こんにちは、月間200万PVのオウンドメディア「LIGブログ」運営スタッフの西山です。
弊社はWeb制作会社として2007年から活動しており、オウンドメディアの流入はほとんどが検索流入、つまりSEOでの数字となっています。
そこで今回は弊社の知見から、オウンドメディアでおこなうべきSEO対策を、制作編と運用編に分けて解説します。
また、後半ではSEOツール「ミエルカ」のエグゼクティブ・マーケティング・ディレクターの月岡さんにSEO施策についての基礎、そしてコンテンツマーケティングのためのツールの使用方法までをお伺いしましたので、ぜひ最後までご覧ください!
オウンドメディアを運用するうえでは、戦略設計やそれに紐づいた運用が大切になります。
・SEO対策で自然流入が14倍。うち10位以内は0%→7%に
・認知拡大を目的とするオウンドメディアで、コンテンツ企画〜制作までを継続的に支援し、月間40万PVまで成長
など、15年近くオウンドメディアの運営・支援をおこなった実績から「オウンドメディア支援プラン」をご用意しました。オウンドメディア運営におけるSEO対策における課題も明確にし、最短で成果を出すためのノウハウを提供します。ぜひお気軽にご相談ください。
目次
2023年9月に最新情報に更新しました。
オウンドメディアのSEO対策【サイト制作編】
まずはオウンドメディア制作時(立ち上げ時)におこなうべきSEO対策について解説します。
- サイト構造
- モバイルユーザービリティ(スマートフォンの利便性)
それぞれ詳しく解説します。
サイト構造
Webサイトの構造は上記のような階層構造になっていることが一般的です。
この構造(カテゴリー分け)がわかりやすいと、ユーザーは自分の欲しい情報に早く到達することができます。Googleのクローラーも巡りやすくなり、適切なインデックスの促進も期待できます。
よく言われるのは「TOPから全部のページに2クリック以内で辿り着けること」ですね。(サイトによっては難しいこともあります。)
なのでオウンドメディアのサイト構造を設計するときのポイントは、第一にユーザーにとってわかりやすいことです。
ユーザーファーストで作成することで、結果的にSEOにおいても有力な構造になります。
発信するコンテンツの内容を鑑みて、もれやダブりがなく、ユーザーが迷いなく辿り着けるようなサイト構造(カテゴリー分け)にしましょう。
階層を深くしすぎないことも重要。
TOP>食品>小麦>海外>ハンバーガー>チーズバーガー
のように、細かく分類しすぎるとユーザーが欲しい情報に辿り着くまでに何度もクリックしなくてはならず、利便性を損ねてしまいます。また、クローラーもサイト構造を理解しにくく、ザックリとお伝えすると順位が上がりにくくなります。
また、
TOP>食品>小麦
TOP>おにぎり>シャケ
のように、同じ階層に違うレベル感のカテゴリがあるとそれもクローラーの混乱のもとです。基本的に階層のレベルは揃えましょう。
上の例はわかりやすく極端にしておりますが、実際こんな感じの構造になっているサイトが検索の下位にめちゃくちゃたくさんあるんです……。
トップから全ページにたどり着くまで2クリック以内であることを目安とし、カテゴリのレベル感も統一し、サイト構造を決定させていきましょう。
あとからサイト構造を変えるのはNGですか?
