【例文6選】Webデザイナーの志望動機の書き方│制作会社が現場視点で解説

【例文6選】Webデザイナーの志望動機の書き方│制作会社が現場視点で解説

くぼ

くぼ

こんにちは。クリエイター専門の転職エージェント「LIGエージェント」でキャリアアドバイザーをしている久保です。

日々、Webデザイナーを目指す方の転職サポートをしていますが、もっとも多いお悩みの一つが「志望動機をどう書けばいいのか」という点です。

Web制作会社で働く私だからこそ伝えられる、机上の空論ではない現場で本当に求められること、そしてキャリアデザイナーとしてあなたの熱意が伝わる志望動機の書き方やポイントを、具体的な事例を交えながら、包み隠さずお伝えします。

💡この記事で学べること
  • Webデザイナーの志望動機において最低限おさえておきたいポイント
  • 採用側の目線で見た、志望動機の実例とプロの添削ポイント
  • 現場で「使えない」と思われてしまう、絶対に避けるべきNG例とその理由
  • Webデザイナーとしての「市場価値を高める」ためにアピールすべきスキルとその具体的な伝え方

目次 

Webデザイナーの志望動機で最低限おさえたい4つのポイント

志望動機は、求職者(あなた)がWebデザイナーとしてどの程度貢献してくれるのか、経験が浅い場合はどの程度将来性があるのか、という点を見極めるための材料です。

苦手意識を持たれがちな志望動機ですが、正しく採用担当者に伝えることで、他の求職者との差をつける武器にもなるのです!

以下では、Webデザイナーの志望動機で最低限おさえたいポイントを4つご紹介していきます。

①「なぜWebデザイナーなのか?」原体験をストーリーで伝える

ただ「デザインが好き」だけでは、Webデザイナーを目指す理由としては弱いです。「なぜデザインなのか?」「なぜWebデザイナーでなければならないのか?」あなたの原体験に基づいて語りましょう

アピールのポイント
  • Webデザインのインタラクティブ性やUX(ユーザーエクスペリエンス)への興味を具体的に示す
  • Webを通じて社会に貢献したいという熱意を伝える
  • Webデザインの可能性や将来性に魅力を感じていることをアピールする

採用担当者は、あなたの行動(モチベーション)の源泉になっている原体験を知りたいと思っています。

②「なぜこの企業なのか?」具体的な案件・制作実績と絡めて語る

Webデザイナーの求人はたくさんあります。その中で、「なぜこの企業を選んだのか?」を明確に説明する必要があります。企業のWebサイトやブログ、SNSなどを隅々まで調べ、過去の制作実績や得意分野、企業文化など、共感できるポイントを見つけ、具体的な案件と絡めて語りましょう

アピールのポイント
  • 具体的な案件を挙げ、「〇〇の案件のようなデザインに携わりたい」とアピールする
  • 企業の得意分野や強みを理解し、自分のスキルがどのように活かせるのかを説明する
  • 企業の企業文化や社風に共感していることを具体的に示す
  • 会社が求める人物像を理解し、熱意と誠意を伝える

「ちゃんと見ている」というアピールの裏付けになります。サイトなどで情報をキャッチアップしていないと、志望度が低いと思われてしまいます。

③「入社後どう活躍したいか」将来ビジョンを明確に示す

採用担当者は、あなたが会社に入ってどんな案件で、どのように活躍してくれるのかを具体的に知りたいと思っています。入社後にどのようなWebデザイナーになりたいのか、どのようなスキルを身につけたいのか、どんな案件に挑戦したいのかを、具体的な案件名を挙げて語りましょう

具体例
  • 「貴社の〇〇案件のような、大規模なECサイトのデザインに携わり、UI/UXデザインのスキルを向上させ、コンバージョン率向上に貢献したいと考えています」
  • 「貴社の地方創生に関わるWebサイト制作に携わり、地域活性化に貢献したいと考えています。とくに、〇〇県の観光サイトのような、地域の魅力を最大限に引き出すデザインに挑戦したいです」

