こんにちは、人材紹介サービス「LIGエージェント」の大澤です。
採用活動を効率化する手段として注目を集める人材紹介サービス。しかし、「本当にメリットがあるのか」「費用が高いと聞くけど実際どうなのか」と疑問を持つ採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、人材紹介サービスを利用するメリットと注意点を、実際に人材紹介サービスを運営する立場から詳しく解説します。
向いている企業の特徴、費用相場、活用のコツまで、採用担当者が知っておくべきポイントをわかりやすく紹介しますので、ぜひ参考にしてください!
目次
人材紹介サービスとは? 基本の仕組みを理解する
人材紹介サービスの基本的な仕組み
人材紹介サービスとは、人材を採用したい企業と転職を希望する求職者をマッチングする、有料の採用支援サービスです。正式には、厚生労働大臣から許可を受けた「有料職業紹介事業者」が提供するサービスを指します。
人材紹介サービスの基本的な仕組みは以下の通りです。
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- 企業が人材紹介会社と契約:採用要件や求める人物像をヒアリング
- 求人票の作成:人材紹介会社が求人票を作成・確認
- 候補者の選定・推薦:登録者の中から適した人材を選定し企業に推薦
- 面接の調整:面接日程の調整や合否連絡を代行
- 条件交渉・内定承諾:給与などの条件交渉をサポート
- 入社・成果報酬の支払い:入社が決定した時点で紹介手数料が発生
企業側は採用が成功した時のみ費用を支払う成功報酬型が一般的です。そのため、初期費用をかけずに採用活動を開始できる点が大きな特徴となっています。
人材紹介会社には、幅広い業界・職種を扱う「総合型」と、特定の業界や職種に特化した「専門型」があります。自社のニーズに合わせて使い分けることで、より効率的な採用活動が可能になります。
【比較表】人材紹介と人材派遣・求人広告掲載サイトの違い
採用手法にはさまざまな種類がありますが、人材紹介サービスと他の手法ではどのような違いがあるのでしょうか。主要な採用手法との違いを比較してみましょう。
| 人材紹介 | 人材派遣 | 求人広告掲載サイト | |
|---|---|---|---|
| 雇用形態 | 企業との直接雇用(正社員・契約社員) | 派遣会社の雇用(派遣スタッフ) | 企業との直接雇用(正社員・契約社員) |
| 雇用期間 | 長期雇用が前提 | 原則3年(延長可能な場合あり) | 長期雇用が前提 |
| 料金体系 | 成功報酬型(年収の30〜35%) | 時間単価×実働時間 | 掲載料(月額・期間ごと) |
| 費用発生タイミング | 採用決定時 | 派遣期間中(毎月) | 掲載開始時 |
| 採用業務 | 人材紹介会社が代行 | 派遣会社が人選 | 企業が自ら実施 |
| 候補者の選定 | 人材紹介会社がスクリーニング | 派遣会社が人選(企業は選考不可) | 企業が書類選考・面接 |
人材紹介サービスの最大の特徴は、企業との直接雇用を前提としながら、採用業務の大部分を人材紹介会社が代行してくれる点にあります。人材派遣のように期間限定ではなく、長期雇用を見据えた採用が可能です。
また、求人広告掲載サイトとの違いは、企業と求職者の間に専門のエージェントが入り、マッチングから内定承諾まで伴走してくれる点です。求人広告掲載サイトでは企業が自ら応募者対応を行う必要がありますが、人材紹介ではその工数を大幅に削減できます。
人材紹介サービスを利用する4つのメリット

人材紹介サービスを利用することで、企業はどのようなメリットを得られるのでしょうか。実際に人材紹介サービスを運営する立場から、4つの主要なメリットを解説します。
1. 成功報酬型で初期コストがかからない
人材紹介サービスの最大のメリットは、成功報酬型の料金体系により初期コストがかからない点です。
求人広告掲載サイトでは、掲載時点で数十万円の費用が発生し、採用できなくても費用は返金されません。一方、人材紹介サービスは契約時や求人票作成時には費用が発生せず、採用が決定した時のみ紹介手数料を支払う仕組みです。
- 💡 成功報酬型のメリット
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- 採用リスクの低減:採用できなければ費用が発生しない
- 予算管理がしやすい:採用人数×手数料で費用が明確
- 複数社への同時依頼が可能:初期費用がないため複数の人材紹介会社と契約できる
さらに、「返金保証制度」が設けられている人材紹介会社もあります。これは、採用した人材が早期に退職してしまった場合に、紹介手数料の一部または全額が返還される制度です。
一般的な返金保証の例を見てみましょう。
