを高めるための拡張ツール」だと考えています。だから、本当に怖いのはAIそのものではなく、AIをうまく使いこなせるデザイナー。自分もそっち側にいきたいんです。
AIにはできない、クライアントの話を深くヒアリングして、デザインに落とし込むコミュニケーション能力こそ、これからのデザイナーの価値になるはずです。
さいごに
圧倒的な経験値を持ちながらも、穏やかで楽しそうにデザインの話をしてくださったまきまきさん。インタビューを通して見えてきたのは、デザイナーとしてどこまでも学びに貪欲な姿勢でした。
最後に「デザイナーとして一番の強みは何ですか?」とお聞きしたところ、返ってきたのは「クライアントがどう思ったかを形にすること」という、相手に寄り添う言葉でした。
「デザイナーの一人よがりなデザインではなく、あくまでクライアントがどう思ったかを形にすることを大切にしています。クライアント自身も見えていなかった本質的な課題や要望を、デザインで可視化するのが仕事だと思っているんです。」
呼吸するようにインプットを続け、クライアントに深く寄り添い、決してアウトプットを諦めない。そんなまきまきさんのデザイナーとしてのプロ意識に感銘を受けました。

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