こんにちは! LIGブログ編集チームのゆりてん(@yuriten0122)です。
インハウスエディターの仕事やキャリアのお話を聞く取材第二弾は、株式会社メルカリの小笠原弥優さんです!(第一弾のSmartHRさんへの取材記事はこちら)小笠原さんは社会人5年目という若さで、誰もが知るメルカン副編集長に抜擢され、メルカリの魅力が詰まった記事をたくさん発信されています。
キャリアの考え方から社内を巻き込む体制づくり、仕事のやりがいについてまで、私の気になることを全部聞いてきました!
インハウスエディターの方、オウンドメディア担当者の方はぜひ最後までご覧ください。
株式会社メルカリ Employer Branding Team Content Director 小笠原弥優さん 2018年新卒で株式会社ウィルゲートに入社。メディア担当・マーケティング担当を経て、2022年7月メルカリに採用ブランディング職として入社。現在は採用メディア「メルカン」の副編集長として、採用貢献・カルチャー醸成のためのコンテンツ企画〜効果計測に関わっている。 |
コンテンツを通じて読者にいい影響を与えたい
ゆりてん:まずこれまでのキャリアについて、簡単に教えていただけますでしょうか?
小笠原弥優さん(以下、小笠原):2018年に新卒でWebマーケティングを支援する、ウィルゲートという会社に入社しました。最初はメディア事業部に所属していて、「暮らしニスタ」というオウンドメディアを担当していましたね。
その後Webサイト改善・SEOのご支援やSEO解析ツールのBtoBマーケティングを担当する部署に異動し、Web担当者向け情報サイト「プロモニスタ」の編集担当や、ウェビナー運営サポート、MAツールの運用担当などをしていました。
4年半在籍した後、2022年の7月1日にメルカリに入社し、Employer Branding Teamでいわゆる採用広報の仕事をしています。私たちのチームは働く人にとっていい価値を提供していく、企業の魅力づけをしていくというミッションを持っていて、採用だけにとどまらない社内外の広報をおこなっています。
ゆりてん:前職ではメディア、マーケティング、そして今は採用広報をやられているということで、職種も業務内容も結構変わっているなという印象があるのですが、小笠原さんのキャリアの軸はどこにあるのでしょうか?
小笠原: 職種は一見変わっているように見えますが、実は手段や軸はコンテンツから変えていないんですよね。私自身、コンテンツを発信して、読者に気付きや態度変容のきっかけを与えることにおもしろさを感じています。
昔は情報を得る手段がテレビCMや電車広告など限られたものしかなくて、その情報をもとに意思決定をしていたと思うのですが、今っていろんな媒体がありますよね。Googleで調べる人もいれば、YouTubeで情報を得る人もいる。昔に比べてコンテンツ量が増えたからこそ、コンテンツの質が人々の意思決定に大きな影響を与えるなと身を持って感じています。
今後もコンテンツを通してポジティブなアクションを起こせる人になりたいと思っています。コンテンツを軸にキャリアを伸ばして、管掌範囲を広げていきたいです。
「循環型社会」に共感しメルカリへ
ゆりてん:転職活動をされているなかで、メルカリを選んだ理由を教えてください。
小笠原: 1つはまずプロダクトの素晴らしさですね。使った人がどのようなメリットを得られるのか、自分も勧めたいと思えるか、事業として美しいかというところは会社選びで重要視していました。
メルカリは、循環型社会を掲げ、フリマアプリを運営しています。不要品って家に眠っていると使ってもらえないけれど、誰かにとってはすごく価値もあるものだったりするんですよね。例えば着なくなった服は誰かのお気に入りの服になるかもしれないし、使わなくなったカメラは誰かがカメラをはじめるきっかけになるかもしれない。
一人ひとりがプロダクトを楽しく使いながら、価値についてもっと考えられる時代がきたら楽しいだろうなと思っていて、メルカリで一緒に実現していきたいと思いました。
ゆりてん:私もメルカリのアプリが大好きで、よく使っています。メルカリなら中古で通常の価格より安く手に入るので、気になったものを試しやすい。もし自分に合わなくてもメルカリを通して他の人に使ってもらえればいいなと思うようになってから、新しいものを試すハードルが低くなったように感じます。
小笠原:使っていただき、ありがとうございます!
