こんにちは、LIGブログ編集部です。こちらは「インターネット広告から多くの顧客を獲得したい」と思っている人に向けての前後編の記事です。
さて、前回の記事ではバナー広告をクリックしてもらうために必要なのは、納得や説得ではなく共感を呼ぶクリエイティブであるということについて説明をしていきました。
しかしビジネス上で重要なのは、バナー広告がクリックされた先で、いかにコンバージョン(購買や申込み)を生みだすか、という部分です。
バナー広告の担当する領域は、あくまでもユーザの「注意」を集めるところまでです。クリックの時点では、まだ多くのユーザは購買や申込みといったところまでは考えておらず、「この広告は自分のことを言っているようだけど、何のことだろう?」と思っているような段階です。
つまり、コンバージョンを獲得したいのであれば、広告や検索結果をクリックした人の目的・要望に見合ったLP(ランディングページ)を用意することが重要となります。
そこで本日は「LPでコンバージョンを高めるために実践したい基礎テクニックまとめ」として、LPそしてLPO対策に関する基礎知識を、実例をふまえながら紹介していきたいと思います。
▼目次
LPO対策とは
LPとは、広告あるいは検索エンジンなどからリンクをクリックした際、最初に表示されるWebページのことです。
それはサイトのトップページかもしれませんし、ブログの記事ページかもしれません。しかし、特に広告をクリックしてくれたユーザに対しては、そこできちんと「関心」を持ってもらえるようなページを表示しないといけません。もっと言えば、ユーザに「自分が求める情報があるページだ」ということまでを瞬時に理解してもらう必要があります。
そのためには、しっかりとコンバージョンまでの導線が設計されたランディングページをリンク先として設定しておかなければなりません。そのようなランディングページの調整・改善のことをLPO(Landing Page Optimization=ランディングページ最適化)と言います。
SEO対策が検索エンジン最適化対策のことであるように、LPにも最適化対策は必要となります。
基本的なLPO対策について
LPO対策の基本は離脱を防ぐページにすることにあります。広告やSEOによって見込み客を誘導する先がランディングページとなるので、そこでコンバージョンに至らず離脱されてしまうということは、ページの設計のほうに問題があるとも考えられるからです。
広告の対象がわかりやすく準備されているか
まず一番最初に注意したいのが、ユーザが広告をクリックしたとき「あれ?違う商品のページ?」と思われてしまうようなページになっていないか、という点です。以下3点、当たり前に思われることかもしれませんが、必ず意識をするようにしましょう。
1. 商品・サービスがそこにあることがわかるかどうか
バナー広告やリスティング広告からの遷移先が、“その商品・サービスを紹介しているページである”ということがユーザに一瞬で伝わらないと、すぐに離脱されてしまいます。普通の人はよほど興味のあるものでない限り、わざわざ対象を探してまでチェックしようとは思ってくれません。
一番望ましいのは、広告や検索キーワードごとに最適なLPを作成しておくことです。サイトのTOPページやカタログ一覧に遷移させる場合は、「ここにその対象があります」ということがすぐにわかる配置としておきましょう。
2. バナー広告のメッセージとLPが一致しているかどうか
バナー広告に「マンション」と書いてあるのに、クリックしたら「車」のページだったら、ユーザはすぐに離脱してしまいます。ここまで極端な不一致でなくとも、バナー広告でのメッセージとLPの内容の不一致は、実はよく発生しています。
以下に挙げる例に注意しながら、メッセージと一致するLPへ、きちんと誘導してあげるようにしましょう。
▼訴求点のズレ
- 「一瞬でアクセス解析できるツール!」と広告にあるが、LPでは多項目のデータ取得が可能な点が訴求されているツールだった
- 「ハイスキルな人材が集まるサイト!」と広告にあるが、遷移先ではアルバイトなども含めた求人案件が豊富なサイトだった
▼イメージ(雰囲気)のズレ
- 「高い技術力やクリエイティブ!」を掲げながら、遷移先のサイトがかなりポップな雰囲気だった
- 「家族みんなで気軽に楽しめるレストラン!」とアピールしながら、LPがかなりシックで高級な雰囲気だった