| 退職時期 | 返金率 |
|---|---|
| 入社後1ヶ月以内 | 75〜80% |
| 入社後3ヶ月以内 | 50% |
このように、人材紹介サービスは採用リスクを最小限に抑えながら、優秀な人材を確保できる仕組みになっています。
2. 採用のプロに任せて業務負担を削減できる
人材紹介サービスを利用すると、採用に関わる業務の大部分を人材紹介会社に任せられるため、採用担当者の負担を大幅に削減できます。
求人票の作成から候補者へのアプローチ、面接日程の調整、合否連絡、条件交渉まで、煩雑な業務を専門のエージェントが代行してくれます。企業の採用担当者は、面接と合否判断に集中できるため、コア業務により多くの時間を割くことが可能です。
- 💡 人材紹介会社が代行してくれる業務
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- 求人票の作成・ブラッシュアップ
- 候補者へのアプローチと応募意思の獲得
- 候補者の事前スクリーニング(経歴・スキル・志向の確認)
- 面接日程の調整
- 応募者への合否連絡とフォロー
- 給与・待遇の条件交渉
- 内定承諾の獲得
- 入社までのフォロー
さらに、人材紹介会社には採用市場に関する豊富な知識とノウハウが蓄積されています。キャリアアドバイザー(CA)とリクルーティングアドバイザー(RA)の両面からの視点を活かしたアドバイスを受けることで、採用成功率を高めることができます。
採用業務の負担削減は、専任の採用担当者がいないスタートアップやベンチャー企業、中小企業にとって特に大きなメリットとなるでしょう。
3. 求めている人材を迅速に採用できる
人材紹介サービスを利用すると、採用までのリードタイムを大幅に短縮できます。
人材紹介会社には多数の転職希望者が登録しており、契約を締結して求人票を作成すれば、すぐに候補者への打診・推薦がスタートします。求人広告掲載サイトのように応募が集まるのを待つ必要がなく、人材紹介会社が能動的に候補者にアプローチしてくれるため、スピード感のある採用活動が可能です。
また、人材紹介会社は企業の採用要件に合致する候補者を選定して推薦してくれます。求人広告では、応募要件を厳しくしすぎると応募が来なくなる一方で、緩くしすぎるとターゲット外の応募者が増えて対応が大変になります。しかし、人材紹介ではある程度曖昧なニュアンスも含めて求職者のフィルタリングをしてくれるため、企業は採用要件を満たした応募者に絞って選考を進められます。
- 💡 迅速な採用が求められる場面
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- 急な欠員が発生した場合
- 新規事業の立ち上げで即戦力が必要な場合
- 入社日の納期が明確に決まっている場合
- 専門性の高い職種で市場に候補者が少ない場合
特に、経験者採用や専門職の採用では、求人広告掲載サイトで応募を待つよりも、人材紹介会社に依頼した方が効率的にターゲット人材にアプローチできるケースが多いです。
4. 非公開求人に対応でき機密性を保てる
人材紹介サービスでは、「非公開求人」という形で採用活動を進めることができます。これは、求人情報を一般に公開せず、人材紹介会社を通じてのみ候補者に案内する仕組みです。
非公開求人が求められる場面は以下の通りです。
- 💡 非公開求人のメリット
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- 競合他社に情報を知られない:新規事業や事業戦略に関わる採用活動を秘密裏に進められる
- 社内に採用情報を知られない:退職予定者の後任採用など、社内に知られたくない採用に対応できる
- 応募の殺到を防ぐ:人気職種や有名企業で応募が集中しすぎるのを防ぎ、対象者に絞って募集できる
- 高いポジションの採用:役員候補やマネジメント層など、機密性の高い採用に適している
非公開求人は、求人サイトやWeb上に情報が掲載されないため、情報流出のリスクを最小限に抑えながら、必要な人材を確保できる点が大きなメリットです。
人材紹介サービスの3つのデメリット・注意点
人材紹介サービスには多くのメリットがある一方で、デメリットや注意すべき点も存在します。導入前にしっかり理解しておきましょう。
1. 採用単価が高い
人材紹介サービスの最大のデメリットは、1人あたりの採用単価が高くなる点です。
一般的な人材紹介サービスの手数料率は、採用した人材の理論年収の30〜35%が相場です。たとえば、年収600万円の人材を採用した場合、紹介手数料は180万円〜210万円となります。
求人広告掲載サイトの掲載料が1回20万円〜50万円程度、ダイレクトリクルーティングが月額10万円〜30万円程度であることを考えると、人材紹介の手数料は高額に感じられるかもしれません。
