Webサイト改善の5ステップと成功事例をWeb制作会社が伝授

Noboru Yoshida

Noboru Yoshida

こんにちは、株式会社LIGデザイン部 部長の吉田です。

2007年創業のWeb制作会社である弊社LIGは、日々お客様よりWebサイト改善やサイトリニューアルのご相談をいただいています。

そこでこの記事では、Webサイト改善の流れを5ステップで解説すると共に、Webサイト改善・リニューアルの具体的な成功事例をお伝えします。

💡サイトリニューアルの9ステップはこちらの記事から

なぜサイト改善が重要なのか

Webサイトは「作って終わり」ではありません。

Webサイトで成果を出し続けるための運用や改善は、作るときと同じくらい大切であり、

成果を出し続けるためには、Webサイト改善が必須になります。

Webサイト改善というと「見た目」を変えるイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、見た目「だけ」の変化では成果が上がる可能性は高くありません。

Webサイトの改善5ステップ

①Webサイトの目的・ゴールをハッキリさせる

内容自体は企業によってもちろん異なりますが、Webサイトは目的を持って作られています。

ホームページの開設目的
参考・引用:中小企業庁

中小企業庁の調査結果では、「信用力の向上」「販売促進」「新規受注先の拡大」などが多くの目的として挙げられています。

いずれも自社の成長や拡大を期待して、Webサイトが存在しているのです。

Webサイト改善に着手する際は、まず一度自社Webサイトの「目的・役割」を明確にすることをおすすめします。

「そんなの当然だろ」というお声もあるかと思うのですが、意外とここがハッキリしていないWebサイトも数多くあるのです……。

その際はどんな人をターゲットにするのか、ターゲティングもしっかりとおこなうことも非常に重要です。

②仮説を立て、現状を分析する

その目的に対して現在はどういった成果になっているのか、現状を分析します。

早速GA4(旧:Googleアナリティクス)などで数字を見たいと思いますが、ちょっと待ってください!

