メディアの連載が続かない!モチベーションを保つ方法は?

メディアの連載が続かない!モチベーションを保つ方法は?

Ayano Sajiki

Ayano Sajiki

エディターのあやまんです。

日々オウンドメディアを運営しているみなさん、お疲れさまです。オウンドメディア相談室のお時間がやってまいりました。

オウンドメディア相談室とは?
LIGのコンテンツ制作チームが、巷にあふれるオウンドメディアに関するお悩みに答えていく連載。ときに楽しく、ときに真剣に、編集者、マーケター、広報など、LIGの個性的なメンバーがさまざまな視点からお答えしていきます! 現在お悩み内容絶賛大募集中です!

週1回更新の連載です! とどこかで言った気がするのですが、前回の記事から早くも1ヶ月が経とうとしています。

週1ってなんだろう? 連載とはなんだったのか?

……そんな疑問が頭をよぎります。みなさんのお悩みにお答えする立場なのに、お恥ずかしい限りです。

通常連載といえば、編集者がしっかりとライターとコミュニケーションをとってスケジュール管理を行っていくものです。が、いまのところ本連載は、「企画:わたし、進行管理:わたし、ライター:わたし、編集:わたし」という完全なるワンオペコンテンツとなっております。同僚のたびちんさんには、社員の連載管理を優先してもらっていましてごにょごにょ……はい、人不足なんです。

誰か私の進行を管理してください! 現在LIGブログ編集部では優しく尻を叩いてくれる方を募集しています!

言い訳はこのへんにしておいて。

連載が続かないってオウンドメディアあるあるですよね(ですよね?)。はじめから全◯回を予定しているものであれば、あとはスケジュール通りにゴール目指して走っていけばよいですが、なかには走りながら次の企画を考えなければならないような連載もあると思います。はじめは勢いがあったものの、徐々に情熱が失われ、人知れず終わっていく……そんな悲しい連鎖は断ち切りましょう。

おたよりをもらえないなら自ら送ればいい! ということで今回は自ら質問者となって、LIGの先輩エディターや連載を続けているメンバーに悩みを聞いてもらいました。

Q. 連載が続かないのですが、連載を続けるコツはなんでしょうか? モチベーションの保ち方も教えてください。

「こんな企画をやりたい! やろう! とりあえず作ったぜ!」といつも勢いのままに連載を始めるのですが、なかなか続きません。

ズバリ連載を続けるコツはなんでしょうか? また、連載のモチベーションを保つ方法や、連載計画の立て方も教えてください。

まずは、まさにLIGブログのワンオペコンテンツ「LIGちゃんねる」を続けている先輩エディターのケイさんに話を聞いてみました!

A. 楽しそうにしているところに人は集まる。自分が楽しめているかが重要。

ico 回答者:中野 慧(ケイ)エディター/ディレクター。昨年まで広報室でLIGブログの編集をしていた。現在はクライアントのメディア運営に携わりつつ、YouTubeチャンネル「LIGちゃんねる」にて社員インタビュー動画を制作している。週3本のペースで公開し続けており、自身の連載記事も週1回更新している猛者。

連載企画はどうやって考えているんですか?

ケイ:基本的なコンセプトを最初に作ってしまい、そこに1個か2個の変数を入れるだけで、各回のコンテンツにバラエティが出るようなものにしています。LIGちゃんねるで言えば「社員インタビューで、1カメで撮影し、自分の職種や仕事について役立つナレッジをシェアしてもらう」というコンセプトがあって、そこに「人」「テーマ」という変数を入れればできあがる、というものです。

コンセプトというのは「コンテンツを作ってくれる機械」みたいなもので、そこに「人」「テーマ」という素材を入れてその機械で加工すると、何かそれなりのものができあがるイメージです。連載を始めて、続けられるものにするには、最初の段階で「コンセプトを言葉で書く」ということに時間を使うのが一番よいと思います。

おたより形式の連載を続けるにはどうしたらよいですか?

ケイ:おたより形式の連載を続けるためには、頓智のようですが「おたよりが来るかどうか」が重要です。

大前提として、無名の人が始めた連載におたよりなんて普通来ないです。なので、おたより企画に関しては社内や知人に直接「こんな連載やってて、こういうフォームがあるのでおたよりください!」と地道な営業活動を頑張っていました。もしおたよりの数に困ったら自分で営業活動するしかないです。とくに連載開始時に「おたよりがたくさん来てる感」が出せると、以降は黙ってても来るようになります。

毎回さまざまな方が出演している「LIGちゃんねる」ですが、社員の巻き込み方を教えてください!

