こんにちは、LIGセールスマネージャーのイシケンです。
LIGのセールスチームでは、部下のよすけがテレアポ(テレマーケティング)を駆使したセールス活動を行っています。悪くはないリードを獲得してくるのですが、実際にテレアポをかけているさまを見ていると、もう少し精度を上げれば成果を高められるのでは? と思ってしまうのです。
そこで、電話を活用したインサイドセールスを行っている株式会社WEICの青木達也さんに、より確度の高いリードを獲得するためのテレアポのコツを伝授してもらうべく、お話を聞いてきました。
青木 達也 株式会社WEIC 執行役員。過去8年間、500社を超える企業にて、営業戦略の構築・アウトソースによる営業活動の実施を始めとした、クライアントの営業支援プロジェクトに関わる。顧客0からの新規開拓、新たな切り口での新規営業企画・営業手法の提案を得意とする。 |
目次
まずはWEICが手がけているインサイドセールスについてお聞きしました。
インサイドセールスとは
インサイドセールスの和訳は「内勤営業」で、顧客の元へ直接伺う訪問営業(アウトサイドセールス)と役割を明確に分けたセールス形態を指します。つまり営業の業務を分業化し、「電話」「Eメール」「DM」を駆使した内勤を中心としたセールス展開で、より良いリードの獲得を狙うものです。アメリカではこういったセールスの分業化は何年も前から執りおこなわれており、2013年には47.3%のアウトサイドセールスに対して52.7%がインサイドセールス化する(2013年時点 insidesales.com調べ)など、その効率の良さと効果の高さが評価されているのです。
WEICでは主にテレマーケティングを中心としたインサイドセールスの代行をおこなっていて、当社独自のテレアポのコツやノウハウを駆使して確度の高いリード獲得に努めています。今回はその取り組みを「初級」「中級」「上級」の3段階で構成し、テレアポの極意をご紹介しましょう。
テレアポのコツ:初級編
テレアポでのセールスを展開していく上で第一歩となるのは、「電話営業に慣れましょう」です。これはすなわち、「断られることに慣れる」ということでもあります。これに取り組むうえで、3つの「やってはいけないこと」があります。まずはここから学んでいきましょう。
1, 言葉遣いは丁寧に
電話をかけるときのマナーとルールを知っておかなければ、相手から怒られ、傷つくことになります。お客様への伝達手段が言葉遣いだけになってしまう電話営業だからこそ、言葉遣いに注意しなければなりません。基本的なマナーは以下の三点です。
- 1, ハキハキと聞き取りやすり喋り方を心がける
2, 「あのー」「そのー」などの感嘆語を使わない
3, 自分が喋っていて意味の分からないことは言わない
1,と2,は淀みなく聞き取っていただくための初歩中の初歩です。3,は自信のなさから要点がぼやけてしまい、相手をイラつかせてしまうケースを指しています。自分が見知らぬ人から突然電話を受け取ることを想像しながら、相手に嫌悪感を抱かせぬようハキハキと自信を持って喋ることを心がけましょう。
2, 用件は何なのか 結論を先に言おう
私自身も実際に電話営業を受けることがありまして、そのほとんどは「用件を先に言わない」のです。断られたくないがために前置きを入れて電話を長引かせているだけで、結果的には逆効果なのです。回りくどい言い方で相手の時間を2〜3分も浪費させてしまったら、お互い時間の無駄になってしまいますし、悪い印象しか残りません。まずは結論から伝えましょう。
- NG例
- 「今お時間よろしいでしょうか? わたくし株式会社LIGの◯◯と申しまして、上野にあるWeb制作会社でして、前と後ろに出入り口が二つありまして……」
- OK例
- 「こんにちは、株式会社LIGと申します。弊社はWebマーケティングに特化した会社でございまして、本日は御社のWeb広告のリード獲得のお役に立ちたいと思いお電話をおかけしました。具体的には◯万円で◯万PVを保証するサービスがありまして、ご検討の余地があればお話したいのですが」
こうして結論から伝えれば、30秒くらいで伝え切れるので電話を受けた方も用件を短時間で汲み取ってくれます。
3, リサーチのつもりでかけよう
電話営業でお断りされることが多いのは当たり前。断られたと言っても、相手は電話をかけてきた当方を嫌っているからではなく、ニーズがないから断っているのだと理解しましょう。断られることを気にしてしまうのは、その電話営業で「いきなり売ろう」としているから。それはあまりに高望みしすぎです。
電話営業の基本は、リサーチを前提とすることにあります。「テレアポ100件のうち、どれくらいニーズのある商材なのかをリサーチする」というマインドで電話をかけ、電話口でニーズがあるとリサーチできたら、さらに深いリサーチに行く……という展開をイメージして、アポを取りに行きましょう。
