生成AI時代のオウンドメディア運営とは?

生成AI時代のオウンドメディア運営とは?

Kakeru Yanagi

Kakeru Yanagi

こんにちは。マーケターのかけるです。

生成AIが話題になってからもう1年以上が経ちましたね。あらゆる領域で生成AIの活用が進みましたが、「オウンドメディア運営」においても、生成AIを活用することはとてもおすすめです。

そこで今回は、「オウンドメディア運営における活用術」と「生成AI時代にオウンドメディア運営で重要なこと」をまとめました。

「今年から生成AIを積極的にチームや自分の業務に取り入れていきたい」「オウンドメディアの生成AI活用を知りたい」という方にとって、少しでも参考になれば幸いです!

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オウンドメディア運営における生成AI活用術

オウンドメディアの運営業務において、主には以下で生成AIを活用できます。

  1. 企画立案・アウトライン作成
  2. コンテンツSEO
  3. 画像生成
  4. 記事レビュー

すでにガッツリ活用している方もいるかと思いますが、主な業務での活用術を簡単にお伝えします。※以下は基本的に「ChatGPT(GPT-4)」の利用をイメージします。

1.企画立案・アウトライン作成 

オウンドメディアを長く運営していると、企画の「マンネリ化」や「ネタ切れ」になりがち(僕も何度も経験したことがあるオウンドメディア運営あるあるですね……)。

生成AIを活用すれば、企画のヒントになるアイデアをほんの数秒で生成してくれます。

企画案をChatGPTに生成してもらう際は、「こういうアイデア考えてください」などといったシンプルな指示(プロンプト)ではなく、必要によっては下記も合わせてアウトプットしてもらうことで企画案の解像度が上がります。

  1. ターゲット
  2. ターゲットが抱える課題
  3. 記事で解決できること

無事に企画が固まったあとは、ChatGPTでアウトラインや見出しやタイトル、簡単な内容も生成できます。

見出しや構成を生成する際は、その記載方法のフォーマットも細かく指示することが重要です。

【プロンプト例】
 
あなたは優秀なライターです。
〇〇という企画の構成案を作成してください。
記事構成のフォーマットは以下の#Desired Format に従ってください。

#Desired Format:”””
0.導入
└[本章の概要を1~2文で]
1.章のタイトル
└[本章の概要を1~2文で]
 1-1.小章のタイトル
 └[本章の概要を1~2文で]
 1-2.小章のタイトル
 └[本章の概要を1~2文で]
 1-3.小章のタイトル
 └[本章の概要を1~2文で]
2.章のタイトル
└[本章の概要を1~2文で]
 1-1.小章のタイトル


※こちらのプロンプトはLIG社顧問である梶谷 健人 氏(株式会社POSTS 代表)考案のプロンプトをベースに作成したものです。

また、一度考えたアイデアに対してフィードバックをもらうのも便利な使い方です。

▲実際にChatGPTでフィードバックしてもらった例

この例では、企画の面白さの解説と懸念点を様々な視点でフィードバックしてくれました。特に懸念点は、企画のリスク管理をする上での新たな視点として参考になるアウトプットを出してくれます。

2.SEO

SEO記事の制作において発生する「ユーザーニーズの調査」「構成作成」においても、生成AIの活用は効果的です。

  • ユーザーニーズの調査:狙っているキーワードの検索上位コンテンツの分析はもちろん、その顕在ニーズや潜在ニーズも分析してレポートすることが可能
  • 構成案作成:ユーザーニーズやキーワードを考慮した構成案の生成

LIGでは、GPT-4の機能であるGPTs(※)を活用して、狙いたいキーワードを入れると、構成案を生成してくれるチャットボットを作成して活用しています。

※GPTsとは:ChatGPTを自分好みの仕様にカスタマイズできる機能。オリジナルのチャットボットがノーコードでき、GPT Storeに公開できる。有料版(ChatGPT Plus)のみ利用可能。

▲実際に作ったGPTs。「アプリ開発 費用」のキーワードで構成案を生成 

ただし、SEO記事の制作における生成AIの活用(ChatGPT)の際は、下記3つに注意が必要です。

  • 事実ではない情報の生成
  • 著作権違反(コピーコンテンツ)
  • E-E-A-T(特に「経験」)が考慮されていない

生成された構成案や情報をそのまま鵜呑みにせず(そのまま利用せず)、必ずチェックしてください。生成の際にデータ出典元のURLも合わせてアウトプットしてもらうのもよいでしょう。

3.画像生成

オウンドメディア運営では、アイキャッチ画像や記事内画像の制作で生成AIが活用できます。画像生成では、ChatGPTの「DALL-E3」「Midjourney」「Stable Diffusion」あたりがよく話題に挙がりますね。

