こんにちは、ライターのキャシーです。
BtoBマーケティングでの集客の方法ってたくさんありますよね。リスティング広告だったり、記事広告だったり、オウンドメディアだったり。LIGでも複数の手法を扱っていますが、正直たくさんあってよく分からない……!
集客する施策って他に何があって、どんなメリットデメリットがあるんでしょうか。そこで、株式会社WEICのインサイドセールス事業部責任者の青木さんに、BtoBマーケティングにおける集客方法の種類とそれぞれのメリットデメリットについて教えていただきました。
青木 達也 株式会社WEIC執行役員。過去8年間、500社を超える企業にて、営業戦略の構築・アウトソースによる営業活動の実施を始めとした、クライアントの営業支援プロジェクトに関わる。顧客0からの新規開拓、新たな切り口での新規営業企画・営業手法の提案を得意とする。 |
※記事中にでてくる表は、WEIC社よりいただいたデータをもとに編集部で数値化したものです。
1. リスティング広告
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!のような検索エンジンにて、検索キーワードに連動して表示される広告のこと。
「水」を検索したユーザーに「天然水サーバー」の広告を出すなど、ニーズがマッチした購買層へ広告を出稿できます。入札価格を高くしたり、広告へのクリック率が高かったりすると、より上位に表示されやすくなる仕組み。比較的コンバージョンが取りやすい施策ですが、最近はCPA(成果を1件獲得する単価)の高騰が悩みの種となっているようです。
費用対効果 | ★★★★☆ |
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メリット:費用対効果が高い
リスティング広告は、あらゆる販促手法のなかで、費用対効果が高く、効果が出るまでのスピードが速いことがポイントです。広告出稿する検索キーワードと自社商材・自社ページのマッチ度さえ高ければ、高い広告効果を出しやすいそうです。
デメリット:件数を集めづらい
プル型の販促手法全般に言えることですが、件数を数多く集めることに限界がある点が短所。自社商材が売れそうな検索キーワードを複数集め、そこに対応するウェブページを複数用意することができれば、ある程度の弱点対処ができるとのこと。
2. リターゲティング広告
広告をクリックしてくれたユーザに対して、違うサイトを表示したときにも同じ広告を出すことです。ユーザーの訪問履歴を解析するため、リターゲティング用のタグを取得し、ページに設置します。
費用対効果 | ★★★☆☆ |
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メリット:見込み顧客にアプローチできる
一度サイトに訪問した見込み顧客に対して広告を出稿するため、比較的売上げにつなげやすい施策とされています。
また、リスティング広告のような自社サイトに誘導するタイプの広告に対して、費用対効果を底上げできる手法でもあります。
デメリット:ニーズによって費用対効果は下がる
ニーズの薄い購買層に大量配信する場合は、コストに対してコンバージョン数が少なくなる傾向にあります。
そのときはニーズの高さによって誘導するサイトを変えるなどの対策で改善ができるとのこと。初めてリターゲティング広告を行う場合は、なるべくアクセスが直近のユーザーを対象にすると効果的だそうです。
3. Facebook広告
その名のとおりFacebookに出す広告のことです。広告の表示先を地域・年代・性別など細かく設定できます。
費用対効果 | ★★★☆☆ |
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メリット:狙いたい購買層にリーチできる
細かいセグメントでターゲットをダイレクトに狙いにいけるのが利点です。売上げにつなげるポイントは、Facebookのユーザー層にマッチする商材を選ぶ、特定の購買層に広告を出すること。潜在層も含めてリーチできるため、商材によってはリスティング広告より獲得単価がよくなることもあるそうです。
デメリット:適した商材に限りがある
ソーシャルメディア(SNS)を活発に使う層など、Facebookのユーザー層に適した商材でないと効果が出にくいのが注意点。分かりやすい商材や無料体験・無料ダウンロードなど、コンバージョンまでのハードルが低いと広告の効果が出やすいそうです。
4. 資料請求サイト
色々なサービスの資料を一度にダウンロードしたり、お問い合わせを受けたりできるサイト。資料をダウンロードするときに、ユーザーの情報を入力する必要があるため、資料を請求した見込み顧客の情報を得られます。ダイレクトに顧客情報を取るという部分では抜群で、見込み顧客に直接営業をかけやすくなります。
費用対効果 | ★★☆☆☆ |