GA4では多様なデータを閲覧でき、それ故にあらゆる分析をおこなうとすごく時間がかかります。

その結果、ただ数字を確認しただけの分析結果になってしまうことがありまして……。

もし短時間で分析をするなら、「まず仮説を立てる」ことをおすすめします。

例えば「サイト経由の売上を伸ばす」ことが目的の場合、

「検索順位が落ちているのかも」
「どういった商品・サービスなのかがWebサイトから伝わりきれてないのかも」
「問い合わせフォームで離脱されているのかも……」

など、仮説を立てることで、ピンポイントで短時間での解析が可能になります。

適切な仮説立てのためには担当者の経験やスキルも必要になります。また、ここで経験や勘に頼りたくなるのですが、フラットな気持ちで仮説を立て分析しましょう。

Webサイト改善においてよく見られる指標は「CVR」、「滞在時間」、「直帰率」、「表示速度」です。

もちろん閲覧数やユーザー属性、使用デバイスや流入経路も確認しましょう。

③課題を把握する

自社のWebサイトはどういったところに課題・問題点があるのか、分析結果を基に把握しましょう。

今までのデータや競合との比較などから課題について仮説を立てられるかと思います。

CVRに課題がある場合

CVR(コンバージョンレート)とは、サイト訪問者の中から問い合わせや購入など、サイトのゴール(最終目的)に至った件数割合のこと。

この場合はCTAや入力フォームに問題があるパターンが多数を占めます(もちろん、その他の要因もあるかと思います)。

入力フォームがユーザーにストレスを与える仕様になっていて離脱されていたり、CTAの設置場所や文言が悪く、無視されているなどのケースが挙げられます。

フォームの見直しや、CTAボタンの改善をおこないましょう。

💡入力フォームの最適化(EFO)についてはこちらの記事から

滞在時間に課題がある場合

滞在時間が短い、または極端に長い場合は注意が必要です。

極端に短い場合はたいてい表示速度かファーストビューに原因があり、「目的のサイトじゃないかも」「なんか違うな」と思われ離脱されています。

ユーザーは、すぐに欲しい情報を得たいと思っています。惹きつけるファーストビューを意識して見直すことで改善する可能性があります。

「長い場合はいいのでは?」と思うかもしれません。ですが、妙に長い場合は「サイトの内容を理解しにくい構造になっている」可能性もあります。

ユーザーの動線が煩雑になっていないか、閲覧しにくいレイアウトになっていないかなど、自分の目でサイトを分析しましょう。

直帰率に課題がある場合

直帰率とは、「最初に訪れたページだけ見て離脱された(サイト内を回遊してくれていない)率」のことです。

こちらは複数の原因が考えられます。

  • UIやデザインに問題がある
  • ファーストビューで惹きつけられていない
  • 表示速度が遅い

直帰率が高い場合、サイトを訪れたユーザーが「満足しなかった」可能性があるといえます。

直帰率の目安はサイトの種類や業界によっても異なりますが、問題がある場合はデザインや表示速度の改善が求められます。

表示速度に課題がある場合

「表示速度」はかなり重要で、滞在時間や直帰率にも影響が出ます。

皆様もクリックしてなかなかページに遷移せず、「もういいや」と離脱したことがあるのではないでしょうか。

Google公式の「PageSpeed Insights」を使えば、自社はもちろん競合サイトのスピードもすぐに計測できますので、Webに関する主な指標を確認しましょう。

デザインに凝ることも大切ですが、自社だけが主な指標を満たしていない場合は大きく機会損失している可能性があります。

サーバーや画像ファイルなど、遅延の原因になっているものを改善しましょう。

④優先順位をつけて、改善策を実施する

問題点がわかったら、こちらも仮説を立てて改善します。

Webサイト改善は限られたリソースでおこなうかと思いますので、効果の高いものから優先順位をつけて実施していくことが基本です。

ですので、多くはコンバージョンに寄与するページの改善になるかと思います。

例えば資料請求フォームに月間100人訪れているのに、実際にDLしているのは10人だった場合、

・入力フォームが煩雑で面倒 →入力箇所を少なくしてみる
・ページから資料請求フォームだと伝わっていない →ページ上部に資料請求フォームだと明記する
・多くのユーザーがスマホから来ているのに、サイトがスマホに対応していない →スマホに対応したサイトにする

など、課題から様々な解決策が考えられるかと思います。

分析結果をもとに、優先度の高い改善策を実行していきましょう。

⑤効果測定し、次の改善を繰り返す

成果を出し続けるためには、改善を繰り返すことが大切です。

ここはPCDAを回せなどと言われる部分で、様々なことをするので難しく考えがちなのですが……基本的な考え方は

「サイトに手を加えてみて、成果が改善すればよく、落ちたらダメ(元に戻す)」

というシンプルな思考です。

ただ場当たり的におこなったり、ただ数字を出したいためだけにやるのではなく、成果につながる仮説を基に実行することをおすすめいたします。

💡サイト改善のPDCAサイクルを組み立てる7つのステップはこちらから

どうしていいかわからないときは

LIGではWebサイト改善コンサルティングをおこなっています。

マーケティング/デザイン/SEOなど、それぞれのスペシャリストがプロ目線で課題を整理し、分析〜リサーチ〜具体的なアイデア出しまで一貫して実施。クライアント視点とエンドユーザー視点の両方を行き来することで、あらゆる観点でクリエイティブなアイデアを可視化していきます。

課題の設定から分析、戦略策定まで「Webサイトが形になる前」の段階でのご支援も可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

ご相談はこちらから

💡株式会社LIG サイト改善コンサルティングの詳細はこちら

もちろんサイトリニューアルも創業以来得意としていますので、お気軽にご相談くださいませ。

サイト改善で役立つGoogleの無料ツール5選

サイト改善はツールを使いデータを見ておこなうことが多いのですが、よく使われるGoogleの無料ツールを5つ紹介いたします。

Google アナリティクス4(GA4)

