こんにちは、メディアコンサルティンググループの鈴木です。
オウンドメディアを使って採用活動をおこなうオウンドメディアリクルーティング。採用活動には多額な費用がかかるなか、オウンドメディアであれば比較的安価にはじめることができる点や、他社との差別化になるという点から注目されています。これからはじめようと思っている企業さまも多いのではないでしょうか。
この記事ではオウンドメディアリクルーティングとはなにかを、メリットやはじめ方とともにご紹介します。オウンドメディアを使った採用活動に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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目次
オウンドメディアリクルーティングとは?
まず、オウンドメディアリクルーティングとは、そしてオウンドメディアとはなにかについて解説します。
オウンドメディアリクルーティングとは?
オウンドメディアリクルーティングとは、オウンドメディアを使って自社の魅力を発信し、採用活動をおこなうことです。
オウンドメディアとは、自社が保有している情報発信できる媒体のことです。この記事でいうオウンドメディアとは、狭義の意味で自社で所有しているWebマガジンのことを指しているとご理解ください(オウンドメディアについて詳しくはこちらの記事で解説しています)。
具体的には、自社のオウンドメディアやSNSに自社の魅力や業務内容、働く仲間などについて記載されている記事を掲載し、ターゲットである採用候補者に興味を持ってもらう方法です。
求人サイトを使った採用活動との違い
メディアを使った採用活動という点では、DODAやIndeed(インディード)などの求人サイトを使った採用活動もあります。では、オウンドメディアリクルーティングとはどのような違いがあるのでしょうか。
大きな違いとしては、アプローチできる層と効果を感じるまでの期間の2つがあります。
求人サイト | オウンドメディア | |
---|---|---|
アプローチできる層 | 就職・転職を希望している人にアプローチができる | 認知〜入社まで各フェーズに対してアプローチができる |
効果を感じるまでの期間 | 短期間での応募獲得が可能(掲載まで最短1週間〜) | 認知してもらうまで中長期的に運用する必要がある(最低でも半年〜) |
求人サイトは、基本的には就職や転職を検討している人が訪問するメディアです。また、申込から掲載まで短期間でできるため、早期での応募獲得を目的とする場合には有効な手段といえます。
一方でオウンドメディアリクルーティングは、発信できるコンテンツの自由度が高く、認知段階から入社に至るまでの各フェーズに対するアプローチが可能です。
たとえば転職潜在層と呼ばれる今すぐに活動をしない人や、自社の選考を受けている人に対するコンテンツを発信するなど、求人サイトではできない接点を持つことができます。ただしオウンドメディアが認知されるまでには半年程度はかかり、即効性は期待できないという点には注意が必要です。
採用活動をおこなう上では、このような特性の違いを理解して、状況に応じて使い分けをしていくことが必要になります。
期待できる効果・メリット
オウンドメディアリクルーティングに期待できるメリットは次のとおりです。
候補者とのミスマッチを減らすことができる
求人サイトだけで採用活動を行った場合、掲載できる情報が限られてしまうため、候補者は会社について多くの情報を得ることはできません。数回の面接だけで理解を深めることも難しく、結果としてカルチャーフィットせずに「実際に働いてみたら思っていたのと違った」となってしまうケースもあります。
オウンドメディアで自社の情報を継続的に発信していれば、候補者は応募前や選考中に自社の記事を読みどんなところでどんな人と働くのか、どんな業務をするのかなど入社後のイメージが湧きやすく、入社後のミスマッチを減らせる可能性があります。
社員のエンゲージメントを高めることができる
オウンドメディアリクルーティングでは、採用候補者にアプローチできるだけでなく在籍する社員のエンゲージメント(企業との結びつき)を高めることができるというメリットもあります。
とくに採用に関する記事コンテンツは、社員インタビューや複数人交えた座談会など、社員と協力して記事を作るのが一般的です。
社員はそれに協力し自分の業務や自社の魅力を話すことで、自社への理解が深まったり、自分の仕事の魅力を再認識することができます。
また、公開したコンテンツに対して反響があると、さらなるエンゲージメント向上にもつながります。
競合他社と差別化しやすい
