人材紹介の流れ8ステップ┃注意点や失敗を防ぐポイントも解説

人材紹介の流れ8ステップ┃注意点や失敗を防ぐポイントも解説

Shohei Osawa

Shohei Osawa

こんにちは、人材紹介サービス「LIGエージェント」の大澤です。

キャリアのプロが企業と求職者を結びつける、人材紹介会社。

「人材紹介会社の利用には、どんなプロセスがあるのだろう?」
「応募から内定まで、どんな作業が必要になるのだろう?」

人材紹介会社を初めて利用する採用担当者や経営者の方は、そんな疑問もあるのではないでしょうか。

導入時の注意点や、失敗を防ぐポイントについても知りたいところです。

本記事では人材紹介の流れを8ステップに分けて、それぞれのステップではどのような作業があるのか、注意点やスムーズにやり取りを進めるポイントも含めて詳しく解説します!

人材紹介とは?

人材紹介とは、企業の採用ニーズと求職者の転職希望をマッチングさせる人材サービスです。人材紹介会社が企業と求職者の間に立ち、最適な人材の紹介から入社までをサポートします。

人材紹介には大きく分けて2つのタイプがあります。求職者が人材紹介会社に登録し、企業に紹介される「登録型」と、企業の依頼で優秀な人材をヘッドハンティングする「サーチ型」です。本記事では、より一般的な「登録型」の流れを中心に解説します。

人材紹介の流れ8ステップ

人材紹介の流れ
人材紹介サービスを利用する流れは、大きく分けて8つのステップがあります。それぞれのステップでどんな作業が発生するのか、企業側と人材紹介会社の両者の動きを詳しく確認していきましょう。

各ステップの所要期間も記載していますので、採用計画を立てる際の参考にしてください。

💡人材紹介会社の利用ステップ
  1. 採用要件ヒアリング(1週間〜2週間)
  2. 候補者の人選(1週間〜3週間)
  3. 応募書類提出(1週間〜2週間)
  4. 面接日程調整(1週間〜2週間)
  5. 面接のフィードバック(1週間)
  6. 条件交渉(1週間〜2週間)
  7. 合否連絡と入社手続き(1週間〜2週間)
  8. 入社〜入社後フォロー(入社後1ヶ月〜3ヶ月)

1. 採用要件ヒアリング

人材紹介のプロセスは、まずは企業の採用要件を明確にすることから始まります。

自社がどんな人材を必要としているのかをヒアリングし、下記のような項目をすり合わせていきます。

  • 求める人物像
  • 業務内容
  • 必要なスキル・経験
  • 職場環境や社風
  • 給与条件

こういった項目を担当者に包み隠さず伝えることで、自社の求める最適な人材とのマッチングにつながります。担当者とのヒアリング前に、社内で明確にしておきましょう。

💡やりとりをスムーズに進めるためのポイント
企業理念や将来のビジョンなど、会社としての方向性も整理しておくことをおすすめします。そうした情報を人材紹介会社の担当者に伝えることで、自社が本当に必要としている人材の解像度がぐっと高まります。結果としてより最適な求職者と出会いやすいため、採用活動がスムーズに進むでしょう。

2. 候補者の人選

依頼企業からヒアリングした採用要件に沿って、人材紹介会社は要件にマッチする求職者を選定します。その際にはスキルや経験だけでなく、さきほどお話しした企業理念や会社の雰囲気なども総合的にみて判断します。

求職者に求人内容を伝え、応募の意思があった際には次のステップに進みます。

💡やりとりをスムーズに進めるためのポイント
母集団形成のためにも、採用計画のスケジュールは余裕を持って確保することが重要です。求職者の中には現職に在籍しながら転職活動を進める人もおり、そのうえ採用面接は1社あたり2、3回と複数回実施されることが多いため、採用計画がタイトだと求職者とのスケジュール調整が難しくなってしまいます。実際にスケジュールの都合で選考自体を断念する求職者もいるため、母集団を広げるためにも柔軟な採用計画を設定しておくことをおすすめします。

