採用面接で本音を引き出す質問案と注意点とは【採用担当者向け】

採用面接で本音を引き出す質問案と注意点とは【採用担当者向け】

Takafumi Kubo

Takafumi Kubo

こんにちは。転職エージェント「LIGエージェント」の久保です。

日々企業の人事担当者様と求職者双方のサポートを行っており、主に人材採用に関する課題解決を得意としています。

「面接では感じがよい人だと思って採用したのに、実際に働いてもらうと自社には全然合わなかった……」

そんな経験、ありませんか?

面接という限られた時間のなかでできる限りミスマッチを減らし、企業と求職者双方がWin-Winな関係になるためには、どんな点に意識して面接を行う必要があるのでしょうか。

採用ミスマッチの多くは面接での情報不足から生まれていて、これは面接内で意識すれば十分対策できることです。

本記事では、応募者の本音を引き出し、自社に本当に合う人材かどうかを見極めるための「質問例」と「見逃しやすい注意点」を、現場ですぐに使える内容でご紹介します!

💡この記事で学べること
  • 面接の流れと最適な質問例がわかる
  • 回答のどこを評価すべきかが見える
  • ミスマッチを未然に防ぐための具体策が手に入る

初めて面接官を務める方から面接力を強化したい採用担当者の方まで、実践的なノウハウが詰まった内容となっています。

ぜひ最後までお読みいただき、チーム内で共有したり、次回からの面接でご活用くださいませ!

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採用面接の基本的な流れ

採用面接は応募者のスキルや経験を見るだけでなく、その応募者が組織にフィットするかどうかを見極める重要な機会です。そのため、あらかじめ設計された流れに沿って面接を進めることで、情報の取りこぼしを防ぎ、判断の精度を高めることができます。

また、面接というのは応募者が一方的に話す場ではなく、企業側も企業情報や担当者の自己開示をして「相互理解の場」にすることが大切です。企業としても応募者にとって魅力的な情報をしっかり伝えることで、優秀な人材の獲得につながります。

1. アイスブレイク・自己紹介

面接の冒頭では、応募者の緊張をほぐすことが何よりも大切です。「本番に弱い人材は不適切だ」「圧迫面接でストレス耐性をチェックしよう」などは全く本質的でなく、時代に合っていないので絶対におすすめしません。

形式的な質問よりも自然な会話からスタートすることで、応募者の人柄やコミュニケーションスタイルが見えてきます。短い時間でも、お互いのために応募者が安心して話せる雰囲気作りを意識しましょう。

また、雑談の中で応募者の反応や目線、言葉選びを観察することで、非言語的な情報からも応募者に関する多くのヒントが得られます。この段階での印象は後半の評価にも無意識に影響を与えるため、特に誠意を持って慎重に対応することが求められます。

2. 転職理由や志望動機の確認

履歴書や職務経歴書に書かれている内容はあくまで表面的な情報なので、その背景にある「なぜ?」を深掘りすることが肝心です。転職に至った経緯や志望動機から、応募者が大切にしている価値観や職場に求める条件が垣間見えます。

さらに、「他にはどんな企業を受けていますか?」といった質問をすることで、応募者の本音や企業選びの軸を具体的に知ることもできます。ただし、過度な詮索にならないよう配慮が必要です。

3. キャリアに関する質問

応募者がこれまでに経験してきた仕事内容や、どのようなスタンスで業務に取り組んできたかを確認します。スキルや成果だけでなく、どんな環境で力を発揮しやすいのか、どんなマネジメントスタイルが合うのかを見ていくと、よりリアルな適性判断ができます。

このフェーズでは「成果」と「プロセス」の両方を丁寧に聞き分けましょう。結果だけでなくどのように課題に向き合ったか、その過程を語れる応募者は、成長し続けられる人材といえます。

4. 逆質問

逆質問の内容には、応募者の志望度や企業理解の深さが反映されます。どんなことに興味を持ち、何を不安に感じているのかを把握することで、入社後の定着率やモチベーションの予測にもつながります。応募者の視点から見た「会社の魅力」や「課題」も浮かび上がる重要なパートです。

逆質問で見極めるべきは、「具体性」と「主体性」です。例えば「御社ではどのような評価制度を導入していますか?」といった質問が出た場合、それをどんな意図で聞いているのかを丁寧に深掘りすることで、応募者の関心領域や働き方へのこだわりが分かります。

採用面接の質問例【面接の流れ別】

以下では、先ほど解説してきた面接の各フェーズで使える、具体的な質問例をご紹介します。

質問に対する評価ポイントも併せて掲載していますので、面接官自身の判断軸づくりにも役立ててください。

1. アイスブレイク・自己紹介で使える質問

  • 本日はどうやってお越しになりましたか?
  • 最近、仕事以外でハマっていることはありますか?
  • これまでのキャリアで、転機になった出来事はありますか?
💡評価ポイント
このような質問は、会話のテンポや自然な表情、リラックスして話せているかどうか、そして第一印象との親和性の確認などにもつながります。

2. 転職理由と志望動機に関する質問

  • 前職を辞めた理由は何ですか?
  • 今回の転職活動で重視しているポイントを教えてください。
  • 弊社に応募した決め手は何でしたか?
  • 今回の転職活動で他に選考中の企業はありますか?
💡評価ポイント
転職理由が明確かつ前向きであるか、自社の強みと一致しているかどうか。共感や企業研究の深さもチェックしましょう。

