テクノロジー部 部長の工藤です。
システム開発を検討している企業さまにとって、開発費用や相場は気になるポイントかと思います。実際に弊社でも「とりあえず相場だけでも知りたい」とお問い合わせをいただくことがございます。
そこで今回はシステム開発の費用や相場、開発コストに関わる要因について詳しくご紹介します。「できるだけ安く開発を進めたい」とお悩みの方の参考になれば幸いです。
システム開発を依頼できる企業は国内に多数あるため、どの企業に依頼すればいいか迷ってしまいますよね。最初のご相談相手として、業界歴10年以上のベテランPMがプロジェクトに伴走する弊社LIGはいかがでしょうか?
- ベテランPMが事業戦略など上流工程から支援
- ノーコードツール開発により保守運用しやすいシステムを提供
- 125名超の海外人材を活用した多彩な開発体制に対応
「こんなシステムは対応できる?」「まずは見積もりがほしい」などお気軽にご連絡ください。翌営業日以内に折り返しご連絡いたします。
目次
※アプリ開発の費用相場を知りたい方はこちら
アプリ開発費用と相場、料金を抑えるポイント
システム開発の費用相場
結論から申し上げると、システム開発の費用相場は機能や規模などさまざまな要因で大きく変動します。そのため、詳細を伺う前に費用感をお伝えするのは難しいという前提がございます。
「システム開発 費用」で検索すると、システムの種別や機能ごとに費用相場を掲載しているページもありますが、たとえ同じ機能であっても要件や開発を依頼する企業によって金額は異なります。数百万円から数千万円までレンジがあるため、あくまでも参考までに見るのがおすすめです。
費用を知りたいのであれば、複数の会社に見積もりを依頼して判断するのが確実といえます。
費用を公開しているツール、パッケージ型システムの例
ただし、既製品として販売されているツールやパッケージ型システムのなかには導入費用を公開しているものもありますので、いくつか例をご紹介します。
ECパッケージの例:W2 Repeat
出典:W2 Repeat
W2 Repeatはリピート通販事業向けのECカートシステムです。スタートアップから年商100億円規模までプランによって対応でき、1000を超える機能や豊富な決済種別を搭載しています。
プラン | 初期費用 | 月額費用 |
---|---|---|
STANDARD | 49,800円 | 49,800円〜 |
PROFESSIONAL | 79,800円 | 79,800円〜 |
ENTERPRISE | 要問合せ | 要問合せ |
財務会計システムの例:勘定奉行
出典:勘定奉行
さまざまな業種・会社規模に対応できる導入シェアNo.1*の会計ソフト。他の奉行シリーズ製品と組み合わせることで、経理・会計・税務業務を一気通貫で効率化できるのがメリットです。
*SMB:2021年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実績と評価レポート 会計管理ソフトウェア 株式会社ノークリサーチ調べ
プラン | 初期費用 | 月額費用 |
---|---|---|
奉行クラウドiEシステム (小規模企業向け) |
0円 | 7,750円〜 |
奉行クラウドiAシステム (中小企業向け) |
50,000円(初年度のみ) | 19,500円〜 |
受発注システムの例:楽楽販売
出典:楽楽販売
見積もりや受発注の管理に加え、売上や請求管理まで対応したクラウド型販売管理システム。カスタマイズの柔軟性が高く、自社業務に応じたシステムをノーコードで構築できます。
サービス名 | 初期費用 | 月額費用 |
---|---|---|
楽楽販売 | 150,000円 | 70,000円〜(利用ユーザー数やデータベース作成数に応じて変動) |
このように各業務に応じたツールやパッケージ製品も多数あり、自社の課題によっては新規開発をおこなわなくても十分なケースも考えられます。
一方で既製品はカスタマイズの自由度に制限があったり、ランニングコストが嵩み新規開発よりコストパフォーマンスが悪くなる可能性があったりするなど、デメリットがあることも把握しておきましょう。
【参考】アプリの開発費用相場
システムとは異なりますが、参考までに各種アプリの平均費用相場もご紹介します。アメリカのアプリ開発会社であるSPD LOAD社が公開している情報をもとにまとめました。
※実際の価格は要件によって異なります。あくまでも目安としてご覧ください。費用を正確に把握するには、具体的な要件と目的に基づいて見積もりを取ることが重要です。
アプリの種類 | 費用の相場 |
---|---|
モバイルアプリ | 434万円 – 4,340万円 |
iPhoneアプリ | 795万円 – 4,340万円 |
Androidアプリ | 723万円 – 4,340万円 |
Webアプリ | 868万円 – 4,340万円 |
スタートアップアプリ | 578万円 – 5,787万円 |
タクシーアプリ | 723万円 – 5,787万円 |
ゲームアプリ | 868万円 – 3,617万円 |