④自身の強みや実績をアピールする

また、自身の強みを、具体的なエピソードと実績でアピールすることも重要です。Webデザイナーとして働く上で、どのような強みを持っているのかを、具体的なエピソードと実績を交えてアピールしましょう。未経験者の場合は、ポータブルスキル(あらゆる業界や職種に持ち運びできるスキル)やポートフォリオを活用することが重要です。

経験者の場合
  • 過去のWebデザインの実務経験(具体的な案件名と大義、担当範囲、成果を定量的に)
  • 使用できるデザインツール(Photoshop, Illustrator, Figmaなど。経験年数も記しておくと◎)
  • コーディングスキル(HTML, CSS, JavaScriptなど。スキルレベルも明記すると◎)
  • Webサイトの企画・設計・制作・運用経験(具体的なプロセスと役割)
  • チームでの開発経験(チーム規模、役割、貢献度)
  • クライアントとのコミュニケーション経験(具体的な内容、解決した課題)

上記のようなスキルや経験を、具体的な成果と合わせてアピールしましょう。
(例: 〇〇のECサイトを制作し、コンバージョン率を〇%向上させ、売上を〇%増加させました)

未経験者の場合
  • デザイン系の学校やスクールでの学習経験(カリキュラム内容、習得スキル)
  • 自主制作のWebサイトやデザイン作品(ポートフォリオURL必須)
  • Webデザインに関する書籍やブログでの情報収集(具体的なタイトルを挙げると◎)
  • スキルを習得した方法(HTML, CSSなど。ポートフォリオと紐づけてアピール)
  • ポータブルスキル(コミュニケーション能力、問題解決能力、論理的思考力など。具体的なエピソードを交えてアピール)

Webデザインの学習をこれから始めたい方におすすめの就職・転職支援が手厚いWebデザインスクールも紹介しているので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

大前提、未経験だからといって諦める必要はありません。「学ぶ意欲」と「Webデザインへの情熱」をアピールし、ポートフォリオであなたの可能性を示すことができれば未経験転職の道はあります。

また応募書類作成の際には、情報量の多さに注意しながら、読みやすさを重視する必要があります。単に情報を詰め込むのではなく、UI/UXの観点から、見る人の立場に立って資料を準備することが大切です。履歴書、職務経歴書、ポートフォリオのいずれにおいても、情報の可読性と視認性を意識して作成することを心がけましょう。

【すぐ使える】Webデザイナーの志望動機例文6選

ここでは、Webデザイナーを目指す方がすぐに参考にできる志望動機の例文を、未経験者向けと経験者向けに分けて6パターンご紹介します。自分の状況に合った例文をベースに、企業研究の結果や自身の経験を盛り込んでカスタマイズしてください。

【未経験向け例文①】異業種からの転職(営業職→Webデザイナー)

【転職をする理由】
前職では法人営業として3年間、クライアントの課題解決に携わってまいりました。提案したWebサイトリニューアルで〇〇社様の問い合わせ数が3倍に増加した経験から、「提案する側」ではなく「実際に創る側」として課題を解決したいと考え、Webデザイナーへのキャリアチェンジを決意いたしました。

【貴社を志望する理由】
貴社を志望したのは、〇〇企業様のコーポレートサイトのように、ビジネス課題とユーザー体験が見事に融合したWebサイト制作に携わりたいと強く感じたからです。特に、貴社が「ユーザーの課題解決を第一に考えたデザイン」という理念のもと、クライアントのビジネス成果を重視する姿勢に深く共感いたしました。

【自身の強みと将来ビジョン】
現在、Webデザインスクールで6ヶ月間学習し、Photoshop、Illustrator、HTML/CSSを習得しております。営業時代に年間売上目標120%を達成した経験で培ったヒアリング力を活かし、クライアントの潜在ニーズを引き出し、課題をデザインで解決できるWebデザイナーとして貢献してまいります。

