WebディレクターがWebの枠を超えて「商流とビジネスを設計」する方法

ちゃんれみ


WebディレクターがWebの枠を超えて「商流とビジネスを設計」する方法

こんにちは! ディレクターのちゃんれみです。

すっかり年の瀬ですね。

ちゃんれみはWebの受託制作ディレクターを5年ほどしておりますが、そろそろ依頼に対する制作物を作るだけでなく、クライアントのビジネスにまで踏み込み、企画・提案できるようなディレクターになりたいと思っています。

先日、そんな私にぴったりな講義があったので、「LIG’s DIRECTION school 2016 with 日本ディレクション協会」に参加してきました!

今回はテーマは「商流とビジネスを設計する超具体的手法&失敗・成功パターン」。そのときの様子をお届けします!

▼目次

「LIG’s DIRECTION school 2016 with 日本ディレクション協会」とは?

  • ディレクションってなに?
  • 具体的にはどんなことをするの?
  • どんなスキルが必要になるの?

などなど、体系的に学びにくく、独自で現場でしか学ぶことができなかった「ディレクション」を学ばせてくれるスクールです。

初級・上級でそれぞれ全6回にわたり開催され、今回は上級編の最終回です! LIG’s DIRECTION school 2016は最終回を迎えましたが、日本ディレクション協会ではさまざまなディレクター向けイベントや勉強会が開催されているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

日本ディレクション協会 公式サイトへ

本日の講師

最終回を飾る講師は日本ディレクション協会の会長・中村健太さんです!

中村健太氏 今回の講師:中村 健太 株式会社ビットエーのCMO。数多くの大手メディアコンサルティング、およびディレクターとしてのサービスグロース施策を展開、成功させてきた実績を持つ。 日本ディレクション協会会長と理事を務め、多くの講演に登壇。主な著書に『超実践的 Webディレクターの教科書』など。

Webサイト制作だけにとどまらず、さまざまなプロジェクトに携わってきた中村さんから商流とビジネスを設計する方法ついて、具体的な失敗パターン・成功パターンも交えて講義をしていただきました。

アイデアをプロジェクトに変える4つのポイント

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どれだけ優れた事業計画も、世界を変えるかもしれない熱意も、アイデアや計画だけでは人を動かすことはできません。まずはアイデアを企画に、企画をプロジェクトに変えて進めていくポイントについて訊きました。

1.先にお金を引っ張って強引にクライアントワーク化する

自社で新規サービスを立ち上げる場合、社内で費用を捻出する必要があるため、長期的で厳密な計画が求められます。しかし、変わりゆく市場を予測して長期的に計画を立てることは難しく、さらに赤字になるリスクもあり、社内決済者の合意が得られず終わってしまうことが多いです。

その解決ポイントは、ずばり「計画にマッチする企業へ提案し、クライアントワーク化すること」。

たしかに赤字のリスクも少なく、一定の利益を得られるクライアントワークであれば、社内決済者の合意も得られやすくなりますよね。

クライアントの合意を得られない場合は?

提案した企画にどのクライアントからも合意を得られないのであれば、それは企画自体の訴求力が弱く、改善が必要だということ。企画の内容を磨くには「何も知らない人に資料なし&1分で『面白い』と言わせられるか」どうかが重要とのことです!

本当によい企画で自信があれば、おのずとうまく説明できてしまうものですもんね! 1分で要点を押さえて提案できるよう、ちゃんれみも心がけたいと思います。

2.プロジェクトをタスクに変えるチームづくり

費用を得ることができたら、次は制作をおこなうチームづくりです。そのときに重要となるのが、「お金や義務だけじゃない、信頼と名誉でつながった座組」をつくることです。仕事としての義務や、得られる対価がお金だけの関係は破綻しやすく、それプラスαの何かをメンバー個人に還元できる座組が必要です。

実際に、中村さんはWebサイトにスタッフロールを入れたり、リリースページにチームメンバーの名前を掲載したことがあるようです。クライアントの許可も含めて、事前にそれが実現可能な座組を作っているとのことでした。リソース管理や工数管理もディレクターの大事なお仕事の一つですが、プロジェクトを動かしているのは「」だということをつねに忘れずにいることが大事ですよね。

ちゃんれみもユーザーやクライアントだけでなく、チームメンバー一人ひとりが満足できるようなプロジェクトを作っていきたいと思いました。

3.全員に 「言い訳」を用意する

新規プロジェクトというのは、関わるすべての人に対してストレスになりがちです。出資者は赤字のリスクを抱えるわけですし、制作者も今ある業務に追加することになり、なかなか優先度が上がらず流れてしまうことも少なくありません。それを解決する方法は、「新規プロジェクトに参加する言い訳」を用意することです。

たとえば、出資者に対してこのプロジェクトを通して社会貢献ができる、制作者に対して実績や評価につながるなど、すべての人が本気を出すための「言い訳」が必要となります。
多くの人に「それなら仕方ない」「そのためならがんばるぞ!」と思ってもらうことが大事なんですね!

