こんにちは! メディア事業部のトギーです。
リスティング広告を運用していると、アクセスが集まらなかったり、費用対効果が悪くなったり、いろんな課題が出てきますよね。
代行会社に頼んでも、効果が上がらず「きちんと運用してくれているのか?」と疑問を抱くことも少なくないはず。
では、どうすればリスティング広告の費用対効果をよくできるのでしょうか?
その秘訣を知るべく、リスティング運用のプロである株式会社リスティングプラスの代表取締役を勤める長橋さんにお話を伺いました。
株式会社リスティングプラス 代表取締役 長橋 真吾 某大手営業会社を退社し、インターネットビジネスの世界に飛び込む。Webマーケティングの担当として、コピーライティングや、リスティング広告含めたネット集客担当として従事する。リスティングプラスの基盤を作った代表。セミナー講演やアカウント運用、新規WEBサイトの立上げ、リピート戦略、ランディングページ制作などすべてを立ち上げから行ってきた。 |
▼目次
なぜリスティング広告のCPAは上がってしまうのか?
最初はCPAが悪くて当たり前!? リスティングのCPAは“良くする”ことから始まる
リスティング広告に限らず、Web広告のほとんどが仮説からスタートします。最初からその仮説が当てはまればいいわけですが、そう簡単にはいきません。どんなキーワードが検索されやすいのか、どんな広告文がターゲットに刺さるのか、実際にはやってみないとわかりません。
一度設定しただけで結果を判断し、「リスティング広告は高いからダメだ」と考えるのは時期尚早。仮説の良し悪しを検証するところがスタートだと思ってください。
流入が安定するまでは、毎日調整をすべし
リスティング広告を始めたばかりの頃は、こまめに状況を確認し調整することが求められます。狙ったターゲットを集められているか、クリック率は問題ないか、クリック単価は適切かなどをチェックしましょう。
最初は、この検証作業は毎日行います。毎日が難しければ、2日に1回はチェックしたいところ。流入やCVが改善し、安定した後であれば週次でも大丈夫です。自社の商品やサービスに合った検証サイクルを模索してみてください。
リスティング広告は、管理画面でいつでも入札単価やキーワード、広告文を変更できます。つまり、こまめな検証作業を怠らなければ、CPAを改善するチャンスが多い広告手法なのです。
では、具体的にどのように運用すればよいのでしょうか? 効率的なリスティング広告の運用方法についても、リスティングプラスさんに伺いました。
リスティング広告の費用対効果を最適化! 運用の7つのポイント
リスティング広告の代表格であるGoogleアドワーズとYahoo!プロモーション広告は仕組みは、次のようになっています。
アカウントは「キャンペーン」に分けられ、さらに「広告グループ」に細分化されます。その広告グループに「キーワード」や「広告文」を格納していく構造です。このレイヤーごとに適切に運用することがCPAの改善の近道です。
それでは、各レイヤーごとに効率的に運用するためのポイントをご紹介します。
1. キャンペーン編
キャンペーンは、予算配分やデバイス設定ができます。予算配分は、ターゲットに合わせて細分化していきましょう。基本的な考え方は、コンバージョンに近いターゲットから遠いターゲットへと区切ります。「今すぐ客」「見込み客」「潜在客」といった分類ですね。
さらにキャンペーンでは配信する地域を絞り込んだり、曜日や時間帯別に広告配信スケジュールをセッティングしたりできます。地域マーケティングが必要な商材であれば、キャンペーンを地域別で細分化します。
ただし、単に細分化すれば良いわけではありません。細分化して「検証できるだけのアクセスが集まらない」「コストがかかりすぎた」なんてことも。予算との兼ね合いもお忘れなく。
2. 広告グループ編
続いて広告グループの分け方です。ここでは検索クエリを視野に入れ、「どんなニーズをもった人が、どんな情報を期待して、どんなキーワードで検索するのか」を想定したグルーピングが求められます。
例えば、『肌にやさしい洗顔石鹸』を販売するとします。
狙うキーワードは、[美肌 石鹸]や[美肌 洗顔]が考えられます。この2つのキーワードは似ていますし、どちらも購入に近い層を集められそうです。しかし、検索時のユーザーの心情を考えてみると、ある違いが見えてきます。