NGということはないですが、だいぶ慎重になる必要があります。
もちろん調整をすることで流入数や問い合わせ数の改善につながる例もありますが、逆も然りです。
内部リンク構造が変わってしまう、URLが変わってしまうなどの要因により、カテゴリー単位で評価されていた専門性が弱まって検索結果から消えてしまったメディアもあります。
サイト構造を変更するには専門的な知見が絶対に必要なので、必ず詳しい会社や人に相談をするようにしましょう。状況によってはサイトリニューアルも視野に入るかと思われます。
モバイルユーザービリティ(スマートフォンの利便性)
Googleは、検索順位を決定するとき、モバイル版のサイトコンテンツを優先的に使用します。(Google公式:モバイルサイトとモバイルファースト インデックスに関するおすすめの方法より)
そのため、スマートフォンでの利便性を考慮したコンテンツは、SEO対策においても優位に働きやすいといえます。次のような点を心がけ、オウンドメディアを制作しましょう。
- ページの読み込み速度は適切か(一般的にスマートフォンはパソコンよりも遅くなる傾向があります)
- モバイルに適したページ幅・文字サイズ・画像サイズであるか
近年では、閲覧者のデバイスによってサイトデザインを最適化するレシポンシブデザインを採用する企業がほとんどです。
レスポンシブデザインであれば、パソコン・スマートフォンに限らず同じURLにアクセスでき、サイト評価が1つのURLに集約できるなどのメリットがあります。
PC・モバイル別の自社サイトのスピードや指標は、GoogleのPageSpeed Insightsというサイトで確認できます。
オウンドメディアのSEO対策【運用編】
続いて、オウンドメディアの運用時におこなうべきSEO対策について解説します。ここで解説するのは、以下の3つのトピックです。
- 「Googleが掲げる10の真実」について
- E-E-A-Tを意識したコンテンツ制作をしよう
いずれもオウンドメディアを運用する上では必ず知っておくべきSEO対策の知識ですので、ぜひ最後までチェックしてください。
「Googleが掲げる10の真実」について
Googleはユーザーにとってよりよい検索結果にするために、日々アルゴリズムのテストや改善をおこなっています。その根底にあるのが次の考え方「10の真実」で、SEO対策の本質とも言えることです。
SEO対策について調べると、どうしても表面上の対策方法が目につきがちですが、今後オウンドメディアを運用されるなら本質を理解し、そこから逸れないようなオウンドメディア運営を心がけることで、結果的にSEOに結びつきます。
- Googleが掲げる10の真実
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- ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
- 1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
- 遅いより速いほうがいい。
- ウェブ上の民主主義は機能する。
- 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
- 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
- 世の中にはまだまだ情報があふれている。
- 情報のニーズはすべての国境を越える。
- スーツがなくても真剣に仕事はできる。
- 「すばらしい」では足りない
特に前半の6つは大切な考え方なので、簡単に解説させていただきます。
ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
Googleが最も大切にしているのが、「ユーザー第一」の考え方です。コンテンツを制作する時もサイトを運営するときも、「ユーザーのためになっているのか?」を一番に考えるようにしましょう。
なお、ここでいうユーザーとは、オウンドメディア、強いてはコンテンツにより変わります。どんな人が使うメディアなのか、どんな人が読むコンテンツなのか等、ユーザー属性を踏まえて考えることが大切です。
1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
SEO対策は一朝一夕で効果を得られるものではありません。また、ある程度評価される方法はあるものの、「検索順位を必ず1位にする方法」などと確立されたものもありません(メディアの状態やキーワードごとにやるべきことが異なります)。