GA4を自社のサイトにまだ導入してなければ、絶対に導入しましょう。

分析といえばGA4、というくらいメインとなりうるツールです。自社が保有するサイトのアクセス状況など、さまざまな数字や動きを分析できます。

元々はGoogleアナリティクスというツールでしたが、2023年7月に進化してGA4となりました。GoogleもGA4の利用を推奨しており、今後も主流の分析ツールとなる見通しです。

WEBサイトとアプリ(iOS・Android)のどちいらでもデータ収集と分析が可能となっているほか、AIを活用した分析機能や予測する機能も使うことができ、AIによるおすすめの施策などを提案してもらうことも可能です。

正直そこまで精度が高いものではないのですが、AIの進化は目覚ましいので今後に期待でき、今のうちから活用できるようにしておくことが望ましいでしょう。

【外部リンク】Google アナリティクス4(GA4)

Google Search Console(サーチコンソール)

こちらもSEOにおける分析で活用します。

自分のサイトがどういったキーワードで検索され、検索結果の何位に位置し、そこから何%のユーザーが自社サイトに来てくれているのかなどを知ることができます。

検索もできるので、狙っているキーワードでの自社サイトの順位なども把握できます。順位から様々な改善策も見つけることができるでしょう。

また、「モバイルフレンドリーテスト」という機能があり、自社が保有するサイトがどれだけスマホに最適化しているかも測れる機能があります。

【外部リンク】Google Search Console

Googleトレンド

Googleでの検索数の推移を確認することが出来るツールです。最大4つまでキーワードを入力し比較が可能。

画像は「生成AI」という単語でのここ1年間での推移ですが、2倍以上に増加していることがこのグラフから読み取れます。

サイト改善においては、自社の取り扱う商材が季節によって売り上げが左右される場合など、いつから需要が増すのかを調べ、顧客をとりこぼさないような施策を打つ・改善を施す、などが考えられます。

【外部リンク】Googleトレンド

Googleマイビジネス

登録することで、会社名・店舗名などで検索を行った際、検索結果の右側に社名、住所、地図、営業時間などが表示されます。

よく見られる部分ですので、情報やお知らせをしっかり登録しておくことで、ユーザーに適切な情報を届けることができます。

ポイントが1つあり、登録時の住所表記などは自社のHPと同一にするとスムーズに進むことができます。

キャンペーンで自社のサイトに誘導することも可能ですし、クリック率などを見れる分析機能も使えますので、必ず登録しましょう。

また、GoogleMapにも表示されるようになります。

【外部リンク】Googleマイビジネス

Looker Studio(旧:Googleデータポータル)

自社サイトのデータをまとめ、自動更新されるレポートを作れるツールです。

GoogleアナリティクスやSearch Consoleなど、データソースとの連携が簡単なのでそれらのツールと同時に使っている方も多くいます。

分析項目を設定してレポートを作成することでその後は自動で更新されるため、手間が少なく分析ができます。

リンクの共有だけで社内にレポートを共有できるので、複数人で分析や共同編集も可能です。

データの収集やレポート作成にかかる時間を短縮できるので、分析に時間を割くことが出来るにようになります。

基本項目は全て無料で使用できますが、有料版や有料のテンプレートなどもあります。

【外部リンク】Looker Studio

有料ツールは自社のニーズで選ぼう

もちろん事業会社では「Ahrefs」や「SEMRush」など、有料ツールも数多く使われています。多角的なサイト分析・改善に欠かせないツールですが、月額1万円以上のコストがかかります。

ツールによって分析できる内容も異なってくるので、導入時は自社にとって必要なことを分析できるかどうかを確認しましょう。

Webサイト改善・リニューアル 実際の成功事例

さいごに、実際の成功事例をいくつかお見せします。

freee開業 CV率が限界突破


出典:freee開業 公式サイト

freee開業は、開業に関する知識がなくても個人事業主として開業できる、利用料無料のサービス。
情報を入力すれば、開業に必要な書類や、開業後に必要になる書類も自動で作成してくれます。