求人サイトを使った経験のある人は、同じような求人が並んでいて会社の特色が捉えづらいと感じたこともあるのではないでしょうか。
求人サイトなどの決まったフォーマットの媒体では発信できる情報に限りがあるため、とくに立ち上げたばかりの企業などは、どうしても他社との差別化を図りづらいという側面があります。
オウンドメディアを並行して活用することで、求人サイトでは伝えきれない魅力を自由に訴求することが可能です。
採用コストを削減できる
株式会社リクルートが発表した「就職白書2019」によると、1人あたりの採用コストは新卒採用で72.6万円、中途採用で84.8万円とのデータがでています。
オウンドメディアの運用が軌道に乗り、実際に作った記事コンテンツから採用できれば、採用コストの削減も期待できるでしょう。
オウンドメディアリクルーティングの成功事例
オウンドメディアリクルーティングに成功している企業の事例を紹介します。
メルカン
「メルカリの“いま”を正しくかつ遠くまで届け、エンパシーの総量を増やす。」をコンセプトにおこなっている株式会社メルカリのオウンドメディアです。
専任の担当者2人と他メンバーの協力によって運営されていて、一週間に2〜4本ほど記事が公開されています。
メルカンの担当者にお話を伺ったところ、KGIは採用数であるものの、イベント参加者の感想など採用数とは異なる指標もあるそうで、採用のみならずメルカリのブランドを作り発信していくメディアになっています。
▼メルカン副編集長への取材記事はこちら メルカン副編集長に聞く!オウンドメディアで社員を巻き込む体制を作るには?
OnLINE
「LINEの中のチャレンジをオープンにし、見ている人の活動のヒント」となることを目指したLINE株式会社のオウンドメディアです。
社内広報担当者、採用広報担当者、採用マーケティング担当者などが5人ほどで運営していて、月に2本ほど記事が公開されています。LINEでの働き方や、メンバーの魅力を伝えることに成功しています。
▼オウンドメディアの成功事例をもっと知りたい方はこちらの記事もご覧ください オウンドメディアの成功事例13選!BtoB、BtoCなど目的別に紹介
オウンドメディアリクルーティングのはじめ方
オウンドメディアを使って採用を行うには、どのように進めていけばいいのでしょうか。5つのステップで紹介します。
1. コンセプトの決定
まずは採用活動における理念やメッセージを決定し、それに沿ったコンセプトを決めていきます。
コンセプトが明確で求職者にとって魅力的であれば、企業のイメージアップにもつながります。また、発信する内容に一貫性が生まれることで、より効果的に求職者に企業の魅力や取り組みを伝えることも可能です。
- コンセプトの例
-
- メルカン「メルカリの“いま”を正しくかつ遠くまで届け、エンパシーの総量を増やす。」
- OnLINE:「たくさんのWOWへとつながるように。*」
*「WOW」というのは、LINEの価値基準で、「ユーザーを感動させる初めての体験」や「思わず友だちに教えたくなるような驚き」のことです。
2. オウンドメディアの構築
コンセプトが決まったら、それに沿ったオウンドメディアを構築します。
オウンドメディアの構築時は、検索エンジン最適化(SEO)もおこなうことで、求職者がオウンドメディアを見つけやすくなり、検索エンジンからのアクセス数増加も見込めます。
3. コンテンツの企画・作成
オウンドメディアを構築できたら、掲載するコンテンツの企画・作成を行います。コンテンツ内容は方針によりさまざまですが、以下にコンテンツ例を紹介するので参考にしてみてください。
- 社員インタビュー:働く社員の様子を発信することで、自社の雰囲気や働き方などを伝える
- 会社の制度について:自社ならではの仕組みや福利厚生などを発信することで、理解を深めてもらう
- 業界の動向やトレンド:業界動向やトレンドを発信することで、自社を知らない層への認知獲得を目指す
コンテンツの企画や発信する内容の優先順位に迷ったら、現状の採用活動におけるボトルネックに紐づけて考えてみてください。たとえば書類選考率が低いのであれば、業務内容に関するコンテンツを発信して仕事理解を深めてもらう、内定承諾率が低いのであれば会社の社会的な存在意義や、求職者が自社で働くことでどのように社会貢献できるのかという魅力を伝えるコンテンツを作成するといった具合に、方針を立てることができます。
4. SNSの活用
社員のインタビューや社内イベントの様子といったコンテンツはSEOからの流入が得られづらいため、SNSアカウントも活用して周知することで、より多くの人に届けることができます。
5. 効果測定と改善