| 理論年収 | 紹介手数料(30%の場合) | 紹介手数料(35%の場合) |
|---|---|---|
| 400万円 | 120万円 | 140万円 |
| 500万円 | 150万円 | 175万円 |
| 600万円 | 180万円 | 210万円 |
| 700万円 | 210万円 | 245万円 |
| 800万円 | 240万円 | 280万円 |
ただし、求人広告掲載サイトやダイレクトリクルーティングでは、掲載・利用しても採用できないリスクがあり、その場合は費用が無駄になります。また、採用担当者の人件費や対応工数を考慮すると、人材紹介の成功報酬型が結果的にコストパフォーマンスに優れるケースも少なくありません。
採用単価だけで判断せず、採用成功率、工数削減、早期離職リスクなどを総合的に評価することが重要です。
2. 大量採用には不向き
人材紹介サービスは、1人ひとりの候補者を丁寧にマッチングする仕組みであるため、大量採用には向いていません。
人材紹介会社は、企業の求人要件に合わせて候補者を選定し、個別にアプローチして応募意思を獲得します。そのため、一度に数十名・数百名の応募を集めることは難しく、大量採用を短期間で実現したい場合には不向きです。
- 大量採用が必要な場面では……
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- 求人広告掲載サイト:掲載1回で複数名の応募を集められる
- 転職フェア・合同説明会:一度に多くの求職者と接触できる
- リファラル採用:社員の紹介により複数名の採用が可能
人材紹介サービスは、質の高い人材を1名〜数名採用したい場合に最適です。大量採用が必要な場合は、人材紹介と他の手法を併用することをおすすめします。
3. 社内にノウハウが蓄積されず、質にばらつきがある
人材紹介サービスに採用業務を委託しすぎると、社内に採用ノウハウが蓄積されにくいというデメリットがあります。
求人票の作成、候補者へのアプローチ、面接調整、条件交渉などの業務を人材紹介会社に任せることで、採用担当者の工数は削減できますが、その反面、自社で採用活動を行う際のノウハウが育たない可能性があります。
また、人材紹介会社によって、また担当エージェントによって、推薦される候補者の質や量にばらつきがある点にも注意が必要です。
- 質や量にばらつきが生じる理由
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- 登録者数の違い:大手総合型は推薦数が多いが質は低め、専門型は推薦数が少ないが質は高め
- エージェントの理解度:企業の求人要件や文化を正しく理解しているかで質が変わる
- 得意分野の違い:業界・職種・年代など、人材紹介会社ごとに得意分野が異なる
- 担当者のスキル:エージェントの経験やコミュニケーション能力により推薦の質が左右される
このデメリットを軽減するには、複数の人材紹介会社を併用し、定期的にフィードバックを行うことが重要です。また、人材紹介に完全に依存せず、自社でも採用チャネルを持つことで、バランスの取れた採用活動が可能になります。
人材紹介サービスが向いている企業・ケース

人材紹介サービスはすべての企業に適しているわけではありません。自社のニーズや状況に応じて、活用すべきかどうかを判断しましょう。
専門職・技術職を採用したい
専門性の高い職種を採用する場合、人材紹介サービスの利用が非常に効果的です。
専門職や技術職は転職市場でも人数が少なく、求人広告を出しても応募が集まりにくい傾向があります。また、書類選考だけでは候補者のスキルレベルを正確に判断することが難しいケースも多いです。
- 💡 人材紹介が適している職種の例
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- エンジニア:フロントエンド、バックエンド、インフラ、データサイエンティストなど
- デザイナー:Webデザイナー、UIUXデザイナー、グラフィックデザイナーなど
- マーケター:デジタルマーケター、SEO担当、広告運用担当など
- 経理・財務:管理会計、税務、IPO準備など専門性が求められる業務
- 人事・採用:人事制度設計、労務管理、採用戦略立案など
専門型の人材紹介会社は、業界・職種に特化したエージェントが在籍しており、技術的な理解が深いため、より精度の高いマッチングが期待できます。
たとえば、IT人材に特化した人材紹介会社であれば、「Java経験5年」という情報だけでなく、その候補者がどのような開発経験を持ち、技術スタックがどう市場で評価されるかまで理解したうえで推薦してくれます。
クリエイターの採用をお考えなら