もう1つの理由はカルチャーですね。面談をするなかで、自分が楽しく働いている姿が想像できるか、というのは重視していました。
メルカリのアプリは老若男女使いやすいUI/UXで、誰も仲間はずれにしないプロダクトを目指しているのですが、それが会社のカルチャーにも表れていると思います。
多種多様な国籍、バックグラウンドを持っているメンバーがいるなかで、1つのミッション、タスクに向かって一丸となるというのは私が理想としている価値観とマッチしました。今の日本の社会では、普通からはずれてしまっている人は排除され活躍できないシーンもあると思うのですが、メルカリは実力やスキル、人柄で判断して、「一緒に頑張っていこうよ」となるんですよね。シンプルだけど、意外とできていないところだなと思います。
「この人たちとなら、多少難しいシーンでも戦おうと思える」と、最後は第六感を信じました。
ゆりてん:「誰と一緒に働くか」はすごく大事ですよね。
オウンドメディアの社内を巻き込む体制、どう作る?
ゆりてん:メルカリでの業務について教えてください!
小笠原:メインのミッションは採用貢献なので、今ポジションが空いているチームと一緒に、資料、記事、イベントなどコンテンツの形は問わずどういう施策をやれば候補者に届くだろうと考えています。
メルカンについては編集に深く関わっているというより、社員がメルカンに参加しやすいような仕組みづくりや、SNSなどを使ってコンテンツをどう届けるかという部分に注力しています。
自分の仕事について、チームについて、メルカリの良さについてみんなが自由に発信して、いいねと言ってもらえるような文化は大事にしたいなと思うんですよね。 しかし、編集部にも現場社員にもリソースに限りがあります。なので、お互い負担にならないように仕組み化していくのが私の役割だと思っています。
ゆりてん:LIGでも社員を巻き込む体制を作っていきたいと思いつつも、現場社員はメインのミッションとしてクライアントワークがあるなかで、なかなか協力してもらうのは難しいんですよね……。小笠原さんが心がけていることはありますか?
小笠原:例えば緊急度の高い開発タスクと、記事の執筆どちらを優先させるかと言ったら絶対に前者なんですよね。私もプロダクトに貢献したいという気持ちがあるので、そのときは「どうぞ開発を優先してください」と言います。でももし書けない・書くのが遅れている理由が、こちらの提供する情報不足やサポート不足であれば、そこを解消しようという動きになります。
社員が「メルカンに協力するといいことあるな」と思えることがとても大事だと考えていて、社内では「メルカン体験をよくする」と言ったりもします。編集部の対応が気持ちよかったとか、いい話を聞き出してもらえたとか、小さいことでも記憶に残るものなので、オウンドメディアの編集者さんは寄り添い力、汲み取り力が重要だと思いますね。
ゆりてん:私と大きく違うなと思ったのは、「自分がプロダクトに貢献したいという気持ちがあるから、開発を優先してほしい」と思われていることです。私ももちろん会社や社員のことは好きなのですが、弊社は制作会社なので今現場メンバーが作っているものがどんなものか、詳しくわかっていないところもあるんです。相手の仕事を理解することも大事なんだなと思いました。
小笠原:とはいえ、私も「スケジュール調整しているんだから前日に言うのやめてよ」と思うこともありますよ(笑)。みんな同じ課題を抱えていると思います。
でもインタビューしたり、コミュニケーションをとったりしていると現場メンバーもすごく想いを持ってプロダクトに向き合っていることがわかるんですよね。だから、最大幸福を生み出せる方法はなんだろうと考えます。
オウンドメディアのKPIはどうする?