自分で試行錯誤し、改善をし続ける姿勢が大切です。
遅いより速いほうがいい。
ページの表示速度や応答速度が早いほど、ユーザーはストレスを感じません。とくに近年ではスマートフォンからの利用を考慮できているかが非常に重要なポイントです。
ウェブ上の民主主義は機能する。
Googleはページ評価をする際、全ユーザー(国民)からの被リンク数(投票)を考慮しています。
情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
パソコン以外のデバイスからアクセスするユーザーも増えており、それを考慮する必要があります。ページ速度や応答速度以外にも、全デバイスに適したページ幅・文字サイズ・画像サイズであるかなどを考慮しましょう。
悪事を働かなくてもお金は稼げる。
Googleは客観性を重視しており、SEO対策の検索順位はいかなる場合でもお金で買うことはできません。
リンクを購入するなど意図的な被リンクも、ガイドライン違反になります。
悪質なガイドライン違反はペナルティが科せられることもあるので、真っ当にユーザーファーストで運営しましょう。
E-E-A-T(旧E-A-T)を意識したコンテンツ制作をしよう
E-E-A-T(旧E-A-T)とは、以下の頭文字をとったもので、Googleの品質評価ガイドラインで定義されている評価基準です。詳しいコンテンツの制作手順はこのあと解説しますが、まずは前提知識として知っておくべきこの評価基準について知っておきましょう。
- Experience(経験):経験を基に書かれたコンテンツであるか
- Expertise(専門性):そのトピックに関する十分な知識や技術があるか
- Authoritativeness(権威性):コンテンツ制作者やWebサイトはそのトピックに対する情報源としての権威があるか
- Trustworthiness(信頼性):正確な情報を発信しているか・Webサイトは安全であるか
上記はいずれも、ユーザーによってよいコンテンツであるかを評価するための指標です。
Experience(経験)は元々無かったのですが、新たに追加されました。実際の体験談はもちろん、インタビューやアンケートを用いた記事が評価されやすくなりました。
また、YMYL(YourMoney YourLife)と呼ばれるユーザーの金銭・生命に重大な影響を与える可能性があるトピックについては、よりE-E-A-Tが重視されます。端的に言えば非常に難易度が高いです。
このようなトピックでのオウンドメディアを運用する際は、必要に応じて専門家(SEOはもとより、医療系のコンテンツなら医師など)に監修を依頼するなどし、評価基準を満たすようにしましょう。
- *YMYLの主な分野
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- 医学的分野
- ジャーナル分野
- 科学的分野
- 法律や税務
- 住宅のリフォーム(多額の費用がかかり、生活環境に影響を及ぼす可能性があるため)
- 子育て
SEOに強いコンテンツの作り方
オウンドメディアはコンテンツの集合体であり、運用していく上では高品質なコンテンツが必要不可欠です。
ここからは検索エンジンからの流入を見込んだコンテンツの作り方を解説します。
- SEOコンテンツ制作の流れ
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- キーワードを選定する
- キーワードのニーズを調査する
- 記事骨格を作成する
- ライティングする
- マークアップや画像作成をする
- 公開後の効果測定について
それぞれ詳しく解説します。
キーワードを選定する
まずはどのキーワードで検索上位を狙うのかを決める作業を行います。キーワードは、月間検索数とオウンドメディアの運用目的にあっているかと、そのキーワードで上位表示できたときのインパクト、上位表示させる難易度などの要素を総合的に判断して決定します。
例えばオウンドメディアの運用目的が、「SEOコンサルティングサービスの問い合わせ獲得」の場合、コンサルティングサービスを探している人が最も問い合わせに近い(コンバージョンに近い)ユーザーだといえます。では、このユーザーどのようなキーワードで検索するでしょうか。
暫定的ですが、「SEOコンサル」「SEO対策 会社」などが考えられますよね。また、直接的なコンバージョンに繋がらないキーワードでも、オウンドメディアの専門性を高めるためにノウハウ系のキーワードで作成するのもおすすめです。(例えば、「SEO対策 やり方」「コンテンツ 更新頻度」など)