この例文のポイント
  • Webデザイナーを目指す原体験を具体的なエピソードで説明
  • 企業の具体的な制作実績に言及し、「なぜこの企業なのか」を明確化
  • 前職の実績を数字で提示し、ポータブルスキルをアピール

【未経験向け例文②】スクール・独学での学習をアピール

【転職をする理由】
前職では事務職として3年間働く中で、会社のWebサイト更新業務を担当する機会がありました。デザイン一つでユーザーの反応が大きく変わることを実感し、そこから独学でHTML/CSSを学びながらサイトをカスタマイズする作業に夢中になりました。この経験を通じて、「Webデザインでユーザーの課題を解決したい」という想いが強くなり、Webデザインを本格的に仕事にしたいと決意いたしました。

【貴社を志望する理由】
貴社を志望したのは、〇〇サービスのWebサイトに見られるシンプルで使いやすいUI設計に感銘を受けたからです。デザインの美しさとユーザビリティを両立する貴社の姿勢に強く共感いたしました。入社後は、貴社の〇〇案件のような、ユーザー体験を最優先したWebデザインに携わり、UI/UXデザインのスキルを磨きたいと考えております。

【自身の強みと将来ビジョン】
現在はスクールに通っていて、架空のECサイトを制作し「実務レベル」との評価をいただきました。前職で社内マニュアル作成において「誰にでもわかりやすく」を徹底した経験があり、このユーザー目線の考え方を活かし、使いやすいWebデザインを提供してまいります。

この例文のポイント
  • Webデザインを志した原体験を具体的に記載
  • 企業の制作実績と入社後の具体的な案件に言及
  • 学習内容とポータブルスキルを明確にアピール

【未経験向け例文③】前職のスキルを活かす(接客・販売経験)

【転職をする理由】
前職ではアパレルショップで3年間、接客販売を担当し、「相手の立場に立って考える」ことの重要性を学びました。店舗のWebサイト更新業務がきっかけでWebデザインに興味を持ち、Webなら24時間365日、より多くの人々に価値を届けられると気づき、Webデザイナーへの転職を決意いたしました。

【貴社を志望する理由】
貴社を志望したのは、〇〇ブランドのWebサイトのように、ブランドの世界観と商品の魅力を両立したデザインに携わりたいと強く感じたからです。また、貴社がファッション・アパレル業界の案件を数多く手掛けられており、業界への理解を持つ私の経験を活かせる環境があると確信しております。入社後は、貴社の強みであるアパレル系Webサイト制作に携わり、ユーザーの購買体験を向上させるデザインに挑戦したいと考えております。

【自身の強みと将来ビジョン】
現在、独学でPhotoshop、Illustrator、Figmaを習得し、架空のアパレルブランドのWebサイトをポートフォリオとして制作しました。前職で月間個人売上目標を24ヶ月連続達成した経験で培ったユーザー視点とヒアリング力を活かし、クライアントとユーザーに寄り添ったWebデザインを提供してまいります。

この例文のポイント
  • Webデザインを志した原体験を具体的に記載
  • 企業の得意分野と入社後の挑戦したい案件を明示
  • 前職の実績を数字で提示し、ポータブルスキルをアピール

【経験者向け例文①】スキルアップ・キャリアアップ転職

【転職をする理由】
Web制作会社でWebデザイナーとして4年間、30社以上のWebサイト制作に携わってまいりました。〇〇社様のECサイトリニューアルでは購買完了率を10%向上させた経験から「データに基づいたデザイン設計」の重要性を実感し、さらに専門性を高めたいと考えるようになりました。しかし、現在の会社ではA/Bテストやユーザーテストを十分に実施できる環境が整っておらず、転職を決意いたしました。

【貴社を志望する理由】
貴社を志望したのは、〇〇プロジェクトのようにA/Bテストを繰り返しながら最適なデザインを追求する「データドリブンなデザイン」の姿勢に強く共感したからです。入社後は、貴社の大規模プロジェクトでUI/UX改善のスキルをさらに磨き、将来的にはWebディレクターとしてプロジェクト全体を牽引できる人材に成長したいと考えております。

