エディターのあやまんです。
日々オウンドメディアを運営しているみなさん、お疲れさまです。オウンドメディア相談室のお時間がやってまいりました。
- オウンドメディア相談室とは?
- LIGのコンテンツ制作チームが、巷にあふれるオウンドメディアに関するお悩みに答えていく連載。ときに楽しく、ときに真剣に、編集者、マーケター、広報など、LIGの個性的なメンバーがさまざまな視点からお答えしていきます! 現在お悩み内容絶賛大募集中です!
なんと、なんと、なんと! おたよりいただきました~~~~!
おたよりって、素晴らしいですよね……。いやね、LIGブログにはこの連載のほかにもおたよりを募集する系の企画ってたくさんあるのですが、実際なかなかいただけないものなんですよね……。オウンドメディアの悲しいあるあるな気がします。おたよりが一通もこないと、「マジこの記事誰も読んでないんじゃないか」って悲しい気持ちになります……。
なので、めちゃくちゃうれしいです! ありがとうございます!
このうれしさが、日々のメディア運用の支えになるんですよね。これからもみなさんの支え(おたより)が必要です。どうぞお気軽に、なにとぞ、なにとぞ……。
ということで今回いただいたお悩み内容はこちら!
Q. オウンドメディアの引き際やその見極め、ないしは数値設定等はどのようにするべきでしょうか?
会社がイケイケの時にローンチした潜在層にリーチするためのオウンドメディアを担当していました。入社時に引き継いだ際には、既に右肩下がり、人的リソースも削られ、予算もほぼ0でした。1年ほど一生懸命運用してみましたが、会社の主幹事業も悪化してきたためサービス終了の運びとなりそうです。
そんな傷心の最中に質問です。オウンドメディアの引き際やその見極め、ないしは数値設定等はどのようにするべきでしょうか?
「オウンドメディアを始めるには?」といった情報はあふれていますが、「終わり」についての情報はなかなか目にしたことがないのでぜひ聞いてみたいです。よろしくお願いいたします。(ペンネーム:ぴよぴよさん からのおたより)
同じメディア運用に携わる者として、「閉鎖」は心が痛みます……。人的リソースがないなか、ぴよぴよさんも大変な苦労をされてきたことと思います。
おっしゃるとおり、オウンドメディアの終わりの話はあまり聞かないですね……。テーマとしても非常に興味深いです。貴重なおたより、ありがとうございます!
経営判断にも関わってくる話なのかなと思ったので、まずはLIG役員陣に話を聞いてみましたよ!
A. 間違いなく言えるのは、マネタイズにつながらない&赤字であれば撤退
回答者:大山さんLIGの副社長。ほぼすべての事業部長も兼ねている数字番長。Slackメッセージの感情のなさは社内一で、無表情の大山さんの顔+そっけない一言スタンプは、意外と使い勝手が良いと一部社員に好まれて使われている。 |
大山さん:さまざまなケースがあると思いますが、間違いなく言えるのは、リードも取れない(つまりマネタイズにつながらない&赤字)のであれば撤退と判断しますね。投資フェーズなどでない限り、会社のブランド力向上やお問い合わせ数の向上にもならず、会社の収支に明らかなマイナスインパクトになってしまう場合は、撤退を考えます。
経営判断として当然といえば当然の選択ですよね。メディアを立ち上げてからリードに繋がるまでにどれだけのコストがかけられるかも、それぞれの会社さんの財務状況によって異なるので、なかなか一概にはいえない話ではありますが……。
当LIGブログはありがたいことに多くの方にみていただき、さらにマネタイズにも成功しているといえるメディアなので、そのぶん引き際の判断もしやすいように思います。が、世の中には人知れず生まれて人知れず消えていくメディアもたくさんあり……(わたしもいくつか見てきました)。やはり軌道に乗るまでのプランニングができるような、ある程度メディアの知見を持つブレーンがいないと、なかなか難しいですよね……。
ということで、ふだんクライアントのメディア運用を担当していて、まさに運用のプロともいえるエディターのカナメさんにも聞いてみました!