LIGエージェントは、Web・IT業界に特化した人材紹介サービスです。制作会社のスタッフがキャリアアドバイザーを務めており、技術的な理解が深いため、書類だけではわからない細かいスキルセットまで把握した高精度なマッチングを実現しています。
急な欠員をすぐに補充したい
急な退職や休職により欠員が発生し、すぐに人材を確保したい場合にも、人材紹介サービスは適しています。
求人広告掲載サイトでは、掲載申込から掲載開始まで1〜2週間かかることがあり、さらに応募が集まるまで時間を要します。一方、人材紹介サービスは契約後すぐに候補者探しをスタートでき、早ければ1週間程度で候補者の推薦を受けることが可能です。
- 迅速な対応が求められるケース
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- キーパーソンの急な退職により業務が滞っている
- 新規プロジェクトの立ち上げで即戦力が必要
- 入社日が明確に決まっており、逆算してスケジュールを組む必要がある
- 繁忙期前に人員を確保したい
人材紹介会社は、候補者へのアプローチから面接調整、内定承諾まで伴走してくれるため、採用プロセス全体をスピーディーに進められます。
採用リソース・ノウハウが不足している
専任の採用担当者がいない、または採用経験が少ない企業にとって、人材紹介サービスは心強い味方になります。
スタートアップやベンチャー企業、中小企業では、経営者や現場マネージャーが採用業務を兼務しているケースが多く、採用にかけられる時間が限られています。また、初めて採用活動を行う場合、何から手をつければよいかわからないこともあるでしょう。
- 💡 人材紹介会社が提供するサポート
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- 採用要件の整理:曖昧な要件を具体化し、求人票に落とし込む
- 市場動向のアドバイス:求める人材がどの程度市場にいるか、競合の採用条件はどうかなど情報提供
- 採用プロセスの代行:求人票作成から内定承諾まで一貫してサポート
- 採用戦略の提案:自社の魅力をどう伝えるか、どの層にアプローチすべきかなどアドバイス
人材紹介会社のエージェントは、採用市場に関する豊富な知識とノウハウを持っているため、採用活動そのものの質を向上させることができます。
非公開で採用活動を行いたい
採用情報を社内外に知られたくない場合には、非公開求人に対応できる人材紹介サービスが最適です。
非公開求人が求められる場面はさまざまです。たとえば新規事業の準備段階では、競合他社に事業戦略を知られたくないため、公に求人を出すことができません。また、退職予定者の後任採用では、社内に採用情報を知られることで不要な混乱を招く可能性があるため、慎重な対応が求められます。
さらに、役員・経営層などの機密性の高いポジションの採用や、人気職種や有名企業で応募が殺到するのを防ぎたい場合にも、非公開求人が有効です。ターゲット層に絞って募集することで、効率的な採用活動が可能になります。
人材紹介サービスでは、求人情報がWeb上に公開されることなく、人材紹介会社を通じて適切な候補者にのみ案内されるため、情報流出のリスクを最小限に抑えられます。
人材紹介サービスの費用・手数料
人材紹介サービスを利用する際、多くの企業が気にするのが費用です。ここでは、料金体系と相場について簡潔に解説します。
成功報酬型の料金体系(30〜35%が相場)
人材紹介サービスの料金体系は、採用が成功した時のみ費用が発生する成功報酬型が一般的です。
紹介手数料は、採用した人材の「理論年収」に手数料率を掛けて算出されます。理論年収とは、基本給、賞与、各種手当を含む年間の総支給額を指します。
- 手数料率の相場
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- 一般的な登録型:理論年収の25〜35%
- サーチ型(ヘッドハンティング):理論年収の35〜50%
たとえば、理論年収600万円の人材を手数料率30%の人材紹介会社から採用した場合、紹介手数料は180万円となります。
| 理論年収 | 紹介手数料(30%) | 紹介手数料(35%) |
|---|---|---|
| 400万円 | 120万円 | 140万円 |
| 500万円 | 150万円 | 175万円 |
| 600万円 | 180万円 | 210万円 |
| 700万円 | 210万円 | 245万円 |
また、早期退職時には返金保証制度が適用されることが一般的です。入社後1ヶ月以内の退職であれば75〜80%、3ヶ月以内であれば50%など、人材紹介会社によって返金規定が設けられています。
▼人材紹介の手数料についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 人材紹介の手数料相場とは?仕組みや算出方法を解説!