3. 応募書類提出

応募に進む意思がある求職者の、履歴書や職務経歴書などの応募書類を企業に提出します。

その際に人材紹介会社は、応募する候補者の人柄や能力など、書類だけでは伝えることのできない求職者の一面も、推薦コメントとして企業の担当者に伝えます。

求職者には企業情報の提供や面接対策のサポートをして、求職者と企業、両方とのやりとりがスムーズに進むようサポートをしていきます。

💡やりとりをスムーズに進めるためのポイント
書類選考上で候補者に対して気になる点があれば、曖昧にせず人材紹介会社に確認し、具体的な回答を求めましょう。

また、書類上では自社に求める条件に完全一致していない場合でも、関連のスキルやポテンシャルを評価することもポイントです。書類上ではわからない候補者の強みが、面接で明らかになることもあります。

4. 面接日程調整

候補者が書類選考を通過したら、次のステップは面接です。人材紹介会社は企業と候補者の双方の予定を確認し、面接のスケジュール調整をします。

近年では、オンライン面接が主流になりつつあり、Zoom、Google Meetなどのツールを活用することで、遠方の候補者ともスムーズに面接が可能になっています。

💡やりとりをスムーズに進めるためのポイント
面接日の日程調整の際には、人材紹介会社から候補者に関する注目ポイントを確認しておきましょう。そうすることで、事前に求職者に対する解像度が上がり、強みや懸念点など重要なポイントに焦点を当てた質問を用意することができるでしょう。

5. 面接のフィードバック(企業・求職者ともに実施)

面接後は、人材紹介会社が企業と候補者の双方へ、フィードバックを行います。

企業からは候補者に対する評価や懸念点、そして合否結果などの次のステップへの意向を確認し、候補者からは面接で受けた企業に対する印象や、条件面での不明点を確認します。これらのフィードバックをもとに、必要に応じて双方に対して追加情報の確認や不明点の解消をし、次の面接の案内や日程調整を行います。

これらは面接を終えた双方の本音を引き出し、ミスマッチを防ぐ重要なステップです。

💡やりとりをスムーズに進めるためのポイント
企業は事前に、面接での評価基準を明確にしておきましょう。そうすることで面接官ごとに評価のブレがなくなり、公平な判断をすることができます。また、その評価基準は人材紹介会社とも共有しておくことで、面接結果について人材紹介会社と話し合う際に「何を基準に評価したのか」が明確になっている状態で話を進めることができます。

6. 条件交渉

企業の採用意思が固まった段階になったら、次のステップでは給与や福利厚生、勤務時間や入社時期などの条件交渉のサポートをします。

企業と候補者の希望条件をすり合わせて、双方が納得できる条件での合意を目指しましょう。

候補者の現状や企業の福利厚生、制度など、さまざまな視点で求職者と企業双方にとって最適な案を探り、スムーズな交渉をサポートします。

💡やりとりをスムーズに進めるためのポイント
最適な人材を確保するためにも、可能な範囲で候補者の希望条件に柔軟に対応することを心がけましょう。たとえ全ての条件を満たすことが難しくても、候補者の優先順位を理解して柔軟に対応する姿勢を大切にしてください。

「給与面はどうしてもこれ以上期待に添えない」という場合でも、「その代わり勤務時間や勤務形態は候補者の希望に合わせることができる」など、他の面で妥協点を見つけるのも一つの策です。スムーズに合意ができるよう、人材紹介会社と綿密なコミュニケーションを取りましょう。

7. 合否連絡と入社手続き

内定を出す候補者が決まったら、人材紹介会社を通じて内定通知を行います。

この際、年収・勤務地・就労時間・福利厚生などの労働条件を再度確認し、双方で認識のズレがないようにすることが重要です。人材紹介会社は、条件面の最終調整や疑問点の解消をサポートしてくれます。

内定承諾を得たら、入社日の調整に進みます。候補者が現職に在籍している場合は、退職手続きに1〜2ヶ月かかることもあるため、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。

内定から入社までの期間が長い場合、内定辞退のリスクが高まります。以下のような対策を講じることで、辞退を防ぐことができます。

💡内定辞退を防ぐポイント
  • 定期的なコミュニケーション:週1回程度のメールや電話で、入社への期待感を維持
  • 内定者懇親会・面談:既存社員との交流機会を設け、入社後のイメージを具体化
  • 疑問や不安の解消:些細な質問にも丁寧に答え、不安を払拭
  • 入社準備のサポート:必要な書類や手続きを明確に伝える

人材紹介会社も内定者フォローをサポートしてくれるため、連携しながら進めましょう。

8. 入社〜入社後フォロー

人材紹介会社は転職者が入社した後も一定期間、転職者と企業の双方に向けて定期的にフォローアップを行います。

企業には新入社員のパフォーマンスや課題点などといった現状を確認し、転職者には職場環境や業務内容に対する適応状況をヒアリングします。

そして悩みや問題が見つかった場合は、双方のヒアリング・コミュニケーションの手助けをし、転職者のスムーズな定着をサポートします。長期的に企業と転職者をサポートし、関係構築の手助けに努めます。

