ディレクターなら身につけたい『勝つプレゼン!』の極意

ディレクターなら身につけたい『勝つプレゼン!』の極意

阿羅漢

阿羅漢

こんにちは! ディレクターの阿羅漢(あらか)です。

Web制作をしているとコンペの参加や、他企業様と共同制作することってありますよね!企画段階から関わることもしばしばです。

そんな時に思うのは、社内だけで紡ぎ上げたプレゼン力が通用するのか、ということ! どんなに良い企画を用意しても、伝わらなければ意味がありません!

というわけで毎月LIGと日本ディレクション協会が贈る『LIG’s DIRECTION school 2016』に参加し、勝つためのプレゼン力を学んできました。

はじめに:『LIG’s DIRECTION school 2016』とは

これは、体系的に学びにくい「ディレクション」を、豊富な現場経験を持つプロの講師から直接教えてもらえるスクールです。

授業は初級もしくは上級コースがあり、それぞれ全6回、1年間かけてディレクションノウハウを習得します。なお、単体受講も可能なので参加できる回だけの参加もOKです!

スクール詳細はこちら

今回は30名ほどの生徒さんが常にコミニュケーションを取りながら、熱のこもった授業を繰り広げられていました!

ぼくも座学とワークショップを通して「自分に足りないもの」や「新しい視点」を多く学ぶことができました!
それでは、授業の内容をまとめつつ、学んだことをご紹介させていただきます!

プレゼンは、人を動かすための手段

田口さん プレゼン

田口さん 今回の講師:田口 真行 氏
株式会社デスクトップワークス 代表取締役。2006年、フリーから法人化、株式会社デスク トップワークスを設立。2013年、Webディレクター育成に特化した教育機関「Webディレクタースクール」を設立。2014年、日本ディレクション協会に参加。Webを中心とした企画制作会社として事業展開する傍ら、若手クリエイターの育成にも力を注ぐ。

プレゼンは、意図をもって相手のアクションを促すための手段です。この点を意識してプレゼンするか否かで、大きく差が出てしまうという問題の提起から、講義が始まりました。

この「アクションを起こさせる手段である」ということは、当たり前がゆえに失念しがちなことでもあります。相手にただ情報を伝えるだけになってしまっていることもしばしば……と、はじめから心に刺さる一言がありました。

狙いをもって企画を立案し、プレゼンの準備をすることが『相手の共感を生み出し、狙い通りのアクションを起こしてもらう』ためのコミュニケーションへとつながっていくのだなと実感しました。

相手にどんなアクションを起こして欲しいのか、その目的を設定する

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まずは「相手にどんなアクションを起こして欲しいのか」というプレゼンの目的を設定することから、プレゼンの組み立ては始まります。プレゼンを通じて企画に賛同して欲しいのか、またデザインを決めて欲しいのかなど、プレゼンの目的は状況によって変わりますが、まずはそこをハッキリ定めることが大切です。

そしてこれは企画プレゼンだけではなく、設計段階やデザイン時の提案など、どの工程にも通ずるそう。振り返ってみればたしかに、日常のディレクションでも、スケジュールは「期日を守ってもらう」ため、議事録は「話した内容の認識確認」のため、また次のアクションを起こすことを目的にコミュニケーションをはかります。

なにげのない日常的な会話も、相手に何かを「伝える」ということにおいてはプレゼンテーションなのだ、ということを再認識しました。

講座の中では、この目的を「意識しない状態」「意識した状態」でプレゼンすることの比較を実際に見せていただいたり、それを踏まえて、すべての参加者が自らプレゼンしたりと、観察と実践という両方の体験を学びました。

プレゼンテーションを彩るテクニックとは?

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次は、「プレゼンテーションをおこなう上でのテクニック」。3つの要点に注目し、講座が進んでいきます。

1. 『印象』を考える

プレゼンに臨む際に大事なことは、話す内容だけではありません。表情やその場に応じた服装などの印象が重要です。

雰囲気や見せ方で話し手自体に違和感を持たれてしまうと、そもそもプレゼンの内容を聞いてもらえない、というようなことにもなりかねません。あえて「狙って」の表現などはプレゼン技術のひとつではありますが、まず当然ながら「伝えること」を妨げないことが大前提なのです。

また企画書でのプレゼン方法も、印象の要素のひとつ。スライドなのか、紙での資料を配布するのか。企画の内容や自身の雰囲気に合わせて、どうやったら印象深く伝えることができるのか。こういったことを十分に考え、準備することが重要とのことでした。

2. ストーリーを組み立てる

自分の考えた内容を伝え、共感してもらうためには、話の展開(ストーリー)を組み立てなくてはいけません。

そのポイントとして、「根拠は共感を生み、共感は人を動かす」、これを意識しながら、情報の洗い出しと整理をおこない、相手を巻き込むことを意識しながらストーリーを組み立てていくことが大切です。

ただし、ストーリーをしっかり用意して臨んでも、計算通りに進むとは限りません。「いま話している内容が、伝わっているかな?」と、相手の反応を見ながら話を進めていくことができなくては、実際に時間をもらい、対面している意味がなくなってしまいます。

相手の心境を汲み取るポイントとしては、ヒアリングの時点から相手の考えていることや好みを察知すること。そして、大事な時間を割いていただいている分、良質な関係性を構築することを意識しましょう。

ただし、良質な関係性の構築も、突拍子もない企画案を出すことばかりに注力しすぎたり、相手に響くように無理にホームランを打とうと意気込むと空回りしてしまうのが難しいところです。

たとえばWebサイト制作の依頼の場合でも、クライアントの悩みをヒアリングしていくことによって、本当にWebサイト制作することがその解決につながるのか、掘り下げていくと実は他の施策の方が良いのではないか、なんてことが見えてくることもあります。

そのためには、相手が何を悩んでいるのか、何を解決したいと思っているのか……そういった「なぜこちらに相談をしてくれたのか?」という根本的な理由を、会話や相談のキャッチボール(コミュニケーション)を意識し、潜在的なことを掬い上げる力量が必要なのです。

3. 演出をうまく活用する!

