岡山駅でドリーくんを待つ

早朝6時、バスが岡山駅に到着しました。

ドリーくんとは午後1時に駅前で待ち合わせしています。岡山について何も知らないので、途方に暮れてしまいました。

とりあえず朝食がとれるところを探しましょう。

いい感じの喫茶店で、モーニングを注文。

でも、モーニングって10分ぐらいで食べ終わるんですよね。店内で極力ダラダラしてみるも、まだ午前9時。どうしよう。

近くの川でボォーっとしていました。小雨が振ったり止んだりしていて、水面がポツポツしているのを、ただ凝視していました。
ついにドリーくんと会えた!

何とか午後まで時間を潰し、待ち合わせ場所の噴水に。

よく考えたら顔も見たことないし、ほんとに会えるのか不安になってきました。
あのブログの感じだと来ないかもしれない。岡山まで来て、主に川を見つめて帰るのか。

「あの・・・菊池さんですよね。ドリーです」
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人物紹介:ドリーくん 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』のAmazonレビューがきっかけで作家デビューしたライター。25歳。ずっと引きこもり同然の生活をしている。 |
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来ました! 彼がドリーくんのようです。

「いやぁ〜、ちゃんと会えて良かったです」
「こっちのセリフですよ。いきなり『会おう』って。怖かったですよ」
「会いたいから会おうって言ったんですよ。会いたくないなら言わないですよ」
「いや、意味わかんないです。昼ご飯って食べました? ラーメン屋に行きましょう」

内心、とんでもない根暗野郎が来るんじゃないかと思っていたんですが、ちゃんと笑える普通の人でした。

ドリーくんが週1で通うラーメン屋へ。気質が似ているからか、順番待ちですっかり打ち解けました。

「週1で通っているって、お金はどうしているんですか?」
「貯金を切り崩してますよ。引きこもりの生活ってお金かからないんで、少しずつ」
「印税を使っているんですね。売れたんだ。そういえば50万ぐらいあるってブログに書いてましたね」
「いや、あと3万ぐらいしかないんですよ。なので、バイト始めましたよ」

「バイト!? すごい。あんだけ怖いって言っていたのに」
「面接の電話かけるだけで一年ぐらいかかってますけどね。もう辞めたいですし」
「僕、今バイトの応募と面接やれって言われても、やれる自信ないですよ。すごい」
「どんだけ社会性失ってるんですか。会社員なのに」
