ウェブ制作をはじめとして、様々な事業を展開する株式会社LIGにおいて、モトキウエダは最も異彩を放つ存在だ。
入社当初より「水平線画家」としてのキャリアをスタートさせ、その後フィリピンのセブ島へ移住。着実にキャリアを積み重ねながら新たなる挑戦の場として選んだのは「飲食」。若く情熱あふれる国、フィリピンで食をテーマにどのようなビジネスを展開するのか。その真意を聞いた。
「水平線の魔術師」ことモトキ・ウエダがウェブギャラリーを開設します
絵を描くことだけが、アートではないと気がついた
僕は今、35歳になったんですけれどようやくこの歳になって気がついた事があって。これまでずっと絵を描いてきてそれに人生を捧げてたつもりだったんです。でも、フィリピンに来てこっちの生活を続けていくうちに、僕の描く水平線って無力だなって思ったんです。
結局のところ、僕の描く水平線って「娯楽」の域を出ていなくて、結局は贅沢品。
日本でならまだよかったのかもしれないんですけど、この国ではそれってすごく無力で。アートで腹は膨れないんだなって痛感して。だから、何か新しいことをはじめたくて。
食で、心も体も満たしたい
テーマは「食」。
これはファンの皆さんからすると、意外だと思われるかもしれませんが僕は本気です。「水平線しか描けない男に何が出来る」という声も聞こえてきそうですが、僕は本当に食べることが好きで。食べる事が好きだからこそ、自分が食べたいと思えるものをみんなにも食べてもらいたい。それは、日本と比べたら外食の選択肢が極端に少ないセブ島で心から実現したい事なんです。
飲食店がまだまだ少ないセブ島に、食にこだわりの強い僕がいる。それって「導かれてる」って事なのかなって。
この街だからこそ、始めたいと思えた
今回、僕が手に入れたこの物件はLIGが運営する「いいオフィス セブ」のすぐ隣にあります。
そしてこの街はセブ島の中でもかなり雑多で、少し歩けばまだまだボロボロの小屋に身を寄せ合って住んでいる人たちがいるようなそんな街。わかりやすく言えば、観光客も、お金持ちも寄り付かないようなそんな場所。
手に入れたこの物件も、家賃は格安。
ただし、中身はボロボロというまさに僕が思い描いていた理想の店舗。こういうボロボロの家をリノベーションして自分好みに塗り替えていく。伝統や歴史を取り込みながら次の世代へとつなげるイメージが、今の僕にはピッタリなんです。
この使い古された壁を見るとニューヨークを思い出します。
店舗はダイナミックに外とつながっていて、それが僕のお気に入り。
アジアの路地裏をイメージした空間。まるで僕が訪れるのをずっと待っていたかのように、そこにありました。
こんな素敵な物件と出会える事は、もはや奇跡で。
奇跡って、やっぱり起こすものじゃなくて、起きるものなんですよね。
フレッシュネスバーガーでのアルバイト経験を活かしたい
実はこれまで公にはしてこなかったんですが、学生の頃フレッシュネスバーガーでバイトをしていまして。
ある意味、それが僕の唯一の飲食経験なんですけれど、そこでの学びは今も活きていて。ふとした時にハンバーガーを作る動作をしてしまっているとか、そういうのは今でもあります。
だから、今回のお店でも作ろうかなって思ってますよ。
ハンバーガーを。
クラフトビールがすごく好き
これも意外かもしれませんが、僕はあまりお酒が強くなくて。特にビールは苦手意識もあってあまり飲めなかったんですが、セブに来てからおしゃれなクラフトビール専門店を見つけてそこに通うようになったんですよ。
最初は「こんなオシャレなお店を知っているのは俺だけ」っていう気持ちで通っていたんですけれど、だんだんとビールが美味しく感じるようになってしまって(笑
今ではゆっくりと時間をかければグラス一杯のクラフトビールは飲めるようになりました。
だから、今回のお店にはクラフトビールは絶対に入れたいと思っています。
MOTOKEYSという店名に込めた願い
店名のMOTOKEYS(モトキーズ)は、すっと決まりました。
僕自身がアートをやってきた中で、自分の名前で勝負してきた経緯があるので今回、フィールドは変わりますがアートをやりたいという気持ちは何も変わらないので。だからこそ、自分の名前を冠した店名にしたくて。
周りの仲間たちの評判は「モトキらしくて素敵だよ」「COOL」「モトキ」と上々。今ではすっかり愛着が湧いています。
完成は2018年6月ごろ。メニューは未定。ご期待ください
モトキウエダという才能が、この地でどのような新しい水平線を描くのか。
皆様ぜひ、ご期待ください。
以上、モトキウエダでした。
↓モトキウエダの軌跡はこちらから 「水平線の魔術師」ことモトキ・ウエダがウェブギャラリーを開設します 本物の水平線を求めて。アーティスト、モトキウエダはセブ島へ移住します。 「セブ島で本物の水平線を描きたい」モトキウエダがフィリピンに移住した意外な理由とは