💡やりとりをスムーズに進めるためのポイント
企業によっては転職者の入社後、定期的に人事担当者や上司との面談が設けられていることがあります。転職者に課題や問題が発生する前に早期に気付き、解決策を一緒に考えることが重要です。

特に入社直後は業務内容だけでなく職場環境や人間関係に対して不安を抱える転職者もいるため、社内で転職者のケアをしていくこともスムーズな定着につながります。

人材紹介会社から転職者へのサポートもできるため、懸念点があった際には担当者に状況を共有しましょう。

人材紹介サービスの利用で失敗しないためのポイント4選

ここまで、人材紹介の流れを8ステップに分けて解説してきました。

それぞれのステップにて適切な準備と対応をすることにより、自社にとって最適な人材を確保することができますが、注意すべきポイントがいくつか存在します。

これらの注意点に留意しながら人材紹介サービスを利用しないと、十分な成果を得ることができない可能性もあるため、ここからお伝えする4つのポイントを抑えて効果的な採用活動を実現しましょう!

適切な人材紹介会社を選ぶ

人材紹介会社を選定するにあたって、自社にとって適切な会社を選ぶことが重要です。

たとえば、企業には以下のように具体的な採用目標を持っていることが一般的です。

  • 特定の技術職として経験や実力のある、即戦力人材を採用したい
  • 第二新卒や20代、30代の若年層を採用したい
  • 40代や50代などのベテラン層や管理職候補を採用したい

人材紹介会社は、それぞれ独自の強みや専門分野を持っています。

年齢層や業界、職種やスキルレベルなど、得意とする領域はさまざまなので、自社の採用計画にとって適切な人材紹介会社を選びましょう。

ちなみに、弊社LIGが運営している人材紹介サービス「LIGエージェント」は、Webクリエイター採用に特化した特化型エージェントです。

制作会社として培った経験と知見を活かし、最適な求職者をピンポイントでご紹介いたします!

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報酬や条件設定が適切か見直す

報酬や条件設定は、自社に最適な人材を確保するうえで極めて重要です。

同じ業種や職種の給与水準を比較し、他の求人と比べて差がありすぎず、競争力を持てる条件設定を心がけましょう。

また、給与面だけでなく総合的に魅力のある条件設定が、優秀な求職者を惹きつけます。下記のような条件設定も見直してみましょう。

  • 福利厚生
  • 労働環境
  • 企業文化
  • 評価制度
  • 社内でのキャリア成長の機会

上記のような項目で自社がアピールできそうな点が他にもあるのであれば、ぜひそれを採用のアピールポイントとして、人材紹介会社と共有しておきましょう。

やり取りのスピード感はできるだけ早めに!

やりとりにスピード感がないと、せっかく興味を持ってくれている求職者の興味を失わせるだけでなく、人材紹介会社との信頼関係にも影響が出てしまいます。

書類選考や面接のフィードバックは、できる限り迅速に行いましょう。また、人材紹介会社からの求職者情報や面接結果の連絡に対しても、企業は迅速に対応し、進捗を明確に共有することが大切です。

求職者は複数の企業の選考を同時に進めていることが多いため、企業側の決断や対応が遅れるだけで、選考を辞退されてしまう可能性もあります。それを防ぐためにも、スピード感のあるやり取りを心がけましょう。

面接のフィードバックをお願いする

ぜひ人材紹介会社の担当者とフィードバックの時間を持ちましょう。

フィードバックを行うことで、求職者の強みや課題点について人材紹介会社と企業間で具体的な詳細を共有し、より深く求職者を理解することができます。

また、特に面接を受けた候補者を不採用にした場合、フィードバックの重要性はより高まります。これは求職者自身の転職活動を支援するだけでなく、「もっとこんなスキルのある人材がよい」「社風に合うのはこんなイメージの人物像だった」などと自社が求めている具体的な人物像を人材紹介会社に共有することで、次に人材を紹介してもらう際の指針にすることができるからです。