さらに、より伝わりやすい演出方法についてもご教示いただきました。これは伝える内容というよりもむしろ、伝えるための空気づくりと言えます。

例えば、プレゼンの時間の選び方ひとつとっても、昼食休憩直後の午後1時を避けて午後2時にする、退社後の予定を思い浮かべてしまう金曜の夜は避ける。このようなことも有効な空気作りであり、効果的なリスクヘッジでもあります。

また、ワイヤーフレームを提出する際も、状況によってはクライアントと一緒に考え、書きこめるように紙の資料を持っていく。確定事項はホワイトボードに大きく記載し星マークなどをつけることで決定したことを強調し印象づける、などの、すぐに現場で実践できるテクニックも教えていただきました。

いかに自分の空気をつくって相手を自然と巻き込みならがらも、「いま話していることは相手に伝わっているか?」と意識し続け、状況を瞬時に把握する。難しいですが、常にこうやって進めていくことが重要です。

そしてこれは高度なテクニックになりますが、状況によっては相手やその場の空気に乗ってしまうことも選択するという柔軟さを持つことが大事だというのも、とても印象深い要素でした。

身近なものの価値を洗い出す

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終盤のプログラムとして、グループごとに自分たちのいま所有している「モノ」を1つピックアップし、その価値を講座の参加者全員に発表するワークショップがありました。

価値を伝えるために、その「モノ」のどこが良い点なのか、どのように伝えるとこの「モノ」を欲しくなるのか、というように、講座の参加者の方々のインサイトを探りながらプレゼンする。座学だけではなく、グループを組んでやってみるということで、改めてプレゼンの難しさを実感するとともに、楽しさも感じることのできた、あっという間の4時間でした。

自分らしさを確立することが、良いプレゼンにつながる

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「プレゼンで大切なのは、知識やテクニックの型にはまらず、それぞれのシーンに合わせた臨機応変な対応を磨くこと、そして自分らしいプレゼンスタイルを確立すること」

基本の考え方、そしてさまざまな手法を教えていただいた後に強くおっしゃっていたのが、この言葉でした。

プレゼンの目的をはっきりと意識しながら、「人に伝えて、人をつかみ、人を動かす」。これはディレクションに留まらず、あらゆる場面に活かせること。自分も常に意識していかなくては、と改めて背筋が伸びました。

イベントで使用したスライドをシェアいたします!

さいごに

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人に思いを伝える、届ける、共感を得るということはとても難しいことです。だからといって自分の思いをぶつけるだけになってしまったり、逆に変な遠慮をしてしまうのも良いプレゼンとは言えません。

プレゼンが一方的な伝達に終わらないよう、良質な関係性を築くコミュニケーションの手段としてプレゼンを磨いていくべきだと、田口さんの熱い言葉全体が物語っていました。

【告知】LIG’s DIRECTION school 2016はまだまだ続きます!

今回ぼくが参加したのは、『LIG’s DIRECTION school 2016』上級コースの4回目でした! コースをお申し込みでない方も、初級・上級ともに今から単発での受講が可能です。

次回は9月18日(日)に、初級コースの5回目「ディレクターが知るべきWebプロモーションとは?サイトで売れる仕組みを作る」を開講します。

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プロモーションは広告会社にまかせっきりになってはいないでしょうか? すぐに実践できるプロモーション設計とはどういったものなのか、ぜひ講座を通して学んでみてください!

▼ 詳細はコチラ ▼
ディレクターが知るべきWebプロモーションとは?

▼前回までのレポートはこちら

それでは、また「LIG’s DIRECTION school」でお会いしましょう!

LIGはWebサイト制作を支援しています。ご興味のある方は事業ぺージをぜひご覧ください。

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お疲れさまです。ディレクターの阿羅漢です。 東京、新潟、長野に縁があるす。 小学校の頃は阿羅加という名でした。 【役職紹介 / Web受託制作チーム】 前職は、紙媒体や体験コンテンツなどのクリエイティブに関わっておりました。WEB業界に入った理由は、より多くの人に触れてもらえる媒体で何ができるか試したいので。 とはいえ、大切にしたいのは、お客様にとって、また、お客様に関わるユーザーにとって、 良いコミュニケーションを産むクリエイティブを考える。 そのために、日々、精進してまいります。 【普段やっていること】 表現をつくっていく上で、企画から携わり、「このサイトは、誰に何を伝えたいのか?」をお客様と一緒に設計していきます。 また、制作ディレクションも行っています。 企画、設計を基に「どんな表現が最大限の効果を持たすことができるのだろう?」ということを考えながら、制作の工程を進めていきます。 ときに、お客さまのご意見とぶつかることもありますが、どうしてぶつかるのかを考え、話し合いながら、つくり上げていくことができることが、制作者としての楽しみだと思います。 まだまだ至らないところばかりですが、楽しい毎日です。

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