Web編集者・ライターが間違うと恥ずかしい日本語の正しい用法10選

Web編集者・ライターが間違うと恥ずかしい日本語の正しい用法10選

LIGブログ編集部

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こんにちは、LIGブログ編集長の朽木(@amanojerk)です。いま僕の背後では、社長から「デスクが汚い」と怒られたらしい上司が「守破離しなきゃ、守破離…」とブツブツ言いながらゴミを捨てています。

ちなみに、守破離(しゅはり)とは、

まず師匠に言われた型を「る」ところから修行がはじまり、その型を研究してより自分に合った型をつくることで既存の型を「り」、最終的には師匠の型、そして自分自身の型からも「れ」て自在になる。

という意味の、要するに剣道とかのヤツです。多分なんですけど、断捨離(だんしゃり)って言いたかったんだと思います。

さて、かく言う僕も編集・ライティング業務に従事しておりますが、出版社や編集プロダクションの勤務歴はありません。また、今でこそ社内の編集者たちをとりまとめる立場ですが、僕の入社以前は社内に商業経験のある編集者・ライターがほとんどおりませんでした。
何が言いたいかというと、誰にも教わることなく独学でここまで来てしまったため、言葉づかいを誤って恥ずかしい思いをすることがチラホラあるということ。
人のこと笑えない。

そこで今回は、これまで編集者・ライターとして活動する過程で僕が間違って使って、恥ずかしい思いをした日本語を選んで、正しい用法と共にまとめてみました。みなさんにも意外な落とし穴かも知れませんので、ぜひご一読いただければ幸いです。

注意
正しい日本語、というと文学部の教授でもない僕にはなかなか難しいところがあるので、なるべく信頼できそうな出典を明記してあります。しかし、なにせ体系立った国語の勉強をしていないため、諸先輩方にはぜひ、追加の情報提供や、認識に誤りがあればその訂正などをしてもらえると幸いです。

また、正しさとは主観的であるため、「書きたいように書けばいい」というのは真理です。ご意見・ご指摘はむしろご褒美ですので、お気軽にお寄せくださいませ。

あらかじめ、本文の内容をチェックリストの形式で共有しておきます。

□1. 「または」と「あるいは」は同じ意味か
□2. 「よろしくお願い致します」は正しい用法か
□3. 「イタダく」「クダさい」を閉じるか開くか
□4. 「事と次第によっては」と「うまいことを言う」の違いは
□5. 「時として」と「困ったとき」の違いは
□6. 「学生はすべからく勉学に励むべき」の意味は
□7. 「立ち振る舞い」か「立ち居振る舞い」か
□8. 「友達」か「友だち」か
□9. 「子供」か「子ども」か
□10. 文頭の「なので」は適切か

「全部わかる」という日本語モンスターはぜひ、本文をすっ飛ばしてまとめを読み進めていただけると幸いです。
それでは、はじめます。

Web編集者・ライターが間違うと恥ずかしい日本語の正しい用法10選

「または」と「あるいは」は同じ意味か

接続詞としての「または」は“2つ以上の似た言葉のうち、どれを選んでもいいさま”を指します。
接続詞としての「あるいは」は“2つの似た言葉のうち、どちらか”を指します。

つまり、“AまたはB”だとAでもBでも自由なのですが、“AあるいはB”だとAかBかどちらかを選ばなければなりません。
厳密にはそもそも3つ以上のものに「あるいは」が使えないようなので、「または」の方が使える範囲が広い、と認識しておいてよさそうです。

ちなみに、副詞的な“もしかすると”の意味の用法になると「または」「あるいは」はだいたい同じになります。

出典:又は – コトバンク / 或いは – コトバンク

「よろしくお願い致します」は正しい用法か

ビジネスメールなどで“よろしくお願い致します”という文言をよく見かけるのですが、「致す」と閉じる(以下、漢字で書くこと)か「いたす」と開くか(以下、仮名で書くこと)で用法が異なります。

「致す」と閉じた場合は動詞の用法になり、“そのことがもとで、よくない結果を引き起こす”という意味が含まれます。
テレビの謝罪会見などで、「私の不徳の致すところです」のように頭を下げる姿を見たことがあるのではないでしょうか。

「いたす」と開いた場合は補助動詞「する」の謙譲語・丁寧語の用法になり、例えば“お願いする”の謙譲語・丁寧語は“よろしくお願いいたします”になります。
つまり、「よろしくお願い致します」よりは「よろしくお願いいたします」の方が正しい用法ということになります。

補助動詞は公用文書の書き方を規定する内閣訓令でも開くで統一されています。

出典:致す – コトバンク / 公用文に関する諸通知 – 文化庁

「イタダく」「クダさい」を閉じるか開くか

同じように、動詞と補助動詞で意味が異なる言葉はいくつかあり、代表的なものが「頂く」「いただく」と「下さい」「ください」でしょう。原則は前述したように、“補助動詞は開く”です。

ここで、「頂く」は「貰う」「食う」「飲む」などの意味の動詞の謙譲語として使う場合に、「(モノ・コトを)頂きます」と閉じます。一方、「お休みさせていただきます」のように補助動詞として使う場合は開きます。
ビジネスメールで“お休みさせて頂きます”と閉じてしまうのは、厳密には正しくない、ということになります。

「下さい」も同様に、閉じるのは「お金を下さい」のように実質動詞「くれ」の尊敬語として使う場合で、「お金をお恵みください」のように補助動詞では開きます。
「ご注意下さい」という文言をしばしば見かけるのですが、これは開くべき、ということになります。

出典:頂く – コトバンク / 下さい – コトバンク

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