【自身の強みと将来ビジョン】
これまでコーポレートサイトからECサイトまで幅広いジャンルのデザインを担当し、UI/UX改善による成果創出に注力してまいりました。デザイン制作から実装まで一貫して対応可能で、即戦力として貢献できると考えております。

この例文のポイント
  • 現在の環境で実現できないことを明確に説明
  • 企業の具体的なプロジェクトと入社後のビジョンを提示
  • 実績を定性的・定量的に示し、スキル範囲を明確化

【経験者向け例文②】制作会社→事業会社への転職

【転職をする理由】
Web制作会社でWebデザイナーとして5年間、30件以上のプロジェクトをこなしてまいりました。多様なクライアントワークを通じて幅広い経験を積みましたが、「納品して終わり」という短期的な関わりに限界を感じるようになりました。〇〇業界のクライアント案件で納品後も継続的に改善の相談をいただいた経験から、一つのプロダクトに深く関わり、長期的にサービスの成長を見届けたいと考え、事業会社への転職を決意いたしました。

【貴社を志望する理由】
貴社を志望したのは、〇〇サービスがユーザー数急成長中で、今後さらなるデザイン改善が必要なフェーズにあり、私の経験を最大限活かせると考えたからです。入社後は、貴社の〇〇機能のようなユーザー体験の向上に直結するデザイン改善に携わり、サービスの成長に貢献したいと考えております。将来的には、デザインチームのリーダーとしてサービス全体のデザイン戦略を担いたいと考えております。

【自身の強みと将来ビジョン】
これまで30社以上のWebサイト制作に携わり、特にブランディングとデザインの一貫性にこだわってまいりました。大手企業のコーポレートサイトでは、ブランドイメージを保ちながらユーザビリティを向上させるデザインを実現し、クライアントから高い評価をいただいております。デザインからコーディングまで一貫して対応可能で、プロダクトの成長に即戦力として貢献できると考えております。

この例文のポイント
  • 「なぜ事業会社なのか」を具体的なエピソードで説明
  • 企業のサービスフェーズと入社後の具体的な貢献内容、将来ビジョンを提示
  • 実績を定性的に示し、スキル範囲を明確化

【経験者向け例文③】フリーランス→正社員への転職

【転職をする理由】
フリーランスのWebデザイナーとして3年間、50社以上のWebサイト制作を手掛け、デザインから運用サポートまで幅広い業務を担当してまいりました。しかし、大手企業から大規模サイトの相談をいただいた際、リソースの制約から受注できなかった経験が転機となりました。一人では対応できないプロジェクト規模の限界を感じ、チームでより大きな価値を生み出したいという想いが強くなり、正社員としてのキャリアを考えるようになりました。

【貴社を志望する理由】
貴社を志望したのは、〇〇プロジェクトのように複数のデザイナーが連携して大規模サイトを創り上げており、デザインの一貫性と個性が両立した理想的なチーム体制に魅力を感じたからです。入社後は、貴社の大規模プロジェクトに参画し、チームでの協働を通じてさらなるデザインスキルの向上を目指すとともに、将来的にはデザインチームのリーダーとしてチーム全体の成長に貢献したいと考えております。

【自身の強みと将来ビジョン】
フリーランスとして納期遵守率100%、リピート率70%以上を達成し、クライアントの期待を超える提案をしてまいりました。Figmaを使用したデザイン制作を3年、HTML/CSS/JavaScriptによるコーディングを5年、WordPress構築を3年経験しており、デザインから開発まで一貫して対応可能です。即戦力として貢献できると考えております。

この例文のポイント
  • フリーランスから正社員への転職理由を具体的に説明
  • 企業の具体的なプロジェクトと入社後のビジョンを明示
  • 実績を数字で提示し、各スキルの経験年数を明確化

