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オウンドメディアのKPIを正しく設定し、やるべきことを明確にしよう

まこりーぬ

みなさんこんにちは、LIGブログ編集長代理のまこりーぬ(@makosaito214)です。

当オウンドメディア「LIGブログ」で培ったノウハウを活かし、私たちはお客様のオウンドメディア運営もお手伝いしています。

日々さまざまなお問い合わせいただくのですが、立ち上げ初期にとくに多いご相談は「KPI設定」についてです。

  • どういう基準でKPIを設定したらいいのかさっぱりわからない
  • CV(コンバージョン)をKPIに設定したけどまったく増えない
  • PVをKPIに設定したけどまったく増えない
  • PVをKPIに設定したけど成果につながっているかわかっていない
  • そもそもKPIがないのでなにに注力したらいいのかわからない

などなど、みなさんかなりお悩みが深い印象で……。

この状態でオウンドメディアを運営してしまうと、社長や上司から突然「どれほど成果につながっているの?」と詰められたり、最悪の場合「成果につながっていないならやめよう」と閉鎖に追い込まれたりしてしまいます。

なにより、どこを目指して運営しているのか、自分の取り組みがちゃんと成果につながっているのかわからないままだと気持ちよく業務に向き合えないですよね(涙)。

ということで今回はオウンドメディアのKPI設定方法を紹介します! 成果を出すためにやるべきことが明確になり、みなさんが気持ちよくオウンドメディア運営に取り組める一つのきっかけとなれば幸いです。

KPIについておさらいしよう

本編に入る前に「KPI」とはなんなのかを、必ずセットでついてくる「KGI」と合わせておさらいしましょう。

KPIとは

「KPI」とはKey Performance Indicatorの略であり、日本語訳は「重要業績評価指標」。一方で「KGI」はKey Goal Indicaterの略であり、日本語訳は「重要目標達成指標」です。

一言にまとめると、プロジェクトの最終数値目標がKGIであり、そのKGIを達成するためにチェックする中間数値指標がKPIです。

たとえば、とあるBtoB企業のオウンドメディアのKGIとKPI候補を並べて図にしてみるとこんな感じです。

※このようにKGIを達成するためのKPIをツリー上にぶら下げたものを「KPIツリー」と呼びます

KPIはなぜ必要なのか

たとえば上記のように「2022年度でオウンドメディア経由の問い合わせから売上1,000万円創出」というKGIを立てたものの、KPIを設定しなかった場合、「いったいどこから手を付けよう!?」と困りますよね。

あるいは、ひとまず記事をガンガン作ったとして思うように売上が伸びなかったとしましょう。そのときKPIツリーが描けていないと、PVが足りないのか、CV率が低いのか、CV数が少ないのか、はたまた商談化率が低いのか、原因が特定できずに適切な改善策を見いだせません。

このようにKPIは「注力すべきポイントが明確になる」「現状を分析して改善するときの拠り所になる」効果があるため、目標達成には欠かせないのです。

KPI設定ポイントは「SMART」

KPI設定のポイントは一般的に以下の5つであり、頭文字をとって「SMART」と呼ばれています。

Specific(具体的な)
Measurable(計測可能な)
Achievable(達成可能な)
Relevant(関連した)
Time-bounded(期限を定めた)

指標である以上、具体的で計測できて期限が明確であることは当然のことながら、達成が見込めること、KGIとの関連性が明確であることがミソですね。

これらの基礎知識を踏まえた上で、さっそく本題に入っていきましょう!