A. 会社にとってマイナスに見えない撤退についても検討すべき
回答者:カナメ編集者歴17年。ファッション、グルメ、ビジネス、美容など幅広いジャンルにて雑誌・書籍・Webのメディア編集を担当。グロースハック経験を活かし、立ち上げから運営まで各フェーズに合わせた提案を得意としている。柔和な風貌から繰り出される軽快な関西弁のギャップが素敵な、エディターユニットのお兄さん的存在。 |
カナメ:引き際は本当に難しいものだと思います。判断材料として、まずは冷静にこれまでの立ち上げ・運用にかかってきたコストと、この先に描いているマイルストーンにおける成果を天秤にかけたとき、会社にとってのマネタイズポイントが見いだせるか、この点に尽きるかと思います。
そしてそのマネタイズポイントが見いだせない場合は、勇気ある撤退を念頭に、閉鎖に向けたプランニングが必要となります。ここで重要なのが、会社にとってマイナスに見えない撤退方法を検討していくことです。
サイトの規模感によってもさまざまですが、利用してくれてきたユーザーに対して、閉鎖タイミングや代替サービスのアナウンス、問い合わせ窓口の設置など、誠意をもって対応していくという選択もできるかと思います。
オウンドメディアの成功には、本当にコストと信念が必要です。飛ぶ鳥跡を濁さずと言いますが、夢半ばで頓挫してしまったとしても、期限を決めて閉鎖まで完走することで、次に向けての区切りもつけやすいのではないでしょうか。
どういう終わり方をするか、という話も出てきましたね。たしかにメディアは残念ながら閉じてしまったとしても、会社自体が終わってしまうわけではないですから(そのケースもあると思いますが)、次を見据えた動きをするのも重要です。閉鎖となったメディアのなかには、ユーザーにこれまでの感謝を伝えるための「お礼のメッセージを掲載したLP」を制作するケースもあるようです。誠意が伝わって、もしも次に立ち上げたメディアでもまたユーザーとなってくれたら、それほど嬉しいことはないですよね。
次に、多くのメディアをみてきたであろう、ディレクター陣にも話を聞いてみました。が、実際にメディアの閉鎖を目の当たりにするのはまれなケースのようです……。
たしかに、LIGをはじめとする制作会社にサイト構築依頼をするという時点で、ある程度の資金力や体制が整っているケースが多いですもんね。また、ご相談いただいた時点ですでにメディアとして存続が難しそうな案件については、メディア以外の方法を提案することもあるようです。オウンドメディアはしっかり続ければ少なからず効果が見込めるものではありますが、メディアを育てるまでのコストに対して費用対効果が見込めそうなケースについては、なかなか難しいということでした。
そのなかでもこんな話を聞けましたのでご紹介いたします!
A. ひとつの区切りとして……
回答者:ディレクターAクライアントのWebサイト制作に関するプランニングを担当している。LIGブログでも数々のお役立ち記事を書いているベテランディレクター。 |
ディレクターA:昔、保守を担当していたメディアの閉鎖を経験しました。まったく運用されずに1〜2年ほど放置されたのち、運営側の記憶も薄れてきたころに、静かに幕を閉じました……。そのとき対応いただいた担当者さんが「自分の担当する時代で終わらせねば」と、サイト閉鎖をひとつの区切りのように捉えられていたのが印象に残っています。
今回は実際に過去担当した案件ということで、匿名にてお答えいただきました。切ない話ですね……。実際、更新されることもなく、そのまま放置されているメディアは多いですよね。「最終更新日2014年◯月◯日」みたいなメディアをみると、「ああ、もう終わってるんだな……」となんともいえない気持ちになります。もちろん、なかには更新がなくても十分に役割を果たしているメディアもあると思いますが!
さいごに、マーケターのまこりーぬさんからも回答を得られましたのでご紹介します!
A. 担当者が引き際だと思ったそのときこそが引き際
回答者:まこりーぬLIGを支える敏腕マーケター。最近はマーケターの大先輩方のもとによく取材にいっている。そこで聞いた話を我が物顔で展開するのが得意(本人談)。 |
まこりーぬ:傷心、お察しいたします。本当にお疲れさまです! 引き際の見極めは副社長大山さんの回答がすべてかと思いますので、ちょっと別角度からお話しします。
ぶっちゃけオウンドメディアってそもそも引き際を見極めることもなく「なんとなくフェードアウトしていく」ことが多いのではないかな、と思っています。悲しいですよね……。そんな会社が多いなか、しっかり引き際を見極めようとされているぴよぴよさんの心意気がステキだと思います。
オウンドメディアを継続させるためには、たとえすぐに費用対効果が上がらずとも「このコンテンツは資産となる」と信じて走り抜く気持ちが絶対に欠かせないと思っています。なので、担当者として奔走されていたぴよぴよさんが引き際だと思ったそのときこそが、オウンドメディアの引き際なのではないでしょうか。
エモーショナルな回答で恐縮ですが、本当にお疲れさまでした!!!
❓まこりーぬが担当する「コンテンツマーケティング支援」って?
オウンドメディア運用はなにより担当者の情熱がないと無理ですよね。日々運用する人こそメディアの一番のファンであると、わたしも日々感じます。私も、もしLIGブログが嫌いになったら、もうこのお仕事はできないだろうなと思います。メディアが批判されれば自分を否定されているように感じるし、褒められれば天にも舞い上がる気持ちになりますから。まさに一心同体ってやつですね!
今回の回答は以上です! すこしでもぴよぴよさんのお役に立てたでしょうか。もし今後、ぴよぴよさんがふたたびメディア運用に携わられる機会がありましたら、そのときはぜひご相談くださいね!
オウンドメディアに関するお悩み大募集!
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- 社内の運用体制はどこまで整えればいいの?
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