また、オウンドメディアの運用目的が「マーケティング分野での認知拡大」の場合を考えてみましょう。認知拡大が目的であれば検索ボリューム数が多い方がインパクトは大きいはずなので、「マーケティング」などの月間検索数が多いキーワードが候補となります。
しかし、実際に「マーケティング」で検索してみると、ドメインの強い有名企業が軒並み上位に並んでおり、立ち上げまもないメディアでは食い込むのが難しいと判断できます。
なので「マーケティング 新規事業」など、少しずらしつつ需要のあるワードで獲得していくことが視野に入ります。
このような考えのもと、キーワードを選定していきます。
ニーズを調査・深掘りする
キーワードが選定できたら、そのキーワードで上位表示されている記事や関連キーワードを調査し、ユーザーがどんな情報を求めているのかを考えます。
例えば「コンサルティング おすすめ」と検索した人のニーズを考えてみると、表面的なニーズとしては「おすすめのコンサルティング会社が知りたい」ということがわかります。
だからといってただコンサルティング会社を羅列するだけでは、潜在的なニーズまで満たすことはできません。
「コンサルティング おすすめ」で検索する人は、「自社にあったコンサルティング会社が知りたい」「いいところが見つかれば問い合わせをしたい」といった潜在的なニーズがあることが予測できます。
もっと深掘るなら、「自社の売上を上げたい」「経営課題を解決したい」なども挙げられます。深掘りをする際は、独断ではなくPAA(他の人はこちらも質問)なども確認し、客観的にニーズを把握しましょう。
このようなニーズを満たすには、各社の特徴や費用、サービスの内容など、さまざまな要素が必要です。
よってコンテンツでは、どんな企業におすすめのコンサルティング会社なのか、特徴などの基本情報をまとめる等、ユーザーが自社にあっているコンサルティング会社を判断できるような内容にすることが求められます。各社への問い合わせ窓口へのリンクが貼ってあるとユーザー視点でもいいですよね。
コンテンツの構成案を作成する
構成案は、コンテンツのガイドラインとなるものです。これを作成せずに書いてしまうと、ライティング中に迷子になってしまうので、必ず作成することをおすすめします。構成案はSEOコンテンツの肝ともいえるほど、大切なものです。
構成案を作成する時は、調査したニーズを基本に、ユーザーがどんな情報を求めているのかを書き出しそれをまとめていきます。以下のように、見出しと内容を一覧で見れるように書き出していきましょう。
構成案作成のポイントは、見出しを読むだけで記事の大枠の内容が掴めるようになっていることと、誰が書いてもブレない指標となっていることです。
また、上位に来ているコンテンツと比較して情報に不足がないか、わかりやすい構成になっているのかもチェックします。
ライティング
上記骨格をもとに、ライティングをおこないます。
SEOを狙う記事のライティングで気をつけたいのは、検索ユーザーのリテラシーに合っているかということ。
例えば「オウンドメディア とは」と検索している人はまだオウンドメディアに関する知識があまりないはずなので、易しい言葉での説明を心がけます。
一方で、「オウンドメディア 戦略」と検索している人は、オウンドメディアとは何かわかったうえで戦略の立て方を知りたい人なので、専門用語を使ってもいいかもしれません。
ユーザーの理解を深めるために自社メディアの他のコンテンツを読んでほしいと判断した場合には、内部リンクを入れるのも有効です。ただし、関係のない内部リンクはユーザーもクローラーも迷ってしまうのでおすすめしません。
💡SEOライティングの基礎はこちらでより詳しく解説しています
マークアップや画像作成をする
ライティングをおこなったら、マークアップや画像作成を行います。マークアップとは、コンピューターが文書構造が正しく認識できるよう、「タグ」をつけて意味づけすることをいいます。例えば「タイトル」や「見出し」などのことです。
また、ユーザーの理解を促進するような画像をいれることで、より役立つコンテンツになります。また、クローラーは画像の内容を100%正しくに把握できるわけではないので、画像にはaltタグを設定することで、クローラーも理解しやすくなります。
公開後の効果測定について
公開後は、少なくとも1〜2ヶ月は順位の変動を追います。順位は数日で細かく変動することもあり、焦ってしまうお気持ちもわかりますがどっしりと待ちましょう。
なかなか順位が上がらない、また一度順位が上がったのに落ちてしまったなどの場合は、何かが間違っています。
例えば、ユーザーのニーズが掴みきれていないのかもしれません。この時は新規記事を作るときと同様にユーザーニーズを改めて調査し、足りない内容を加筆・余分な内容を削除していきます。