オウンドメディアのKPI設定のポイント

KPI設定前の心構え

ポイントや具体例の紹介に入る前に、あらかじめ知っておきたいオウンドメディアならではのKPI設定の特徴をお話しします。心構えとしてご覧ください。

KGIは企業によってさまざま

オウンドメディアを立ち上げる目的は企業によってさまざまです。例のように売上を創出したいケースもあれば、求職者とのミスマッチを減らしたいケース、自社のブランド認知を変えたいケースもあります。

KGIが企業によって異なるため、当然ながら適切なKPIもバラバラです。一概に「PVを追いかけましょう!」「CVを追いかけましょう!」とは提唱できないのです。

あなたの企業ではどんな目的でオウンドメディアを立ち上げたのでしょうか? その目的が達成できているかどうか測る指標として適切なものはなんでしょうか? ……こればかりは各企業で整理して考えるしかありません。

KPIの達成方法もさまざま

とはいえ、多くのオウンドメディアにおいて「PV」をKPIの一つに設定するケースは総じて多いでしょう。しかしPVを増やす方法もさまざまなのが厄介な点です。

検索流入を増やすのか、SNS流入を増やすのか、はたまたメールで送ってダイレクト流入を増やすのか。さらにどれくらいの頻度で記事を公開できるのかは体制や予算によって大きく異なります。

KPIの種類も達成方法も、とにかくバリエーションが多いのです。悩ましくて当然ですよね。

KGI/KPIの達成に時間がかかる

さらにもう一つ欠かせない特徴として「達成に時間がかかる」という点が挙げられます。

KGIが売上創出系の場合、まずはオウンドメディアに一定数のユーザーを呼び込む必要があります。しかしハウスリストやSNSのフォロワーを保有していない企業の場合、短期的に集客するのはかなり至難の業です。

あるいはKGIが認知獲得系の場合であっても、たった1回の接点でブランドイメージが変わる! なんてことは起きません。情報発信を継続せずに達成することは難しいでしょう。

オウンドメディアのKGI/KPI達成は1日してならず、です。

KPI設定のよくある失敗

こうした心構えをきちんと踏まえていないが故に、オウンドメディアのKPI設定では以下のような失敗がよく見受けられます。

どういう基準でKPIを設定したらいいのかさっぱりわからない

変数が多すぎるため、どうやって設定したらいいのかさっぱりわからないものですよね。当記事が少しでも参考となれば幸いです。

CVをKPIに設定したけどまったく増えない

KPIの細分化が足りず、そもそも流入数が足りないのか、CV率が低いのかを見定められていないときに起こりがちです。

ちなみに「CV数が伸びない」とお悩みの企業様のオウンドメディアを見てみると、ノウハウ記事からいきなりお問い合わせや購入に向かわせようとしているケースが大半を占めます。つまりCV率が低いコンテンツで流入を獲得しているからCV数が増えないんです。

ノウハウ記事からリードを獲得したいのならば、ホワイトペーパーダウンロードやセミナー予約など、CVのハードルを下げるしかありません。お問い合わせを獲得したいのならば、ノウハウ記事ではなく商品サービスの比較検討記事に流入させるしかないのです。

PVをKPIに設定したけどまったく増えない

こちらはどういう流入元からPVを増やすのか、設計が不足しているときに起こりがちです。

とくに情報発信経験があまりない企業様の場合、「とりあえず記事を公開すればある程度PVは増えるだろう」と考えがちですが、インターネットはそれほど甘くありません。情報爆発と呼ばれる昨今、届ける努力をしなければ、コンテンツは驚くほど手にとってもらえません。

安定してPVを伸ばしていきたいなら、SEO流入の獲得に尽力するしかないでしょう。SNS流入はコンテンツによっては短期的に大きく流入数を伸ばすことができますが、再現性が極めて低くあまり推奨できません。

PVをKPIに設定したけど成果につながっているかわかっていない

とりあえずベーシックな指標としてPVを追いかけているものの、KGIである売上につながっているかどうかわからない……というお悩みもよく聞きます。この場合はまずKPIツリーをきちんと作り、地道に数字を当てはめていきながら現状を評価するしかありません。

そもそもKPIがないのでなにに注力したらいいのかわからない

オウンドメディアブームが到来した時期は「とりあえず流行りにのっかってオウンドメディアを作っちゃいました!」という企業様もたくさんいらっしゃいました。こうしたオウンドメディアのほとんどはいつの間にか更新が止まり、自然消滅していったことは言うまでもないでしょう。

企業としてコストを割く以上、KGI/KPIがなく成果がでているかどうかわからないオウンドメディアは遅かれ早かれクローズする運命にあります。

KPI設定のポイント

さて、こうしたよくある失敗例にハマらないようKPI設定のポイントをチェックしていきましょう!

