株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティング(以下、BTC)は、業界を牽引するビッグクライアントのシステム戦略パートナーを担っているSIer企業です。
代表取締役社長の杉山健氏は、世界最大のコンサルティングファームであるアクセンチュアにて、最年少の33歳でエグゼクティブパートナーに昇進したコンサルタント。そのため、勝つビジネスに寄り添うシステムづくりを可能にするべく、企画開発から運用保守までの大規模プロジェクトを一次請けで手がけることにこだわりをもっているようです。
サービスをつくるエンジニアについて「ユーザーの反応がやりがいだと感じるなら、B to Bでやったほうがいい」と語る杉山氏。独自の開発姿勢から見える、SIerエンジニアのやりがいについて、お話を伺いました。
※SIer(システムインテグレーション):システムインテグレーション(SI)を行う業者のことである。システムインテグレーションとは、システムを構築する際に、ユーザーの業務を把握・分析し、ユーザーの課題を解決するようなシステムの企画、構築、運用サポートなどの業務をすべて請け負うことである。
引用元:SIer
人物紹介:杉山 健氏 1993年5月新卒でアンダーセンコンサルティング(現:アクセンチュア株式会社)に入社、2004年9月エグゼクティブパートナー昇進、2009年9月アジア太平洋地区経営会議メンバー昇進、2012年4月退職。アクセンチュア時代は主として公共サービス・医療健康本部にて官公庁を対象とした大規模システム開発、コンサルティング業務に従事。2012年6月にBTCに入社し、2015年6月に代表取締役に就任。 |
「人の生活に馴染んで文化となっていくような」世の中にインパクトを与える仕事がしたかった
杉山氏が代表取締役社長に就任したのは2015年6月のこと。現在では約80名の社員数を誇るBTCですが、前代表が同社を創業するきっかけとなったのは脱サラでした。
- 杉山
- BTCは、僕と同じようにコンサルティング会社でサラリーマンをやっていた前代表の大木さんが一人ではじめた会社です。
大木さんはサラリーマン時代に、いわゆる最年少社長を目指して毎日奮闘していたんです。そんなある日、上司から「スーパーマンを優遇する会社ではなくて、チームとして平均的に成長していきたいんだ」と言われてたそうで。
成長志向だった大木さんは価値観の違いを感じて、その会社を辞めて独立しました。平均主義的な考え方が合わなかったんですね。友人の手伝いもしながらですが、3年ほどはごく少数で開発とデザインの受託をやっていたそうです。
組織の歯車から離れ自分の手で仕事をつくりだしていくうちに、売上は1億を超えるほど順調に伸びていったそうです。そして、2004年の当時IT業界の規模は拡大を続けており、仕事の引き合いがなくなることはありませんでした。
- 杉山
- 順調に仕事の請けていく中で「もっと会社を成長させて、社会にインパクトを与えるモノづくりがしたい」という気持ちが膨らみ、大木さんは3期目で社員を積極的に増やしたんです。
会社が小さかったころは、チームメンバーの人間性や信頼関係で仕事の発注があったのですが、やはり世の中に影響を与えるには人の手が足りなかったんです。
情報技術を扱う仕事をしていれば、より多くの人が使うプロダクトやサービスをつくりたい。人の生活に馴染んで文化となっていくようなモノづくりをしたい。そう思うようになったそうで。
しかし、“文化をつくっていくような”サービスづくりという夢を叶えるためには、当時の会社規模では及ばないほどの売上と社員数が必要だったそうです。
- 杉山
- 会社は順調に成長していったのですが、10期目を迎えるころに売上10億円の壁にぶつかったんです。私がBTCに入社したのもこの頃でしたが、このままでは平均的な中小零細企業で終わってしまうかもしれないと思いました。
会社全体が勝ち方を忘れて、自信をなくしてるタイミングだった。そこで私は事業計画としては絶対にいけないパターンをあえて書きました。3年の間で、最初の2年は届くか届かないかくらいの目標値にして、3年目はぐぐっと大きくジャンプするような数値にしたんです。
コンサルタントの経験から数々の事業計画を目にしてきた杉山氏は、あえて“絶対にいけない”事業計画書を書くという選択をします。すでに安定した売上があったBTCをさらに押し上げようとした理由とは、何だったのでしょうか。
- 杉山
- 3年後ってすごく近い未来なので、調子が良ければ伸びるだろうと思いがちなんですよ。でも実現するのはとてもむずしい。だけど僕はこれだけ素晴らしいタレントが揃っている会社なら成功するはずだと自信がありました。
それまでは中途採用しかやっていませんでしたが、新卒採用もそのタイミングではじめたんです。躊躇している背中を「いいからやろうぜ!」と押したかったんですよ。結果として業績は右肩上がりになり、会社がブレイクスルーしたポイントになりました。