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メリット:自社の深い情報が届けられる
自社がアプローチできないユーザーに対して、チラシをポスティングするより効率的に認知させられます。ダウンロードしたユーザーには自社の深い情報を届けられるため、ノウハウや商材に自信があれば出して損はないそうです。
デメリット:コンバージョン率が低め
ノウハウだけ欲しいユーザーや、競合のなりすましなど、興味本位で資料を落とす人が多く、ダウンロード数に対するコンバージョン率は低めです。ブランディングや認知度を高める目的で出しておくと、ちょうど良いようです。
なお、資料請求サイトに問い合わせがあったユーザーへフォローする場合は、いきなり営業をかけるよりも情報提供を主眼としたフォローをおこなうことがポイント。いきなり営業をかけるよりも、コンバージョン率(アポイント取得やセミナー集客など)が上がるとのこと。
5. 記事広告
バナーやテキスト広告より、商品について深く理解してもらえる”記事”という体裁をとる広告のこと。いわゆるコンテンツマーケティングのひとつで、メディアに記事制作を依頼して商材をPRします。
費用対効果 | ★★☆☆☆ |
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メリット:メディアの読者にリーチできる
商材にマッチしたメディアを選べば、潜在層や顕在層のユーザーにリーチできます。ドメインが強いメディアで、SEOを狙えば検索キーワードでの上位表示も狙えたり。検索ボリュームの多いキーワードを獲得できれば、定期的にユーザーが訪れてくれるようになりますね。
デメリット:お問い合わせまでのハードルが高い
コンバージョンまでのハードルが高く、売上げに直接つながりづらい点があげられます。他の手法を一通り試してそれでもまだ件数がほしい場合や、メディアを通してブランディングを図りたいときにおすすめとのこと。
6. オウンドメディア
オウンドメディアとは、企業が「所有する」メディアのこと。メディアをもつ目的は、それぞれの会社のマーケティング課題によって異なります。LIGの場合は、WEB制作のお問い合わせを増やすこと、LIGという会社の知ってもらうことを目的としています。
費用対効果 | ★★★★☆ |
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メリット:さまざまなキーワードに対応できる
リスティング広告の場合、キーワードごとにランディングページを用意するとコストがかかりますが、オウンドメディアならキーワードに対して、記事やDL資料が比較的簡単に用意できるのがポイント。単一キーワード、単一ページになる傾向のあるリスティング集客型から、一歩進んだ形と言えるかもしれません。
デメリット:コストがかかる
集客や売上げなど、成果が出るまでに時間がかかるため、短期的なコストは増えます。お問い合わせを増やす目的に月50万円ほど投資したとして、単純にそのコストをペイさせることを考えると、それなりに単価の高い商材じゃないと回収は難しい。
7. イベント、セミナーを開催
商材に関連したイベントやセミナーを開催し、終了後に改めて商品の紹介をする手法です。
費用対効果 | ★★★★★ |
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メリット:見込み顧客を招待すると受注率があがる
何回か訪問した見込み顧客を招待すると受注率が上がります。自社の見込み顧客を育てるうえで重要な施策です。ポイントは、自社のためのセミナーやイベントにせず、来場者の満足度を考えて企画すること。例えば、実際にサービスを導入した顧客自身に、成功したノウハウを話してもらうセミナーなどは集客率も上がり、満足度も高いそうです。
デメリット:業務負荷がかかる
「イベント準備」「集客」「当日の運営」と主に3つの業務負荷がかかるため、その投資を上回るリターンを考える必要があります。効果と投じる工数のバランスを見て実施しましょう。例えば、他社と共同でセミナーを開催することで集客にかけるコストも削減できます。
8. 雑誌、TVなどのマスメディアに出稿
雑誌やTVで紹介してもらい、認知度を一気に高めてコンバージョンに繋げる集客方法です。露出されることでクチコミなどの効果も期待できます。無料で紹介してもらえる場合は、費用対効果が抜群だと言えますね。
費用対効果 | ★★★☆☆ |
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メリット:幅広い認知が狙える
全国区に配信・出版しているメディアであれば、サービスの認知を一気に拡大させられます。特にTVであれば、老若男女を問わず幅広い層にアプローチできるため、ターゲットを絞らずに販促したい場合に最適でしょう。