KGIを決める・KPIツリーを作る

当たり前のことではありますが、よくある失敗例で書いたとおり、当たり前が徹底できておらず沼にハマってしまうケースが多い印象です。最終目標を定めること、そのためにチェックする中間指標をブレイクダウンして落とし込むこと。まずはここからスタートしましょう。

最低1年、極力2〜3年はプロジェクト期間を確保する

立ち上げて半年でKGIを達成してほしい、あるいはKGIが達成できるかどうか見極めてほしい……と経営者の要望もわかりますが、オウンドメディアに携わったことがある人なら誰しも「半年で確実に成果を出すのは難しい」と断言するでしょう。

現に「オウンドメディアで成果が出るまでこれだけ時間がかかった」という調査データもあります。

引用元:コンテンツマーケティングで成果を上げる企業の共通点とは?ブログ・記事メディアの運営体制に関するアンケート調査結果|WACUL TECHNOLOGY & MARKETING LAB

時間がかかるプロジェクトであることを全員が共通理解した上で、“まずはじめに追いかけるKPI” を絞ることが重要です。

フェーズごとにKPIを柔軟に見直す

変数がさまざまかつ中長期的なプロジェクトであるオウンドメディアにおいては、フェーズによって柔軟に変えていくのがおすすめです。ここでもう一度先ほどの例を出しましょう。

KGIを達成するために主要な指標はやはり商談数あたりです。しかしゼロからオウンドメディアを立ち上げ記事を公開していった場合、1件目の商談を獲得できるのはいったい何ヶ月後でしょうか? うまくいけば初月に獲得できるかもしれませんが、3ヶ月後、半年後、あるいは1年後になる可能性だってあります。

仮にオウンドメディア運営が「なかなかKPIを達成できないプロジェクト」と化してしまった場合、冒頭に申し上げたとおりいつ経営者や上司からSTOPがかかってもおかしくありません。なおかつ明らかにプロジェクトメンバーの士気が下がります。中長期的に取り組まなければならないオウンドメディアにおいて、このモチベーションの低下は非常に由々しき事態です。

だからこそ、こんなKPI設定の方法もおすすめです。

第一フェーズ(半年未満)は行動量を追う(公開本数)
第二フェーズ(半年〜1年)は流入数を追う(PVやUUなど)
第三フェーズ(1年〜)はリード数を追う(資料DL数や問い合わせ数など)

このようにフェーズを区切り、達成可能なKPIを立てることによってチームを盛り上げながら、きちんとプロジェクトを前進させていきましょう

オウンドメディアのKPI設定例

自社のKPI設定のイメージ、湧いてきましたか? ここでさらに具体的な例をご紹介します。BtoB企業が運営するオウンドメディアのような「売上/問い合わせ獲得系」と、採用目的で運営するオウンドメディアのような「ブランド認知系」の2つに分けて見ていきましょう。

売上/問い合わせ獲得系(BtoBなど)

KPI例 ※初期フェーズにおすすめなKPIから順に記載
  • 公開本数
  • 検索順位
  • 検索流入数
  • リード獲得数
  • 商談数

こちらは総じて「広告に頼らず自社で集客する基盤を作ろう!」とオウンドメディアを立ち上げているパターンが多いため、安定して集客するためにもSEO流入を伸ばすKPIを設定するとよいでしょう。