4.そこに愛はあるのかい?

クライアントも納得するすばらしい企画と、それに共感してくれるメンバーが揃えばプロジェクトは動きだすことができます。では、それ以外に必要なことってなんでしょうか?

ずばり「愛」です。

どれだけ優れたプロジェクトも、中心となる人物の愛がなければ継続的に進めていくことができません。どうしても飽きてしまうんですよね、人間だもの。飽きてしまうと「そのためならがんばるぞ」という言い訳が維持できず、結果破綻してしまいます。

中村さんも愛が持てず、最終的にプロジェクトを手放してしまった経験があるそうです。「本当に動かしたい企画は、必ず『自分の好き』を中心におくか、『好きを持ってる奴』を中心において責任と権限を渡したほうがいい」というお言葉が印象的でした。どれだけ条件が揃っていても、愛がなければ上手くいかない…。男女の関係と似てますね(違うかな)。

赤字覚悟にしないための「商流設計」

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「商流」とは?

商流とは「商的流通」の略で、流通経路やコストを含めた物流の取引の流れのことです。Webの世界では「人」「情報」「お金」の流れを設計し、サービスを拡大するほど利益になる流れを組み立てることが重要となります。

実際に中村さんが携わったアニメCMやチャットbot開発のお話をもとに、商流の組み立て方のコツを教えていただきました。

登場人物リスト

まずは商流に登場するすべての人物を洗い出します。このときにユーザーやクライアントのみでなく、関連団体やサービスなど、できるだけ多くの人物を登場させることがポイントとのこと。登場人物の相関性を図にしてみると、それぞれが抱える課題が浮き彫りになり、「では、どうすればいいか」まで落とし込むことができます。

そして、このときに登場人物の中から「お金をもらう対象」を決めます。

リーンキャンバス

登場人物とお金をもらう対象を洗い出せたら、次はリーンキャンバスに落とし込んでいきます。
リーンキャンバスとは、事業計画を立てるときの手法の一つで、「課題」「ソリューション」「優位性」や「顧客セグメント」など、事業に必要な9つの事項を1枚の用紙に記載します。短時間で一目でわかりやすく事業計画に必要な内容を洗い出すことができます。

「商流」を組み立てる上で大事なこと

登場人物が新規事業のために投下する資本(労力や金銭など)を超える価値を提供できるよう全員分を設計する必要があります。

つまり、商流を組み立てる上でもっとも大事なことは「登場人物すべてが笑顔になれること」とのこと。ビジネスにも愛と笑顔が不可欠なんですね。

ワークショップの様子

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ワークショップでは、とあるリクルートサイトの「女性向け採用アプローチ力の強化」をお題に、新規サービスの企画を考えました。

はじめはどう進めていけばよいかに頭を悩ませてしまいましたが、ひとつアイデアが出ると、事前に用意された「登場人物リスト」「リーンキャンバス」「商流図」を活用して、どんどん企画が膨らんでいきました。

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今回は上級編の最終回ということもあり、ワークショップも超高難易度! しかし苦労の甲斐あって、とても個性的な企画がたくさん生まれ、特別に全グループで発表をすることに。

中には「もうそのまま提案に持っていったら?」と中村さんも太鼓判を押す企画もあり、とても充実したワークショップでした!

講義を振り返って

さて、初級・上級合わせて約1年にわたり続いた「LIG’s DIRECTION school 2016」も最終回を迎えました!

毎回異なる講師の方がおこなう充実した講義はもちろんのこと、実践を通して学ぶことが多いディレクションにおいて、さまざまな人と意見交換しながら進めるワークショップはとても勉強になりました。講義のあとにおこなわれる懇親会では、同じディレクターとして抱える悩みややりがいなどを共有し、親睦を深めることができました。

日々変化するWeb業界と、広がり続けるディレクターの業務領域に順応するには、つねに学び続けることが必要不可欠です。

ぜひ次の機会もまた参加させていただきたいと思っております。それでは、また!

▼前回までのレポートはこちら

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