頼ることで強くなる。海外拠点で育まれた「チームマネジメント」のかたち

頼ることで強くなる。海外拠点で育まれた「チームマネジメント」のかたち

Ayano Sajiki

Ayano Sajiki

「英語が使える仕事がしたい」「スーツは着たくない」そんなシンプルな軸から始まった就職活動。

LIGに新卒入社したメイさんは、入社1年目で社内の「海外チャレンジ制度」を活用し、セブ拠点へ渡りました。

※海外チャレンジ制度の詳細については以下の記事をご覧ください。

右も左もわからない異国の地で、日本人メンバーは自分と拠点長の2人だけ。そんな過酷な状況を乗り越え、現在はプロジェクトマネージャーとアカウントマネージャーを兼任しながら、現地メンバーのマネジメントにも挑戦しています。

今回は、学生時代から現在に至るまでのキャリアをたどりながら、異文化の中で見出した「頼ることで強くなる」マネジメントのあり方、そしてその先に描くビジョンについて伺いました。

ico LIG Global事業部 プロジェクトマネージャー/アカウントマネージャー 永井 美和(メイ)2022年新卒入社。帰国子女として英語力を武器に、入社1年目で海外チャレンジ制度を活用しセブ拠点へ。ブリッジ業務からキャリアをスタートし、PM・AMと領域を広げながら現地メンバーのマネジメントにも挑戦中。👉️メンバーページ

「もうこれ以上きついことはない」と思えた6年間

――メイさんの学生時代について教えてください。

中高大と、愛知県の南山学園に通っていました。英語教育に特化した学校で、授業のほとんどが英語。クラスメイトは帰国子女やハーフの子が多く、個性豊かなメンバーに囲まれていました。校則も服装も自由で、当時から「自分らしさ」を大切にできる環境だったと思います。

――部活動はなにをされていたんですか?

中高と硬式テニス部に所属していました。ここが本当に厳しくて、足の爪が剥がれても走り続けるような練習をしていました。上下関係や団体行動の大切さ、精神力の鍛え方は、この部活で徹底的に学びました。今でも「テニス部時代の練習よりつらいことはない」と思えるくらい、人生のタフネスを培った原点です。

――アルバイト経験についても教えてください。

高校から大学卒業まで続けた焼肉店のバイトでは、3年間バイトリーダーを担当。10〜12人規模のシフトを効率的に回すため、新人とベテランの配置をどう組むかを常に考えていました。待ち時間が長く、クレーム対応も多かったので、相手に合わせた接客スキルも自然と身につきました

それ以外にもライブハウス、コールセンター、百貨店など、常に複数のバイトを掛け持ち。15連勤することも珍しくない生活でした。

――鉄腕アルバイターだ。なぜそこまで働き続けられたんですか?

働く理由はお金だけじゃなく、「いろんな環境で経験したい」という好奇心も大きかったですね。この多忙な経験がマルチタスク力や対人スキルの土台になり、今のキャリアの強みにもつながっていると感じます。

自由な働き方を求めてLIGへ

――就活時、企業選びで大切にしていた軸はありましたか?

英語が使えることは絶対条件でした。そのうえで、英語プラスアルファで何か専門スキルを身につけられる環境を探していて、IT、マーケティング、エンタメなど業界は問わず幅広く見ていました。

――LIGと出会ったきっかけを教えてください。

OfferBoxでオファーを受けたのがきっかけでLIGを知りました。外資系広告やメーカーも選考を受けていましたが、最終的にLIGに惹かれたのは「自由さ」です。

中高時代から私服・髪色自由な校風で育ったこともあり、日本特有の「黒髪スーツ文化」に違和感がありました。説明会や面接で出会った社員もフラットで話しやすく、「ここなら自分らしく働けそうだ」という直感があったんです。

――入社後はどんな仕事からスタートしたんですか?

最初は会議や資料の通翻訳を中心としたブリッジ業務です。空いた時間でIT知識を補うために「AWS Certified Cloud Practitioner」と「AWS Certified Solutions Architect – Associate」という2つの資格を取得しました。

とくに後者は、状況に応じてどのAWSのサービスを組み合わせればよいかを考える実践的な資格で、現場でも役立っています。

――現在はどんなプロジェクトを担当していますか?

現在は、大きく2つの役割を担っています。ひとつはプロジェクトマネージャーとしての業務。プロジェクト単位で進行管理を行い、エンジニアメンバーと協力しながら納期や品質を守る役割です。

もうひとつが、今年の2月から本格的に担当しているアカウントマネージャー。プロジェクト単位ではなく、クライアント全体を俯瞰して関係構築や新規提案を行うポジションで、複数の案件を横断しながら次の展開を考える役割を担っています。

「人に頼る」マネジメントで掴んだ突破口

――入社1年目からセブ拠点で働かれているメイさんですが、これまでで印象に残っている出来事はありますか?

今ではCODYにも人は増えましたが、まだNoahさん(セブ拠点長)と二人だけで案件を回していた時期は、本当にしんどくて限界に近い状態でした。

日本拠点では複数人で回しているのに、セブ側は私ひとり。「なんで私だけ?」と理不尽さを感じてしまうほど、精神的にも追い詰められていました

――どのように乗り越えられたんですか?

▲セブ拠点長のNoahさん

Noahさんに、「もっと人を頼っていい」「仕組みをつくればいい」と助言をもらったんです。そこで初めて、自分自身がこの状況を作り出していたことに気づきました

クライアントとエンジニアの間に立つのが私しかいなかったので、「全部自分がやらなきゃ」という意識で動いてしまっていたんです。でも、それはプロジェクトとして健全な状態ではなかった。

そんなとき、ふと学生時代のテニス部を思い出したんです。テニスって一見すると個人競技に見えるんですが、実は監督やコーチ、チームメイト、家族など、本当にたくさんの人に支えられていたんですよね。

プロジェクトマネージャーやアカウントマネージャーの仕事もそれとすごく似ていて、決して一人の力だけではうまくいかない。エンジニアにもっと任せたり、ツールをうまく使ったり……周りを巻き込むほど、チーム全体のパフォーマンスが上がると実感しました。

――個人よりもチームでの動きが大切なんですね! マネジメントをするうえでは、どんなことを大切にしていますか?