リテールアプリ | 723万円 – 2,170万円 |
ARアプリ | 1,446万円 – 3,617万円 |
eCommerceアプリ | 868万円 – 3,617万円 |
ソーシャルメディアアプリ | 723万円 – 4,340万円 |
ビジネスアプリ | 723万円 – 2,893万円 |
学習アプリ | 868万円 – 3,255万円 |
ビデオストリーミングアプリ | 1,157万円 – 4,340万円 |
レストランアプリ | 578万円 – 2,170万円 |
コミュニティアプリ | 260万円 – 2,170万円 |
Shopifyアプリ | 434万円 – 2,604万円 |
デーティングアプリ | 723万円 – 5,063万円 |
フードデリバリーアプリ | 578万円 – 2,170万円 |
ハイブリッドアプリ | 578万円 – 2,893万円 |
ヘルスケアアプリ | 795万円 – 4,340万円 |
出典:How Much Does It Cost to Build an App in 2024 (Full Breakdown)
※価格は2024年1月12日時点の為替相場(1ドル144.86円)で換算しています
システム開発費用の内訳
開発費は大きく人件費とその他費用の2種類に分けられ、人件費が大部分を占めています。ここではそれぞれについて解説します。
人件費:単価×工数で算出される開発費の核
人件費は文字通り、開発に携わるメンバーの人件費を指します。金額は単価×工数で算出され、システム開発では工数の単位として、人日や人月を使用するのが一般的です。
- 人日・人月とは
-
- 1人日:1人8時間の稼働でおこなえる作業
- 1人月:1人160時間(営業日20日間☓8時間)の稼働でおこなえる作業
たとえば人日単価が5万円のスタッフなら、1人月単価は100万円です。開発に3人月必要な作業があった場合、100万円(1人月)×3ヶ月=300万円という見積もりになります。
単価はメンバーの職種やスキルレベルだけでなく、会社によっても異なります。同じ作業でも会社により見積り金額が異なるのは、メンバーの単価や開発に必要な工数の見積もりから差が出るのも理由のひとつです。
なお、アジャイル開発の場合は上記と異なる計算方法となる場合もあります。費用を左右する要素を一例としてご紹介します。
- アジャイル開発の費用に関わる要素
-
- 人件費(チーム単価):開発チームの人数や経験によって費用が異なる。費用のなかでもっとも比重を占める要素。
- スプリント数:スプリントの数によって費用が異なる。
- 使用する技術:使用する技術やツールによって費用が異なる。
- 進捗管理、品質管理の費用:スプリントにおける定期的なレビューなどの費用がかかる。
その他費用:開発に使用するサービス費やサーバー代
人件費以外にも、開発で使用するサービスの費用、サーバーなどの機材・設備費が必要です。
近年はAWSやAzureといったクラウドサービスでの開発や、Oracleなど有料のデータベースを利用した開発が主流となっています。開発側が使用するサービスの費用も、基本的には発注いただく企業に負担いただくようになります。
費用を抑えるためのポイント
見積もりを出してもらう際にはいくつかのポイントを押さえることで、開発費の削減につながる場合があります。ここでは相談前に整理しておきたいことを含め、費用を抑えるためのポイントをご紹介します。
なお、低価格×高品質なシステム開発会社を知りたい方は以下の記事もぜひご覧ください。
※関連記事:格安×高品質なシステム開発会社9社
オフショア開発を活用する
オフショア開発とは、東南アジアの開発会社・拠点を活用して、開発コストの削減やリソース不足解消を目的とした開発手法のこと。フィリピン、ベトナムなどの国は、日本より人件費が安く、人件費を抑えつつ開発リソースを確保できるのがメリットです。
ただし、円安や海外エンジニアのスキル向上に伴い、以前よりコストが増加しつつある点や、エンジニアとのコミュニケーション面で対策が必要などのデメリットもありますので把握しておきましょう。
▼おすすめのオフショア開発会社はこちら
【厳選】オフショア開発会社おすすめ7選と失敗しない選び方
ノーコード・ローコード開発を活用する
ノーコード開発、ローコード開発とは、少ないプログラムコードでアプリケーションやシステムの開発をおこなう手法のことです。
フルスクラッチ開発と比較して、開発期間の短縮や人件費などコスト削減が可能というメリットがあります。ただし、ノーコード・ローコードツールのみでは実装が難しい機能もあるため、開発したいサービスやシステムに適した手法を選択することが重要です。
なお、弊社LIGもBubbleやFlutterFlowなど、代表的なノーコード・ローコードツールを活用した開発実績がございます。工数を最大50%削減できる強みもありますので、気になる方はぜひご相談ください。
ツールやパッケージ型システムを検討する
自社の課題によっては、既製品のツールやパッケージ型システムで課題解決できる場合もあります。ゼロから開発をおこなうよりも格安で利用でき、導入期間が短いなど、メリットもさまざまです。