そもそもなぜオウンドメディアのSEO対策が重要なのか
SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、日本語で検索エンジン最適化のことです。
つまりSEO対策とは、コンテンツやWebサイトに対して、特定のワードで検索したときに上位に表示されるよう、対策をすることという意味になります。
オウンドメディアを運用する目的は「認知拡大」「売上アップ」など企業によりさまざまですが、これらの目的を達成するためには、まずはオウンドメディアに訪れる人を増やすことが重要です。
SEO対策をしっかりとおこなって記事を上位表示させることができれば、そこから多くのユーザーがオウンドメディアに訪れることになります。
オウンドメディアを運用する目的が集客や売り上げUPであれば特に、SEO対策は欠かせないものとなっています。
オウンドメディアにおけるSEOの正解をプロに聞いてみた
ここからはSEOのプロ・ミエルカの月岡さんに、オウンドメディアにおけるSEO施策についての基礎、そしてコンテンツマーケティングのためのツールの使用方法までをお伺いしてみました。
株式会社Faber Company エグゼクティブ マーケティング ディレクター 月岡さん SFA、CRMのコンサルタント/セールスを経験後、2014年にFaber Company参画。セールスMgrを経て、マーケティングとPRを担うIMC部門を立上げ。セミナー登壇も多数。 |
編集部:まず、オウンドメディアにはSEO施策がなぜ必要なのでしょうか?
月岡さん:いきなり否定するようで恐縮ですが、すべてのオウンドメディアにSEOが必要だとは思いません(笑)。
編集部:えっ! そうなんですか!?
月岡さん:そのオウンドメディアに集客や売上貢献以外の達成したい目的がある、もしくは存在そのものに意義があるという場合は、SEO云々に関係なく運営する、でいいと思います。とはいえ、何かしらのオウンドメディアを始めるなら費用対効果は求められることも多いでしょうから、SEOを考慮することにメリットはあります。
- SEOを考慮するメリット
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- 初期段階でも集客見込みが立てやすい
- 上手くいけば集客コストがかからない(コンテンツ制作費等は考慮しない)
- 集客チャネル分散により、安定する(SNSだけ、SEOだけは逆にだめ)
編集部:たしかに、せっかくサイト作ったのに、見に来てくれる人がいなかったら悲しいですもんね……。
3つめの「集客チャネル分散」というのは?
月岡さん:リスクヘッジのためにも、いくつか手段を持っていた方がいいということです。SEO、SNS……など一つだけのチャネルに依存していると、そのチャネルが絶たれるとダメになってしまいますから。
編集部:それに同時にやることで相乗効果が出るかもしれませんね。
月岡さん:そうですね。SEO、SNS、ダイレクト流入(お気に入りなど)……集客チャネルはバランスよく取れていることが大切だと思います。
編集部:弊社LIGでは、オウンドメディアの立ち上げのときにWeb制作とコンテンツ制作を同時に依頼されることがあります。オウンドメディアを始めるときの基本のSEO施策は何でしょうか?
月岡さん:ざっくりこんなことを意識してもらえればよいかと。
- 【サイト構造のSEO施策】
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- 基本的なHTML構造(title、description、h、パンくずなど)
- カテゴリ設計
- 他チャネルへのシェアのしやすさ(ダークソーシャル※を間接的に含む)
- CTAの置き方、回遊の仕組み
※Twitter、InstagramのDM、鍵アカウント、LINE、Slackなどの情報が公開されないSNSのこと
- 【コンテンツのSEO施策】
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- 誰の、なんのためのコンテンツなのか役割を明確にする
- 読みやすさを意識した工夫(図解、表、動画など表現フォーマット)
- 公開後のモニタリングとメンテナンス(リライト)
- 長期的な目標設定と社内理解を得る工夫
- メディア運営を継続する仕組みづくり
編集部:とてもわかりやすいです。ありがとうございます!
【コンテンツのSEO施策】の「1.誰の、なんのためのコンテンツなのか役割を明確にする」は、ペルソナを作るということでしょうか?
