私が輝く、夏がはじまる。
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こんにちは。経営企画室のきゃしーです。

皆さんはドラマ『#リモラブ 〜普通の恋は邪道〜』をご存じですか?

ソーシャルディスタンスの世界でソーシャルネットワークから始まる恋。コロナ禍で生まれたコロナ禍の世界観を示した新しい恋愛ドラマです。

その主人公を演じる波瑠さんの職業が「産業医」。もしかしたらこのドラマで初めて「産業医」という名前を知った方も少なくないのでは?

ちなみにLIGには産業医がおります。ドラマのように会社に常にいてくださる専任産業医ではありませんが、何かあったときなどに相談できる産業医と契約をしています。

そして月に一度、LIGの役員を交えて「安全衛生委員会」を開催しています(え? 安全衛生委員会ってなに? という話はのちほど)。

今日は、「産業医」というお仕事についてお話ししたいと思います。

そもそも産業医とはなにか? 医者なのか!?

そもそも産業医ってなに? という人も多いのではないでしょうか。結論から言うと、産業医とはれっきとした「お医者様」です。

みなさんがお世話になったことのある内科医や耳鼻科医や小児科医などと同じお医者様で、医師免許もお持ちです。ただ産業医としては医療行為を行うことができません。

医師は「医師法」が根拠法なのに対して、産業医は「労働法令(労働安全衛生法)」を根拠としているので、同じ「医」という文字が使われていますが性質はまったく異なります。

産業医は、医師であることをベースとしながら、一定の条件を満たさないと産業医資格を得ることができません。産業医は、社員の健康管理について、指導・助言を行う専門医のことをいいます。

「会社に勤める社員専門のお医者様」、それが産業医です。

産業医がいなくてはいけない会社の規模は?

産業医がいなくてはいけない会社(社員数)は以下のとおりです。

  • 1〜49人・・・義務なし
  • 50〜999人・・・1名以上(嘱託可。業務内容によっては500人以上で専属義務あり)
  • 1,000〜3,000人・・・専属1名以上
  • 3,001人以上・・・専属2名以上

会社に産業医がいなくてはいけない会社の規模は50名以上からということになります。

ドラマ『#リモラブ』の主人公は専属の産業医だったので、あの会社は少なくとも社員1,000人以上の会社であることがわかりますね。社員数が50人未満の会社は産業医は義務ではありませんが、社員の健康管理を行う努力義務はあります(労働安全衛生法13条2項)。

問題はこの「50人の社員」という定義です。産業医制度のほかにも、労働安全衛生法はこの50人を境にしていろいろな安全衛生に関する法的な義務を課しています。

常時雇用の社員が50人以上で課される安全衛生に関する法的な義務
  • 産業医の選任
  • 安全衛生委員会の設置
  • 定期健康診断結果報告書の提出
  • ストレスチェックの実施
  • 障害者の雇用義務
  • 休養室の設置

社員が50人以上だとこれだけの安全衛生に関する法的な義務が課されることになります。

ここでいう「50人の社員」とは次のような定義です。

50人の社員の定義

ここでいう社員とは「雇用形態や契約期間などを問わないすべての社員」をいいます。

つまり正社員、契約社員、派遣社員、アルバイト・パートなど、雇用形態や所定労働時間にかかわらず、会社で働いている人すべてが含まれます。ただ、「事業場ごと」でよいので、本社支店がある場合は、それぞれが50人以上の場合に必要となります。

産業医の仕事内容は?

では実際に産業医は会社でなにをしてくれるのでしょうか。

産業医の仕事内容は以下のとおりです。

  • 職場巡視
  • 安全衛生委員会において委員としての意見を述べる
  • 健康診断やストレスチェックに関して労働基準監督署への報告書を確認、署名捺印
  • 長時間労働の面接指導など健康管理に関する助言や指導
  • 職業性疾病を疑う事例の原因調査と再発防止に対しての助言や指導
  • 休職面談・復職面談
  • 職場復帰の支援など仕事の両立支援
  • 衛生教育

社員は「健康診断」と「ストレスチェック」を行いますが、産業医はこの結果をみて、健康に懸念がある人に対して健康相談や指導をします。また産業医は、健康診断やストレスチェックの結果に関して、労働基準監督署への提出書類の内容を確認し、署名押印するお仕事もあります。

日常的に行う業務としては、長時間労働者に対する面接指導です。社員の勤怠を確認したうえで長時間残業、それも複数月継続している人に対して面接をし、健康状態を確認します。

臨時的に行う業務としては休職面談・復職面談があります。最近ではメンタルが原因による休職も増えていますから、そういった場合、休職したほうがいいのか、客観的に判断するためにも産業医が面談を行い、社員の健康状態のチェックを行います。復職する場合も同様に、本当に復職が可能かどうか、産業医がチェックします。もし産業医のチェックなしに休職や復職をする場合、それはすべて本人の主観や意志に基づくものとなり、とても危険です。

職場巡視は、とくに現場仕事の場合には、労働環境や衛生面がきちんと適正に整えられているかを確認するためとても大事なことです。オフィスであっても、整理整頓や温度・湿度の調節などが適切かどうかを見ます。

安全衛生委員会の参加も産業医のお仕事の一つですが、安全衛生委員会とは「労働災害防止の取り組みを労使(会社と従業員)が一体となって行うための会」とされています。

参加メンバーは以下のとおりです。

安全衛生委員会参加メンバー
  • 総括安全衛生管理者=役員、もしくはそれに準ずる人
  • 安全衛生管理者=人事部や総務部などが行う場合が多い
  • 従業員=職場の安全管理(長時間労働の原因など)に詳しい社員が望ましい
  • 産業医

月に1回の開催が義務づけられていて、時間はおよそ30分〜1時間程度です。会議の内容としては、長時間労働者はいないか、休職者の有無、そのほか会社内の健康維持に関する内容を確認し、議事録は3年間保管しておく必要があります。

詳細はこちらの記事をご覧ください。

産業医はどうやって探すの? 相場感は?

産業医を探したい際の一番オーソドックスな方法は、事業所所在地の「都道府県医師会」または「郡市区医師会」に相談することです。都心部では、最近は人材紹介会社経由の場合もあるようです。そのほか、健康診断を実施している健診機関に相談するなどもあります。

しかし、社員の健康状態を会社にも社員にも寄り添ってみてもらう大事なお仕事ですから、人柄などを重視して選びたいところです。

契約の仕方は、専属産業医の場合は直接契約、嘱託産業医の場合は業務委託契約になることが多いです。

相場感は、嘱託医の場合、月1回の安全衛生委員会の参加と社員数名程度の面談、付随業務などで月5〜10万円くらいが一般的です。専属医ですと、お医者様ですので1,000万円を超えることが多いようです。

さいごに

いつも通りの仕事をしていても、「会社が社員に対して安全衛生面に気を付けている」というイメージを持ちづらいとは思いますが、実際は法律の義務化もあっていろいろな取り組みをしています。

産業医と直接関わることがない人であっても、実は職場の安全衛生面を守ってくれている大事な先生が会社にいることを、ここで少しわかっていただけると嬉しいですね。

 

この記事の監修

小橋 正樹(こばし まさき)株式会社oneself.代表。Twitter:@masaki_kobashi
建設企業の統括産業医のほか、IT、保険、エンタメ業などで嘱託産業医を務める。

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