これらの例文やポイントを参考に、自分の経験や企業研究の結果を盛り込んで、オリジナルの志望動機を作成してみましょう。次のセクションでは、実際の志望動機を添削しながら、より良い志望動機に仕上げるポイントを解説します。

【制作会社が添削】志望動機の実例とプロの改善ポイント

ここでは、実際にWebデザイナーを目指している方の志望動機を例に、添削のポイントと修正後の志望動機をご紹介します。

添削前の文章例
私はWebデザインに興味があり、将来的にWebデザイナーとして活躍したいと考えています。

貴社の理念に大変共感しており、また教育制度により成長させていただける環境に魅力を感じ、志望いたしました。

独学でWebデザインの基礎スキルは習得しているため、1日でも早く貴社に貢献できるよう努めてまいります。

入社後は、貴社の事業成長に繋がるデザインに携わりたいと考えています。前職での顧客のデータに基づく改善提案の経験を活かして、顧客満足の向上に繋がるデザインを作成したいです。

添削ポイント①原体験は具体的に!

学生の頃にはじめてブログを開設した際、HTML/CSSのコードを触りながらデザインを調整することに夢中になった原体験から、Webデザインの世界に強い興味を持つようになりました。

添削ポイント②企業情報はちゃんとリサーチ!

貴社は、「ユーザー体験を第一に考え、革新的なWebサービスを提供する」という理念を掲げており、私も常にユーザー視点に立ったデザインを心がけているため、深く共感いたしました。とくに、〇〇(具体的な案件名)のWebサイトは、ユーザーの課題を解決するデザイン設計がされており、私もこのようなWebサイト制作に携わりたいと考えております。

添削ポイント③「基礎スキル」だけではスキル不十分の評価になりやすい

現在は、Webデザインスクールで基礎スキルだけでなく現役のデザイナーから実務レベルのフィードバックを受けデザインの考え方を学んでいます。現役デザイナーのもとで、デザイン原則から顧客課題に合わせたデザインの考え方を学び、ヒアリング〜デザイン〜コーディングまでクライアントワークの実績もございます。

添削ポイント④数年先のキャリアイメージがあると◎

3年後にはWebディレクターとしてキャリアアップを目指しており、クライアントとの折衝やディレクターさんとの日々のフィードバックの機会があれば積極的に参加したいと思います。顧客の課題解決のために自ら考え提案できる貴社の風土の中で、他のデザイナーさんたちと切磋琢磨して最短で即戦力を目指したいと考えております。

添削ポイント⑤定性的ではなく定量的に

現職では初年度から売上目標に対して、3年連続120%達成を継続しています(売上目標2,000万円〜3,000万円)。

定量的な数値がない場合は、以下のような実績を記載しましょう。

継続受注につながった実績
〇〇案件のWebサイト制作後、クライアントから高評価をいただき、LP制作とECサイトリニューアルの追加依頼を2件受注しました。
社内評価や表彰実績
担当した〇〇プロジェクトが社内の優秀案件に選出され、全社会議で事例共有を行いました。

それも難しい場合は、以下のプロセスをロジカルに記載しましょう。

  • 受注の背景
  • ヒアリング
  • 情報設計
  • デザイン
  • リリース
  • お客様の声(依頼してよかった、問い合わせが増えた等)

数字がなくても、具体的なプロセスと結果を示すことで、成果創出の再現性といった点で説得力を出すことができます。

これはダメ!志望動機のNG例5選

どんなに熱意があっても、書き方によっては逆効果になってしまうこともあります。ここでは、Webデザイナーの志望動機で絶対に避けたいNG例を5つご紹介します。

NG例①企業の事業内容を”雰囲気”でしか理解していない

企業のWebサイトや事業内容をまったく調べていないことが伝わる志望動機は、「うちの会社に興味がないんだな」 と思われてしまいます。企業の理念やビジョン、事業内容、競合他社との違いなどをしっかりと理解した上で、志望動機を作成しましょう。