月岡さん:「誰の」の部分がペルソナに当たります。そして「なんのため」はCV(コンバージョン)なのか、集客なのか、など役割を想定します。すべてのコンテンツからCVを期待しようと思っても難しいので。
編集部:たとえば「PV数は少ないけれどCVは出る」というコンテンツは、いいコンテンツなのでしょうか?
月岡さん:そうですね、CVを狙ったコンテンツなら役割を果たしているので、いいコンテンツです。PVに必ずしもこだわる必要はないんですよ。
編集部:そうなんですか! どうしてもコンテンツを作っていると、PV数という呪いにかかりがちなので、少し安心しました。
「2.読みやすさを意識した工夫(図解、表、動画など表現フォーマット)」もユーザーファーストの観点から大切ですよね。
月岡さん:コンテンツへのアクセスはスマートフォンからのアクセスが多い傾向にあります。通勤などの隙間時間に検索することも多いので、コンテンツに接触できる時間は短い。小さい画面で文字をたくさん読むのも疲れます。文章は短くしたいけど、情報の濃度を落としちゃいけない。そうなると必然イラストや図解で表現したり、ものによっては動画がいいというケースも増えています。
編集部:Webコンテンツは何回でも直せるのがいいところなので、「3.公開後のモニタリングとメンテナンス(リライト)」で、ちゃんとメンテナンスしていきたいですね。
月岡さん:ええ、SEOと直接的には関係はないですが、4、5も運用において大切ですね。オウンドメディア運営を評価してもらうには、時間がかかります。コンテンツ制作にしても、制作してはリライトして、という繰り返しです。それでも、売上などの直接的な効果がなかなか測りづらかったり、結果がでるまで1年以上ということもざらにあります……。
編集部:なるほど、以前弊社にも「オウンドメディア撤退のお悩み」が来たことがありました。
月岡さん:そうですよね。オウンドメディアで一番難しいのは、「継続」です。
▲独自調査でも継続的なコンテンツ制作が課題と答えた人が最も多い
オウンドメディアは直接的な成果につながらなくても、発信する情報やコンテンツのファン=オーディエンスを獲得する、という目的も持っています。直接的なCPAに換算できないけれども、価値がある記事もありますよね。
編集部:たしかに、知っているというだけで、どこかのタイミングで選択肢に上がったり、安心感があったりしますよね。
月岡さん:そして「社内理解を得ること」も欠かせないですね。協力してもらえる関係作りも大事です。どんな成果がでているかを社内レポートし続けたり、小さな成果を社内コミュニケーションツールで披露したりも1つの手法です。営業さんにとって役立つコンテンツを作ると、営業さんから新たなネタを共有してもらえることもあります。
編集部:オウンドメディア運営を継続するのって、キーワードやコンテンツなどのSEO的な話だけではなく、社内体制や目標についても大切なのですね
オウンドメディアのキーワード選定の考え方って?
編集部:ここからは、コンテンツについてもう少し詳しく教えてください! オウンドメディアを立ち上げたとき、ゼロの状態からコンテンツを作る際のキーワードの選び方のコツはありますか?
月岡さん:先ほども少し触れたのですが、「誰の、なんのためのコンテンツなのか」という役割を先に考えて、キーワードを選定すべきですね。
月岡さん:あとはご担当のスキルにもよりますが……。たとえば「コンテンツ制作初心者で、ペルソナ的なものもある程度決まっている」「ゼロから立ち上げで早期に結果(らしいもの)を出す必要がある」という状況なら「コンバージョン(CV)コンテンツを作りつつ、集客コンテンツもコツコツ始める」という順序をおすすめします。
- CVコンテンツ
- (主にCVに近そうなキーワードを狙うなど、比較検討層を意識したコンテンツ)
- リスティング広告などでCVしているキーワードを確認
- CVキーワードでSEO上対応する自社コンテンツの有無を確認
- CVキーワードのサジェストキーワードなどを拡張、競合他社の状況も加味して、狙うべきテーマを設定
- buyクエリなどコンテンツで狙えないキーワードは検索結果を見て除外
- 集客コンテンツ
- (主に自社商品サービスを購入してくれそうなペルソナが、周辺で気にする、困りそうなことに対するコンテンツ)
- 商品サービスが解決する課題や悩みをキーワードとして列挙する
- 上記のサジェストキーワードや検索ボリュームや競合状況を確認
- 初期段階であれば、検索ボリュームがそこまで多くない(1000以下)キーワードが結果も出やすい
編集部:「buyクエリ」とは具体的にどのようなものですか?
