みなさんこんにちは。経営企画室のきゃしーです。
今日は「勤怠管理システム」を導入するにあたってのメリットデメリットについてお話ししたいと思います。
勤怠とは、出勤や退勤など「社員の勤務状況」をいいます。具体的には、出勤・退勤・休憩時間・残業時間・欠勤・休暇などがそれにあたります。
私が新入社員だった20年前には勤怠管理は「紙」でした。自分でその日の出勤・退勤を手書きで記入し、残業時間や有給休暇を自己申告していました。そしてそれを本社の事務担当が集計して給与計算して……とそんなことをしていました。
LIGでの勤怠はシステムを利用することで、給与まで自動計算で行われます。非常に便利になりましたね。
勤怠管理システムを利用することによるメリットもたくさんありますが、それと同時にシステムを使うことによるデメリットも存在します。今日はそんな勤怠管理システムを利用することによるメリットデメリットを、実際の実務を担当する目線でお伝えしたいと思います。
勤怠管理システムを利用するメリット
勤怠管理システムを導入するにあたって一番大きなメリットとなるのは「労務管理の強化」と「業務の効率化」です。
労務管理の強化
労務管理が強化される点とは、労働基準法にのっとった正しい勤怠管理ができること、そして社員による勤怠の不正防止です。
たとえば、タイムカードを打刻するタイプの勤怠管理の場合、社員の出勤と退勤だけが記録されていきます。しかし勤怠管理システムを利用すると以下の管理ができるようになります。
勤怠管理システムを利用した場合にできること
- 出社時刻や退勤時刻(労働時間の把握)
- 休憩時間
- 遅刻、早退、欠勤
- 残業時間
- 有給休暇の付与や取得管理
- 振替休日や代休の取得管理
- そのほか会社独自で制定したお休みなどの管理
勤怠管理システムを利用すると、上記がシステム上に登録されていくので、社員の勤怠管理がしやすくなります。また勤怠管理システムは、労働基準法にのっとったシステム利用が推奨されますから、管理者側が特に気をつけていなくても、法令に準拠した運用にすることが可能です。そして、タイムカードや紙などによる管理よりも、勤怠の不正防止が容易になるという点も挙げられます。
業務の効率化
業務の効率化という面では、ひとつは残業代の適切な支払いです。残業代には、時間外手当、深夜残業、休日手当などがありますが、それぞれに計算方法が異なります。
勤怠管理システムを利用すれば、それらは自動で振り分けられて計算されます。さらに、給与計算システムとも連携していれば、勤怠に関する給与計算は自動で行われます。
また、有給休暇については入社年月日によって付与日も付与日数も消滅日もそれぞれ違うため、勤怠管理システムに登録しておけば、それらは自動で行われることになります。システムを利用すると業務効率が格段にアップします。
勤怠管理システムを利用するデメリット
勤怠管理システムを利用するデメリットは「コスト面」と「システム対応が大変」ということです。
コスト面
基本的に勤怠管理システムを導入する場合にかかる費用は、初期費用と月額使用料です。
月額使用料は社員数課金で、社員一人ひとりにIDが割り振られますので、1IDいくらという金額設定がされている場合がほとんどです。1IDにつき、おおよそ200~400円くらいが多いです。
初期費用は、自社でシステム設定する場合にはかからないこともありますが、先方にお願いする場合は初期費用がかかる場合があります。
打刻方法を専用端末によるICカード利用にする場合は、別途専用端末の購入が必要になります。これを機に勤怠管理システムと給与システムを連携して、とする場合には給与システムの費用もかかります。ただしこれはそれに伴う人件費が大幅に削減できる側面もありますので、デメリットだけではないと思います。
システム対応が大変
しかし一番のデメリットはシステム対応です。勤怠はルールが非常にややこしく、また自社に合わせた対応に設定するのがとても難しいのが現状です。
社員のすべてが固定給の正社員(8時間労働)のみならそれほど難しくもありません。しかし、会社にはアルバイトがいたり、時短制度を利用中の正社員がいたり、固定残業代が設定されている社員・されていない社員、シフト制の社員など、さまざまな勤怠ルールで働いている社員がいます。
会社の就業規則によっては年次有給休暇も、1日単位、半日単位、時間単位で取得できますが、たとえば時間単位有給を1日の真ん中で使用した場合の設定はどうするのかなど、細かいシステム設定が求められます(現状、時間単位有給を1日の真ん中で使用した場合で、勤怠管理システムが対応しているものはなかなかありません……)。
勤怠は給与にも関わってくる大事なことですから、その集計方法や計算方法に間違いがあってはいけません。勤怠管理システムを変更し、その結果をみて間違っていたらまたシステムに修正を加えて……といった形で対応していくのが現状です。しかもシステムでは対応ができないものについては自社内の運用でどうにかするしかなく、その場合は運用方法を検討する必要もでてきます。
就業規則を整備するきっかけにも
勤怠管理システムを導入することで、今まであいまいにしていた就業規則をあらためて整備するきっかけにもなります。
今までなんとなく自社内で運用していた独自ルールが、勤怠管理システムに対応しない、ということがあります。勤怠管理システムは労働基準法に即した形でシステムが組まれているので、それにあっていない社内ルールは、これをきっかけに正しい形に運用しなおすのが良いでしょう。
その際は、ただ社内ルールと勤怠管理システムを直すだけでなく、就業規則も同時に変更します。就業規則には、始業時間、終業時間、休憩時間、有給休暇、特別休暇、給与の計算方法などを記載し、それにあわせて勤怠管理システムを運用するとよいでしょう。
就業規則を変更する場合には、必ず社労士や弁護士に内容のチェックをしてもらうようにしてください。
おわりに
いかがでしたか。勤怠管理システムをいれたらいろいろなことが効率化できていい! というわけではないのです。
勤怠管理システムは、使いこなすのがかなり難しいシステムのうちの一つのように感じます。システムをいれたことによってさらに工数がかかるようになってしまった……ということがないよう、調整していく必要があります。
また勤怠管理システムを導入することで、労働基準法にのっとった正しい勤怠にすることもひとつの大きな目的としてあげられると思います。勤怠は給与にもかかわる大事なことですので、しっかり対応したいですね!