こんにちは! うどん県出身のメディアコンサルタント、太田ジョーです。オウンドメディア運用について様々な施策を模索し、効果最大化に向けたお手伝いをさせていただいています。
オウンドメディアを運用するときに意識したいのがSEO対策です。特に「検索順位が上がらない……」という状況が続くと、記事の効果検証も難しく、何より運用のモチベーションが下がってしまいますね。
そこでこの記事では「記事を更新しているのに検索順位が上がらない」「いつまでたっても広告頼りになってしまう」といった担当者のみなさまへ向けて、私が運用支援を担当させていただく際に確認するポイントを6つご紹介します。
「オウンドメディアを運用しても成果がなかなかでない」「施策の立て方が難しい」などとお困りではありませんか?
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など、15年近くオウンドメディアの運営・支援をおこない実績をだしてきた弊社が、オウンドメディア運用支援プランをご用意しました。2023年8月のコアアップデートをふまえ、オウンドメディアにおける課題を明確にし最短で成果を出すための戦略や施策を提供します。ぜひ一度、資料をご覧ください。
目次
そもそも検索エンジンの仕組みとは?
何気なく使っているGoogleやYahoo!などのブラウザ検索ですが、どのような仕組みで検索結果が表示されているか、ごぞんじでしょうか?
ざっっっっくりお伝えすると「クローラー」というロボットが、膨大なWebサイトの情報をデータベースへ保存し続けており(データベースに保存することをインデックス登録といいます)、ユーザーの検索キーワードや位置関係などの情報をもとに、そのデータベースの中から最適なページを判断して提示しているのです。
このとき、検索キーワードに対して同じような内容のページが多数存在する場合にはWebサイトごとのコンテンツの量や独自性、過去の流入ユーザーの動き、サイトのドメインが持っているパワーなど、ページごとの品質を独自規格でチェックし、より最適な検索結果を表示しています。
このような検索エンジンの仕組みを踏まえると、上位表示されるためには、
- クローラーにページの存在を把握してもらうこと
- クローラーに高品質なページであることを理解してもらうこと
以上の二点が大きく影響することになります。
検索順位が上がらない代表的な6つの理由と対策
検索順位が上がらないとせっかく作ったコンテンツが日の目を見ないままに埋もれてしまいます。一般的にはSEO施策は効果が出るまでに3ヶ月ほどかかると言われていますが、なかなか検索順位が上がってこない状況は、どうしても不安になってしまいますよね。
ここでは検索順位が上がらない代表的な原因について解説するので、自サイトに当てはまるものがないかぜひチェックしてみてください。
キーワード選定が誤っている
これは非常に基本的なポイントですが、SEOにおいてはもっとも重要なポイントです。特にあらかじめ選定したキーワードがユーザー視点かどうか、と考えてみましょう。
例として、あなたが讃岐うどんの製麺企業「LIG製麺」のオウンドメディア担当とした場合のモデルケースを考えてみます。(ちなみに、僕の記事では毎回恒例のモデルケースです!)
自社商品の「半生うどん」の認知拡大、EC売上拡大を目指すために「讃岐うどん」というキーワードの検索順位を上げるために様々な施策を試してきました。ですが、設定した「讃岐うどん」というキーワードで検索をする人はそもそもどのような方でしょうか? うどんを買いたい人はもちろんですが、讃岐うどんのお店を探している人や、そもそも讃岐うどんはどの県の名産品かを調べている人など、「讃岐うどん」というキーワードにはさまざまな検索意図があると考えられます。
要するに獲得を狙ったキーワードが広すぎたのです。
そこで、もう少しユーザーの動きに寄り添い、一歩踏み込んだ検索キーワードを設定することでこのようなミスマッチは防げます。例えば、上記のケースの場合は「讃岐うどん」ではなく「うどん レシピ」や「自宅でうどん」「讃岐うどん 送料無料」といった、ECに寄り添った内容のキーワードの獲得を目指すほうがEC売上拡大には効果的でしょう。
内部リンクを見直してみる
クローラーが評価するポイントには、Webサイトや記事の内部リンクの妥当性もあり、ユーザーにとって最適な情報動線が設計されているページは評価が高くなると言われています。
そのため、オウンドメディア内の記事同士の内部リンクが適切に設定されているかを確認してみましょう。内部リンクが適切に設定されていない場合、Googleのクローラーがサイト内を巡回しづらくなり、検索順位が低下することがあります。