あわせて、バナーを見てクリックしてくれている以上、デザインが近いものであることも重要です。色味などをできる範囲で合わせるようにしましょう。
申込みまでに迷わせていないか
広告からLPに遷移してきたユーザの大半は、そのLP上で絶対に申込みをしなければならないという状況ではありません。
だからこそ、せっかくLPの内容を読んで商品・サービスに関心を持ったとしても、申込み方法で迷ってしまえば離脱の可能性が高まってしまいます。同じような商品・サービスで、もっと申込み方法がわかりやすいページを探したほうが早いからです。
それらはLPのちょっとした工夫で防げる離脱でもあります。LPへのアクセス数は多いのにコンバージョンが低いという状況にある方は、以下の項目を確認してみてください。
申込みボタンなどのアクションボタンは大きく目立つものになっているか
迷わせない、という点で単純ですが非常に有効な手段です。大きさ・色・形などについて工夫しましょう。また、マウスオーバーした際に何かしら変化が生じるようにしておくのもいいでしょう。
LPのファーストビュー内に申込みボタンがあるか
これも「わかりやすさ」という点で大変重要なポイントになります。あわせて、何の申込みとなるのかの説明も記載しておきましょう。
選択肢が複数ある構造になっていないか
申込みの対象となる商品・サービスがたくさんあったり、複数の選択肢があったりすると、申込みを躊躇させることになってしまいます。
LPはカタログではありません。できるだけ対象を少なくし、Yes・Noを問うだけ、ぐらいのシンプルな構造としましょう。売りたい商品やサービスが多岐にわたる場合、可能な限りバナー・LPのセットを個別に作成するようにしましょう。
申込みたいときに申込みができるか(適切な位置に申込みボタンを配置できているか)
ユーザがLPを上から下に読み進めていく中で、申し込みたいと思ったとき、すぐに申し込みボタンがクリックできるような構造になっていることも重要です。基本的にLPは縦長で、人によっては関係ないという項目でも説明のために全部書いてあるので、最後までしっかりと読み切るという人はそう多くありません。
だからこそ、申し込みへと気持ちが動いたとき、スクロールさせるのではなく、その場で申し込みができるよう適切な位置に申し込みボタンを配置する工夫をしておきましょう。
入力フォームでサポートができているか
申し込みを決意し、必要情報をフォームに入力していても、途中で「なんだか面倒だ」「よくわからない」という気持ちになるとユーザはあっさり離脱してしまいます。
たとえば“STEP 1/3”というような残り作業量の目安を表示してあげたり、入力必要項目の欄をグレーアウトしておいてあげたりなど、入力フォーム上でのサポートは大切です。
「自分事」であることをいかに伝えるか
LPでユーザに伝えるべきメッセージとは「これはあなたのことを言ってるんですよ」ということです。つまり、ユーザにとって自分事だと気づかせられるかどうかが大切です。
自分に呼びかけていること
たとえば、乾燥肌に悩んでいる人にとっては「肌の悩みを解決する基礎化粧品」よりも「乾燥肌に悩んでいるあなたにとって最適の化粧品」と言われるほうが自分事です。
商品の効能自体は同じであっても、自分に呼びかけられているかのようなメッセージであればあるほど効果的となります。ここにさらに「女性」「20代」「働くあなた」など、細かい指定が入れば、より一層の自分事になります。
もちろん誰かにとっての「自分事」のメッセージであればあるほど、「自分事ではない人」という対象は多くなってしまいます。しかし、多くの人に当てはまるようなメッセージは、結局誰にとっても自分事ではありません。
本体サイトと違い、LPは1つでなければならないわけではありません。むしろ同じ商品でも切り口を変えながら、「女性用」「男性用」「子供用」「年配者用」というように、LPを分けるほうがメッセージも精度が高いものとなります。
何ができるか、を明確にすれば、デザインはそのままでも訴求内容を変えるだけでコンバージョンは高まるはずです。
実例から学ぶ効果的なLPの手法
それではto C向け、to B向け、それぞれの実例を見ながら、LPで効果的とされる手法について学んでいきましょう。
toC向け事例
http://kurumakaitori43l.net/new-fit/
