こんにちは、LIGブログ編集部です。こちらは「インターネット広告から多くの顧客を獲得したい」と思っている人に向けての前後編の記事です。
さて、以前“「リスティング」「アフィリエイト」など最低限知っておきたい4種類のインターネット広告”という記事でも紹介させていただいたように、インターネット広告にはさまざまな手法があります。
しかし、実際に広告を見たユーザが申し込みに至るまでには、広告や検索結果をクリックした人の目的・要望に見合ったランディングページ(LP)を用意することが大切となります。そしてそのLPへ誘導させるための広告として、もっとも視覚的にユーザに訴求するクリエイティブがバナーです。
そこで本日は「バナーから顧客を獲得するために覚えておきたい広告クリエイティブの基礎まとめ」として、普段何気なく見ているバナーに関する基礎知識を紹介したいと思います。
▼目次
キーワード検索とバナー広告の違い
こちらの記事をご覧になっているみなさんは、Googleなどの検索エンジンからのキーワード検索、あるいはFacebookやTwitterといったSNSツールからのシェアにより来訪してくれたという方がほとんどだと思います。
つまり、記事タイトルにあるような内容について知りたいという顕在化されたニーズに基づき、この記事をクリックしてくれたということになります。
それに対しバナーによる広告は、もっと潜在的なニーズに対して訴えかけるものになります。
たとえばYahoo!などのポータルサイトにバナー広告が表示されていて、その情報(広告)に対し興味を持ったから、とクリックする人は、キーワード検索をした人に比べて、最初は明確な情報を必要としていない状態です。場合によっては、一切の興味がなかったかもしれません。
だからこそ、「この広告は、あなたに関係あるものです」「これは、あなたの話です」のように、見る人にまず“気づき”を与える、いわゆる当事者意識を高めるような注意喚起が必要になります。
(※実際はリターゲティング広告など、ある程度顕在化されたニーズに対してバナー広告を配信する手法もありますが、キーワード検索との比較で潜在的なニーズとみなします。)
バナー広告の評価指標
バナーの効果測定にはさまざまな指標がありますが、最も代表的なものがクリック率(CTR)になります。「クリックされた回数÷広告が表示された回数」で算出されるもので、この数値が高ければ高いほど、見た人に興味を持ってもらえるバナーであるということになります。
広告にはさまざまな種類があり、商品によっても大きく異なるため単純な比較はできないのですが、一般的にどれぐらいクリックされるかについては、以下の通りと言われています。
特にターゲットを絞らないバナー広告を、一般的なポータルサイトに掲載した場合、クリックレートはおよそ0.05%から0.1%程度であると言われている。この値は、インターネット初期にはものめずらしさも手伝って数%にも及ぶことがあったが、現在ではバナー広告が極めて一般化したこともあり、低下を続けている。
出典元:IT用語辞典 e-Words
つまり、100万回表示されて500回〜1,000回クリックされるぐらいが目安ということになります。意外に少ない、と思われる方も多いかもしれません。
しかし、たとえばこの率を1%にまで引き上げることができれば、1万回のクリックとなるように、クリック率をバナー広告のクリエイティブ(画像および言葉)で向上させることが大切となります。
また直接クリックはされずとも、認知獲得による後日の訪問促進など、ブランド広告としての機能を果たす効果もあります。そういった点からも、バナーに求められるのは視認性(目で見たときの確認のしやすさ)の高さとなります。
バナー広告のクリエイティブの基本
バナー広告で求められるものは、何よりも視認性です。美しいものよりも読みやすいものとなることを意識しましょう。
失敗例としてありがちなのが、ビジュアル面にこだわるあまり、逆に何を売ろうとしているのかがわからなくなっているバナーです。いくら綺麗な写真が使用されていても、何の広告かわからないバナーをクリックする人はいません。(たとえクリックしたとしても、すぐにクリック先から離脱されてしまいます。)
広告出稿者は商品やサービスのことを十分に知っているので、それがさらに見栄えがよくなるようなバナーを求めてしまいます。しかし大半のユーザは、バナーをじっくり見ることさえしません。
諸説ありますが、視界に入っている時間としても数秒程度でしょう。そのため、パッと見てすぐに目に入り、「これは興味がある!」とユーザが一瞬で理解できる画像と言葉を、バナー内にきちんと配置することが重要となります。
注意すべき3つのポイント
バナー作成の際の基本となるのは以下の3点です。
- インパクトのある文言またはデザインにする
- 掲載先のユーザに合った訴求のデザインにする
- 掲載先のページでどう目立たせるか(サイトとバナーが同系色になるなど、デザインが馴染みすぎると同化し、目立たなくなってしまいます)
あわせて、デザイン的な部分とは別に、以下の3つを心掛けるようにしましょう。
1. 漢字・カタカナ・ひらがな・英字・数字を組み合わせる
単語を単語として独立して見せることができるように、複数の種類の文字をうまく配置しましょう。少し極端な例を用いると、たとえばカタカナだけを多用してしまった場合、
- ニューリリースのアクセスデータアナリティクスツールでコンバージョンがアップ
という、パッと見ただけではよくわからない一文になってしまいます。バナーのような狭いスペースに文字を並べる場合、なおさらでしょう。これを、
- 申込み件数が1.5倍にUP!全く新しいアクセス解析ツール
などのように、漢字+カタカナ+数字+英字を並べると、読みやすさがアップしたことがわかります。
2. 文字の詰め込み過ぎを避ける
たとえば以下の2つの広告文については、文字量が大きく異なるにも関わらず、伝わる意味としてはほぼ同じものになるはずです。