デメリット:掲載費が高い
新聞にしろ、TVにしろ、まだまだ有料での掲載枠は高価です。法人向けのニッチな商材をプロモーションしたい場合は、見込み顧客に届けられるメディアを慎重に選定する必要があります。
9. 紹介営業、代理店営業に委託する
自社製品の販売支援を行う業者に、営業を委託する集客方法です。
費用対効果 | ★★★★★ |
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メリット:作業が減る
自ら出向く必要がなくなるので、直接の作業が減って楽になります。自分の代わりに営業をしてくださる方がいるのは心強いはず。
デメリット:綿密なコミュニケーションが必要
直接現場に行かない分、教育や指導を行う必要があります。相手にとってのメリットをよく考えながら、代理店業務や紹介業務を依頼しましょう。
また、営業時にはどういうお客様を紹介してほしいか、きちんと要望を伝えておくことがトラブル回避のポイント。
10. FAX/DM(ダイレクトメール)
DM(ダイレクトメール)やFAXを使って、自社のサービスの案内を送ったり、セミナーなどの情報を送ったりします。
費用対効果 | ★★★☆☆ |
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メリット:しっかりした原稿を書けば成果につながりやすい
自分で原稿を書き、安価な配信サービス(1通6円~10円)を使えば容易に取り組める施策です。大量の中小企業へアプローチしたいときにオススメ。最近、DMやFAXを送る会社が減ったためか、しっかりした内容の原稿を送ると成果が上がるケースが増えているそうです。
デメリット:100人以上の会社は読んでくれない
従業員が100名以上いる規模の会社では、なかなか読んでもらえません。送るなら従業員が100名以下の会社がオススメとのこと。
11. テレアポ(電話営業)
電話を使って営業をかける、古くからある王道の集客手法です。見込み顧客リストにひたすら電話をかけます。お金がなくてもすぐにできるので、ベンチャーやスタートアップ企業などには有効な手段です。
費用対効果 | ★★★★☆ |
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メリット:効率的にアタックできる
顧客を選んで営業をかけられます。ニーズがあってもなくても、会話をしながらさまざまな情報が得られるのが最大のポイント。
ほかの活動と比べ、短時間で数をこなしていけるので効率も良いです。電話に出ない顧客がいることを差し引いても「顧客情報の獲得スピード、獲得単価」という面で、最強の手法だと言えます。
デメリット:営業の成果が属人化しがち
コストをかけずに顧客とダイレクトに繋がれる点では非常に優れていますが、効果は人の能力に依存します。「今すぐ買いたいという顧客だけ」にリーチできないのは難点。
BtoBマーケティングにおいて効果のある集客方法は?
※この表は、WEIC社よりいただいたデータをもとに編集部で数値化したものです。
今回ご紹介いただいた以外にも、SEO対策だったり、FAX/DMだったりたくさんの集客方法がありますよね。このなかでも優先的に行うべき施策はありますか?
状況によって使い分けた方がいいですね。例えば、商材が市場に認知されていれば、プル型のリスティング広告や展示会などのイベントを優先し、プッシュ型の電話営業でサポートします。逆に、商材があまり知られていない場合や、特定のユーザーへアプローチしたいなら、電話営業を優先してプッシュ型をメインにします。このように使い分けることで費用対効果も良くなります。
ありがとうございます。電話営業ってなんとなく古い手法かと思っていました。使った方がいい理由を教えていただけますか?
そうですね。昔からある手法ですが、こちらからターゲットを絞れますし、営業の活動量もコントロールできる。なにより費用がかからないので、今すぐにでも始められます。アプローチをかける手法としては1番有効な施策だと思いますね。
インターネットでの集客方法が発達しても、テレアポの重要性は変わらずなんですね。ありがとうございます!
まとめ
今回10個の集客方法をご紹介しましたが、それぞれにメリット・デメリットがあるため商材や目的によって最適な施策が異なりそうです。しかし、そのなかでも攻めの姿勢で取りに行くのであれば、現代でもテレアポが効果的だということがわかりました。
オンラインとオフラインで「コンバージョン」に繋がる施策は、今回紹介した以外にも多数存在します。数々の施策を打てる時代なので、それぞれのポイントを見極めながら、商材にマッチングした施策を打っていかなくてはもったいないですね。
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