こちらは車買取査定比較サイトへ誘導するためのLPになるので、一般的な商品・サービスとは少し異なるのですが、コンバージョンを高めるためのポイントについて紹介していきます。
綺麗なデザインが常に正しいというわけではない
全体的に、あまりスタイリッシュなLPではありません。むしろ、わざと少しくだけた感じのLPにデザインされています。
信頼やブランドでコンバージョンを生むのであれば綺麗なLPに仕上げるべきなのですが、今回のLPでユーザに伝えようとしているのは“車の値引き”という「裏技」です。メッセージが裏技なのに、綺麗なLPだと裏技感がでませんよね。
見やすさ・伝わりやすさはデザインの善し悪しではないため、綺麗であることとコンバージョンを生むことはイコールではありません。このような「○○感」にあったLPづくりを意識しましょう。
箇条書きよりもマーカーにしたほうがよい
簡潔に伝えるためには「箇条書き」がよいとされますが、さらに要点だけを絞って伝えられる手法がマーカーです。
箇条書きにすると、少なくともその条項については全文読まなければならないことになり、面倒に感じて離脱してしまう人も増えます。マーカーであれば、そこだけを読めばいいと思えるので、本当にアピールしたい点を伝えやすくなります。
toB向け事例
http://hibo-chusho-taisaku.info/
こちらは風評被害対策サービスのLPとなります。to Cとto BではLPを見ているユーザのニーズや姿勢そのものが異なるため、別物として考える必要があります。
シンプルであること
to C向けのLPの場合、さまざまなユーザが見ることを想定するため、語句や商品解説など全体的に丁寧な構成(=知らない人が見ても一応内容がわかる構成)になると思います。
しかしto B向けのLPの場合、基本的には対象商品のことを知った上で(少なくとも、ニーズが顕在化した状態で)企業担当者が比較検討のために閲覧をしていることがほとんどです。そのため、よりシンプルにLPを構成するほうがコンバージョンは高くなります。
こちらは対象が風評被害対策のサービスなので、比較検討のポイントとなる「期間」と「値段」が一目でわかるように配置されています。
結論を出しやすくすること
共感を得ることが大切なto C向けの場合との大きな違いとして、to B向けの場合はとにかく「結論」を出してもらうことが大切です。
黄色と黒色の危険色で印象づけるとともに、「匿名OK」「メールアドレスだけでOK」「土日祝でも連絡OK」と最初に伝えることで、企業担当者が結論(この場合は問い合わせ)を出すときに気になるであろうこと・ためらうであろう理由などを先回りして消してあげると、結論を出しやすくなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
LPにはこの他さまざまな手法があり、もっと無理矢理CVを獲得してしまうような手法も中には存在します。しかし、それは結局ユーザの信頼を損ねることになり、LTV(Life Time Value/顧客生涯価値=一人の顧客が取引期間全体を通じて企業にもたらす利益)で考えればマイナスになってしまうでしょう。
広告全体に言えることかもしれませんが、一番大切なのはいかにユーザに「自分事」だと理解してもらうか。そしてLPでポイントとなるのがいかに共感を得て、その共感を得たタイミングから最短で申し込みができるかという構成と仕組みです。
もちろんユーザにとって、それらは個人個人で大きく異なるものになります。しかしテレビや雑誌広告と異なり、さまざまな配信方法があるネット広告では、よりユーザ個人にとっての最適なタイミングで最適な商品・サービスを提供できる可能性があるのです。
コンバージョン獲得を目指すとともに、よりユーザにとって役に立つ・共感できる広告クリエイティブを目指していきたいですね。
以上、最後までお付き合いいただきありがとうございました。それでは、また。
▼情報提供元:株式会社フォースリー
▼インターネット広告から顧客を獲得するための基本事項シリーズ記事(前後編)
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- LPでコンバージョンを高めるために実践したい基礎テクニックまとめ【実例解説付き】
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