ゆりてん:オウンドメディアは中長期的な施策で、会社のカルチャーを発信していく、ブランディングをしていくものではあるものの、個人には短期的な数字の目標もあり、両立させるのが難しいなと感じています。
例えば私たちは問い合わせ数をKPIにしているのですが、数字ばかり見てしまうと目の前のタスクに追われがちになったり、問い合わせがきたあと対応するのは営業の仕事なので、いまいち自分が事業にどう貢献できているのかわからなかったり……。
小笠原さんはKPIと気持ち的な部分、どう考えていますか?
小笠原:採用数がKGIで、PV数、イベント参加者数、アンケート回収数など細かい指標がKPIになっています。採用数を達成しなかったから全部ダメというわけではなくて、細分化した目標設定に基づいて施策の是非を判断しています。
定性的な側面だと、主催するイベントの参加者の方がどんな反応だったかスタッフに聞いたり、入社から数ヶ月経った人に「メルカン見ていましたか」と聞いたりしますね。イベントアンケートで嬉しいコメントをいただいたり、入社した社員に「メルカンのこの記事を見てメルカリに入社したいと思いました」などと言ってもらえると、貢献できているなと感じます。
数字だけでは見えてこない貢献度も、自分で測って持っておくことが大事だと思います。
ゆりてん:なるほど……! やはり数字だけ追っていては、カルチャー醸成やブランディングは難しいところがありますよね。小笠原さんが一番やりがいを感じるのはどんなときですか?
小笠原:コンテンツを通して誰かにポジティブなアクションを起こせたときです。
採用広報って、ただ記事が読まれただけで嬉しいとは限らないんですよね。極端な例ですが、たった5PVしか見られなかったとしても、そのうち1人がメルカリに興味を持ってくれてオファーに至り、楽しく働いてくれたら、5PVでも1万PVに勝ると思っています。
今のメルカリのフェーズにおいては欲しい人材にちゃんとコンテンツを届けられているかということを重要視しています。
グローバルテックカンパニーを目指して
ゆりてん:2022年7月からメルカンが新体制になったと伺いました。新体制について教えてください。
小笠原:7月から私の入社とともに新体制がはじまって、今まで紙やWeb、媒体問わず編集者として活躍されていた瀬尾さんが編集長で、副編集長が私の2人体制になりました。
これまでは細かくコンテンツのプライオリティや記事依頼の仕組みを決めていなかったのですが、マニュアルを作ってプライオリティもきちんと決めるようになりました。
ゆりてん:今後副編集長としてメルカンでどんなことをしていきたいですか?
小笠原:社内参加を促せるメディアでありたいと思っているので、今後も社員とコミュニケーションをとって仲良くなりながら、発信や記事執筆を依頼する仕組みを作っていきたいです。
また、メルカンは今までベンチャー感があるワイワイガヤガヤしたメルカリの雰囲気を赤裸々に発信しているメディアだったのですが、読者に気づきを与え、業界貢献していくコンテンツを発信して、名実ともにグローバルテックカンパニーを目指していきたいと思っています。
ゆりてん:小笠原さんご自身はどんなキャリアを築いていきたいと思われていますか?
小笠原:ストラテジストになりたいと思っています。例えば今いるチームがどういう役割なら事業や業界に貢献できるのかを上流から考えられるようになりたいです。
戦略を考えたり物事に意味づけをしていくのが好きなので、それを伸ばして、与えられたことをやるだけでなく「この人に頼めばいい方向に導いてくれるよね」と信頼してもらえる人になりたいです!
ゆりてん:小笠原さん、今日はありがとうございました!
さいごに
今回はメルカリの小笠原弥優さんにお話を伺いました。
どんな業務においてもポジティブに取り組めることも大切ですが、日々のタスクに対して「どう事業に貢献できるか」と意味づけをしていくこともすごく大事ですね。
また、公開スケジュールなど細かい納期、半期や1年で目指すべきKPI追いつつ、オウンドメディアは中長期的な施策でブランディングやカルチャーを醸成する側面もあるので、KPI以外に事業貢献を実感できる指標を持つことも大切だと学びました。
貴重なお話、本当にありがとうございました!