人材紹介サービスの利用の流れ
人材紹介サービスを利用する際の基本的な流れを簡潔に紹介します。

- 人材紹介サービス利用の8ステップ
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- 採用要件ヒアリング:求める人物像、業務内容、必要なスキルなどをすり合わせ
- 候補者の人選:人材紹介会社が要件にマッチする求職者を選定
- 応募書類提出:候補者の履歴書・職務経歴書を企業に提出
- 面接日程調整:人材紹介会社が企業と候補者の間で面接日程を調整
- 面接のフィードバック:企業・求職者双方の意見を人材紹介会社が共有
- 条件交渉:給与・待遇などの条件を人材紹介会社が仲介
- 合否連絡と入社手続き:内定後の入社準備をサポート
- 入社〜入社後フォロー:入社後も定着をサポート(手数料は入社時に発生)
人材紹介会社との契約から入社までは、早ければ1ヶ月〜1.5ヶ月程度で完了します。ただし、職種や条件によっては、さらに時間がかかる場合もあります。
▼人材紹介サービスの利用手順について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 人材紹介の流れ8ステップ┃注意点や失敗を防ぐポイントも解説
人材紹介サービスを最大限活用する4つのコツ

人材紹介サービスを活用して採用を成功させるには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。ここでは、実践的な活用のコツを4つ紹介します。
1. 求める人材像を明確にする
人材紹介サービスを効果的に活用するための第一歩は、求める人材像を明確にすることです。
採用要件が曖昧だと、人材紹介会社も適切な候補者を選定できず、ミスマッチが発生しやすくなります。逆に、求める人材像が明確であれば、エージェントも的確に候補者を絞り込んで推薦できます。
- 💡 明確にすべきポイント
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- 必須スキル・経験:業務に不可欠な技術やスキル、経験年数
- 歓迎スキル・経験:あれば尚良いスキルや経験
- 求める人物像:社風に合う性格や価値観、働き方のスタイル
- 業務内容:入社後に担当する具体的な業務
- キャリアパス:将来的にどのようなポジションを目指せるか
また、「どうしても譲れない条件」と「柔軟に対応できる条件」を分けて伝えることも重要です。すべての条件を満たす候補者は限られるため、優先順位をつけることで、より多くの候補者にアプローチできます。
2. 複数の人材紹介会社を併用する
人材紹介サービスは成功報酬型であるため、複数の人材紹介会社に同時に依頼することが可能です。
1社だけに依頼すると、その会社の得意分野や登録者の傾向に左右されてしまい、推薦される候補者の幅が狭くなります。複数社を併用することで、より多くの候補者と出会える可能性が高まります。
- 💡 複数社併用のメリット
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- 候補者の母集団が広がる:各社の登録者から推薦を受けられる
- 得意分野の違いを活かせる:総合型と専門型を組み合わせるなど
- サービスの質を比較できる:レスポンスの速さや提案力を見極められる
ただし、契約する人材紹介会社が増えすぎると管理が煩雑になるため、2〜3社程度に絞るのが現実的です。また、同じ候補者が複数の人材紹介会社から推薦されることを避けるため、推薦リストの管理をしっかり行いましょう。
3. 担当者と密にコミュニケーションを取る
人材紹介サービスの成否は、担当エージェントとの信頼関係に大きく左右されます。
エージェントは、企業の採用ニーズを正確に理解することで、より適切な候補者を推薦できるようになります。そのため、定期的にコミュニケーションを取り、自社の状況や求める人材像を共有することが重要です。
- 💡 エージェントとのコミュニケーションのポイント
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- 迅速なレスポンス:推薦された候補者には早めにフィードバックする