理想の人材像の解像度を高め、より適切な人材を紹介してもらうためにも、面接のフィードバックはぜひ依頼しましょう。

人材紹介の費用・手数料について

人材紹介サービスを利用する際に気になるのが、費用面です。ここでは、手数料の相場や支払いタイミング、返金規定について解説します。

手数料の相場と計算方法

人材紹介会社の手数料は、採用した人材の理論年収の25〜35%が相場です。理論年収とは、基本給に賞与やインセンティブを加えた年間の想定収入を指します。

計算例:

  • 年収400万円の人材を採用 → 手数料100〜140万円
  • 年収600万円の人材を採用 → 手数料150〜210万円
  • 年収1,000万円の人材を採用 → 手数料250〜350万円

手数料の割合は人材紹介会社や契約内容によって異なるため、契約前に必ず確認しましょう。

支払いタイミング

人材紹介サービスは完全成果報酬型が基本です。

タイミング 費用
契約時 無料
候補者紹介時 無料
面接・選考中 無料
入社日 紹介手数料を支払い

ただし、サーチ型(ヘッドハンティング)の場合は、着手金が発生することがあります。サーチ型は特定の人材を探し出す工数が大きいため、成果の有無にかかわらず初期費用が必要になるケースがあります。

返金規定について

多くの人材紹介会社は、早期退職時の返金規定を設けています。一般的には3ヶ月以内の退職を対象としていますが、中には6ヶ月まで期間を延長している企業もあります。

返金規定の内容は人材紹介会社によって異なるため、契約時に必ず確認しておきましょう。返金規定が明記されていない場合は、契約前に交渉することも可能です。

人材紹介に関するよくある質問(FAQ)

人材紹介サービスの利用を検討する際に、よく寄せられる質問にお答えします。

Q1. 利用から採用までどのくらいの期間がかかりますか?

A. 最短で1ヶ月、平均で2〜3ヶ月程度です。

人材紹介サービスの利用開始から採用完了までの期間は、職種や条件によって変動しますが、一般的には以下のような流れになります。

  • 契約〜候補者紹介:2〜4週間
  • 書類選考〜面接:2〜4週間
  • 内定〜入社:1〜2ヶ月

専門性の高いポジションや管理職クラスの採用では、3〜6ヶ月かかることもあります。余裕を持った採用計画を立てることが重要です。

Q2. 複数の人材紹介会社を同時に利用できますか?

A. はい、可能です。むしろ複数社の併用を推奨します。

2〜3社の人材紹介会社を併用することで、以下のメリットがあります。

  • 各社の得意分野を活かせる
  • より多くの候補者と出会える
  • 比較検討により適切な判断ができる

ただし、重複応募を防ぐため、各社に他社も利用していることを伝えましょう。同じ求職者が複数の人材紹介会社から紹介される「重複紹介」が発生すると、求職者に悪い印象を与えてしまいます。

Q3. 人材紹介会社はどうやって選べばいいですか?

A. 自社のニーズに合った専門性を持つ会社を選びましょう。

人材紹介会社を選ぶ際のチェックポイント

チェック項目 確認内容
専門性 自社の業界・職種に精通しているか
ネットワーク 十分な候補者データベースを持っているか
担当者 レスポンスが早く、的確なアドバイスをくれるか
費用 手数料や返金規定が明確か

複数社と面談して比較検討することをおすすめします。担当者との相性も重要な判断基準です。

まとめ

人材紹介サービスを活用することで、企業は効率よく最適な人材と出会うことができますが、適切な人材紹介会社の選定、スムーズなやり取り、迅速な対応を行うことが重要です。

本記事で解説した8ステップの人材紹介の流れに沿って適切な対応を行うことで、最適な人材を採用の成功率を高めることができます。また、ご紹介した失敗しないためのポイントも押さえておくことで、より効果的な採用活動が可能になります。

貴社にとって最適な人材紹介サービスを見つけ、実りのある採用活動を進めていただければ幸いです!

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Shohei Osawa
Shohei Osawa Digital Education / HR / Manager / 大澤 昇平

人材事業「LIG Agent(LIGエージェント)」責任者/キャリアデザイナー。人材採用・育成、キャリア開発、事業戦略立案を専門とし、ホスピタリティからクリエイティブ分野まで幅広い業種での人材マネジメントに精通している。大手テーマパークホテルの人事部門でキャリアをスタートし、その後ホテル・観光業特化型の人材サービス企業で国内外の採用支援や経営企画を経験。2022年2月よりLIGに参画し、人材関連の経験を活かしてクリエイティブ人材の育成と支援に従事している。

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