いいとこすぎて移住しちゃいました / LAMP壱岐
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2016.09.16
#9
ランボー 怒りのマーケティング

25問ものアンケートに若年層がフル回答する画期的アンケートの開発秘話!

のんにゃん

こんにちは! 新米デザイナーののんちゃんです。

LIGでは2016年7月25日より一ヶ月半ほど、LIGブログ上にて読者アンケートを実施していました。

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結果については、マーケター すみーによる『いいフォーム』製品解説 & アンケート結果報告の記事でもご紹介していますが、実に多くの方にご協力いただき、貴重な意見をたくさんちょうだいすることができました。本当にありがとうございました!

大きな成果を生んだLIGアンケートですが、実施に至るまでは苦難の連続だったんです。新システムの導入にプロトタイプによるテスト、細かな修正を再チェック……。そうした努力の末に生まれたLIGアンケートだったから、大きな反響を得られたことへの喜びもひとしお!

この『いいフォーム』開発に際して、中心人物として活躍したのが株式会社モデュレイの代表 岩崎さんとLIGのアートディレクター たけさん。このLIGアンケートは回答率が28%オーバーと相当な数値を記録したのですが、なによりふたりの手応えは相当強いものだったようです。

ico 岩崎 経さん
株式会社モデュレイ 代表取締役社長。今回のLIGアンケートに用いられたフォーム『qualva』の企画・開発を取りまとめた仕掛け人。阪神ファン。
たけさん
株式会社LIG メディア事業部自社開発室 アートディレクター / UIデザイナー。LIGアンケートでは開発責任者として、シナリオ制作からUIデザインまで手がけた。阪神ファン。

今回、そのふたりにLIGアンケート開発時のことを振り返りながら、失敗から得られたノウハウやこれからのビジネスシーンについて語っていただきました。

生きたデータを集めるためのシステム作り

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のんちゃん今回のLIGアンケートを設計したシステム『いいフォーム』ですが、どういったところから開発が始まったのでしょう。

岩崎さんマーケティングリサーチの世界にイノベーションを起こしたかったんです。この業界では10年ぐらい技術的な進化が起こっておらず、皆さんも目にしたことがある無機質なアンケート機能への入力を促すものしかありませんでした。

のんちゃん確かに、ウェブ上のアンケートってそういったイメージがありますね。

岩崎さんああいったアンケートって、”やらされてる”感じになっちゃうじゃないですか。そうすると、答える側も惰性で入力しちゃいますよね。そういうデータって死んでいるも同然なんですよ。自分たちの売り上げや利益に繋がる貴重なデータ収集のためのインターフェースに、おもてなしの気持ちがまったくこもっていないのはどうなんだろうって。適当にインセンティブを支払って完結させるだけの文化を改善したいと、ずっと思ってました。

のんちゃん目当てのものを手に入れるためのアンケートとなると、早く終わらせたいから適当に答えようとしちゃいますもんね。

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岩崎さんデータの質が低くなっているのも確かなんですが、とりわけ10〜20代の若年層の回答率が激減していることが大きな問題になっています。そこから「楽しんで答えたくなる入力体験を提供できないかと」と思い立ち、シナリオで演出できる対話型アンケート『qualva』(クオルバ)のアイデアにたどり着いたんです。そのひらめきから、プロトタイプを作るまではかなり早かったですね。

のんちゃんLIGでもちょうど面白系のユーザーアンケートをやろうって話が出ていたんですよね。

たけさんそう、「バイオハザード」みないなゾンビがたくさん出てきて次々に質問してくるっていう壮大なアンケート企画ですね。実際にやるとなると、開発に一年ぐらいかかることから頓挫しちゃった(笑)。ちょうどそのタイミングで、縁あって岩崎さんと知り合ったんですよね。

岩崎さんこれまでメディアと手を組むことがなかったので、それもLIGですから、すごく刺激的なお話でしたよ。LIGのコンテンツ力と『qualva』は絶対にマッチするはずだと思えましたから、ぜひ!と。

メディアと直接手を組んだ新たな試みに手応え

のんちゃんたけさんは、『qualva』のどういったところがLIGのアンケートにマッチすると思われたんですか?