月岡さん:「商品名 通販」「商品名 格安」みたいなものですね。購入する意志が見える検索クエリのことです。こういうキーワードはAmazonのようなモールやECサイトが検索上位に出てくるのでコンテンツで狙うのは無謀です。
編集部:コンテンツに向いてないキーワードということですね。CVコンテンツって、たとえばどのようなものですか?
月岡さん:BtoBビジネスだと「事例」が鉄板でしょうか。商品やサービスの購入や契約に導くためのコンテンツです。CVのハードルを下げてあげることも大事なので、ノウハウをまとめた資料(ホワイトペーパー)を用意したり、サンプルやトライアルを提供するという施策も同時に考えるべきですね。
編集部:いきなり「それ買いたいです!」というCVとるのは難しいですもんね。ちなみにオウンドメディアのジャンルによって、狙うキーワードボリュームは変えたほうがいいのでしょうか? その見極めポイントはどこですか?
月岡さん:ジャンルは関係ないと思います。ですが、いきなり検索ボリュームが1万を超えるようなキーワードを狙うのは難易度が高いですね。サブキーワードを含めた2語以上のキーワードで狙えるボリューム感がいいでしょう。そのほうが知りたいことも明確になりますので、コンテンツも書きやすいです。
ただし、BtoBはボリューム自体が少ないキーワードが多いです。その場合、ボリュームが少ないからやめる、ではなく、ビジネス上の意味があるのであれば、検索ボリュームが0でもやるべきと思います。
編集部:ちなみに、1記事1検索意図が基本ですが、一方でさまざまなキーワードを詰め込んだ1万字超えのコンテンツなども見かけます。適切な文字数などはあるのでしょうか?
月岡さん:この文字数がいいというのはないですよね。短くても検索ユーザーの意図が満たせれば、それで検索上位になることもあるでしょう。逆に数万字でも知りたいことがそこに書かれてなければあまり順位も上がらない、というケースもありますね。
さいごに
SEO(Search Engine Optimization) とは、「検索エンジン最適化」。
SEO施策というと「検索上位にしたい」「検索エンジンに評価される」ということを目的にしがちです。しかし、「届けたい人たちに届けたいコンテンツ(想い)を届ける」という、オウンドメディアの当たり前の目標を叶える手法のうちの、たった1つでしかないのですよね。
どんなに熱い想いを持っていても、たった1コンテンツだけでそれを伝えることは難しい……。だからこそ、オウンドメディアという器で、SEO施策という方法でもって、さまざまなコンテンツを作り続けていく必要があるわけです。すぐに結果がでなくても、諦めずにオウンドメディアを運営していきましょう! ね! 同志たち!
この記事が、皆さんの参考になる記事になっていたら、うれしいです。
わたしたちLIGは自社で培ってきたオウンドメディアのノウハウを活かし、お客様のオウンドメディア支援をおこなっています。コンテンツマーケティングに関わることであれば、ぜひお気軽にご相談ください!
もちろんオウンドメディアなどのWeb制作やサイトリニューアルも、創業以来得意としています!
LIGのオウンドメディアコンサルティングサービスの強みについては、以下で詳しくご覧いただけます。
戦略設計・メディアグロース・運用代行まで。LIGのメディアコンサルティングの強み