一方でシステムに合わせて業務フローを調整する必要がある、ランニングコストがかかるため長期的に見ればスクラッチでシステムを開発したほうがコストパフォーマンスがよいなどのデメリットも考えられます。ある程度自社に応じたカスタマイズが可能なツールもありますので、実現したいことや予算のバランスを考慮してみてください。
適切な契約形態を検討する
システム開発の契約形態は以下の2種類があります。
準委任契約 | プロジェクトの完了ではなく、特定の業務を遂行することを定めた契約。一定期間、一定数のリソースを確保できる。 |
---|---|
請負契約 | 請負人が仕事を完成させることを約束し、それに対して報酬を支払う契約。 |
請負契約の場合、契約段階で決定した要件にしたがって開発を進めるため、設計段階で不備があったり仕様変更したりすると追加で開発費用が必要になる可能性があります。
新規サービスの開発など仕様変更が予想される場合は柔軟に対応しやすい準委任契約を選ぶなど、開発したいシステムにあわせて会社を検討するのがおすすめです。
補助金を活用する
システム開発の費用は、目的によって各機関の補助金や助成金を活用できる場合があります。ここでは主な補助金の種類について簡単にご紹介します。
IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業が業務効率化や売上向上のためにITを導入する際の費用を支援する補助金です。システム開発やクラウドサービス、ソフトウェアの導入、ウェブサイトの構築などが対象となります。
最大補助額は通常枠で50万、その他の枠で200万円、補助率は1/4です。
参考:IT導入補助金
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、設備投資など生産プロセスの改善や新製品の開発を目的に利用できる補助金です。新たなサービスに関わるものだけでなく、業務効率化のためのシステム開発も対象になる場合があります。
実際に補助金を導入した成果事例は、ものづくり補助金総合サイトでご覧いただけます。業種や技術で検索することもできるので、自社の課題に近い例がないか確認してみてください。
参考:ものづくり補助金総合サイト
持続化補助金(小規模事業者持続化補助金)
持続化補助金(小規模事業者持続化補助金)は、ITツールの導入や新たなビジネスモデルの開発など、11種類の経費を補助対象に定めた補助金です。中小企業や個人事業主などの事業者が対象で、目的によって給付上限が異なります。
最大補助額は通常枠(B類型)で450万円。補助率は事業者の規模により1/2〜4/5以内です。
参考:小規模事業者持続化補助金
システム開発会社の選び方・注意点
依頼したい範囲を明確にする
システム開発会社とひと口に言えど、開発の部分しか請け負っていない企業から、業務要件の定義などシステムの根幹からコンサルティングができる企業までさまざまです。まずはどの範囲を依頼したいのかを明確にしましょう。
戦略・企画 | 顧客ニーズをヒアリングし、システム開発の方針を立てるためのコンサルティングをおこなう。 |
---|---|
設計・開発・テスト | システムに実装する機能の設計から、実装、実装後のテストまでおこなう。 |
リリース | 開発したシステムが利用できるように環境を整える。 |
運用・保守 | リリース後のシステム運用や、保守をおこなう。 |
実績を調べる
依頼したい範囲を絞ったあと、自社が開発したいシステムに近い実績がある企業を絞り込むのがおすすめです。
実績がない企業に依頼すると、期待した品質が満たされないなどトラブルにつながってしまう可能性もありえます。特定分野に知見がある会社なら、見積もりや要件定義などもスムーズにおこなえるでしょう。
複数の会社から見積もりをとる
開発費用は人件費によって大きく左右され、依頼する会社によって人件費の単価や工数の見積もりは異なります。適正な価格を判断するためにも、必ず複数の開発会社から見積もりを取りましょう。
ただし、安いことだけを理由に会社を選ぶのはおすすめしません。価格が安い理由を把握していないと開発に失敗してしまうリスクも考えられるため、理由も明確にしたうえで検討するようにしましょう。
まとめ
繰り返しになりますが、システム開発の費用は要件により異なるため一概には言えません。費用を知りたい場合、まずは見積もりを依頼するのがもっともスムーズです。
プロジェクトに最適な開発体制や手法を検討して見極めることが、開発費を抑えることにもつながります。気になる会社があれば、ぜひ問い合わせしてみてください。
システム開発で大切なのは企業の課題を正しく認識し、解決する最適な方法を提案してくれる会社を選ぶことです。そのためには豊富な経験とスキルを持った人材が多い企業に依頼するのが安心といえます。弊社LIGでは、
- 業界歴10年以上、大手外資系企業で大小さまざまなプロジェクトを担当したコンサルタント
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