ケイ:メリットがないと普通、人は動いてくれないと思っているので、LIGちゃんねるの場合「協力してくれたら毎月書かなければいけないLIGブログの執筆義務が1本分免除になる」というメリットを与えたいと思い、事前に役員許可をもらいました。そういうオフィシャルなOKが出ないのであれば、やはり地道な営業が必要だと思います。

僕が広報室に所属していた当時かなり気をつけていたのは、信頼を得るためにも社員から「これやってほしい」という依頼があれば超速でやることでした。もうひとつは、実際できていたかどうかは自分的にはやや微妙ですが「社員に会ったらできるだけ笑顔で挨拶する」ということを通じて「いい感じの人だな」と印象付けること。それと仕事中の雑談です。社内でネタを見つけて企画にするにはインフォーマル(非公式)な情報収集がどうしても必要です。かっこよく国際政治的な言葉で言えば「インテリジェンス(諜報活動)」というやつ。社内の007になるのです。

それと、社員の誘いは基本断らず、突発飲み会にも参加しますし、自分からランチに誘ったり、またLIGには部活動制度というものがあるので、「野球部」で積極的に主催側として参加していました。あとは終業後に自分主催の勉強会を開いたりしていました。社員と接点をつくる際には「楽しかった」「面白かった」「勉強になった」という体験をしてもらえるものがいいのかなと思います。

要は広報的な企画に必要なのは「社内営業」ではないかと思います。編集はクリエイティブ職ではあるのですがコミュニケーションというか、「営業」の要素も実はけっこう強いと思います。

ズバリ連載を続けるコツを教えてください!

ケイ:「自分が編集担当してて楽しいかどうか」は、地味に重要だと思います。「あ〜この連載、次が楽しみだなー、ワクワク」的な感情が湧いてくるかをチェックポイントにするってことですね。一回一回の記事のPVに一喜一憂せず自分で楽しめていると、回を重ねていくうちにドカンと爆発するやつが出てくるものです。幻冬舎社長/編集者の見城徹さんの共著で『人は自分が期待するほど、自分を見ていてはくれないが、がっかりするほど見ていなくはない』ってやつがありますが、その心持ちです。自分一人で始めたものでも、「これ最高だなー、グフフ」と一人で気持ち悪くニヤつけるような企画にしておくことが必要かなと思います。

経験的に担当者が楽しめていないものは結果が出ないですし、そもそもコンテンツ制作も広報・PRも「楽しそうにしているところに人は集まる」が初歩にして奥義です。まず企画として「自分が楽しめているか」を点検し、その条件を満たしていないなら担当者が楽しんでできるものにするべく会社と交渉をすべきかと思います。

📝ケイが書いた記事一覧

ケイが担当する「LIGちゃんねる」って?


「無名の人が始めた連載におたよりなんて普通来ない」……たしかにすぎる。すぐにでも身内票を集めようと思いました。メディアの記事って、個人の拡散力(SNSでの影響力)も大事ですよね。LIGブログの記事にはSNSのいいね数をカウントする「♡」の項目があると思いますが、個人的には「♡≒執筆者のSNS力」と思っています。もちろん前提として、拡散されるような良記事、っていうのはあると思いますが! SNS力はオウンドメディアにおけるパッシブスキル(常時発動しているスキル)みたいなものなんでしょうね。SNSやろうかな……。

そしてなにより「自分が楽しいかどうか」も重要ですよね! 余談ですがケイさんが「これ最高だなー、グフフ」と自分の連載をみてニヤついているのを想像してしまいました(笑)。

このオウンドメディア相談室は、個人的にもとっても勉強になっている連載なので、これからも続けていきたいです!

ところでLIGには紙媒体出身のエディターも多数在籍しています。連載といえば雑誌! 雑誌編集といえばあの人だ! と勝手に顔が思い浮かんでしまったので、7月に入社したモッチーさんにお話を伺いました! LIGブログ初登場です!

A. 一人でやらずに、多くの人を介して届けていくこと。

ico 回答者:モッチー外部メディア制作チームのエディター。「谷原章介似」と入社前から密かに話題になっていた。アパレル店員から広告・雑誌編集者に転身という経歴からも、そこはかとないオシャレ感がある。現在は鎌倉で古民家暮らしをしており、夏はオンラインMTG中つねに扇風機の音がしていた。風流。

連載企画の作り方を教えてください!

モッチー:連載企画では、まずはテーマを設定し、目的や誰に向けたコンテンツであるかを明確にすることが大切です。それらを明確にすることで、どんな企画内容を・誰が・どれぐらいの頻度で更新していくかが自然と紐づいてくると思います。また、連載を続けるためにも、毎回ネタや内容に困らないテーマとすることも必要だと思います。

具体的な連載内容は、取材物、体験物、専門家や著名人に執筆してもらう、写真や漫画で表現するなど、さまざまな内容・手法が考えられます。いずれにせよテーマを伝える上で最良だと思う企画を立案することが必要です。

なんとなく雑誌ってスケジュールがシビアな印象がありますが、どのように計画されていましたか?

