「誰にも負けない強み」を持つことがデザイナーへの道

「誰にも負けない強み」を持つことがデザイナーへの道

たけさん

たけさん

こんにちは。アートディレクターの竹原です。

Vol.1Vol.2Vol.3と書いてきたLIGデザイナー陣による連載「Webデザインをはじめよう」もいよいよVol.4に突入です。

この「Webデザインをはじめよう」は、これからWebデザイナーを目指す人、またWebデザインへの興味を深めたい人向けの連載です。この連載を執筆している我々も読者の皆様と同じように、デザイナーを志したきっかけがあり、そこからさまざまな方法でデザインを学び、いつくかのキャリアを経て今こうやってLIGのデザイナーとして毎日制作の第一線の現場で働いています。

そこでVol.4では、我々LIGのデザイナー陣がどのようなきっかけでデザイナーを志し、どうやってデザインを学び、どんなキャリアを経て現在に至るのか、「デザイナーへの道」について書いていこうかと思います。

▼これまでの「デザイナーへの道」

デザイナーを志したきっかけ

絵を描いたりデザインする仕事がしたかった

高校3年の美術の授業のときに美大のデザイン科を目指しているクラスメートから勧められたのが、デザイナーを志したきっかけでした。

他にやりたいことなんてなかったし、昔から絵を描くことは好きだったので、「将来そういうことを仕事にできたら楽しそうだな」ぐらいの気持ちでした。

受験を決めたものの、実家から通える距離にあった私大デザイン科の倍率はおよそ20倍。
今から準備してたんじゃ到底無理だと思いつつも、デザインという言葉に惹かれる気持ちが強かったのと、美術科であればもう少し倍率は低かったんですが、卒業後の働き方のイメージができなかったのでデザイン科一本で受験することにしました。

そして高校3年生の夏から美大専門の予備校に通いますが、やはり不合格……。

短大や専門学校進学の選択肢もありましたが、一度目指したデザイン科への進学をあきらめきれずに、一年だけの約束で浪人の道を選びました。

毎日絵を描き続けるなかで見つけた自分の強み

当時の入試の試験科目は、鉛筆デッサンと色彩構成(+学科試験)でした。

当時通っていた予備校には私大よりさらに難関の国公立の芸大を目指す強者もいて、そんな仲間の背中に少しでも追いつきたい、また下から突き上げてくる現役生には絶対負けたくないっていう緊張感のなかで、毎日必死で絵を描き続けました。

受験準備を始めたのが遅かったこともあり、予備校に入ってすぐの頃はライバルに比べて画力が乏しく、満足な絵を描けない状態でした。しかし、浪人生活に入り、絵を描く時間ができたことで徐々に上達していきました。

特に鉛筆デッサンは講師の先生からも毎回高い評価をもらえるようになり、デッサン力、つまりモノをよく観察して正確に描写する能力は、他の人には負けない自分の強みであると気づきました。

鉛筆デッサンは描いててすごく楽しかったし、受験で20分の1の席を勝ち取るには、自分が得意なところを徹底的に磨くしかないと思い、特に力を入れて描き続けました。
その結果、鉛筆デッサン100点満点をとって志望校に無事合格。

このとき身につけたデッサン力は、その後のデザイナーのキャリアのなかでも大きな武器になっていくことになります。

自分の強みを生かして何をやりたいのかをアピール

バイトと遊びに明け暮れ、制作活動と呼べるのはゼミの課題だけという腑抜けた大学生活もあっというまに終盤にさしかかり、就職活動の時期を迎えます。

当時、佐藤可士和さんがSMAPのアートワークで大きな注目を集めていた頃で、広告のデザインやアートディレクションに憧れ、広告代理店で働きたいと思うようになりました。

しかし、就活でアピールできるような実績は何もなく、就職活動をしたものの、結局どこの代理店からも内定をもらうことができませんでした。

半ば就職を諦めかけてたとき、たまたま大手ゲーム会社の新卒採用の募集に目がとまります。
それは募集要項のデザイナーに必要な能力の欄に「デッサン力」と書いてあったから。当時CGアニメーションにも興味があったことと、「ゲーム会社であれば自分の強みを存分に活かせるのではないか」と思い、すぐにエントリー。

面接では、自分の強みとそれを生かして何がしたいのかをアピールしました。そして、応募1社目のゲーム会社でいきなり内定をもらうことができたのです。

デザイナーのキャリアがスタートしてから

デッサン力はどんなデザインにも活かせる

ゲーム会社入社後は、CGデザイナーとしてレースゲームに登場する車両の制作を担当しました。CGツールを用いたモデリングは会社に入るまでやったことはありませんでしたが、ツールとコツさえ覚えれてしまえば、得意のデッサン力を応用して成果を出すことができました。

デッサン力、つまり観察力×描写力は、CGだけでなく、Web、グラフィック、イラスト、アニメーションなど、さまざまな分野で活かすことができます。

まったくの0からデザインを生み出せる人はほとんどいないと思いますから、世界中にあるさまざまな視覚情報からインスピレーションを受けることが第一歩になります。そして自分のデザインに取り入れていくには、それらをよく観察をして、分析し、必要な要素を正確に表現する力は不可欠なのです。

失敗した原因を引いた視点で考えてみる

「より幅広いデザインに携わりたい」と考え、3年半勤務したゲーム会社を退職。先輩の立ち上げたデザイン制作会社へ転職します。

転職後は、

  • Webサイト制作
  • UI設計
  • CI、VI(シンボルマークやロゴ)制作
  • Flashコンテンツ
  • 紙系印刷物

など、さまざまなデザイン制作に携わることになりますが、転職後の数年間はまったく成果が出せず大きな挫折を味わうことになりました。

良い提案ができない、もとめられるクオリティを出せない、スケジュールを守れない……など、失敗ばかりの日々でプロジェクトを炎上させることもしばしば。ゲーム会社勤務時と比べると勤務時間も大幅に増え、徹夜作業も毎週のようになりました。

しかし、そうやってデザインに関するありとあらゆる失敗を繰り返すなかで、失敗するときの傾向が徐々にわかるようになってきました。そして失敗の原因を分析し、やり方を少しづつ変えていくことで、成功体験が少しずつ増えいくようになりました。

また過去の経験から、「このまま進めているとおそらく失敗するだろう」と事前に察知できるようになり、早めの方向転換や対策を講じるなど先回りして手を打てるようになりました。

クオリティについては、先輩に根気強く指導してもらったことと、模写を繰り返し、良いものをよく観察して分析し、自分のデザインに取り入れて地道に続けることで改善できました。

最後に

失敗は成功への近道と言いますが、近道かどうかはともかく成功へと続いている道なのは間違いありません。

失敗経験は人並み以上だと自負している僕にとって、デザイナーとして一人立ちができ、今のポジションで仕事ができているのは、紛れもなくこれまで積み重ねてきた失敗経験のおかげです。

もちろん失敗をするためにはそれをフォローできる人が近くにないなとダメですし、失敗を許容できる周りの環境も必要不可欠です(そういう意味では僕はすごく恵まれた環境だったと思います)。

失敗に対して悲観的になりすぎず、それでもあきらめずに食らいつくことと、失敗したらその原因を一度引いて考えてみること。

デザイナーに限らず、成長していく上ですごく大事なことだと思います。

キャリアアップ
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アートディレクター 走った後のビールは最高ですね。

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