また、実際に検索流入が増えてきたらリード獲得数、リードの数がとれ始めたらリードの質と、商談を増やす方向にKPIをスライドさせていくのがおすすめです。

なお、BtoBの場合はお問い合わせに直結するキーワード数・検索ボリュームに限りがあるため、「質の高いリード獲得数が青天井で伸び続ける」ということはまずあり得ません。ノウハウ系のキーワードまで対象を広げ、ホワイトペーパーでリードを広く集めながら、インサイドセールスやメールマーケティングで見込客と接点を持ち続け、いざニーズが生まれたときに一番に声をかけてもらうポジションをとる……というのが王道の勝ちパターンでしょう。

ブランド認知系(採用など)

KPI例 ※初期フェーズにおすすめなKPIから順に記載
  • 取材数
  • シェア数
  • 記事送付数
  • 読了数
  • 認知変化(アンケート調査)

より多くの人に、あるいは求職者に適切に認知してほしい……という目的のオウンドメディアの場合、なかなか定量的な測定が難しいところですが、アンケート調査などを実施してしっかりとKGI達成につながっているかどうかをゆくゆくは見ていきましょう。

認知拡大目的であれば著名人を取材する、採用目的であれば既存社員を取材するコンテンツを作って、人づてに広げていくパターンが多いため、初期フェーズは取材数(≒公開本数)やSNSのシェア数を追っていくのがおすすめです。

また、PVよりも読了数を見て、「きちんとコンテンツが読まれているか」を評価していくのもよいでしょう。採用オウンドメディアの場合、インタビュー記事を「面接前に求職者へ必ず送付する」という行動目標を立てている企業様もいらっしゃいます。

おまけ:LIGブログの場合

ちなみに当LIGブログは、それはもうその時々によってKPIを柔軟に変更しながらあの手この手で運営しています。

マネタイズしているメディアである以上流入数は大事ですし、自社のマーケティング基盤でもあるのでCV数も大事ですし……そしてこれからはなんと企業イメージの変革にもチャレンジしていこうとしているため、アンケート調査なども実施していく予定です。

企業の柱となるためにはいまどの指標に注力すべきなのか? をつねに考えながら、社員やパートナー企業の力を借りつつ日々もがいている最中です。

具体的な数値の算出方法

最後に、指標は決まったものの数値目標をどう設定するかお悩みのみなさんへ、算出を手助ける方法をご紹介します。実際に運営し始めてみると「思ったより数字が伸びた/伸びなかった」という誤差があるはずなので、定期的に見直してみてください。

1.ベンチマークしているサイトのPV数をチェックする

もっともシンプルな方法は、ベンチマークしているサイトのPV数をリサーチしちゃうことです。いまは無料の競合分析ツールでURLを叩けば簡単にPVや流入元の推定値が調べられるので、まずはここからスタートしてみましょう。

2.狙う検索ボリュームをチェックする

SEO流入をメインとする場合、狙うキーワードによってPVの伸びしろは変わります。無料ツールを活用し、キーワードの検索ボリュームから推定流入数を算出しましょう。

なお、検索流入数は検索ボリューム×クリック率で決まります。クリック率は順位によって相場が異なり、1位は約25%、2位は約12%、3位は約7%です。順位が1つ上がるだけで大きく流入数が増えることがわかります。

参考:Google Organic CTR History – Advanced Web Ranking

3.商談率やCV率は相場を出しておく/チェックする

商談率やCV率はまず現状の社内の数値がどれくらいか知ることから始めましょう。

ちなみに世間一般的な相場でいくとざっくりWebサイトのCV率は1%程度だと言われています。どういう購買意欲のユーザーがどういうアクションを起こすのかによって異なるためあくまで超ざっくりした目安ですが、サイト訪問者100人程度でCVが50件とれることはまずないことはわかります。

目安となる数値を把握しておくことで、奇想天外なKPI設定を防ぎましょう。

さいごに

オウンドメディアの立ち上げ期は大変なことが多く、いざ始めてみてもなかなか成果が見えずしんどいものですが(涙)、一度積み上げることができれば、そう簡単には崩れない屈強な基盤になり得ます。

この記事が少しでもオウンドメディア運営のヒントとなれば幸いです!

以上、まこりーぬがお届けしました!