モッチー:雑誌の連載企画の場合、基本は毎号掲載となるため、連載が開始するタイミングで執筆者に、連載回数、毎号の締め切り日、進行の大まかなスケジュール感を共有。その上で、各号のスタート時に執筆者には詳細スケジュールを伝え、進行していました。

Webの場合は、更新頻度にもよりますが、メディアの方向性やコストなど、さまざまな要因を考慮しながら、こちらもテーマを伝える上で最良だと思う更新頻度を選択すべきだと思います。多くのメディアは毎日、週1~2、月1~2などが一般的でしょうか。更新頻度に沿って、つねに2〜3回分を同時進行で行えるスケジュール感が良いと思います。1〜3ヶ月分または半年分くらいのイメージです。

ライターとのコミュニケーションのコツ

モッチー:企画内容によっては編集者自身が執筆をするケースもありますが、基本的に編集者(企画担当者)はどの立場であっても、つねにテーマや内容に沿ったものになるようディレクションすることが重要だと思います。

また、ライターさんが作業をしやすい状況を整え、導いていくことも大切です。編集者がスケジュールを明確にし、執筆してもらう上でどんな内容にするかを事前に意見を交わしておきましょう。また、あがってきた原稿に対して、具体的なリアクションを言葉で伝えることもとても大切だと思っています。

ズバリ連載を続けるコツを教えてください!

モッチー:一人でやらないことだと思います。制作過程では一人でやらざるを得ないときもありますが、ライターなど一緒に作っていくスタッフはもちろん、関係者や読者、友人、SNSの繋がりなど、多くの人を介して届けていくほうが、本当に伝わる連載企画になると思います。

モッチーが担当する「オウンドメディア運用支援」って?


はじめに連載として持続可能なテーマやコンセプトをしっかり考える、というのは紙でもWebでも変わらないようですね!

また、あがってきた原稿になんらかのリアクションをするのは、おっしゃるようにめちゃ大事と感じます。一生懸命書いた原稿ですから、「面白かった!」とひとこと言ってくれるだけで1週間くらいごきげんに過ごせる気がします。

……そして、決めました! ワンオペ連載は卒業します!

安定して連載を続けるためにも、同時進行は大事だなと思いました。一人だときついし、よりよいコンテンツにするためにもライターの協力を要請しようと思います!

きっと次回あたりからいろいろなエディターの方が書いてくれるはずです!

さいごに、LIGブログの週1連載「LIG DESIGNER RADIO」を担当している、デザイナーのたっつんさんにも話を伺いました!

★「LIG DESIGNER RADIO」って?
LIGデザイナー個人の考え方やチームの情報、デザインや制作に関するノウハウなどをゆる〜くお届けしていくポッドキャスト番組。👉番組連載ページ

連載開始以来、着々とPVも伸びており、ちゃんとファンがついているな~と感じます。LIGブログおすすめの連載です!

A. ふだんからゆるめにやっているので、そこまでハードル高く思われていないのが良いのかも。

ico 回答者:たっつんシニアデザイナー。サービス開発のUX/UI、上流からのコンセプト設計や情報設計を得意とし、テイストも幅広く対応できるすごい人。それでいて絶対定時で帰るマン。とってもやさしい喋り方をする。

デザイナーさんめっちゃ忙しいと思うのですが、いつもどういうふうに企画を考えているのですか?

たっつん:記事のストックがなくなるくらいのタイミングで、定期的に運営のメンバー(たっつん、みや、けんてぃ)で集まって考えています。おたよりも募集しているので、そこからヒントを得たり、最近ではリスナーさんをゲストに呼んだりもしました。

編集作業については持ち回りで行っています。基本的に運営メンバーで協力し合っていますね。

毎回ゲストを呼んでいると思いますが、出演協力いただくときの工夫点はありますか?

たっつん:正直あまり工夫している点はないです。ただ、ふだんからかしこまった空気ではなくゆるめにやっているので、そこまでハードル高く思われていないのが良い気がしています。

あとは、この連載は「LIGデザイナー個人のブランディング」という目的もあるので、なるべくアイキャッチには出演してくれたゲストの顔を入れるようにしています。

ズバリ連載を続けるコツを教えてください!

たっつん:ある程度の期間はとにかくなんでもいいから公開するくらいの気持ちでいます。とくに「LIG DESIGNER RADIO」は新しく立ち上がったばかりの連載で、まだ手探りの段階ではあるので、企画段階ではあまり詰めすぎずに、一度出してみて反応を見てから考えるようにしています。

📝たっつんが書いた記事一覧

たっつんが担当する「LIG DESIGNER RADIO」って?

🎨たっつんのデザイン実績


「LIG DESIGNER RADIO」のあの独特な「ゆるさ」を分けていただきたい……! 本連載、当初想像していたよりもだいぶ真面目な感じになっているので、たっつんさんたちを見習ってもっとゆる~くいい感じ~にやりたいです……。

ちなみにこの連載、アイキャッチが毎回ガラッと変わるのも見どころです! デザイナーさんの連載ならではですよね!

今回の回答は以上です! 少しでもお役に立てたでしょうか?

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それでは、みなさまからのご相談をお待ちしております!

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渋谷の荒ぶるベンチャーにて採用人事として揉まれたのち、「文章が得意そう」という理由でスタートアップにライターとしてジョイン。メディアのノウハウを「LIGブログ」で学ぶ。読者でなく運営として携わりたいと考え、LIGへ入社。現在はLIGブログの企画、ライティング、編集を担当している。どんな記事でもそれっぽく仕上げるWordPress芸に定評がある。

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