[美肌 石鹸]と検索したユーザーは、石鹸がほしい、あるいは石鹸の情報がほしいと考えられます。具体的な商品イメージをもっている可能性が高そうですね。その一方で[美肌 洗顔]と検索するユーザーは、洗顔商品をほしいと思っているかもしれませんが、洗顔方法を知りたいだけかもしれません。具体的な商品イメージをもっているとは限らないわけです。
クリック率を大きく左右する広告文は、この広告グループ単位で設置されます。グルーピングは、ユーザーの心理と合致しているかでCPAに直接影響します。もし現状のリスティングの成果がおもわしくなければ、広告グループの分け方に問題がないかを見直してみてください。
3. キーワード編
いよいよリスティング広告の核を握るキーワードの設定です。まずキーワードの設定には「マッチタイプ」という概念が必要です。
マッチタイプの種類は大きく4つ。縛りが強いものから順に、「完全一致」「フレーズ一致」「絞り込み部分一致」「部分一致」があります。戦略に合わせて使い分ける必要がありますが、スタート時はまず「部分一致」から始めるのがおすすめです。
部分一致は、入札したキーワードに限らず、関連しそうなキーワードにも自動で広告を表示します。チャンスロスを減らすことができると同時に、細かな設定が必要ないので運用コストの削減にもつながります。ただし、好ましくないキーワードから流入を増やす可能性もあるので覚えておきましょう。
例えば、「肌にやさしい洗顔石鹸」を販売するために、[美肌 洗顔]というキーワードを部分一致で入札したとします。すると[美肌 マッサージ]という検索結果にも表示されかねません。マッサージをしたい人に洗顔石鹸をおすすめしても売れそうにありませんよね。不必要なキーワードは一つひとつ除外しなければなりません。
このように無駄なコストをかけたくない場合には、キーワード設定を最小限でスタートするのも有効な戦略です。確実にコンバージョンを狙えるキーワード(上記の例であれば、[洗顔 石鹸]など)だけを設定して流入を確認します。その後、自動で拡張されたキーワードからCPAの良いキーワードをピックアップし、新しくキーワードを設定していきます。そうすれば、無駄なキーワードにコストを支払うことなく、確実に成果を狙えます。
4. 入札単価編
日々の運用でもっとも調整が必要とされるのが、入札単価です。
他社参入やトレンドの移り変わりで、クリック単価は日々変動します。厳密なクリック単価は入札単価と品質スコアによる複雑な計算式で決まっていますが、入札単価を上げればクリック単価が上がる構造になっています。
自社広告が検索結果にきちんと掲載されているか、望ましい順位に位置しているのか、つねにチェックが必要です。入札キーワードの単価相場を把握しておくことも大切。予算では届かないような高値のキーワードで入札しても勝ち目はありません。リスティング広告を開始した直後はほぼ毎日、少なくとも2日に1回は確認し、調整していきましょう。調整はリアルタイムで可能です。
5. 広告文編
広告文はグループ単位で指定できます。
キーワードはいかにアクセスを集めるかを重視すればよいですが、広告文はクリックだけでなく、「それはコンバージョンにつながるのか?」という視点も忘れてはいけません。そのバランス、つまりは最終的なCPAを確認しながら最適化していきましょう。
広告文を最適化する方法は、ABテストをくり返すしかありません。まず、その商品が強いと思われる訴求軸別に広告文をつくってみましょう。
例えば、価格推しの広告文と、効果推しの広告文をつくります。
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【価格訴求】 業界最安値!手軽にツヤ肌手に入れるなら『美肌石鹸』
【効果訴求】 満足度90%!「赤ちゃん肌になった」と絶賛『美肌石鹸』
クリック率やコンバージョン率から、効果の高い訴求軸を採用し、新しくABテストを行います。もし【効果訴求】が好まれたなら、違った角度で効果を推した広告文をテストしていきます。
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【効果訴求A】 満足度90%!「赤ちゃん肌になった」と絶賛『美肌石鹸』