ただし、闇雲に増やせばいいというわけではありません。内部リンクが多すぎると、逆に何をクリックしたら良いかわからない状況や、意図しないクリックを誘発する可能性もあります。内部リンクは適度に設定をして、ユーザーに対して最適な情報動線を設計することを心がけましょう。
外部リンクを見直してみる
内部リンクだけでなく、外部リンクも同様です。外部リンクとは自サイトのリンクが他のサイトに掲載されることを表しており、参照を受けるような高品質な記事を出していることの証明になります。この外部リンクが少ないと自サイトの評価が上がらず、検索順位も上がりにくくなってしまいます。
外部リンクを通して検索以外の流入も増えると、サイト自体のドメインパワーも上がり、結果的にSEO評価が上がる要因ともなります。積極的に外部リンクを獲得できるように、他サイトから引用を受けたり、SNSでシェアされるような記事を制作しましょう。
この「ドメインパワー」についてはメディアコンサルティングの営業マン、イチローさんが詳しく説明してくれているので、こちらも参考にしてみてください。
ドメインパワーとは?SEO対策への影響と対策方法を解説
ただし、外部リンクは「質」が重要です。悪質なサイトや低評価のページからの外部リンクは逆効果となり、ペナルティの対象となることもあります。定期的に流入元ページを確認し、怪しいサイトからリンクを受けていないかをチェックしましょう。
コンテンツを充実させる
記事は一度公開したら終わりではなく、ユーザーの需要や世の中のトレンドに合わせて、何度もアップデートしていく必要があります。季節や時代の変化に応じてユーザーの求める情報も変化するため、その時々に応じた情報やコンテンツをしっかり掲載するようにしましょう。
特に、競合サイトが優れたコンテンツを提供している場合は、自社のコンテンツを充実させることが求められます。定期的に狙いたいキーワードで検索をかけ、上位10社がどのようなコンテンツを発信しているのかを確認することは効果的です。
記事のリライトの方法についてもイチローさんがわかりやすくまとめていますので、こちらも参考にしてください!
「順位が上がらない」を解決するSEOコンテンツのリライト方法
ページのタイトルと説明文(ディスクリプション)を見直す
見落としがちなポイントですが、ページのタイトルもSEOの施策に要因を与えるものとなります。特に、検索結果一覧には各ページのタイトルが一番大きく表示されるため、検索キーワードの需要に近いタイトルが検索結果の上位に表示されやすくなります。
包み隠さずお伝えすると、この記事は「検索順位が上がらない」とお困りのSEO担当者様を想定して制作しています。そのため、記事のタイトルにも「検索順位が上がらない」「SEO担当者」というキーワードを意図的に含めています。
サイトの速度を確認する
ページの品質を評価するものとして、ユーザビリティ(操作性)があります。その代表的なものがWebサイトの表示速度です。
せっかく作り込んだページや、たくさんの写真を掲載した記事を公開しても、それを読み込む速度が遅いと、ユーザー動向が悪化してページの質も下がってしまいます。
「PageSpeed Insights」などのページ速度を確認するツールを使い、悪い数値が出てしまった場合は改善するようにしましょう。
対策をおこなうときのポイント
ここまで紹介してきたような対策を講じたあとは、どのように数値が変化するかを見守りましょう。SEOにおいて、対策を行ってすぐに結果が出ることは稀です。
検索ニーズやボリューム、検索エンジンのアップデートにより状況は様々ですが、一般的にSEOの効果が出るためには3ヶ月を要すると言われています。
これを踏まえ、対策をする際は、PDCAサイクルを回すためにも最低限以下のタスクを実行しましょう。
対策した履歴と日付を残しておく
いつ、どのようなSEO対策をしたかをチーム内で共有できるようにしましょう。検索順位が上がり始めたときに、「どの施策が有効だったのか」を確認するためです。逆に対策を行ってから日が経っても検索順位が上がらないようであれば、他の要因があると考えられます。
仮にひとつの記事で効果が出た施策があれば、それは他の記事でも有効な施策かもしれません。このようにオウンドメディアで評価が低かったポイントを明らかにし、他の記事でも同様の施策を行いましょう。
流入数を増やすためにSNSや外部リンクを活用する
先ほどもお伝えした通り、Webサイト自体への流入が増えないことには検索順位も上がりません。SNSや外部リンクなど、検索以外の流入数を増やすことも常に意識しながら取り組みましょう。
外部リンクが少ない段階では、地道な活動ですが相互リンクを獲得するための営業をかけることもあります。Webサイト自体の流入土台があってこそのSEO施策と言えますので、地道な活動も忘れずに行いましょう。
