テクノロジーコンサルタントの工藤です。
生成AI(Generative AI、ジェネレーティブAI)とは、動作を促すような指示(=プロンプト)に応答してテキストや画像などを自動生成する人工知能システムです。
生成AIはその汎用性の高さから、あらゆる職種・ビジネスへの活用が急激に進んでおり、いち早く導入を進めれば競合他社との差別化も期待できます。
この記事では「生成AIを自社ビジネスにも活用したい」「どのように導入すればいいのかわからない」という方へ、生成AIのコンサルティングサービスを提供する会社を、2023年10月の最新情報で紹介します。ページ後半ではコンサルティング会社の選び方も言及しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
生成AIコンサルティングサービスを提供する会社
さっそく生成AIコンサルティングサービスを提供する会社を7社紹介します。従業員数100名以上の知名度の高い会社を中心に、各社の強みやサービス特徴をまとめました。
株式会社LIG
僭越ながらまずは弊社の紹介をさせてください。LIGは、UI/UXの知見とグローバルな開発体制を強みに、企業のDXを戦略設計から運用まで一貫してサポートしている企業です。
2023年7月からは顧問に梶谷健人氏*を迎え入れ、システム開発事業部内の「AI専門チーム」のナレッジシェアを加速。AIを活用した新規事業の創出や社内の業務改善を総合的に支援しています。
「AIを活用したいけど、どう進めたらいいのかわからない」などの漠然とした悩みを抱えている方でも、AIに特化した専門チームが壁打ち相手となり、一緒に事業プランを描きます。
- *梶谷健人氏とは
- 株式会社POSTS代表。2017年にXR/メタバース領域のスタートアップMESONを創業し、大手通信キャリア4社やアパレルブランドなどと共同でのサービス開発や、独自のXRフレームワークの開発などの事業を展開。現在は生成AI/XRなどの先端テクノロジーや、プロダクト戦略を軸にした経営アドバイザーとして様々な企業を支援している。「いちばんやさしいグロースハックの教本」(インプレス)著者。
プレスリリース:LIG、顧問に梶谷 健人氏を迎え入れ「生成AIコンサルティング」事業を本格スタート
設立年 | 2007年 |
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従業員数 | 230名(2023年4月1日時点 連結) |
事業内容 | コンサルティング事業 Webサイト制作事業 システム開発・アプリ開発事業 マーケティング支援事業 など |
株式会社リブ・コンサルティング
出典:生成AI(Generative AI)活用コンサルティング|株式会社リブ・コンサルティング
株式会社リブ・コンサルティングは、DXを活用した幅広い分野のコンサルティングサービスをおこなう会社です。
生成AIのコンサルティングサービスにおいては、ビジネス部門(現場中心の活用)とDX部門(DX主導で現場に落とし込んでいく手法)、どちらからでのアプローチも支援しています。
設立年 | 2012年 |
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従業員数 | 300名(2023年7月時点、グループ) |
事業内容 | 総合経営コンサルティング業務 企業経営に関する教育・研修プログラムの企画・運営 |
PwC Japanグループ
出典:生成AI(Generative AI)コンサルティングサービス|PwC Japanグループ
PwC Japanグループは、国内外に事業展開する大手総合系コンサルティングファームで、生成AIコンサルティングサービスもいち早く提供開始しています。
PwC Japanグループといえば、世界154カ国721拠点のグローバルなネットワークが特徴。世界の最新情報や潮流を把握した上で最適なソリューションを提案可能です。
生成AIコンサルティングサービスでは、グループ内の各法人に所属する専門家が連携をとりながら、生成AIを活用した事業化支援や導入支援、生成AI特有のリスク管理などを総合的にサポートしています。各分野のユースケースやニーズに精通していることは、他社と比較して大きな差別化ポイントといえるでしょう。
従業員数 | 約10,200人(2022年時点) |
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おもな法人 | PwCあらた有限責任監査法人 PwC京都監査法人 PwCコンサルティング合同会社 PwCアドバイザリー合同会社 PwC税理士法人 PwC弁護士法人 PwC総合研究所合同会社 PwCサステナビリティ合同会社 PwCビジネスアシュアランス合同会社 PwCビジネスソリューション合同会社 PwC Japan合同会社 |
株式会社日立コンサルティング
出典:生成AIコンサルティングサービス|株式会社日立コンサルティング
日立コンサルティング社は、2023年6月より「生成 AI(Generative AI)コンサルティングサービス」の提供を開始しました。同社は自社の業務内で生成AIを活用することで多くのユースケースを蓄積し、これらの知見を活用し、生成AIで業務改善をしたい企業を支援しています。
また、同グループである日立製作所「Generative AIセンター」と連携して、データサイエンス、プライバシー保護、AI倫理、セキュリティ、知財管理などの面からも支援が可能です。
設立年 | 2002年 |
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従業員数 | 460名(2023年2月末時点) |
事業内容 | マネジメントコンサルティング (経営計画、事業戦略、新事業構想~立上げ支援) 業務コンサルティング (業務改革、働き方改革、バリューチェーン改革) ITコンサルティング (IT構想、IT戦略、デジタル技術活用) |
