オウンドメディアの運用に必要な編集体制とは?長く続けるコツも解説

オウンドメディアの運用に必要な編集体制とは?長く続けるコツも解説

Shumpei Suzuki

Shumpei Suzuki

こんにちは、アカウントプランナーの鈴木です。

私はこれまでさまざまな企業様のオウンドメディアの記事制作や運営のお手伝いをしてきました。

オウンドメディアの立ち上げにあたり、多くの企業様が直面するのが「オウンドメディアの運用体制をどうするのか」という問題です。

記事制作にはどんな職種が必要なのか? 内製・外注どちらがよいのか? 編集長は必要なのか? ……などなど悩みのタネは尽きないことと思います。

そこで今回は、これからオウンドメディアを立ち上げる企業様に向けて、記事制作や運用のためにはどんな体制を構築したらよいのかについて、これまでのオウンドメディア支援の経験からお話ししていきます。


編集部注:2023年7月に情報を更新しました。

オウンドメディアのコンテンツ制作・運用に必要な体制とその役割

理想の運用体制

私が考えるオウンドメディア運用の理想的な社内体制は下記のとおりです。もちろん社内のリソース上、実現できないこともあるかもしれませんが、あくまで一例としてご覧いただければと思います。

編集長 サイトの方針や企画、クオリティ担保などを担う責任者。
編集者・ライター コンテンツ制作をおこなう。
マーケティング担当 SEO対策やサイト全体を分析する役割を担う。
カメラマン、デザイナー コンテンツ内の画像や写真などを制作する役割を担う。

各ポジションの人数はオウンドメディアの規模によりますが、最低でも1名以上はいるとスムーズな運用につながります。なお、上記のうち、ライターやカメラマンは外注することも可能です。ただし納品までに時間がかかる・コストがかかる点も踏まえ、どちらがベストかを選択しましょう。

また、記事制作に関わる人以外にも、掲げたKGIやKPIに向けてしっかりと数字が動いているかを確認するマーケティング担当も設けるのが理想です。

マーケティングのノウハウが社内にない場合、一定期間コンサルティング会社に依頼して自走できる体勢を整えるのもよいと思います。

編集長の役割

オウンドメディア運営における編集長の役割は、企画立案・記事内容やクオリティに対して責任を持つこと・社内調整などがあります。

コンテンツを世に出せば、多かれ少なかれ会社のイメージに影響します。適切に運用していくためには、運営方針や記事のクオリティ担保など、全体を管理する責任が必要です。

また、オウンドメディアを運用していくためには経営層の理解や社内の協力も必要で、編集長は社内調整役の役割も担います。

編集長がおこなうべき業務内容は下記のとおりです。

  • コンセプト設計
  • 記事コンテンツの配信戦略
  • マーケティング戦略
  • クオリティチェック
  • 予算の策定
  • KPI・KGIの策定、進捗の確認

編集者の役割

編集者は、編集長が定めた方針に沿ってコンテンツを編集し、一定のクオリティまでコンテンツを仕上げる役割を担います。

また、ライターを外注するときはその窓口となり、添削や管理などもおこないます。

外部の編集者に依頼するという選択肢もありますが、社員のほうが社内の事情に精通しているため、社内の編集者(インハウスエディター)を設けた方がよいでしょう。

また、広報など他の職種の兼務を検討する企業さんもあるかと思いますが、兼務はあまりおすすめしません。編集者はコンテンツマーケティングの知見も求められ、”ただ編集するだけ”になってしまうと成果がなかなかでない可能性があるからです。

例えばですが、CTAの置く場所ひとつでも、問い合わせ数に大きく影響します。編集者は、どうすればユーザーがクリックしてくれるのか、問い合わせをしてくれるのかなど、編集以外にも考えることがたくさんあるのです。

人員不足などで他の業務と兼任せざるを得ない場合は、コンテンツマーケティングの知見がある外部パートナーと連携することも検討してみてください。

ライターは何人必要か?

toC向けか、toB向けか、どのぐらいのボリュームの記事を作っていきたいかにもよりますが、参考までにLIGブログを例に工数を算出してみました。

記事1本(今回はLIGブログの平均である3,000文字の記事とします)あたりにかかる工数と必要人数は、ざっくり下記のとおりです。なお1人あたりの月間稼働時間を150時間として算出しています。