- 無理して頑張って“変わる”のではなく、無理なく自分らしく“昔の自分に戻ってみる”
- “変わる”よりも“昔の自分に戻ってみる”
パッと見での読みやすさを重視するバナーにおいては、削ることができる文言はできるだけ削り、とにかくシンプルにすることを心掛けましょう。
たとえば「国内No.1」という文言が使えるのであれば、「最大」というような大きさを表す単語は重複になるだけです。「キャンペーン実施中」という文言は、「2,000円引き」などのように具体的なメリットのほうが、ユーザに伝わりやすくなります。サービス名や商品名も、社名ロゴだけ入っていれば十分、という場合もあるでしょう。
広告主側(商品やサービスの提供側)としては、あれもこれも訴えたい気持ちになるのは当然のことかもしれません。
しかし詳しいメリットや効果の説明などは、バナーをクリックした先のページに任せ、まずは最大の訴求ポイントが見る人にきちんと伝えられる文言となるような工夫をしましょう。
3. 必ずABテストをする
ある程度効果があるからといって、ずっと同じバナーを使っていては、それが本当に広告として有効に機能しているかどうかの判断はできません。別のバナーを使えばもっと効果がある商品かもしれませんよね。
そこで、複数のバナーパターンを用意し、実際にユーザがどのバナーをクリックするか、つまりABテストによる検証を必ず実施するようにしましょう。2パターンでABテストをする場合であれば、
- 一定期間同じ比率でバナー広告のAとBを掲載 → クリック率の高いほうを継続して利用し、低いほうを別のバナーと入れ替える → 再び一定期間比較検証
という流れを繰り返すことで、クリック率は改善されていきます。
また、ABテストでは、明らかにAとBの見た目が違う広告で検証することはもちろん、文言の一部や位置を変えただけ、という広告で実施することも大切です。
たとえば「国内最大」と「日本一」、「商品券」と「ギフト券」、「申込み」と「エントリー」などは、意味としてはほとんど同じ言葉です。しかし、どちらがより効果的な言葉かというのは、商品の特性によっても大きく異なるため、ABテストをしてみないことにはわかりません。
あわせて、業界内では効果的でも、対象ユーザにはあまり効果のない言葉、というものに気づくこともできます。特にマーケティング系のカタカタ用語は、シンプルな「売上○倍!」「申込み件数○%アップ!」という言葉と、どちらが効果的なのか検討してみることが大切です。
バナーのABテストに関しては、こちらの「サイト改善にも使える!バナーをABテストし、効果を検証してみた」という記事でも解説しておりますので、あわせてご参照ください。
バナー広告で「刺さる」ニーズと商品のマッチング
それでは続いて、ユーザのニーズを考え、答えを示してあげている広告の事例を紹介したいと思います。
たとえば夏に「北海道旅行」を調べている人にうまく「日焼け止め」の訴求をしてあげると(広告経由で)よく売れます。
一瞬「涼しいイメージの北海道でなぜ?」と思える事例ですが、北海道の草原などでは日差しを遮るものがないため、油断するとかなりの日焼けをしてしまいます。
また、気候の関係からシャツは上から羽織るため、さらさらしたタイプのものが重宝されます。
これはまさにユーザに答えを示してあげている広告の事例です。
そもそも「北海道旅行 日焼け止め」で調べるユーザはなかなかいません。そしてそれ以上に、そのバナーを見るまで北海道で日焼け止めが必要ということに気づいておらず、見ることではじめて「日焼け止めは買わなければいけないものだ」と(ある意味で)教えられるのです。
目立つという部分を除けば、クリック率の違いはユーザへの「手の差し伸べ方」から生まれるといえます。ポイントは、手を甲から引っ張るのではなく、逆からすっと手を差し伸べる形であること。
バナーに限らず広告の基本ともいえますが、一瞬しか確認されないバナー広告だからこそ、ユーザに手を差し伸べる言葉が「刺さる言葉」につながりやすくなります。
コンバージョン向上に関する補足
バナーのクリックからのコンバージョンを高めるポイントとして、比較検討されないようなクリエイティブに仕上げることがあげられます。
たとえば「比較」などの言葉を訴求軸としてバナー作成した場合、クリック率は高くなりますが、コンバージョンはそれほどではありません。なぜなら「比較」を好む人は、他のページも一通り調べることになるからです。
クリック率の報告レポートなどでは数字が良く見えるので見落としがちなので、注意してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
コンバージョンがとれないバナーやサイトの共通項として「自分の言いたいことを言ってしまっている」点が挙げられます。
ユーザは、納得・説得よりも、共感で動くものです。自分自身がユーザとなったときのことを考えてみると、わかりやすいのではないでしょうか。一瞬でパッと目に入り、それが自分に手を差し伸べてくれているものであれば、やはりクリックしてみようかなという気分になりますよね。
しかし当然ながら、バナー広告をクリックされただけではコンバージョンにはなりません。バナーから移動した先のLPでユーザを購買に正しく導くことができて、初めてコンバージョンになります。次回はそのあたりについてまとめてみたいと思います。
以上、最後までお付き合いいただきありがとうございました。それでは、また!
▼情報提供元:株式会社フォースリー
▼インターネット広告から顧客を獲得するための基本事項シリーズ記事(前後編)
- バナーから顧客を獲得するために覚えておきたい広告クリエイティブの基礎まとめ
- LPでコンバージョンを高めるために実践したい基礎テクニックまとめ【実例解説付き】
※Webプロモーションの事例も公開しています。
LIGのPR成功事例はこちらから!