改善前の課題点

  • プロダクトのコンセプトが不明瞭で、何が一番ユーザーに求められているかが不明だった。

施策

  • ユーザーインタビューやアンケート調査を実施し、ニーズを汲み取ったコンセプトを策定
  • コンセプトをしっかりと伝えきるために、Webサイトのリニューアルを表現を得意とする外部パートナーへ依頼

結果

  • CV率が限界突破(数十%増加)

成功のポイント

  • ユーザーインタビューやアンケートを通して、ユーザーが最も求めていた「開業手続きが簡単かつ正確にできる」というコンセプトを設定したこと
  • コンセプトをしっかり伝えきるデザインでLPを作成したこと

▼改善事例インタビューを詳しくみる

フロンティア株式会社「レディクル」 CV率が3倍、CV数が2倍に


出典:レディクル 公式サイト

レディクル(Ready Crew)は、ニーズや相性の合うパートナー企業に出会える、完全無料のビジネスマッチングサービスです。

改善前の課題点

  • コンテンツがターゲットに合っていなかった
  • サービスの内容が伝わりにくい
  • 情報が整理されておらず管理しにくい

施策

  • 見込み顧客にインタビューをおこない、エビデンスを得る
  • ユーザー視点を意識したサイトのリニューアルを依頼

結果

  • CV率が3倍、CV数が2倍に増加
  • サイトがわかりやすくなり、問い合わせの「質」も向上

成功のポイント

  • 見込み顧客へのインタビューで、客観的なエビデンスを獲得
  • それを基にユーザー視点でサイトをリニューアル
  • パッと見てユーザーに内容が伝わるサービスページへ

▼改善事例インタビューを詳しくみる

BIJOUPIKO 離脱率改善+1つのサイトで2つの魅せ方


出典:BIJOUPIKO 公式サイト

BIJOUPIKO(ビジュピコ)は婚約・結婚指輪、有名時計ブランドなどを正規取扱にて幅広く揃える、国内最大級のジュエリー&ウォッチセレクトショップです。

改善前の課題点

  • 婚約指輪から高級時計まで扱っており、ターゲット層が広い
  • UI/UXに課題があると感じているが、宝飾品を扱うのでデザイン性を外せない
  • コンテンツ量が多く、訪問者にとって見づらいサイトとなっていた

施策

  • コンセプトを明確にするためにワークショップを開催
  • ペルソナを策定
  • UI/UXとデザイン性を両立できるWeb制作会社に依頼

結果

  • 離脱率の改善
  • 実際にサイトを使いながら接客するスタッフからポジティブな声があがった

成功のポイント

  • サイトリニューアルをさせる目的と現状の課題をしっかり明確にした
  • ブライダルは白の背景できれいで洗練されたイメージを、ジュエリー・ウォッチは黒の背景で高級感を出すなど、ターゲット層のペルソナに合わせて1つのサイトで2つの魅せ方をおこなった。

▼改善事例インタビューを詳しくみる

Webサイトを一新・リニューアルする場合は

サイト自体が古かったり、会社の運営方針が変わったりなど、「そもそも自社での改善対応だけでは難しい」というときはサイトのリニューアルも考えられると思います。

弊社LIGのサイトリニューアルでは、得意としている技術であり、様々な導入メリットのあるmicroCMSを積極的に採用し、Webサイトやアプリのヘッドレス化を積極的に支援しております。

技術だけでなく、毎年複数のWebデザインアワードを受賞する高いデザイン力を合わせ、ひと目見ただけで御社の魅力がグッと伝わる、そんなWebサイトを制作いたします。

サイト改善のご相談ももちろんお受けしております、どうぞお気軽にご相談ください!

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クリエイティブディレクター/広告ディレクター/編集者。ヒト・モノ・コトを集めて編むことを得意とする。これまでメディア事業やtoCビジネスにおける新規事業開発・クリエイティブ領域を担当してきた。

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