「個に向き合う」ことです。セブのエンジニアは家族志向が強く、プライベートの状況が仕事に直結することも多いんです。

たとえば「もうすぐ子どもが生まれる人」にはチームでのカバーがしやすく、スケジュールに余裕のある案件を……というように、背景まで理解したうえでなるべくエンジニア本人にあったアサインを考えるようにしています。

1on1でもプライベートな話題も交えながら本音を引き出すようにしています。ふだんはシャイなメンバーが多いのですが、昼休みや休憩中になると急にプロジェクトの改善アイデアを熱く議論し始めることもあって、そこから仕事のヒントを得られることも多いんです。

――以前のインタビューで、「仕事とプライベートの切り替えが難しい」とおっしゃっていましたが、どうやって距離感を保っていますか?

セブメンバーとは仲が良く、休日には旅行に行ったりすることもありますが、仕事の場面では「仕事の顔」で接するようにしています

たとえば、呼び名を変えるのもその一つで、仕事中はエンジニアから「Mei-san(LIGでのあだ名)」と呼ばれていて、プライベートでは「Miwa(本名)」なんです。呼び名ひとつでみんなの意識も自然と切り替わるんですよ!

――おお、それはステキな使い分けですね!

最近ではプライベートで「Mei-san」呼びでからかわれることはありますが、逆にオンの場で「Miwa」と呼ばれることはほとんどなくて。うまく線引きができている実感がありますね。

▲セブ拠点メンバーと旅行に行ったときの一枚。

目指すは、海外拠点長!

――プロジェクトマネージャーとして、自分なりのスタイルは見えてきましたか?

2年間プロジェクトマネージャーを経験してきて、少しずつ自分の型ができてきたと感じます。

私は「誰も置き去りにしないスタイル」を大切にしていて、クライアントの要望にもエンジニアの要望にも両方しっかり寄り添うようにしています。

クライアントには「全部叶えてあげたい」と思う一方で、予算や期限の制約もある。だからこそ、「こういう方法なら実現できますが、どう思いますか?」と双方が納得できる落としどころを探ることを常に意識しています。

エンジニアに対しても、「無理」と言わせないような圧をかけるのではなく、まず彼らの意見を聞くことから始めます。結果的に、クライアントもエンジニアも安心して任せてくれる関係が築けてきました。

――2月からはアカウントマネージャーにも挑戦されているそうですね。

アカウントマネージャーとしてはまだまだですが、「メイさんだから」ではなく「CODYだからお願いしたい」と言ってもらえるようなチームをつくりたいです。個人プレーではなく、チーム全体で評価される存在になるのが理想です。

最終的な目標は、海外拠点長としてCODY拠点を任されることです。案件の獲得から運営まで、Noahさんのように全体を回せる存在になりたい。

もちろん、まだまだ学ぶことは多いですし、数字管理など苦手な部分もあります(笑)。それでも、メンバー一人ひとりのキャリアを伸ばせる環境をつくりたいという気持ちは強く持っています。

――就活生に向けて、どんな言葉を伝えたいですか?

就活の時点で、将来やりたいことを100%具体化できる人はほとんどいないと思います。私自身、プロジェクトマネージャーやアカウントマネージャーという仕事をするなんて、当時は想像もしていませんでした。

大事なのは、自分の「軸」を持つこと。私の場合は「英語を使いたい」と「スーツを着たくない」という2つでした。業界や職種を決め込むより、得意なこと・譲れないこと・やりたい方向性などを定めるだけで、会社選びはぐっとしやすくなると思います。それでも迷ったら、もう自分の直感とフィーリングです!

あとは入社後に挑戦したいと声を上げれば、想像以上にサポートしてくれる環境があります。だからこそ、まずは軸を決めて、一歩踏み出してみてほしいです。

さいごに

メイさんが目指しているのは、「誰かひとりが引っ張るチーム」ではなく、「チーム全体で信頼される組織」。その姿勢からは、以前Noahさんが語っていた「“あんたがいなくても回る”組織をつくりたい」という言葉が重なります。

複数案件を抱えて追い込まれたあの時期を、「人に頼る」「仕組みをつくる」ことで乗り越えられたのは、きっと学生時代の部活で培ったタフさがあったから。あの経験が、今のマネジメントスタイルを支えているのかもしれません。

すでにチームを支える大きな存在となっているメイさんが、これからどんな挑戦を見せてくれるのか、セブ拠点の未来がますます楽しみになったインタビューでした。

あなたの「行きたい」が、チームを強くする。
LIGでは、「海外チャレンジ制度」をはじめとする、若手の挑戦を後押しする環境を整えています。

新卒1年目から海外拠点での経験を積むことも、あなた次第で実現可能です。少しでも興味を持った方は、ぜひ新卒採用ページをご覧ください。あなたの「行きたい」という気持ちを歓迎します!

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渋谷の荒ぶるベンチャーにて採用人事として揉まれたのち、「文章が得意そう」という理由でスタートアップにライターとしてジョイン。メディアのノウハウを「LIGブログ」で学ぶ。読者でなく運営として携わりたいと考え、LIGへ入社。現在はLIGブログの企画、ライティング、編集を担当している。どんな記事でもそれっぽく仕上げるWordPress芸に定評がある。

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