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
出典:生成AIアドバイザリサービス|伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
2023年5月に生成AIアドバイザリーサービスとして、生成AIの概要や活用方法に関する勉強会、技術面での支援、プロンプト作成のコンサルティング、生成AIの組み込みコンサルなどをおこなっています。
著作権侵害や情報漏洩などのリスクも考慮したサービスを提供しており、会社の状況に応じて選択可能です。
設立年 | 1972年 |
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従業員数 | 単体 5,019名、CTCグループ 10,120名(2023年4月1日現在) |
事業内容 | コンピュータ・ネットワークシステムの販売・保守、ソフトウェア受託開発、情報処理サービス、科学・工学系情報サービス、サポート、その他 |
KPMGジャパン
出典:KPMGジャパン
KPMGジャパンでは監査、税務、アドバイザリーの3つの分野にわたる監査法人を所持しています。2023年6月より、KPMGジャパンの各法人が保持する専門性を活用し、各領域を包括的に支援する生成AIコンサルティングサービスの提供を開始しました。
生成AIの適用領域への創出や、生成AI事業への参入支援、また生成AIを活用した企業の発展などを総合的に支援可能です。
従業員数 | |
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主な法人 | あずさ監査法人 KPMG税理士法人 KPMGコンサルティング KPMG FAS KPMGあずさサステナビリティ KPMGヘルスケアジャパン KPMG社会保険労務士法人 KPMG Ignition Tokyo |
Ridgelinez(リッジラインズ)株式会社
出典:生成系AIコンサルティングサービス|Ridgelinez株式会社
Ridgelinezは、企業のDX推進を支援する富士通グループのコンサルティング会社です。同社は業務内でChatGPT4を活用することで、システム運用やセキュリティ対策も含めた知見を蓄積しています。
富士通グループである強みを活かし、人工知能研究所の最新AI技術やAI倫理研究における知見を組み合わせて包括的な視点でクライアントを支援します。
設立年 | 2020年 |
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従業員数 | 365名(2023年3月1日時点) |
事業内容 | DX推進を主体としたコンサルティング事業、テクノロジーを活用した新規事業開発 |
生成AIコンサルティング会社の選び方
生成AIはまだ新しく、実績や評判で会社を比較することが難しい分野です。そのような中でも、コンサルティング会社選びに失敗しないためポイントを解説します。
専門性や知見が豊富であるか
生成AIをビジネスに活用するには、導入時に直面する課題・リスクについて考慮する必要があります。
- 例えば
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- AIモデルの選定:ビジネスに適したモデルの選定や、カスタマイズ方法などを検討する
- セキュリティ面の課題:秘密情報や個人情報の漏洩、著作権など第三者が所有する権利の侵害に関するリスクに考慮する
生成AIに関連する法律については現在、議論されているところですが、法的なリスクが存在することは間違いありません。
特にセキュリティ面については企業に与える影響が大きいため、慎重に会社選びをしましょう。
実務や現場の理解は十分であるか
生成AIの導入にあたっては、実務の理解が不可欠です。業界・業種によっては特有の法律知識が必要な場合もあるため、理解がなければ適切な施策の導入が難しくなります。
そのため、自社の業界・業種への理解が十分であるコンサルティング会社を選ぶのがおすすめです。
要望を実現できる技術を持っているか
まずは自社内で要望を明確化し、コンサルティング会社にできるだけ具体的に伝えられるように準備をします。それに対し、実現可否をわかりやすい言葉で話してもらえるコンサルタントを選ぶといいでしょう。
生成AIは活用領域が多岐にわたる故に、自社の依頼したい領域における技術的な知見があるかはどうかは確認できると安心です。
生成AIコンサルティング会社のサービス内容一覧
ヒアリング&生成AI導入のアドバイス
AIを活用した新規事業の創出や社内の業務改善についてヒアリングをおこない、生成AIの活用方法、戦略を策定する。具体的には、適切なAIモデルの選定や導入計画、リソースの確保、予算の設定、必要なデータの確保など。
システムの開発(開発を伴う場合)
ヒアリング内容をもとに、必要なシステムの機能や要件の洗い出し、設計、開発をおこなう。
生成AI導入後の運用支援
AIの導入後の運用サポートをおこなう。 具体的には、現場への生成AIの基本から応用までの教育、運用フォローなど。内部の専門知識を構築することで、生成AIを最大限活用できるよう支援する。
効果検証
導入した生成AIによって、どのような成果が得られたのか定期的に検証をおこなう。検証結果をもとに、更なるAIの活用や拡大のサポートをおこなう。
さいごに
生成AIの導入コンサルティングに強みをもつ会社を紹介しました。気になる企業があれば、問い合わせをして確認してみてください。
また、弊社LIGでは、顧問に梶谷氏を迎え生成AIの活用方法の模索、システム導入までを丸ごと支援可能です。生成AIのビジネス活用でお悩みのことがあれば、ぜひご相談ください。