1本あたりの工数 月10本 月20本 月30本
取材なし記事(3,000字) 15時間 1人必要 2人必要 3人必要
取材あり記事(3,000字) 30時間 2人必要 4人必要 6人必要

※取材記事の場合、誰に取材をするかの検討、企画書の作成、打診、原稿の確認などを加味し、1記事あたりの工数を30時間としています。

ちなみに2022年8月、LIGではナレッジシェア記事(取材なし記事)を17本、社外取材記事を12本、社内取材記事を3本、お知らせ記事を3本の、計35本の記事を公開しました。

LIGブログの編集チームは編集長、インハウスエディター3人、アイキャッチを作るデザイナー2人の計6人です。記事の執筆は編集チームがおこなっているものと社員に依頼しているものがあり、月に数本は外部のライターさんにも執筆をお願いしています。

LIGでは毎日平日1本は記事を公開することを目安にしていますが、社内リソースと相談して決めていきましょう。

オウンドメディアを長く続けていくための運用のコツ

社員を巻き込む

社内リソースが足りない場合、ライターを外注する方法もありますが、またトピックのジャンルによっては優秀なライターの確保はかなりむずかしいことがあります。

弊社の場合、社員に記事コンテンツを書いてもらえる仕組みづくりをおこない、毎日最低1本以上は新規記事を公開しています。

検索エンジンからの流入を狙う場合、近年のアルゴリズムの傾向は「オリジナリティ」です。現場の一次情報をもとに書いてもらうことで、SEOにも強いコンテンツを公開可能です。

社員の理解を得る

社員を巻き込むときは、KGIを社内に周知し、なんのためにメディアをやるのか、目標を達成するためにどんな施策を打っていくのかを社員に理解してもらう必要があります。

LIGでは営業メンバーに記事を書いてもらうこともありますが、ふだんの営業活動があるなかで記事を書く時間を捻出するのはなかなか難しいことだと思います。メンバーに協力を得るために、たとえば「現状月に○件あるインバウンドの問い合わせが、○本記事を書くことによって○件に増える見込みがある」といったようなことを説明できたら、営業活動に全リソースを割くよりも、記事を書く時間を確保したほうがゆくゆくはプラスになることも理解してもらえるかもしれません。

ナレッジを蓄積していく

これはオウンドメディアに限らずですが、長期的に事業を成長させるためには業務を属人化することなく、社内のナレッジを蓄積していく必要があります。

オウンドメディアは半年など短期間ですぐに結果が出るものではなく、2年、3年と長く続けることで成果に繋がりやすくなります。その性質上、オウンドメディアをはじめてから成果が出るまでにメンバーが入れ替わることも考えられます。このときにナレッジを蓄積する体制ができていないと、担当者が変わるたびにイチから戦略を考えていかなくてはなりません。

ナレッジ蓄積の例として以下が挙げられます。

  • 企画書のフォーマットをマニュアル化する
  • 記事の振り返りを行い、「成果」が出る記事を打ち出せるように成功事例を積んでいく

PDCAのPLANとDOだけを繰り返すのではなく、CHECKとACTをしていくことが大切です。

その他成果を出すためのコツについてはこちらの記事でご紹介しています。

さいごに

オウンドメディアを立ち上げる際は、記事制作担当、マーケティング担当、ライターなど、長期的に運用するために社内の体制づくりが必要です。

LIGは自社メディア「LIGブログ」で培ってきた経験をもとに、オウンドメディア立ち上げ初期の企業様が自走できるまでをサポートしています。オウンドメディア運用でお悩みの際は、ぜひ以下よりサービス紹介ページをご覧ください。
 

LIGのサービス詳細を見る

関連記事

この記事のシェア数

Shumpei Suzuki
Shumpei Suzuki Digital Marketing / Account Planner / 鈴木 舜平(イチロー)

1996年生まれ。大学在学中に個人事業として営業代行を開始。後に教育系スタートアップ企業を立ち上げ取締役に就任。初年度で年間200名が通うスクールへとスケールさせる他、ファイナンス、新規事業、法人提携などを経験し2019年にLIGに入社。顧客のマーケティング支援や広告コンテンツの企画、オウンドメディアの運用支援を行う。「ユーザーの喜びはクライアントの喜びに、クライアントの喜びは我々の喜びに」をモットーに活動中。

このメンバーの記事をもっと読む
オウンドメディア | 32 articles
「LIGブログ」のノウハウを活かしたコンテンツマーケ支援
お問い合わせ サービス詳細/実績