エッジAI開発に強い企業11選。各社の得意分野別に紹介

テクノロジー部部長の工藤です。

DX推進の事例として、カメラやセンサーなどのデバイスに直接AIを搭載する「エッジAI」の活用がさまざまな企業から注目されています。自社の事業や業務においてもエッジAIを活用したいと考えている方のなかには、「各社サービスの違いがわからない」「自社に最適なベンダーが判断できない」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、エッジAI開発に強い会社をご紹介します。各社の実績やサービスの特徴を徹底調査し、得意分野別に情報をまとめましたので、ぜひご参考になさってください。

>>エッジAI以外のAIシステム開発に強い会社はこちら

エッジAI開発が得意な会社一覧

最初に、今回調査したエッジAI開発に強い会社を比較しやすいように表でまとめました。
※表は左右・上下にスクロールします
※会社名をクリックorタップすると、該当箇所までジャンプします

AIコンサルティングから開発まで得意な会社

株式会社LIG

出典：株式会社LIG

弊社LIGでは各種生成AIやXRの専門家である梶谷健人氏を顧問に迎え、社内のAI専門チームを中心としたAIコンサルティングサービスを提供しています。AIを活用した事業戦略の相談からプロトタイプ作成、商用開発、保守運用まで、ニーズに応じて一気通貫で支援可能です。

また、弊社はもともとWeb制作やシステム開発を得意としており、大型案件の開発を担ってきたディレクターや海外拠点の優秀なエンジニアなど、グローバルなリソースを活用した開発をおこなっております。各社の抱える課題に応じたスタッフがチームを組み、課題解決に向けた最適なソリューションを提供できるのが弊社の強みです。

ご興味のある方はぜひ下記ページからお問い合わせください。

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株式会社Laboro.AI

出典：株式会社Laboro.AI

株式会社Laboro.AIは、オーダーメイド型のAI「カスタムAI」の開発とAI導入コンサルティングを主軸に事業を展開している企業です。これまでさまざまな業界においてAI技術を用いたソリューションを提供し、ビジネスのDXを支援しています​​。

同社の提供する「カスタムAI」はAIコンサルティングをベースとし、現状の課題解決だけではなく、長期的な活用ビジョンまで含めて提案してくれるのが強みです。

また、自社独自のカスタムAIを搭載したカメラソリューションである「L-Vision」（エルビジョン）を提供。画像認識機能に留まらず、認識した結果にもとづいた予測シミュレーションの実施など、カスタムAI搭載ならではのニーズに応じた開発が可能です。

株式会社エイシング

出典：株式会社エイシング

2016年に設立された株式会社エイシングは、エッジAIやエッジコンピュータ技術に特化したAIベンチャー企業です。

同社は自社独自のアルゴリズムを研究開発しています。超軽量かつ高精度の「MEMORY SAVING TREE」、省メモリで異常検知対象の個体差補正を実現した「MSAT++」などがあり、いずれも小型のデバイスに実装できるため、ハードウェアへの搭載も比較的容易なのが特徴です。

また、エッジAIの有効活用を支援するプログラム「Edge AI Academy」を提供しており、エッジAIの導入を検討する企業に対して専門的な知識と技術支援、トレーニングなどをおこなっています。

画像認識・画像処理が得意な会社

日本システム開発株式会社

出典：日本システム開発株式会社

日本システム開発社は業務システム開発や組み込みシステム開発など、さまざまな領域で実績を積み上げており、2017年からエッジAI技術を活用したソリューション提供にも注力しています。

特に画像認識エッジAIアプリケーション開発を得意としており、車両ナンバープレート検知AIや人数カウントAIなど、多様なニーズに対応できるパッケージアプリを提供しています。

企業向けのAI人材教育もおこなっており、社内にエッジAI技術に関する知識やスキルを普及させたいと考えている場合にもおすすめです。

株式会社ヘッドウォータース

出典：株式会社ヘッドウォータース

株式会社ヘッドウォータースは多角的なAIソリューション事業を展開しており、エッジAI分野においても多くの実績を保有している企業です。

画像解析の分野では、エッジAIセンシングプラットフォーム「AITRIOS™」とインテリジェントビジョンセンサー「IMX500」を活用した開発を得意としています。

この2つの技術を組み合わせることで、エッジAI搭載カメラで収集した大量のデータが分析可能。小売業では店舗における商品管理やお客様の属性検知、製造業では設備メンテナンスを行うためのデジタルツインなどに活用できます。

株式会社モルフォ

出典：株式会社モルフォ

2004年に設立された株式会社モルフォは、画像処理およびAI（人工知能）技術の研究開発に特化した企業です。

特にカメラに搭載するAI技術の開発は国内外の企業で活用されており、ノイズ除去、ダイナミックレンジ補正、ボケ加工などの高度な画像処理をおこなう「Morpho Semantic Filtering」など、独自の技術を確立しています。

それらのイメージ処理技術のノウハウを生かし、エッジ端末で高速かつ高精度な検出を実現する物体検出ライブラリ「Morpho Deep Detector™」なども開発。スマートフォンのカメラだけでなく、車載カメラや製造現場など、業種業態を選ばず同社の技術が導入されています。

株式会社オプティム

出典：株式会社オプティム

オプティム社はAI、IoT、クラウド、モバイル、ロボティクスを駆使して、多様な産業のDXを支援している企業です。

AIを用いたさまざまなソリューションを提供しており、エッジAI領域では既存のネットワークカメラを活用してリアルタイムでの画像解析をおこなえる「OPTiM AI Camera」を開発。施設来場者の属性をデータ化したり、セキュリティ向上に役立てたりと、多くの業界で活用されています。