各画像生成AIを比較してみるとこんな感じです。

メリット デメリット 料金 利用環境
DALL-E3
  • 日本語入力でも高精度
  • 初心者でもおすすめ
  • Midjourney、Stable Diffusionと比べてクオリティが低い
  • センシティブ判定が厳しい
月$20(ChatGPT Plus) ChatGPT(GPT-4)
Midjourney
  • ハイクオリティな画像生成
  • 直感的で使いやすい
  • 日本語入力だと精度が低い
月$10~ Discord
Stable Diffusion
  • 画像の生成枚数や利用制限がない
  • オープンソース
  • 環境構築のハードルが高い
  • PCのスペックに生成速度が左右される
無料 ローカル環境、アプリなど

 
◼︎「Midjourney」の使い方を解説

◼︎「Stable Diffusion」の使い方を解説

ただ、現時点では、画像内に日本語文字を入れるのがまだまだ苦手です(英語なら問題ない)。

アイキャッチに日本語を入れたい!という方は、画像の背景などの素材だけは生成AIで作成して、実際に文字を入れる作業は、非デザイナーでも作成しやすい「Canva」などのツールを使っての制作をおすすめします。

もちろん生成画像を商用利用する際は、こちらも著作権のチェックが必要です。

4.記事レビュー

ChatGPTはこちらから質問するだけではなく、ChatGPTから逆質問させることもおすすめの使い方です。 

例えば、記事をレビューをしてもらう際は、シンプルに「この記事の感想や改善点を教えて」だけではなく、原稿を読み込んで質問案を作成されることもおすすめです。
 

【プロンプト例】
 
あなたは優秀なライターです。
まずはこの原稿を読み込んで書かれていることや記事で伝えたいことを把握してください。その後、この原稿に書かれていないことや、ターゲットが新たに疑問に思いそうなことを質問案としてまとめてください。

また、ターゲットは下記の#ターゲットを参考にしてください。

#ターゲット:”””
・~~
・~~
・~~

質問案を作成することで、読者がより知りたい情報を把握して、記事のブラッシュアップに活用できます。

なお、原稿はPDFやテキストファイルで読み込ませれば問題ありませんが、OpenAI社にデータを送信することになるため、あらかじめ個人情報などは伏せておくことをおすすめします。

生成AI時代のオウンドメディアのカギは「ファン化」

上記の活用術はほんの一例です。今後、生成AIの精度が向上したり新たな機能やサービスが生まれたりすることで、活用の幅はより広がります。

生成AI時代では、執筆、画像作成、動画編集などの作業がAIによって瞬時におこなわれるようになり、Webサイトへの公開業務も、将来的には完全自動化されると予測されています。

その結果、オウンドメディア担当者の役割は、「企画決め」「一次情報の収集」に集中することになり、メディアとしてのオリジナリティの追求がより一層重要になると考えられます。
 

また、今後「誰が出している情報でも構わない」というニーズは、AIによって適切にレコメンドされた情報を受け取るだけで十分です。

そういったなかで、自社メディアに集客していくためには、「このオウンドメディアの情報を知りたい!(この発信者が出すコンテンツを見たい)」と思ってもらえる「ファン化」がカギとなります。

 

そのため、生成AI時代のオウンドメディア運営では、「なぜ読者が自社メディアを選ぶのか」という理由を再定義し、その定義に沿ったコンテンツの企画が必要です。

最後に:生成AIに仕事を奪われても良い

生成AIが台頭するなかで、「生成AIに仕事を奪われるのではないか」という不安もあるはずです。

実際に、テキスト生成AI「ChatGPT」を開発したOpenAIが公開した論文では、今後「全職業の80%がAIの影響を受ける」と指摘していたり、またマッキンゼーからは「従業員の業務時間の約7割は節約可能」という調査レポートもありました。
※参考
[2303.10130] GPTs are GPTs: An Early Look at the Labor Market Impact Potential of Large Language Models
Economic potential of generative AI | McKinsey

そういったネガティブな話がある一方で、個人的には「AIができることは積極的に任せる」というスタンスが必要です(要するに、「めんどくさい仕事はAIに任せる」ということですね)。

AIに任せる仕事が増えれば、空いた時間で新たなスキルを身につける時間やプライベートに使える時間を増やせます。

またスキルに関しても、エンジニアがデザインできたり、営業がコーディングできるようになったりと、これまで知識量や経験の差によって実現できなかったことが、生成AIを活用することで簡単にできるようになりました。

生成AIがこれからもあらゆる分野で確実に活用されていくなかで、「AIに仕事を奪われないように」ではなく、「生成AIを活用しながら何をしていくのか」というスタンスが大事です。

まとめ

今回はオウンドメディア運営における生成AIの活用方法、そして展望をまとめてみました。少しでも参考になれば幸いです!

LIGの「生成AIコンサルティング」事業では、生成AI時代に必要なオウンドメディアづくりのご支援として、企業様のニーズにカスタマイズしたワークショップや勉強会も開催しております。

少しでも気になった方はぜひ、以下よりお問い合わせくださいませ!

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大学卒業後、IT系上場企業に新卒入社したのち、2021年にLIGにジョイン。メディアディレクターとして、おもしろ企画からCVを狙ったストレートな企画まで幅広く担当。現在は生成AIコンサルタントとして、生成AIの社内推進・生成AIコンサルティング事業を担当。

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