スクリプト体
Shelley Script <シェリー・スクリプト>
典型的なカッパープレート・スクリプト体で、かつ定番とも言える書体です。
ファミリーがウェイトではなく装飾の度合いで分けられていて、Andante(歩くような早さで)・Allegro(陽気に・速く)・Volante(飛ぶように軽快に)という音楽用語の名前がついた3種類が用意されています。
Snell Roundhand(スネル・ラウンドハンド)
Shelley Scriptと同じく、マシュー・カーターが制作したカッパープレート・スクリプト体の定番です。
こちらは装飾が少なく、気品とフォーマル感を兼ね備えています。
落ち着いた雰囲気にしつつ少し画面に動きがほしいとき、最終的にいつもこの書体を選んでいますね。
Zapfino <ツァプフィーノ>
Palatinoを作ったヘルマン・ツァップの代表的な書体です。カッパープレート・スクリプト体とは異なり、大文字の形が現代的で読みやすいのが嬉しいですね。
スクリプト体の改まった雰囲気や気品は保ちながらも、滑らかで大胆なラインが開放感と遊び心を感じさせてくれます。
余白を大きく取る必要があるので、自分で使ったことはあまりないですが、ワインのラベルでよく見かけます。
AppleのOSにバンドルされています。
Linoscript <ライノスクリプト>
跳ねるような線の運びと丸まった装飾が特徴的です。
カッパープレート・スクリプト体との大きな違いは、文字が垂直に立っていることですね。
ブラックレター体
Wittenberger Fraktur <ウィッテンベルガー・フラクトゥア>
大文字に直線がほぼなく、癖の強い書体です。
黒い部分は多くありませんが、なんとなくドイツっぽさを感じさせますね。
たぶん初見では読めません。
Wedding Text <ウェディング・テキスト>
イギリス系のブラックレター体です。
こちらの方が直線が多くて、セリフ体のアルファベットに多少近いので読みやすいですね。
イギリス系は装飾が多い傾向にあるように思います。
さいごに
いつもは和文の書体というよりフォントの話ばかりだったので、あまり触れたことのない欧文書体がテーマでしたが、いかがだったでしょうか。
こうやって欧文書体を大まかに捉えると、その書体の数々が、文字の書かれ方や印刷技術の発展によって発明されてきたのがわかります。
和文は欧文と歴史がまったく異なるので、定番や時代ごとの変化はたどりづらいのですが、今度は和文書体でもまとめてみたいです。
参考書籍
【関連リンク】
デザインに関わる人へ。最低限押さえたいフォントの基礎知識あれこれ
【フォントの些事】第1回 インストールする前に確認したいフリーフォントの基礎知識
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