- 自社の魅力を伝える:企業文化、働きがい、キャリアパスなど、候補者に訴求できる情報を共有
- 採用市場の情報交換:競合の動向や市場感をヒアリングする
- 柔軟な対応:面接日程の調整などには可能な限り協力する
また、エージェントが「この企業に良い人材を紹介したい」と思ってもらえるような関係性を築くことも大切です。採用担当者の熱意や企業の魅力が伝われば、エージェントもより積極的に候補者へアプローチしてくれます。
4. 定期的なフィードバックを行う
人材紹介会社から推薦された候補者に対しては、必ず合否理由をフィードバックしましょう。
フィードバックを行うことで、エージェントは「どのような候補者が求められているのか」「なぜ不採用になったのか」を理解し、次回以降の推薦精度を高めることができます。
具体的なフィードバックの仕方としては、不採用の場合であれば「スキルは十分だったが、リモートワークを希望しており、当社の勤務体系と合わなかった」や「経験年数は満たしていたが、マネジメント経験がなかった」といった具体的な理由を伝えることが効果的です。
一方、採用に至った場合も「技術力に加えて、コミュニケーション能力が高く、チームにフィットすると判断した」というように、採用の決め手となったポイントを共有することで、エージェントは次回以降さらに適切な候補者を推薦できるようになります。
フィードバックは、人材紹介会社との関係を強化し、採用成功率を高めるための重要なプロセスです。手間に感じるかもしれませんが、長期的には大きなリターンとなって返ってきます。
失敗しない人材紹介会社の選び方
人材紹介会社は数多く存在するため、自社に合ったパートナーを選ぶことが重要です。ここでは、人材紹介会社を選ぶ際のポイントを紹介します。
専門性と実績を確認する
まず確認すべきは、人材紹介会社の専門性と実績です。
自社が採用したい業界・職種に強い人材紹介会社を選ぶことで、マッチング精度が高まります。たとえば、IT人材を採用したい場合は、IT業界に特化した人材紹介会社を選ぶと、技術的な理解が深いエージェントが対応してくれるため、より適切な候補者を紹介してもらえます。
- 💡 確認すべきポイント
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- 業界・職種の専門性:自社の業界・職種に特化しているか、または実績があるか
- 採用実績:同業種や類似企業での採用成功事例があるか
- 登録者の属性:ターゲットとする年代やスキルレベルの登録者が多いか
- エージェントの知識:業界動向や技術トレンドに精通しているか
総合型の人材紹介会社は登録者数が多く推薦量が多い反面、専門性は専門型に劣ります。一方、専門型は推薦量は少ないものの、マッチング精度が高い傾向があります。自社のニーズに応じて使い分けましょう。
担当者の対応力を見極める
人材紹介会社を選ぶ際には、担当エージェントの対応力も重要な判断基準です。
エージェントのレスポンスの速さや提案力、コミュニケーション能力によって、採用活動の質が大きく変わります。初回の打ち合わせや問い合わせ対応の段階で、以下のポイントをチェックしましょう。
- 💡 担当者の対応力チェックポイント
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- レスポンスの速さ:問い合わせや質問への返信が迅速か
- ヒアリングの質:採用要件や企業文化を深く理解しようとしているか
- 提案力:市場動向を踏まえた採用戦略の提案があるか
- 誠実さ:無理な条件は正直に伝え、現実的な提案をしてくれるか
担当者との相性も重要です。相性が合わない場合は、担当者の変更を依頼することも検討しましょう。
手数料と返還金制度を確認する
契約前には、手数料率と返還金制度を必ず確認しましょう。
手数料率は人材紹介会社によって異なり、一般的には30〜35%が相場ですが、中には40%以上の会社もあります。また、早期退職時の返還金制度の内容も会社によって異なるため、契約書をしっかり確認することが重要です。
- 💡 確認すべき契約内容