NG例②転職理由が”愚痴”になっている

前職の不満や人間関係の悪口など、ネガティブな転職理由を志望動機に書くのは絶対にNGです。採用担当者は、「この人はうちの会社でも同じような不満を持つのではないか?」 と不安に感じてしまいます。転職理由はポジティブな言葉に変換し、「成長したい」「新しいことに挑戦したい」 といった意欲を示すようにしましょう。

NG例③スキルアピールが”自己満足”になっている

自分のスキルをアピールする際に、「〇〇のツールを使えます」「〇〇の知識があります」 と羅列するだけでは、採用担当者には響きません。そのスキルを活かして、どのように会社に貢献できるのかを具体的に説明することが重要です。

NG例④ポートフォリオが”自己満足”になっている

ポートフォリオは、あなたのスキルをアピールするための重要なツールですが、作品をただ並べるだけでは意味がありません。それぞれの作品について、制作意図、ターゲット層、デザインコンセプト、制作プロセス、そして成果を説明することが重要です。

NG例⑤誤字脱字が多く、”雑”な印象を与える

誤字脱字が多い文章や、小学生のような稚拙な文章は、「仕事に対する意識が低い」「プロ意識がない」 と思われてしまいます。提出前に必ず文章を読み返し、誤字脱字がないか、適切な言葉遣いができているかを確認しましょう。

【ステップ式】志望動機の書き方4ステップ

効果的な志望動機を作成するためには、以下の4つのステップを踏むことが重要です。順番に進めていくことで、説得力のある志望動機が完成します。

ステップ1. 自己分析と企業分析を徹底する

まず自己分析を行い、自分の強みや弱み、Webデザイナーとして実現したいことなどを明確にしましょう。

次に企業分析を行い、企業の理念やビジョン、事業内容、社風などを深く理解しましょう。

自己分析と企業分析をしっかりと行うことで、自分と企業の共通点や、自分が企業に貢献できることが見えてきます。

自己分析のポイント
  • 自分のスキルや経験を客観的に洗い出す(ツール、言語、デザイン経験など)
  • Webデザイナーとしてどんな案件に挑戦したいのか、どんなキャリアパスを描きたいのか明確にする
  • 自分の強み(得意なデザイン、コーディングスキル、コミュニケーション能力など)を具体的に把握する
  • 過去の成功体験(顧客満足度向上、CVR改善など)や失敗体験(プロジェクトの遅延、顧客とのトラブルなど)を振り返り、そこから得られた学びを言語化する
企業分析のポイント
  • 企業のWebサイトやブログ、SNSなどを隅々まで調べ、過去の制作実績を分析する(デザインの傾向、使用技術、ターゲット層など)。自分なりの考えや提案ができるレベルでアウトプットできるとベスト!(「おこがましいかもしれないのですが……」などクッション言葉を忘れずに!)
  • 企業の理念やビジョン、事業内容を理解する
  • 競合他社との違いを把握する(強み、弱み、ターゲット層など)
  • 社員のインタビュー記事や口コミサイトなどを参考に、社風や働き方を理解する

ステップ2. 志望動機の構成を決める【文字数・構成の目安】

志望動機を書く前に、全体の構成と文字数の目安を把握しておきましょう。読みやすく、説得力のある志望動機を書くためには、適切な構成が重要です。

書類の種類 文字数の目安 記載のポイント
履歴書 200〜300字 簡潔に要点のみ記載
職務経歴書 400〜600字 詳細な説明と実績を記載
エントリーシート 400〜800字 企業ごとに指定がある場合も

志望動機の基本構成

パート 内容 文字数目安
①結論 志望理由を端的に述べる
「貴社でWebデザイナーとして〇〇に貢献したい」
50〜100字
②理由・背景 なぜその企業を選んだのか
原体験、企業研究の結果、共感ポイント
150〜250字
③根拠 どのように貢献できるか
スキル、経験、実績を具体的に
100〜200字
④意気込み 入社後の活躍イメージとキャリアビジョン 50〜100字