ここでポイントとなるのが、相手目線で表現することです。
「御社にはぜひお耳に入れたいと思い、お電話しました」
「御社ならこの商材が向いてそうだと思ったので、お電話しました」
など、相手が「自分にとって良い電話をしてくれている」と感じられる内容であれば、相手の反応がナーバスになることはほとんどなくなり、気持ちが一気に楽になります。
「当社はこんなサービスを提供しております!」
「**が**で**がこんなにいいんです! 興味あるでしょ!」
こういうトークをされては、相手は「売り込まれているな」としか感じなくなってしまいます。「自分のために電話をかけてくれたんだな」と思ってもらえるような言い回しや伝え方を考え、スムーズな会話ができるよう心がけましょう。
テレアポのコツ:中級編
続く中級編では、より確度の高いアポを獲得するためのコツを学びます。自身が取り扱う商品を適切な部署、適切な担当者にしっかりとリーチさせ、その担当者にメリットがあることをきちんと伝えられるようにしましょう。
1, 受付突破するにはペルソナ設定が大事
なかなかハードルが高いのが受付突破。テレアポの効率を上げるためには、ファーストコンタクトとなる受付の担当者にこちらの目的と意図を理解してもらい、適切な部署につないでもらわなければなりません。そのための第一歩が、受付の方でもメリットがある話だと思ってもらうことです。営業電話だと思われると取り次いでもらえない可能性が高くなるので注意しましょう。
そして、取り次いでいただく際は適切な部署・担当者へつないでもらいましょう。例えば、Web広告を担当されている方とTV広告を担当されている方が違うこともあります。自社商品を買ってくれそうな相手を細かく想像し、そのペルソナが従事している仕事・業務を受付に伝えましょう。
ペルソナの設定が曖昧だと、思惑とは違った担当部署につながってしまい、話が噛み合わずに可能性そのものをなくしてしまいかねません。逆に狙いどおりの担当者や担当者に近しい人につながると、確実に次へとつながるのです。
2, BANT条件に基づいたヒアリングをしよう
営業案件をセグメントし、フォーカスする項目を表した「BANT条件」。
- BANT条件
- Budget:予算は設定されているのか?
Authority:相手は決裁権を持っているのか?
Needs:ニーズがあるのか?
Timeframe:導入時期は決まっているのか?
もともとは合理主義のアメリカで生まれた考え方なのですが、そのまま日本のセールスシーンに取り入れてもなかなかうまく当てはまりません。なので、全部をリーチさせていくのではなく、日本流に緩くアレンジし、4つのなかのどれかひとつをヒアリングするようにしましょう。BANT条件に合わせて確認をすれば、行くべきアポなのかそうでないのかの目安がつけやすくなります。会社によって優先順位は異なりますので、優先順位を見極めるのがポイントです。
例えば、100万の商品を売ろうとしているのに、予算が20万しかないことが明らかな場合は、アポを取っても無駄な営業になります。逆に、予算が特に設定されていなくてもニーズがある場合は、営業次第では予算を取ってくれるかもしれません。そうなれば、「初回の訪問時にある程度具体的な提案書を持って行こう!」となります。この際に、決裁者が同席するもしくはしてもらえるようであれば、予算が設定されていなくても購入に結びつく可能性は高くなるでしょう。
このように、BANT条件に基づいたヒアリングをすることで、確度の高いアポが取れるようになり、無駄な営業も減らすことができます。このあたりをしっかり意識してヒアリングするようにしましょう。
3, ギブアンドテイク 相手から聞く前に自分の情報を提供しよう
相手から情報をヒアリングするときは、必ずこちらから先にひとつ情報を出すようにしましょう。先に情報を出すことにより、相手に答える理由ができ、確度の高いヒアリングができるようになります。
- NG例
- 「予算ありますか? どれくらいありますか?」
- OK例
- 「100万だとこれくらいの効果が期待でき、300万だとこんな感じ、500万だとこのくらい御社にとって効果がでると思うのですが、どれか当てはまりますか?」
いきなり予算を聞き出すのではなく、こちらである程度想定したプランをいくつか用意しておき、そのプランと期待される効果を説明しながらヒアリングを行うのです。そうすると、話の流れから自然と先方の予算感が判明します。何も分からない状態で予算だけ聞かれるというのは、相手からすればただただ怖くなるだけで、扉を閉ざされてしまうことにもなります。まずはこちらが先に情報を出して不安を払拭し、次の話へとつなげていくことを心がけましょう。
【目から鱗】WEIC流 門外不出のトークスクリプト大公開!