たけさん背景にシナリオを用意することで合いの手を生み、対話を作れるところですね。アンケートシステムの課題って、UIの最適化の遅れと、無機質で事務的な回答形式のものしかないこと。これによって、結果的にアンケートを実施しても思ったようにデータが集まらない、という状況に陥っちゃうんです。

岩崎さん特に若年層の反応はそうですよね。この話をLIGに持ちかける前から、先の展開が気になってついつい答えてしまうシナリオ型アンケートは、LIGブログの「読ませる」という特徴に通じる部分があると思っていました。さらに、たけさんがLIGブログでまとめられていたコラムを拝読して、「この人ならシナリオ型アンケートの本質を理解してくれる」って、プロジェクト前から安心していましたね。

たけさん『qualva』のようなアンケートシステムはLIGがやりたかったスタイルそのものでした。これならば、「答えやすい」「ストレスが少ない」「本音を引き出せている」といった、これまでの課題をクリアしたアンケートコンテンツが作れるなと思ったんです。

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のんちゃん確かに、せっかくお金をかけてアンケート調査をするなら、本音で答えてもらいたいですもんね。

岩崎さん今回のLIGアンケートの結果を見て、データ収集だけを目的としたアンケートなんてもう古いと実感しました。だから、アンケートを実施する側は一対多(いちたいた)のコミュニケーションツールとして位置付けるよう、もっと考えるべきなんでしょうね。

たけさんのんちゃんはどうでした? LIGのアンケートをやってみた20代の若年層として。

のんちゃん面白かったですね! 途中でタマネギやニンジンが出てきて「これをどうしていくんだろう」って思いながら、最後までアンケートに答えていったという印象です。

岩崎さん楽しんで答えてもらうってところが大事なんですよね。どんな合いの手が飛び出してくるかわからないワクワク感を含められたLIGのシナリオは、予想以上の結果に繋がりましたね。

たけさんシナリオの骨子はゴウさんや紳さんと作っていったんだけど、ゴウさんから「アンケートに答えてくとカレーができるって面白いよね」ってアイデアが出たときはびっくりしました。普通は考えつかないし、考えついても採用できないですよ(笑)。でも、LIGがやるならアリだなと。

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▲2016年8月29日(月)に開催されたLIG初のファンイベント「カレー大感謝祭」。
アンケートから約1400名ものLIGファンが応募してくれた。

岩崎さん素晴らしいイノベーションですよ。答えるとカレーができるアンケートなんて、どの国にもない発想でしたから(笑)。しかもカレーを食べるリアルイベントまでやっちゃうんだから、LIGの発想って本当に面白いって感心しました。

のんちゃん結果的にかなりの回答率におよんだわけですが、今回のLIGアンケートで手応えは掴まれました?

岩崎さん十分手応えになりましたね。あれだけの回答率って普通じゃ考えられない。LIGと組んだからこその効果だったと思います。

たけさん反省点もありますけどね。「質問が多い」って声も聞かれたんですけど、質問項目についてはこれ以上どうしても削れなかったので。これは今後の改善点として生かしていければいいと思っています。

プロトタイプで露になった課題と対策

のんちゃんLIGらしいアンケートにするため、いくつかのアイディアを検討したんですよね。

たけさんLIGには個性的な社員が多いんですけど、前面には出ていながらキャラクターがイマイチ定まっていないきょうへいだったら使いやすいと考えて起用したんです。

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のんちゃんスベりキャラのきょうへいさんはやりやすかった?

たけさん最近スベりキャラが定着しつつありますよね(笑)。キャラが決まったタイミングで、ざっくりとしたシナリオを組み込んだアンケートのプロトタイプができたんです。それで社内テストしてみたんだけど、結果的に大変なことになっちゃっいました。

のんちゃんええ、大炎上でした(笑)。

たけさん面白さだけを意識したシナリオでは、語りがクドかったり、ストーリーが長すぎたりと、アンケートの回答に行き着くまでに離脱しちゃう人が多かったんです。ユーザーを楽しませつつもアンケートの回答完了までのフローをどう最適化するか、という課題が浮き彫りになりましたね。

岩崎さん何度もシナリオを修正しましたもんね。

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▲LINEなどのように、きょうへいと対話する形で進むアンケート構成となった。
たけさん対話については、回答に対してきょうへいが合いの手を入れてくるのを序盤のみの設定にしました。序盤で「対話形式なんだ」と認識してもらったら、あとは設問と解答だけというシンプルな構造にしたんです。これで、[回答までのハードルを低くすること]と[テンポよく進められること]の両立が実現できました。

のんにゃんシナリオ以外でもこだわったところはありますか?