この構成を意識することで、PREP法(結論→理由→具体例→結論)に沿った読みやすい志望動機が完成します。

PREP法とは
  • P(Point): 結論から
  • R(Reason): 理由
  • E(Example): 具体例やエピソード
  • P(Point): 結論。「要するに」「まとめると」

文章を書くときや面接などで話す順番に迷ったときに活用すると、上手く整理できるのでおすすめです。

ステップ3. 結論ファーストで”貢献”を示す

志望動機は、結論から書き始めることが重要です。最初に「私は貴社でWebデザイナーとして〇〇に貢献したいと考えています」といったように、自分の熱意と貢献意欲を伝えることで、採用担当者の興味を引きつけることができます。

また、具体的なエピソードを交えながら、自分が会社に貢献できる根拠を示しましょう。過去の経験や実績、スキル、企業への熱意などを具体的に説明することで、「この人はうちの会社で活躍してくれるかもしれない」と採用担当者に思ってもらうことができます。

具体例
前職では、ECサイトのデザイン改修によりCVRを15%向上させることに成功いたしました。

貴社では、これまで培ってきたWebデザインのスキルを活かし、さらなるCVR向上に貢献するとともに、UI/UXデザインの知識を深め、よりユーザー視点に立ったWebサイト制作に挑戦したいと考えております。

具体的には、〇〇(具体的な案件名)のような大規模ECサイトのデザインに携わり、売上向上に貢献したいと考えています。

ステップ4. 熱意と具体性でブラッシュアップする

志望動機は、自分の言葉で書くことが重要です。テンプレートをそのまま使用したり、他の人の例文を参考にしすぎたりすると、「どこかで見たような文章だな」と思われてしまい、あなたの個性や熱意が伝わりにくくなってしまいます。

自己分析や企業研究を通して得られた情報をもとに、自分の言葉で、Webデザイナーとしての情熱、企業への貢献意欲、そして成長意欲を伝えましょう。

未経験での転職において人柄やコミュニケーションスキルはとても重要です。一緒に気持ちよく仕事ができそうか、オンボーディングを進めるときに素直に受け入れてもらえそうか、なども大事ですが、やはり最後には「ここで働きたい!」という気持ちの強さとそれをうまく伝えられるかどうかが、大きな判断材料になると思っています。

Webデザイナーが志望動機でアピールすべきスキル

Webデザイナーとして採用を勝ち取るためには、自分のスキルを効果的にアピールすることが重要です。未経験者と経験者では、アピールすべきポイントが異なります。ここでは、それぞれの立場でアピールすべきスキルと、具体的な伝え方についてご紹介します。

【未経験者向け】アピールすべき3つのポイント

未経験者の場合、実務経験がないぶん、学習意欲、ポテンシャル、ポータブルスキルをアピールすることが重要です。

①Webデザインの学習状況とポートフォリオ
スクールや独学での学習内容を具体的に示し、ポートフォリオでスキルを可視化しましょう。

アピール例:
「Webデザインスクールで6ヶ月間学習し、Photoshop、Illustrator、Figmaの基本操作を習得しました。HTML/CSS/JavaScriptの基礎も学び、レスポンシブデザインのWebサイトを制作しております。ポートフォリオサイト(URL)にて制作物をご確認いただけます」

②前職で培ったポータブルスキル
コミュニケーション能力、問題解決能力、論理的思考力など、どのような職種でも役立つ汎用的な能力をアピールしましょう。

アピール例:
「前職の営業職では、お客様のニーズを的確に捉えるヒアリング力を培いました。この能力は、Webデザインにおいてクライアントの要望を正確に理解し、期待以上のデザインを提供する際に活かせると考えております」

③学習意欲と成長意欲
常に新しい知識やスキルを学び続ける姿勢をアピールしましょう。

アピール例:
「現在も、最新のWebデザイントレンドやUI/UXデザインに関する書籍を読み、オンライン講座で学習を続けております。入社後も、業務に必要なスキルを積極的に習得し、一日でも早く貢献できるよう努力いたします」