Googleのアルゴリズムの状況(2023年5月時点)
Googleは定期的にアルゴリズム(検索結果の表示計算方法)をアップデートし続けており、通称「コアアルゴリズムアップデート」と呼ばれています。最近では、2023年3月15日に実施されたと発表がありました。これまでのアップデートの傾向も含めると、以下のような傾向が顕著に表れています。
AI技術の検索への応用
ChatGPTや画像生成サービスなど、急激に発展を遂げるAIですが、検索エンジンでも同様の状況です。検索キーワードを入力したときの細かな打ち間違いへの対応や、ページに掲載されている画像認識など様々な場面でAI技術が使われています。
特に画像認識に関しては、複数のWebサイトで同じ画像が見られた場合「独自性が低いコンテンツ」とみなされ、検索順位に影響を及ぼすのではないか、と推測されています。掲載する画像に関しても、できる限りオリジナルの素材を使うことを意識しましょう。
コンテキストを重視した検索結果の提供
googleでは検索キーワードに対する最適な検索結果を出そうと、検索キーワードの前後の文脈(コンテキスト)を意識した検索結果を出すことに取り組んでいます。例えば「にんじん」と検索したら何も言わずとも「にんじんのレシピ」を検索結果として表示させる仕組みです。
前述でお伝えしたような「検索したユーザーの状況を考察する」ということを、検索エンジン側がすでに行っているような状況です。受け入れるページ側でも同じように、ユーザーの背景を考えて意識したページ作りが求められています。
E-E-A-Tの重要性
E-E-A-Tとは以下の英単語の頭文字からできたSEOの指標を表す言葉です。
- Experience(経験・体験)
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
従来は、専門性・権威性・信頼性のE-A-Tが重要視されていると考えられていましたが、昨今ではそれに経験・体験が加わったE-E-A-Tの4つの軸が重要とされています。特に、医療、健康、金融、法律、保険など「Your Money or Your Life」(通称YMYL)に関わる分野は、E-E-A-Tがより重要視されます。
発信されている情報には、専門性があるか、発信する人や会社に権威性と信頼性は十分か、その内容に独自の経験や体験は生かされているのか、といった評価軸も意識して取り組むようにしましょう。
LIGブログでもすべての記事の最後に執筆者の自己紹介が入っています。これはこの記事を書いた執筆者の専門性や信頼性を、読者の皆様に感じていただくための指標です。
ユーザーエクスペリエンスの向上
ユーザーが検索エンジンを起点とした体験(エクスペリエンス)も重要視されています。ポイントとしてお伝えした「ページ速度の改善」もこの項目にあたります。
オウンドメディアの運用で見落としがちなことは、モバイルフレンドリーにコンテンツが作られているか、という点です。なぜなら、コンテンツび制作はPCで行われることが多く、社内のチェックもPCだけで終わってしまいがちだからです。
しかし、みなさんもごぞんじの通り、現代の検索行動の多くはスマホを起点に行われており、「サイト訪問の8割以上はスマホである」というWebサイトがほとんどです。
PCでは読みやすくても、モバイルで読むと変な位置で改行されて読みにくかったり、画像が大きすぎて記事が見えにくかったり、内部リンクがタップされにくかったり、といった問題が起こりがちです。
そのため、コンテンツを公開する前には必ずプレビュー画面でモバイル表示も確認するようにしましょう。
【余談】場合によって使いこなしたい「一覧ページ」
ここまでは主にオウンドメディアの記事単位の話を中心にしてきました。一方で、オウンドメディアの運用支援をしている中で見落としがちな「あるある」対策ページがあります。
それが「一覧ページ」です。
一覧ページとは
その名の通り記事一覧のページですね。カテゴリータグをクリックすると、そのカテゴリーごとの一覧ページを準備しているオウンドメディアも多いかと思います。LIGブログの場合は「オウンドメディア」「デザイン」「テクノロジー」などがカテゴリーとして設定されています。
なぜ一覧ページが大切なのか
この「記事一覧」自体も検索結果に上げられる可能性があることを忘れないようにしましょう。この「記事一覧」を一つのWebサイトのページとしてフラットな視点で見てみると、さまざまなタイトルをもとに多くのキーワードが眠っており、かつ多くのユーザーがアクセスする非常に可能性を秘めたページです。
オウンドメディアと形態は異なりますが、総合求人系のサイトや実店舗を持つ小売店はこの一覧ページへ流入させることが多いです。試しに「お住まいの地域+求人」と検索してみると多くの求人一覧ページが表示される状況かと思います。