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▲回答者がストレスなく進めていけるよう、レスが出るタイミングまで細かく調整された。
たけさん一番こだわったのは、「本当にチャットで対話しているような間合い」にすること。そのために、LINEやFacebookのメッセンジャーのように吹き出しを画面の下付きでスクロールしていくように変更したり、吹き出しの出るタイミングもミリ秒単位で調整しました。あとは基本的な文字サイズや余白の調整など、UIモジュールもイチから設計し直しました。

岩崎さん挙動は多くの人が使い慣れたチャットアプリに限りなく寄せて、入力は直感的に自分の吹き出しのなかで操作してもらう。この二つを切り分けたのが結果的に正解でしたね。

イノベーションにつながる手応えを得られた

▲LIGアンケートの集計結果(2016年9月16日現在)。
タップした29501人のうち、8265人が最後までご回答いただき、コンバージョン率は28.0%に及んだ。
のんちゃんLIGアンケートの解答率は上記のように、驚くべき数字を生み出しました。

岩崎さん:「LIGってすごいな」と(笑)。いろいろと試行錯誤を重ねたアンケートだったので、これだけ反応していただけたのはただただ嬉しかったです。

たけさん:これだけいい反応が出たのって、フォームのデザインやシナリオを通して「アンケートに答えていくと何かが起こるんだろう」というワクワク感を生み出せたことでしょうね。このアンケートに限らず、既存コンテンツのユーザー体験をあらためて考え直すいい機会にもなりました。

のんちゃんゆるキャラを持っている自治体やマスコットキャラクターを持つスポーツクラブのウェブサイトに設置されていると面白そうですね。

岩崎さん:キャラクターものとの親和性は高いでしょうね。タレントを起用するのも面白いかと。

たけさん:このフォームには、そういう可能性の広がりを感じますよね。

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岩崎さん:「キャラクター」と「ストーリー構成」が組み合わさることで、ユーザーのインプットを誘導していけるんですよね。それによって、より多くのデータを集められるんです。それも、限りなく本音に近いデータを。こうした”生きたデータ”にこそ、それぞれの企業が抱える課題を解決するためのインサイトがあるはずです。

のんちゃん今回のLIGアンケートって、これまでだったらマーケティングリサーチ会社に依頼してデータ収集をしてもらうという流れになっていたと思います。それが、メディアとして直接ユーザーに問いかける形式で対話し、貴重な声をいただくことができました。今後、こういうケースは増えていきそうですね。

岩崎さん:そうですね。マーケティングリサーチは今後、自社のオウンドメディア等のプラットフォームでシンプルに完結する形に進展していくでしょう。アンケート調査料って実際はすごい額に及ぶのですが、「そんなに(費用が)かかるならアンケートはやめよう」って諦める企業が多かったんです。この『いいフォーム』を活用すれば、第一に費用が抑えられますし、しかも自社の顧客から上質なマーケティングデータを直接手に入れられるんです。

たけさん:もうひとつの強みが、フォーム導入の際にLIGがシナリオ設計からデザイン制作までトータルでプロデュースすることですね。今回のLIGアンケートは、実施するまで相当の時間と労力を割いたわけですが、ここで得られたノウハウをさまざまな企業やサービスにも対しても展開できるんです。

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岩崎さん:確かに、LIGがプロデュースしてくれるのは心強いですね。

たけさん:あと、このフォームなら自社サイトだけでなく、他のメディアサイトのコンテンツ上にも設置することができるんです。

岩崎さん:いわゆるPR企画になりますが、とある製品やサービスの記事が某ウェブメディアに掲載される際、そこにこのフォームを設置し、アンケートや問い合わせを直接受け付ける……ということが可能になります。さらに『qualva』は収集したデータを別のPR記事に直接埋め込んで、調査ファクトとして皆さんに公開できるシームレスな設計になっています。ちょうどこの記事に埋め込まれているグラフがそれですね。

のんちゃん今までとは違う、まったく新しいPR方法ですね!

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たけさん:このフォームって、アンケートだけでなく問い合わせや申し込みフォームなど、その他の用途にも応用できるんです。だからこそこのフォームの特性を最大限活用し、高いコンバージョンの獲得と良質なデータを取得できるようにしたいですね。

岩崎さん:有り難いことに、この件に関してのお問い合わせってほぼ毎日いただいているんですよ。LIGを見て「あのアンケートシステムって販売しているんですか」、「こういうのが欲しかった」という嬉しい声もあるんです。『いいフォーム』が新たなイノベーションを生み出すツールとして、いろんなウェブサイトで取り上げられるようになれば、ウェブサイト間でのデータ連携も含めてもっと面白いことができるようになってくると思いますよ!

まとめ

質問に答えるごとに具材が出てきて、進んでいくとカレーができてしまう……という、きょうへいさんのふざけたようなアンケートフォームはわたしのすぐそばで開発されていたのですが、その裏側でこんなに綿密な設計が行われていたとは、想像もつきませんでした。驚かされる話が盛りだくさんで、刺激的な対談となりました。先日のLIGアンケートへの回答率の高さも、こうした取り組みと試行錯誤の末のものなんだと感じ入るところです。このレベルでの仕事ができるようにならねば!

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