【経験者向け】差別化できる3つのスキル

経験者の場合、実務経験、専門スキル、実績を具体的に示すことが重要です。他の応募者との差別化を図るために、以下のスキルを効果的にアピールしましょう。

①Webデザインの実務経験と実績
担当したプロジェクトの種類、規模、役割、そして定量的な成果を具体的に説明しましょう。

アピール例:
「前職では、ECサイトのデザインリニューアルを担当し、ユーザー導線の改善とデザイン刷新により、コンバージョン率を18%向上させました。また、ランディングページ制作では、A/Bテストを繰り返し、クリック率を25%改善した実績がございます」

②プログラミングスキル・フロントエンド知識
HTML、CSS、JavaScriptなどのコーディングスキルは、デザイナーにとって大きな武器になります。

アピール例:
「HTML/CSS/JavaScriptのコーディングスキルがあり、デザインからコーディングまで一貫して対応可能です。レスポンシブデザインの実装や、jQueryを使用したアニメーション実装の経験もございます。デザインと実装の両面から、効率的なWeb制作に貢献できると考えております」

③UI/UXデザインの専門知識・データ分析力
ユーザー体験を重視したデザイン設計や、データに基づいた改善提案ができることをアピールしましょう。

アピール例:
「UI/UXデザインの専門知識を活かし、ユーザビリティテストやヒートマップ分析を実施してきました。データに基づいたデザイン改善提案により、ユーザーの離脱率を12%削減した実績がございます。デザインの美しさだけでなく、ビジネス成果に貢献できるデザインを提供いたします」

まとめ

さいごに、Webデザイナーを目指すみなさんへ、制作会社のキャリアアドバイザーとして採用の現場の生の声をお届けします。

私たちが求めているのは、単に「デザインが好き」という人ではなく、「Webデザインを通して、お客様の課題を解決したい」という熱意を持った人です。もちろん、大前提デザインに対してポジティブな想いは持っているべきことですが、それ以上に重要なのは、具体的な価値を生み出す意欲です。

採用担当者が見ている3つのポイント
  • ①志望度の本気度: 企業研究がしっかりできているか、具体的な案件に言及しているか
  • ②貢献できる根拠: スキルや経験を、どのように企業に活かせるか明確に示せているか
  • ③成長意欲と将来性: 入社後のキャリアビジョンが具体的で、長期的に活躍できそうか

「自分には特別なアピールポイントがない」と思い込んでいる方が多いのですが、それは完全な誤りです。自分の中にある強みに気づくのは、意外と難しいものです。とくに日本人は、自己PRが苦手な傾向があります。

ポイントは、自分で考えるだけでなく、第三者の目線で自分の経験を洗い出すことです。これまでの経歴や経験を丁寧に紐解けば、必ず輝く強みが見つかるはずです。自己分析ではなく、他己分析の視点で、あなたの可能性を一緒に探っていきましょう。もし自分では見つけられないなら、気軽にキャリア面談へお越しくださいませ。

この記事を参考に、自分の言葉で、あなたの想いを伝えてください。お会いできることを楽しみにしています!

会員登録してキャリア面談を予約する

この記事のシェア数

くぼ
くぼ Digital Education / Education,HR / Career Designer / 久保 貴史

クリエイター特化型人材サービスやWebクリエイタースクールにてキャリアデザイナーを務める。人材業界での経験を活かし、クリエイティブ人材の育成と支援に注力。1992年広島県出身。山口大学経済学部卒業後、地方銀行を経て人材業界に転身。営業とキャリアアドバイザーとして人事課題の解決に携わる。2022年LIGに入社。

このメンバーの記事をもっと読む
クリエイターの価値は、正しい場所で最大化される。忙しいあなたに代わって、理想の職場を見つけます。
無料で始める 詳しく見る