3. キャリアに関する質問

  • これまでで一番成果を出せたプロジェクトは何ですか?
  • そのプロジェクトでのご自身の役割は何でしたか?
  • チームでの立ち回りや苦労したことを教えてください。
  • これまでで一番の失敗経験と、それをどう乗り越えたか教えてください。
💡評価ポイント
過去の経験が単なる作業ではなく、主体的に取り組んだものであるか。具体性のあるエピソードが語られているかも重要です。

4. 逆質問でよくある質問

  • 入社後は、どのように評価される仕組みになっていますか?
  • 実際に働いている人のキャリアパスは、どのようになっているのですか?
  • 入社前に準備しておいたほうがよいことはありますか?
  • チームの雰囲気や働き方について教えてください。
💡評価ポイント
自社で長く働くイメージを持っているかどうか、働くことに対しての主体性や柔軟性が見えるかもチェックしましょう。

採用ミスマッチを防ぐための注意点

ここからは、採用ミスマッチを防ぐために面接で意識すべきポイントを具体的に解説します。

キラー質問を設ける

価値観をあぶり出す「キラー質問」は、表面的なやりとりでは見えてこないその人らしさを見抜くのに非常に有効です。社風やチームの雰囲気と合わない人を見極めるポイントにもなります。

下記がキラー質問の例です。

  • あなたにとっての「良い会社」とは何ですか?
  • 理想の上司・部下像を教えてください。
  • 前職で納得のいかない業務指示があったとき、どう対応しましたか?
  • (自社でよくあるケースを取り上げて)この場合、あなたならどう対応しますか?
    ※あまり一般的ではない、業界に特化しすぎていてイメージが難しい質問は回答に困ることがあるので注意が必要です。
  • あなたの苦手なタイプはどんな人ですか? また、その人とどのように接しますか?
  • 弊社に関して知っていることを全て話してください。
  • この職種で、弊社でないといけない理由は何ですか?
  • この仕事を通して、これからどう成長していきたいですか?
💡評価ポイント
価値観が極端に自社とずれていないか、言語化能力や自己認識の深さもチェックしましょう。

ここで重要なのはその場で実際に考えさせたり、どのような考え方をするかをチェックすることです。実際の業務を想定した質問に対して的外れな回答があった場合は、どれだけ性格がよい人材だとしても業務上トラブルが発生しかねません。

深掘って質問する

「なぜ?」「どう思った?」「その時どうした?」といった深掘りをしていくことで、応募者の思考パターンや価値観の根底にあるものが見えてきます。単純な事実だけでなく、「どう向き合ってきたか」という姿勢が見極めの鍵になります。

面接の基本は抽象的な情報ではなく、数値データや事実といった具体的な情報です。なんとなく印象よく見えても、多少情報が盛られていて実態と異なるということはよくあります。

応募者の話をうのみにせず、「同じ立場の人と比べてどうだったのか?」や、「その成果を出せた背景にはどんな環境があったのか?」といった状況まで深掘りすることで、事実とのズレを防ぎましょう。

💡評価ポイント
論理的に話せているか、自省や学びの姿勢があるか、行動の一貫性があるかどうかを意識して見ていきましょう。

オンライン面接でのコミュニケーションの取り方に注意する

オンラインでは空気感が伝わりにくいため、より工夫したコミュニケーションが求められます。

  • 接続環境の事前確認は必須です。
  • 表情・相づちなど非言語コミュニケーションを意識的に活用しましょう。
  • 雑談の時間を少し多めに設けて、リラックスした雰囲気作りを意識しましょう。

上記のような点を意識し、カメラ越しでも相手に寄り添っているという印象を与えることを心がけましょう。

また、カメラの角度やPCの位置、部屋の明るさなど、ちょっとしたことで面接時の印象は大きく変わります。逆光や暗さを避けるなど、事前に環境をチェックしておくと安心です。

まとめ

面接は単なるスキルマッチを見る場ではなく、相互理解と組織との相性を確認する重要なプロセスです。効果的な質問と深掘りの工夫によって、応募者の本音を探り、入社後のギャップを最小限に抑えられます。

組織にとって何より大切なのは「人」です。だからこそ、面接の1回1回を大事にして、納得のいく採用につなげていきたいですよね。

今回ご紹介したノウハウを、ぜひ明日からの採用活動でご活用ください。面接は「ジャッジの場」ではなく、「お互いの理解を深めるインタビューの場」であることを意識して、応募者の可能性を引き出し、組織にぴったりな人材確保を目指しましょう!

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企業様の採用活動のフェーズや求める人物像によって採用面接の設計は変わってくるので、まずお話を伺い、最適な質問や面接プロセスを一緒に設計いたします!

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Takafumi Kubo
Takafumi Kubo Digital Education / Education,HR / Career Designer / 久保 貴史

クリエイター特化型人材サービスやWebクリエイタースクールにてキャリアデザイナーを務める。人材業界での経験を活かし、クリエイティブ人材の育成と支援に注力。1992年広島県出身。山口大学経済学部卒業後、地方銀行を経て人材業界に転身。営業とキャリアアドバイザーとして人事課題の解決に携わる。2022年LIGに入社。

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