また、Googleが提供する 「Edge TPU」を組み込んだエッジコンピューティングデバイス「OPTiM Edge」の開発も進めており、より高性能なAIサービスの構築も期待されています。

人物検知・顔認証が得意な会社

株式会社ACES

出典：株式会社ACES

ACES社は人工知能研究をリードしている東京大学・松尾研究室発のAIスタートアップとして注目を浴びている企業です。特に行動認識技術を用いた「ヒトの知見や業務のデジタル化」を得意としています。

同社は3次元での姿勢推定・行動認識、マスクをつけた状態での顔認識など、行動認識技術を保有。人の作業をAIに代行させることで、作業効率化や安全な労働環境を実現するだけでなく、教育や技術伝承にも活用できるのが特徴です。

その他、営業活動をデジタル化し、売上拡大を支援するプロダクト「ACES Meet」や、ChatGPT/生成AIのビジネス活用推進プログラムなど、多角的に企業のDX推進をサポートしています。

EDGEMATRIX株式会社

出典：EDGEMATRIX株式会社

EDGEMATRIX株式会社はスマートシティの実現を目的に、映像AIを軸に据えたアプリやソリューションを提供している企業です。

学校、ショッピングモール、物流センター、住宅、工場、街灯、公共施設、建設現場など、対象となる業界は多種多様。既存システムを用いることで短期開発が可能なセミカスタムAIや、実現可能性の検討やPoCから支援をおこなうフルカスタムAIの開発までおこなっていまう。

また、IPカメラ映像などを現場でAI処理し、高速で伝送する小型デバイス「Edge AI Box」も提供。映像処理に長けたAI開発だけでなく、ハードウェアの知見を持つ点も特徴といえるでしょう。

Idein株式会社

出典：Idein株式会社

Idein（イデイン）社は、エッジAI特化のプラットフォーム「Actcast」の開発・提供を行っている企業です。安価なデバイスでAIの高速化を実現しており、「ET / IoT Technology 2019アワード」では最高賞となるグランプリを受賞した経歴もあります。

特にカメラを用いたソリューション事例が多く、映像から不良品や異常を検知する製造業向けの品質検査システム、倉庫内のカメラ映像から異物を検知する物流業向けシステム、カメラ映像から不審者や不審物を発見する公共施設向けのセキュリティシステムなど、業種を問わずにさまざまな実績を持っています。

株式会社ヒューアップテクノロジー

出典：株式会社ヒューアップテクノロジー

顔認証技術や音声認識、自然言語処理など、AIを活用した様々なサービスの開発を進めているヒューアップテクノロジー社。

顔認証技術を活用した勤怠管理システム「DigiFaceAI」は、カメラにAI顔認証機能を組み込むことでIDカードやパスワードに依存しないシステムへのリプレイスが簡単に行えます。パッケージ製品のため、比較的低予算で導入できるのも魅力です。

その他、紙ベースの勤務表をデータ化するシステムや勤怠承認システムなど、人材派遣や人事領域におけるDX実現のために活用できるソリューションが豊富にそろっています。

開発会社の選び方・ポイント

エッジAI開発を依頼する際は、以下のポイントを押さえておきましょう。

必要なサポートを明確にする

エッジAI開発はAIモデル自体の開発だけでなく、エッジコンピュータやカメラなど搭載するデバイスの選定や導入後の設置や保守点検など、さまざまな要素を検討する必要があります。

開発を依頼する会社にどこまでの範囲をサポートしてもらいたいのか明確にしておきましょう。

特に機械学習モデルを用いる場合は、アノテーションによる教師データ作成も重要です。アノテーションに使用するためのデータを保有していない場合は、データ収集が可能な会社もあわせてチェックしておくとよいでしょう。

関連記事：アノテーションサービス会社を特徴別にまとめて紹介

開発実績、デバイスの知見の有無から候補を絞る

エッジAIは、クラウド上で処理をおこなうChatGPTなどのAIと異なり、端末（デバイス）のみでデータを処理することを前提としています。

したがってソフトウェアやアプリ開発の実績だけで判断せず、自社課題に応じたハードウェア選定の知見があるか、モデル軽量化のノウハウがあるかなど、問い合わせ時に確認しつつ候補となる会社を絞ることをおすすめします。

相見積もりをとって費用を確認する

自社の依頼内容に近い実績がある会社を絞れたら、複数の会社から相見積もりをとるようにしてください。

これはエッジAIに限った話ではないですが、ひとつの会社だけだと適正な価格かどうかを判断できないためです。価格が異なる場合は必ず理由がありますので、各社の開発体制や業務スコープを比較するためにも複数の会社に問い合わせしましょう。

「結局どの会社に依頼すればいいの？」とお悩みの方へ

自社にあった会社が選べるか不安な場合は、コンサルティングができる会社を選ぶのがおすすめです。弊社LIGでは業界歴10年以上のベテランPMがプロジェクトに伴走し、貴社の課題に応じたご提案をさせていただきます。まずは不安に思っていることなど、どんなことでもお気軽にご相談ください。

さいごに

エッジAIのビジネス活用には、専門的な知識を持った企業によるサポートが不可欠です。自社の目的に近い開発実績があるか、デバイス選定の知見があるかなど、エッジAI特有の選定ポイントも踏まえつつ、気になる企業に問い合わせをしてみてください。