【効果訴求B】 肌の潤い10%アップ!ヒアルロン酸で若返り『美肌石鹸』
このとき大切なのは、競合優位性のある訴求を打ち出せているか、です。リスティング広告の競合が多い商材であれば、他社と同じような文言を設定してもクリックされません。他社に負けないポイントをうまくテキストに盛り込んでいきましょう。
統計学上、ABテストの結果を判断するには最低300アクセスが必要だと言われています。広告文テストを行う際、キャンペーンごとに広告文のテンプレートをつくりましょう。そうすれば検証に必要なアクセス数を早く集めることができ、PDCAをすばやく回すことができます。
6. 品質スコア編
リスティング広告で掲載順位を上げたいとき、入札単価を上げれば良いと思っている方が多いのですが、これは誤りです。掲載順位には「品質スコア(インデックス)」という要因も関係しています。
リスティング広告の掲載順位は次のような計算式で決定されています。
入札単価だけではなく、入札単価と品質スコアの掛けあわせで掲載順位が決まります。
品質スコアとはその広告の質を10段階で評価したもの。その決定要因は次のように言われています。
ほとんどがクリック率で決まっていますね。クリック率はそもそもリスティング広告の生命線。キーワード選定や広告文のABテストなどを繰り返すことでクリック率を上げていけば、入札単価を抑えたまま掲載順位を上げることができるわけです。
次に大きな割合を占めているのは「検索に対するキーワードと広告文の関連性」ですが、これは検索キーワードが広告文に入っているかという単純な指標から評価されます。特別な意図がないかぎり、広告文には検索キーワードを入れる(タイトルイン)ことを徹底してください。
ただし、10段階だからといって「10」の満点スコアを目指す必要はありません。そもそも仕組みの関係上、どんなことをしても満点を取れないキーワードも存在します。「5」以上を目安に、改善を進めていきましょう。
7. デバイス別設定編
Googleアドワーズでデバイス別に表示を変えようとしたとき、これまではPCを基準として調整するほかありませんでした。しかし2016年7月のアップグレードにより、タブレット、スマホそれぞれの調整率を個別に設定できるようになりました。
つまり、PC、タブレット、スマホ別に広告を完全に出し分けることが可能になりました。設定方法は次の通りです。
「設定」→「デバイス」→「入札単価調整率」で各デバイスの単価調整率を-100%~+900%の値で設定できます。スマホだけに表示したいならスマホの単価調整率を+900%に、PCとタブレットだけに表示したいならスマホの単価調整率を-100%にするなど、工夫してみてください。
今や、PCよりもモバイル端末での検索が多い時代。ユーザー行動に合わせ、デバイス別に戦略を立てていきましょう。
今のリスティング運用で大丈夫? 見直しておきたいチェックリスト
これまでに学んだことを踏まえ、リスティング運用で必ず見直しておきたいことをチェックリストにまとめてみました。
ここで「代行に任せているから大丈夫」と安心するのは禁物。代理店がこのチェックリストをこなしているとは限りません。社内運用している方はもちろんのこと、代行運用の方もぜひチェックしてみてください。
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長橋’s アドバイス 運用次第でまだまだ伸びしろを見つけられそうです。このチェックリストも活用しながら、こまめな検証と改善をくり返してみてください。 |
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リスティング広告の運用の基礎的な話をしてきましたが、学びや発見はありましたでしょうか?
リスティング広告には、これをやれば絶対に上手くいく運用方法は残念ながら存在しません。日々、様々な角度から分析を行い、改善計画を立て、調整を積み重ねていくことで売上アップへと結びつきます。ぜひ、この記事を参考に日々の運用に役立てていってくださいね。
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それでは、また。