オウンドメディアでの一覧ページの活用方法
もう一度、LIG製麺のオウンドメディア運用で例えます。
さまざまなうどんの活用方法を伝えるために「レシピ」のカテゴリーを作りました。この「レシピ」の記事一覧ページをインデックス化させると、「うどん レシピ」で検索があった場合に、個々のページだけでなく、この一覧ページも評価される対象となります。
個々のレシピではなく、たくさんのアイデアが載っているので、ユーザーとしては一覧ページに着地するほうが望ましいことが推測されますね。
一覧ページを使わないほうが良いとき
一覧ページは情報量が多く検索対策になりやすい一方で、直接記事に流入させることができないというデメリットがあります。具体的なアンサーを求めている検索キーワードの対策には不向きといえます。
例えば「うどん レシピ」の検索であれば一覧ページが望ましいですが、「きつねうどん レシピ」の場合だと、きつねうどんの作り方を解説するページに流入させるべきです。
また、すでに記事単位で安定した流入が見込める場合も、記事単位に誘導をかける方が確実にユーザーのニーズに応えているため、具体的な対策は不要と言えるでしょう。
このような一覧ページには検索結果に表示させないようにする「noindex」タグを設置することで、検索結果には表示されないようにすることもできます。必要に応じて設定しましょう。
「検索順位が上がらない」ときにに忘れてはいけないこと
SEOは技術との戦いではなく、ユーザーへの寄り添い
今回の記事でも「クローラーに評価されるために〜」「インデックスしてもらって〜」「SEOでは〜」など、テクニカルな内容についてもお伝えしてきました。
SEOと聞くと、「専門的で難しいもの」と考えてしまう方は多いと思います。
もちろんSEO対策には専門的な知識も大切ですが、検索順位を上げるために最も重要なことは「ユーザーの役に立つか」です。それは各企業で商品やサービスを一番理解し、愛している担当者様だからこそ、もっとも重要視していただきたいポイントです。
要するに「検索エンジンもデタラメな答えは出したくない」「検索エンジンもページの質を見抜き、評価するようになっている」という状況です。検索しているユーザーの気持ちになったときに「なぜこのキーワードを検索しているのだろう」「こういった検索をするということは、ユーザーはこれが知りたいんだ」という気持ちを考察することです。
その気持ちにストレートに、御社ならではのメッセージを添えて答えることを意識しましょう。その質の高いコンテンツに加えて、ペナルティを受けない適切なWebサイト運営ができていれば、結果はきっとついてきます。
過剰なキーワード使用には注意
「このキーワードでも、あのキーワードでも獲得したいから、コンテンツに無理やりキーワードをねじ込むんだ!」という意識だと、ユーザーの目的からかけ離れたコンテンツとなってしまいます。黒毛和牛の通販を探している人にうどんの通販サイトのコンテンツは届きませんよね。
ですので、必ず適切なキーワードを選ぶようにしましょう。
不正な手法を使わないようにしよう
わざわざ表現することではありませんが、不正なサイトからの相互リンクや、ブラックハットSEOとも呼ばれるような検索エンジンを欺くような行為は厳禁です。
そのような行為が見られた場合は、検索エンジンにスパム認定をされ、検索結果に表示されないペナルティを受けることになりますので、くれぐれもご注意ください。
SEO対策は地道な戦い!早速取り組んでみよう!
今回は、検索順位が上がらないときに確認したい6つのポイントを中心に説明させていただきました。
検索順位が上がらない原因はWebサイトの状況によってさまざまですが、まずは「最も獲得したいユーザーがどのようなキーワードで検索しているのか」を再度考えながら、「狙っていくキーワードがこれで良いのか」を考えてみましょう。また、実際にみなさんがそのキーワードで検索をしてみて、「すでに表示されている競合サイトの情報に足りないものはないか」「わかりやすい情報は何か」を調査するステップも忘れずに。
自分自身が作ったコンテンツが誰かに届く実感は、オウンドメディア担当者が大きなやりがいを感じるポイントです。ぜひユーザーに寄り添った質の高いコンテンツを発信し続けてくださいね。
LIGではオウンドメディアの運用実績のノウハウを活かして、メディアコンサルティングのサービスを行っています。
検索順位が上がらないお悩みをはじめ、LIGブログの運用ノウハウを元にしたオウンドメディアの運用改善のサポートをさせていただいています。オウンドメディアの運用についてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください