【例文あり】電話対応のマナーを手順に沿って解説!上手くなる方法も

【例文あり】電話対応のマナーを手順に沿って解説!上手くなる方法も

LIGブログ編集部

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チャットツールが流行したことにより、電話をする機会が少なくなりました。そのため、会社での電話応対に不安を抱いている人も多いのではないでしょうか。

今回は、あまり電話応対したことがない若手社員に向けて電話応対に関するビジネスマナーを手順ごとに解説します。また、上手くなる方法も紹介していますので、電話応対に不安がある方はぜひご覧ください。


※編集部注:この記事は2022年6月に更新しました。

【重要】電話応対のマナーの基礎と心構え

会社の代表として応答する

電話応対の心構え
自分は「会社の代表」と意識する

電話応対をするときは会社の代表という意識で臨みましょう。電話相手にとっては、電話応対をする側が、経験が少ない新人社員とはわかりません。電話応対の印象が、その会社の印象になるので、マナーをしっかりと守りましょう。

「もしもし」はNG

電話にでたときの第一声
「お電話ありがとうございます。株式会社●●でございます」
「はい、株式会社▲▲でございます」

電話にでたときの第一声は上記の2つが基本です。どちらでも問題はありませんが、言い方は社内で統一されていたほうがいいでしょう。

「株式会社●● □□部 山田が受けました。」というところまで一気に名乗る人もいますが、直通電話でなければ、外線で名前まで名乗る必要はないでしょう(会社でそれがルールとなっている場合は除きます)。

そしてこの第一声こそが、電話コミュニケーションにおける第一印象となります。 受話器を通すと声がくぐもって聞こえてしまうので、心持ち普段よりも高めのトーンで話すと相手にも聞き取りやすくなります。

正しい敬語を使う

社会人の常識である敬語を正しく使えていないと、相手からの印象は悪くなってしまいます。尊敬語と謙譲語の違いに気をつけたり、二重敬語や失礼な言葉、誤った表現は使わないようにしましょう。

敬語に対して不安なことがある方はこちらの記事をご覧ください。

電話でも笑顔で、姿勢良く

電話は相手が見えないため、ついつい頬杖をついたり、のけぞって足を組んだり、嫌そうな表情を浮かべたり、と悪い姿勢で対応することも多くなってしまいます。しかし、相手に見えないからといって悪い姿勢で喋っていると、やはり声の質やトーンにそれがあらわれてしまいます。

態度は必ず相手に伝わってしまうものです。姿勢は目の前に相手がいるときと同様に、良い姿勢で話すように意識しましょう。

声のトーンはやや高めに、明るい表情が感じられるように、そして笑顔で話すことを心掛けましょう。笑声(えごえ)と呼ばれるように、笑顔で話すと明るく感情のこもった表情豊かな声になります。

あわせて、自分が電話に出ていない時であっても、電話をしている人の側で大声で世間話をしたり、笑ったりするのは厳禁です。その音が受話器を通して相手に聞こえてしまうと、いくら電話応対が丁寧であっても「不真面目な会社」という印象のほうが強くなってしまいます。

相手の声がよく聞こえない場合

相手の声がよく聞こえないとき
「申し訳ございません、少しお電話が遠いようでございます」
相手が圏外でつながらなくなったとき
「お電話が遠いようですので、一旦切らせて頂きます」

相手が携帯でかけてきている場合、電波状況の関係から声が途絶えがちになってしまうことはよくあります。その場合は上記のように、一言お詫びを添えつつ、電話が遠いという旨を伝えるようにしましょう。

お詫びを添えるのは、暗にこの言葉が、「もう一度言ってください」という意味を含んでしまっているためです。

電波ではなく、単に相手の声が小さくて聞き取れない場合であっても、電話が遠いという旨の表現で確認をとるようにしてください。「よく聞こえません」と言ってしまうと(相手の声のせいだと責める)失礼な表現になってしまうため、あえて機器のせいにするという作法です。

また、明らかに圏外でつながらないような状況(相手にこちらが何を言っても伝わらない状況)であっても、こちらからいきなり電話を切ってしまうのは失礼にあたります。一言伝えてから切るようにしましょう。

こちらが聞き取り損ねた場合

自分が聞き取り損ねたとき
「申し訳ございませんが、もう一度御社名をお願いいたします」

自分が聞き取り損ねた場合であれば、上記のように正直にもう一度言ってほしい旨のお詫びとお願いをしてください。

相手が早口で聞き取りづらかった場合であっても、相手の非を指摘するような言葉は使わないようにするのが原則ですので、上記と同様の言い回しとしてください。

メモを取る

電話のメモは要点をおさえることが大切なので、When、Who、Where、What、Whyの5Wに、いくら(How much)、どのくらい(How many)の2H加えた5W2Hでメモをしましょう。

ただしあくまでもメモなので、厳密に5W2Hにそって書き込む必要はありません。後で自分が困ることのないよう、必要なことを漏れなく無駄なく記載する、ということを意識しましょう。

電話を受ける時のマナーを手順に分けて解説[例文あり]

1.電話が鳴ったら、メモを手元に3コール以内に出る

ポイント
  • メモと筆記用具を準備
  • 3コール以内に出る
  • 3コール以降に出るときはお詫びをする

電話はお待たせしないことが最優先。「電話は誰かが取ってくれるもの」と思わず、積極的に取る姿勢が大事です。他の業務をしている途中であっても、基本的には電話を優先してください。このとき手元にメモと筆記用具を忘れないようにしてください。

また「三鈴は職場の恥」という言葉もあるように、ビジネスではまず迅速に電話に出ることが求められます。1コールで出るように社員教育を徹底している企業も多いですが、どんな業種であっても2コール以内に電話にでることを基本と考えましょう。

3コール以降になってしまった場合は、「お待たせいたしました」の一言を添えるのを忘れないようにしてください。

2コールでも3コールでも時間的な違いはないのですが、相手も「会社の電話は2コール以内に出る」というビジネスマナーを共通認識として持っています。そのため、その一言のお詫びが無いことで「社員教育が甘い」「仕事がいい加減」という印象がついてしまう可能性があるのです。

マナー違反に対するお詫び、という感覚を持つことは大切です。
 

電話を出る時の例文
  • はい、●●株式会社でございます。
  • お待たせいたしました。●●株式会社でございます。(3コール以上なってしまった場合)

2.相手の社名と名前を復唱しメモを取る

ポイント
  • 会社名と名前を復唱しメモを取る
  • 「いつもお世話になっております」と伝える

第一声でこちらが社名を告げると、今度は相手が名乗ります。相手が名乗ったときに会社名と名前を復唱し、メモを取りましょう。復唱することで聞き間違いを防ぐことができます。またその直後のタイミングで「いつもお世話になっております」という一言を入れるようにしましょう。

初めてしゃべる相手であっても、自分宛にかけてきた相手でなくても、この一言は忘れずに添えてください。ビジネス上は欠かせない相づちです。
 

会話例
  • 自分:「はい、●●株式会社でございます。」
  • 相手:「お世話になります。▲▲株式会社の山田と申します。」
  • 自分:「いつもお世話になっております。」
  • 相手:「恐れ入りいますが、佐藤様はいらっしゃいますでしょうか?」

相手が名乗らない場合、必ず確認する

相手が名乗らないとき
「失礼ですが、お名前をうかがってもよろしいでしょうか」
「恐縮ですが、お名前をお聞かせいただけますか」

会社には色々な人が色々な目的で電話をかけてきます。それらは良い電話ばかりではありません。

名乗らないまま「○○さん、いますか」などの用件を切り出してきた相手に対しては、上記のように相手の会社名や名前をまず確認するようにしましょう。

ちなみに「お名前頂戴できますか」は誤った表現となります。「もらう」の謙譲語が「頂戴する」であり、名前はもらうものではありません。

一方で、よく似た印象の「お名刺頂戴できますか」は正しい表現(名刺はもらうものなので)になります。ここは混同しないように注意してください。

 

会話例
  • 自分:「はい、●●株式会社でございます。」
  • 相手:「お世話になります。恐れ入りいますが、佐藤様はいらっしゃいますでしょうか?」
  • 自分:「いつもお世話になっております。恐れ入りますが、お電話口の方の会社名とお名前をお聞かせいただけますでしょうか

3.電話を担当者に取り次ぐ

ポイント
  • 名前を復唱する
  • 電話を保留にする

名前を名乗ったあとは「〇〇さん、いますか」などと担当者への取り次ぎをお願いされます。確認のために名前を復唱し、電話を保留にした後に担当者に取り次ぎましょう。担当者が隣の席でも一度保留にするのがマナーです。取り次いだら電話応対は完了です。

 

会話例
  • 相手:「〇〇さんはいらっしゃいますか。」
  • 自分:「○○ですね。確認いたしますので少々お待ちくださいませ。」

保留が長くなりそうな場合

ポイント
  • 30秒以上保留になりそうな場合は、こちらからかけ直す

担当者を探したり、問い合わせのあった事項を確認したりなどで「少々お待ちください」と電話を保留にすることはよくあります。その場合、30秒以上の保留を続けないよう注意しましょう。それ以上保留が続きそうな場合は、途中で相手にその旨を伝え、改めてこちらからかけ直すようにしましょう。

※30秒は目安です。長時間になることが予測できる場合、最初から「時間がかかるのでこちらから折り返す」という旨を相手に伝えてください。

 

例文
  • 申し訳ございません。○○がただいま席をはずしておりまして、すぐに戻るかと思いますのでこちらから折り返しいたします。
  • 申し訳ございません。○○がただいま他の電話に出ておりまして、終わり次第こちらから改めて折り返しいたします。

担当者が不在の場合

ポイント
  • 折返しの必要の有無を確認
  • 相手の連絡先や都合のよい時間帯を確認

相手の希望する担当者が不在だった場合、担当者不在の旨を伝えるとともに、連絡についてどうするか、相手の意向をしっかりと確認するようにしましょう。

どんな場合でもこちらから折り返すのが丁寧なように思えますが、相手にも都合や事情があります。まずは折り返しの必要の有無を最初に確認したうえで、折り返し要であれば相手の連絡先、相手の都合のよい連絡時間帯などを確認するようにしましょう。

また、担当者が不在の場合、担当者の具体的な行き先や自宅住所、携帯番号などはうかつに知らせないようにしてください。

行き先は営業情報などが類推できてしまうことも多いので、担当者が不在の場合、「申し訳ございませんが」に続く言葉は「席を外しております」「外出しております」程度にします。

帰社時間に関してだけは、折り返しや再連絡の都合もあるので、「現在外出しておりまして、○時頃戻る予定となっております」などのざっくりとした範囲で伝えましょう。

このとき、自宅住所や携帯番号などは個人情報になるので絶対に教えないように注意してください。「緊急で連絡したいから教えろ」と言われた場合であっても、こちらで本人と連絡をとったうえで折り返すという旨を伝えてください。(会社貸与の携帯番号を社外の人に伝えていいかどうかは、会社によります。)

 

会話例
  • 自分:「申し訳ございません。○○がただいま外出中でして、15時ごろ戻る予定となっております。よろしければこちらから折り返しいたしましょうか。
  • 相手:「ではお願いいたします」
  • 自分:「かしこまりました。では○○に申し伝えます。」

担当者が不在だった場合の伝言メモの書き方

所定の伝言メモがある会社も多いので、その場合はフォーマットの項目に従って書き込むようにすれば大丈夫でしょう。基本的には、以下のような項目が伝われば問題はありません。

伝言メモの項目
  • 電話を受けた日時
  • こちらの担当者(電話がかかってきた人の)氏名
  • 相手の会社名、部署名、名前、連絡先
  • 電話を受けた人の氏名(この場合は自分)
  • 相手の用件はどんなことで、どのように対応したのか
  • こちらから折り返すのか・折り返し不要なのか(折り返しの場合は、都合のよい時間まで記載)

また、可能であれば伝言メモを置いたことを、あとで担当者に口頭で伝えるようにしましょう。ふせんなどにメモをとり、相手の机においていると、なくなってしまう場合もあるからです。

4.電話が終わる前の内容の確認

ポイント
  • 電話の内容を復唱

電話の内容は、最後に必ず確認のために復唱するようにしましょう。

正確でない情報の伝達はトラブルの原因となります。特に相手の会社名・部署名・氏名・連絡先が間違っていると、折り返しもできなくなってしまいます。メール連絡など伴う場合は、氏名の漢字も含めての確認を忘れないようにしましょう。

※聞き間違いの生じやすい「いち」と「しち」は、「なな」のように言い換えると効果的です。

5.電話は静かに切る

ポイント
  • 静かに受話器を置く

電話を終えたら、ひと呼吸おいて、静かに受話器を置きましょう。ガチャンという音が相手に伝わらないよう、まず電話のフックを指でゆっくりと押し、電話を切った状態とした後で、受話器を置くのが丁寧です。

電話をかける時のマナーを手順に分けて解説

1.電話をかける下準備をする

ポイント
  • 用件の整理を行う
  • 電話をかける時間帯を考える

用件の整理

ポイント
  • 簡潔に伝えられるように用件を整理しておく

電話がつながったときにスムーズに用件が伝えられるように整理しておきましょう。また、整理したときに、電話で話す必要もない緊急度が低い用件や、短文で事が足りる場合はメールで連絡することも検討すると良いでしょう。

電話をかける時間帯

ポイント
  • 朝一番や営業時間外、終業間際は避ける
  • 緊急で仕方がない場合はお詫びの一言を添える

始業時は朝礼や申し送りなどがあり、忙しくなることが多いため、始業から10分は電話はかけないほうが良いでしょう。また、終業間際にかけることは相手の退社時間に影響してくることでもあります。緊急の用件で仕方がない場合は「朝早くから申し訳ありませんが」「終了間際に申し訳ありませんが」とお詫びの一言を添えましょう。

2.電話がつながったとき

電話がつながったとき
「〇〇会社の〇〇と申します。いつもお世話になっております。〇〇様はいらっしゃいますでしょうか」

電話がつながったら上記のように社名と自分の名前を名乗り、取り次ぎをお願いしましょう。

3.相手が電話に出たとき

相手が電話に出たとき
「いつもお世話になっております。〇〇会社の〇〇と申します。〇〇の件でお電話させていただきました。ただいま、お時間いただいてよろしいでしょうか」

相手が電話に出たときは上記のように社名と自分の名前、簡潔に用件を伝えましょう。

4.相手が不在のとき

相手が不在のとき
  • こちらから折り返す場合は「改めてこちらからご連絡を差し上げます」
  • 伝言をお願いする場合は「〇〇会社の〇〇から電話があったと〇〇様にお伝えください」

相手が不在のときに、こちらから折り返す場合は「お戻りは何時頃でしょうか」と帰社時間を確認し「改めてこちらからご連絡を差し上げます」と伝えましょう。伝言をお願いする場合は「〇〇会社の〇〇から電話があったと〇〇様にお伝えください」のように伝えましょう。

電話応対が上手くなる方法

クッション言葉を活用する

クッション言葉とは、伝えたい本題に入る前に添える言葉のこと。クッション言葉を使うことで、相手への配慮や思いやりを示すことができ、相手に良い印象を与えることができます。

クッション言葉は主に「尋ねるとき」「お願いするとき」「断るとき」の3つの場面で使用することが多いです。

尋ねるとき
  • 差し支えなければ
  • 失礼ですが
お願いするとき
  • 恐れ入りますが
  • お手数おかけしますが
断るとき
  • あいにくですが
  • せっかくですが
  • 申し訳ありませんが
  • 心苦しいのですが

同僚や友人とシュミレーションする

何事も練習しなくては上達しませんし、知識を頭の中に入れただけでは、本番にはなかなか使えません。この記事のマナーや会社でのマニュアルを手元において、同僚や友人とシュミレーションしてみてください。

実際に行うことで体が覚えるため、電話応対をするときに言葉が自然と浮かんできたり、電話応対時に戸惑うことが少なくなるでしょう。

まとめ

会社にかかってくる電話は、ビジネスの一環でもあります。効率性や生産性という観点でのコスト意識を持ちながら、正確・迅速・簡潔・丁寧を心掛けることが大切です。

そして電話応対や伝言ミスが思わぬトラブルを引き起こすこともあれば、素晴らしい電話応対がオーダーの決め手となる場合もあります。電話応対に不安がある方はこの記事を参考に、今日から実践してみてください。

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