こんにちは、ニュージーランドで働くプログラマのはっしーです。
毎日残業で苦しんでいるあなた、こんなことに心当たりはありませんか?
- 誰かからのお願いごとを断るのが苦手だ
- 急に頼まれた作業はすぐに着手するほうだ
- いまある仕事の優先度がわからなくなることがある
- 朝始めた仕事が終わっていないのに、午後になると違う仕事をやっている
当てはまると感じた人は、「お人好し型残業」に陥っている可能性が高いです!
このタイプの残業の特徴は、大事な仕事があるにもかかわらず、突発的な作業依頼を引き受けすぎて、定時内に終われる量を超えてしまうところ。
優しくて責任感のある人ほど陥りやすく、頼まれた仕事を断らずに片っ端から引き受けた結果、自分のキャパシティがわからなくなって、収拾がつかなくなるなんてこともしばしばです。
今日はその原因と対策を、日本とニュージーランドの比較から考えていきましょう。
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「それ、自分の仕事じゃないんで」と気軽に言えるニュージーランド、言いにくい日本
「お人好し型残業」が発生してしまうのには、日本の雇用体系独特の仕組みが関係しています。
僕の働いているニュージーランドを始め、欧米の多くの職場では、雇用契約時に「ジョブディスクリプション」というものを提示されるのが一般的です。
ジョブディスクリプションには、労働者がこなすべき仕事の範囲がどこまでなのか、明確に定義されています。僕の場合は職種がソフトウェアデベロッパーなので、プログラムの開発、不具合の原因調査と修正、関連技術文書の作成、などが含まれます。
逆に言えば、含まれていない仕事は一切やる必要がありません。万一、上司から「はっしー、システムをテストする人の手が足りてないから手伝ってよ!」と言われても「それ、僕の仕事じゃないです」と断れるんです(まずそんな指示はされませんけどね)。
しかし日本では、職種を限定しない総合職採用がほとんどです。個人の責任範囲があいまいなため、上司は手の空いてそうな人に、どんなタスクでも指示できてしまいます。
知らないうちに、誰でも「何でも屋」になってしまう可能性が高いんですね。
仕事の優先度を考えなければ、やることが際限なく増え続ける
もうひとつの大きな原因は、仕事の優先度に関する認識が甘いことです。
誰にでも、もっとも優先度の高い仕事があるはず。にも関わらず、頼まれた仕事を頼まれたそばから手をつけていては、最優先でやるべき仕事が終わらずに残業するハメになるのは当たり前ですね。
これに関してひとつ、最近驚いた事例を紹介します。僕とは別のチームが作成したモジュールを使って開発を進めていたところ、不具合を発見しました。これは直さなきゃダメだよねと、作成元のチームリーダーに修正の依頼をかけたところ、こんなことを言われたんです。
「それ、今はどのお客さんも使ってない機能だから、直す必要ないし、優先度も低いです。もし修正しなきゃだめなら、はっしーが直してくれる?」
えぇーっ!? なんで直してくれないの!? とひっくり返りそうになりました……。
ですが、これもリーダーの立場になればわからなくもありません。バグの修正なら、本番環境で発生しているものの修正が最優先。それ以外は当然後回しです。こちらのお願いを無条件に聞き入れていたら、ほんとうにやるべき仕事ができなくなってしまいます。
これはちょっと極端な例ですけど、タスクを引き受ける際に常に優先度を考えるのは重要なんです。
お人好し型残業から抜け出す方法。突発的な依頼は断る、または締切を調整しよう!
以上をふまえて、突発的な依頼をうまくさばいてお人好し型残業から抜け出す方法を考えましょう。
まずは「なんらかの根拠をもとに断る」。海外のように、個人の責任範囲が明確な職場であれば、それを盾にすることもできますが、日本ではちょっと難しいですね。
ということで、いまやっている仕事を根拠にして、これが終わるまではできません! とお断りするのが現実的でしょう。現在のタスクの重要度を説明すれば、上司も納得してくれるはずです。
それでもどーしてもやってくれ! と頼まれたときには「いまの仕事が終わるのが遅くなりますがそれでもいいですか?」と、優先度を調整してもらいましょう。突然仕事が増えたのですから、遅れるのは当たり前です。堂々と交渉して大丈夫!
最初は後ろめたさがあるかもしれませんが、できない仕事を引き受けてもしょうがないですからね。「できる範囲でがんばればいい」と考え方を変えてみてください!
まとめ
仕事を少しでも引き受けようと協力の姿勢を見せるのは良いことですが、許容量を超えてしまっては本末転倒です。やるかどうかの判断基準をしっかり持っておくことが大事だと覚えておいてください。
次回は、ちょっと驚きの、ニュージーランドの自由過ぎる働き方についてお伝えする予定です。それではまた!