発信したコンテンツの効果を測定し、必要に応じて改善をおこないます。主な指標には、応募数、応募率、採用決定率などがあり、これらの指標を定期的に測定・分析し、改善点を見つけることで、より効果的なリクルーティング活動を実施することができます。
オウンドメディアリクルーティングを成功させるためのポイント
オウンドメディアリクルーティングを成功させるための3つのポイントをご紹介します。
KGI・KPIを明確にする
「KGI(Key Goal Indicator)」はプロジェクトの最終ゴールのこと。「KPI(Key Performance Indicator)」はKGIを達成するためにチェックする中間数値指標のことです。オウンドメディアを運用していくうえで、KGI・KPIを数字できちんと設定することはとても重要です。
- オウンドメディアから何人採用したいのか
- そのためには何人の応募があればいいのか
- その応募数を獲得するためには記事にどれほどの流入が必要か
最終目標のKGIから逆算し、適切な時期に適切なKPIを設定するようにしましょう(オウンドメディアのKPIについて詳しくはこちらの記事をご覧ください)。
運用体制を整える
オウンドメディアを継続していくためには、運用体制を整えることも大切です。
オウンドメディア運用の理想的な体制は下記のとおりです。
- 記事制作担当(編集長、エディター、ライター、カメラマン、デザイナー)
- マーケ担当(マーケター、データアナリスト)
- コンサルティング担当(社外、必要に応じて)
オウンドメディアを立ち上げたばかりですべての職種において社員を採用するのが難しい場合は、外部のパートナーや会社へ依頼するという選択肢もあります。必要に応じて外部の会社に頼りましょう。ただし、外部の会社に依頼する場合でも、専任の編集者が一人はいたほうがスムーズな運営につながります(オウンドメディアの運用体制について詳しくはこちらの記事をご覧ください)。
なお、上記の体制はあくまで理想であり、一人で始めなければいけない・かつ外部に依頼できる予算がない、という担当者の方もいらっしゃると思います。この場合は、いかに周りを巻き込んでいくかがキーポイントとなります。やり方はさまざまですが、社員インタビューに協力してもらう、社員自ら発信してもらう仕組みを整えるといったように、すべてを一人でやろうとしないことがポイントです。
記事の質と量を担保する
オウンドメディアに人を集めるためには、記事の質と量を担保することが大切です。
コンテンツを通して採用候補者に自社に興味を持ってもらうというオウンドメディアリクルーティングでは、自社の魅力を伝える充実したコンテンツを作る必要があります。
また、長期間記事が更新されていないと、そのメディアに定期的に足を運ぶのをやめてしまう人もいるでしょう。質の高い記事を定期的に更新することを心がけましょう。
オウンドメディアリクルーティングをおこなう上での注意点
ここまでオウンドメディアリクルーティングのメリットやはじめ方について説明しました。オウンドメディアリクルーティングをはじめてみたいと思った方向けに、オウンドメディアリクルーティングの注意点についてご説明します。
運用コストがかかる
オウンドメディアリクルーティングのための設計や運用には、人件費やコンテンツ制作の費用がかかります。また冒頭でお伝えしたように、オウンドメディアを一から立ち上げる場合、効果を実感できるまでには最低でも半年、一般的には一年ほどはかかります。
これを踏まえて、十分な予算を確保してください。
社員のモチベーション管理も大切
とくに立ち上げから数ヶ月は、「本当に効果が出るのかわからない」という状態で運用を進めるため、モチベーションを維持するのが大変です。
拠り所があるだけでも安心して進められるので、もし社内に成功例や知見がない場合は、オウンドメディア運用に知見を持つコンサルティング会社に相談してみるのもよいかもしれません。
オウンドメディアリクルーティングを成功させたい方へ
今回の記事では、オウンドメディアリクルーティングとはなにかについてお伝えしました。オウンドメディアリクルーティングは、さまざまなフェーズの採用候補者にアプローチできる、他社と差別化しやすいなどのメリットがある一方で、成果を出すためには時間がかかるといった側面もあります。
「社内に運用の知見がない」「効率的に成果を出したい」という企業さまは、コンサルティングサービスもぜひ検討してみてください。
LIGは自社メディア「LIGブログ」で培ってきた経験をもとに、企業さまのオウンドメディアのコンサルティングをおこなっています。これまでオウンドメディアで採用を成功させてきたノウハウをもとに、オウンドメディアリクルーティングもサポートいたします。
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