LIGブログの記事広告を売るテレアポという想定で、WEICさんにトークスクリプトを作成してもらいました。ほかにもお役立ち資料がありますので、是非参考にしてください。
テレアポのコツ:上級編
初級、中級では押さえるべきところを押さえることに注力しましたが、それでも断られることが多いのがこの電話営業。しかし、リードが獲得できなかったからといって電話営業が終わるわけではありません。最初のコンタクトでご縁がなかった顧客に再びテレアポをかける日が来ることを想定し、そのためにやっておかなければならない取り組みをご紹介します。
1, ターゲットリストを枯渇させないつなぎ方
常に予算に追われている営業職の方々は、ついつい目先の売り上げを狙いがちです。新規のターゲット先を常に探してしまいますが、ターゲットリストには限界があっていずれ尽きてしまうので、同じお客様に対していつかまた営業せねばなりません。そのためには、一回限りの営業活動で終わらせないことを意識した電話営業が必要となります。
つまりは、改めて電話をかけたときに悪い印象を抱かれていない終わり方をするということです。適当な電話の切り方をすると、相手に感情的なしこりを残してしまいます。どういう結果であれ、また次に電話をかけることを考えて丁寧に切る。それがテレアポ上級者が取る施策です。
2, 同じターゲットには半年を目安に再アプローチを
営業のノルマは止まらない……だから電話をかけ続けなければなりません。以前コンタクトした企業に同じ商材でアプローチをするなら、半年以上期間を開けるようにしましょう。人事異動など企業の体制が変わる目安が半年とされていて、新しい担当者に変わっていればフレッシュな状態で話をすることができます。逆に、短い期間で同じ担当者に同じ内容でセールスをかけても「この前断ったじゃないか!」といったクレーム案件になってしまうこともあります。
もし半年以内に同じ会社に電話をかけるなら、アプローチする顧客の商材・サービスを新しいものにするか、部署を変えましょう。例えばLIGブログであれば、以前は広告の部署に電話したが、今度は人事に変え、採用関連のプロモーションで活用してもらえないかアプローチする……などです。
3, これまでの活動をデータ化しよう
一回限りではなく、アプローチを複数回するうえで必ず必要になるのがデータ管理。[テレアポした日時][先方の担当者名][具体的な内容]といった情報をエクセルでも何でもいいのでログを残しておきましょう。個人はもちろん、チームで共有できるデータがないと、かける人が変わるたびに毎回リセットされてしまい、非常にもったいないです。
例えば「来季だったら予算がありますので」と断られた企業があった場合、その内容が具体的にわかる情報が残っていれば、半年後にあたるそのタイミングで実績に結びつけることができますよね。逆にそのログが残っていないと、せっかくの機会を逃してしまうことになります。
テレアポのコツ:まとめ
「かけても断られる」「傷つき辛い思いをする」などとネガティブなイメージを抱きやすいテレアポですが、上記の内容を元に取り組めばより良い結果を導き出せます。「初級」「中級」「上級」とカテゴライズした内容はテレマーケティングの観点で見ればすべてリンクするので、全部をうまく取り入れなければ効果が発揮できないのも事実です。WEIC社員はこれを基礎に業務に取り組んでおり、ここには書けないノウハウも数多く所有しております。
まずは社内で取り組んでいらっしゃる電話営業の内容そのものを一度見直して、チャレンジしてみてください。そのうえでより確度の高いテレマーケティングをご希望される際は、お気軽にWEICに問い合わせていただきたいですね。
テレアポのコツを聞いてみて
……というわけで、WEICさんで学んできたテレアポの極意をお前に伝授する!
なるほど、この取り組みなら確度の高いリードが獲得できそうです! 俺、頑張るっす!
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(こいつの成果が思わしくなかったら、WEICさんに代行をお願いしよう……)
>> 成果コミット型インサイドセールス「SALES BASE」サービスサイト
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