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- 手数料率:理論年収の何%か
- 理論年収の定義:どこまでが理論年収に含まれるか(賞与、手当、固定残業代など)
- 返還金制度:早期退職時の返金率と期間
- 支払いタイミング:入社時点か、試用期間終了後か
手数料率だけで判断せず、サービスの質や実績も含めて総合的に評価することが大切です。
人材紹介会社を選ぶ際には、上記の3つのポイントに加えて、総合型か業界特化型か、登録型かサーチ型か、分業制か一気通貫かなど、さまざまな選択軸があります。
▼より詳しい選び方のポイントについては、こちらの記事をご覧ください。 失敗しない人材紹介会社の選び方|費用相場やおすすめ企業も紹介
▼業界別のおすすめ人材紹介会社を紹介したこちらの記事をご覧ください。 【2025】人材紹介会社おすすめ比較15社を業界別に紹介
よくある質問(FAQ)
人材紹介サービスに関して、よくある質問とその回答をまとめました。
Q1. 人材紹介と人材派遣の違いは?
人材紹介は、企業と求職者を仲介し、企業との直接雇用(正社員・契約社員)を前提とした採用支援サービスです。採用が決定した時点で紹介手数料が発生します。
人材派遣は、派遣会社が雇用する派遣スタッフを企業に派遣するサービスです。雇用主は派遣会社であり、企業は派遣期間中の時間単価を派遣会社に支払います。原則として派遣期間は3年までです。
人材紹介は長期雇用を前提とした採用に適しており、人材派遣は一時的な人員補充や特定プロジェクトでの活用に適しています。
Q2. 手数料はいつ支払うの?
一般的な登録型の人材紹介サービスでは、採用した人材が入社した時点で紹介手数料が発生します。
契約時や求人票作成時には費用は発生せず、完全成功報酬型であることが一般的です。ただし、サーチ型(ヘッドハンティング)の場合は、契約時・候補者リスト提出時・採用決定時の3段階で費用が発生することもあります。
支払いタイミングは人材紹介会社によって異なるため、契約前に確認しましょう。
Q3. 早期退職した場合はどうなる?
多くの人材紹介会社には返金保証制度が設けられています。
採用した人材が早期に退職してしまった場合、紹介手数料の一部または全額が返還されます。一般的な返金規定は以下の通りです。
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- 入社後1ヶ月以内の退職:75〜80%返金
- 入社後3ヶ月以内の退職:50%返金
※上記は一例です。具体的な返金率や期間は人材紹介会社によって異なるため、契約書で詳細を必ず確認するようにしましょう。
Q4. 複数の人材紹介会社を利用しても良い?
はい、複数の人材紹介会社を同時に利用することは一般的です。
人材紹介サービスは成功報酬型であるため、複数社に依頼しても初期費用は発生しません。各社の得意分野や登録者の傾向が異なるため、2〜3社を併用することで、より多くの候補者と出会える可能性が高まります。
ただし、同じ候補者が複数の人材紹介会社から推薦されることを避けるため、推薦リストをしっかり管理しましょう。
まとめ:人材紹介サービスは状況に応じた活用が重要
本記事では、人材紹介サービスのメリット・デメリット、向いている企業の特徴、費用相場、活用のコツについて解説しました。
人材紹介サービスのメリット・デメリットまとめ
| メリット |
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|---|---|
| デメリット |
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人材紹介サービスは、専門職・技術職の採用、急な欠員補充、採用リソース不足などの状況で特に効果を発揮します。一方で、大量採用や採用単価を抑えたい場合には、他の採用手法を検討する必要があります。
自社のニーズや状況に応じて、人材紹介サービスを戦略的に活用することで、採用活動の成功率を高めることができるでしょう。
クリエイター採用にお困りの採用ご担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください!