LIGブログSEO担当です。
急に検索順位が下がってしまうと、「なぜ順位が下がったの?」「このままだと収益に影響が出るので今すぐ解決したい!」などと焦ってしまいますよね。とくに上位にいたのに急に検索順位が下がったとなれば、よりショックは大きいと思います。
この記事では、緊急時にこそ確認してほしい検索順位が下がった原因とその対策方法を初心者の方向けに解説します。現場での経験をもとにお伝えするので、順位下落でお困りのSEO担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
検索順位が下がったときの原因と対策方法
さっそく検索順位が下がった原因と対策方法について解説していきます。
もし気の焦りを感じている場合は、まずは一呼吸置きましょう。焦って施策を試しても逆効果になってしまうかもしれません。また、いろんな施策を同時にやってしまうと、なにが効果的だったのか、逆になにが悪かったのか判断できなくなる可能性もあります。まずは落ち着いてから、この先の対策方法をご覧になってください。
コアアルゴリズムのアップデートの影響(2023年11月29日にロールアウト完了)
- これに当てはまったら注意
-
- 直近でコアアルゴリズムのアップデートがあった
Googleは、検索順位を決めるコアアルゴリズムを数ヶ月に一度の頻度でアップデートしています。最新のアップデート状況についてはGoogle Search Centralの公式Twitterでチェックしてみましょう(英語です)。
もし直近でアップデートがあり、その後に検索順位が下がっている場合、「なにもしない」のがポイントです。アップデート直後は順位の変動が大きく、傾向が掴めません。また、一度ガクッと順位が下がったとしても1〜2週間程度で元に戻ることもよくあります。
アップデートから2週間程度経てば傾向が掴めてきますので、アップデートが順位下落の原因と考えられる場合は、むやみにコンテンツを編集せずに、ロールアウトが完了するまで待ちましょう。
今できることとしては……
- アップデートの傾向が掴めたときにすぐ動けるようにタスクを調整しておく
- アップデート直後に下がったページや上がったページ(競合会社も含む)などをメモしておく
ということです。
※追記:2023年11月にコアアルゴリズムアップデートが実施されました
2023年11月3日(日本時間)、Googleコアアルゴリズムのアップデートが実施されました。このアップデートは11月29日にロールアウトが完了しています。
この検索順位の変化を見ると、ドメイン重視の傾向がやや弱まり、その他の要素(E-E-A-Tや、情報の新鮮さ、オリジナリティ等)への評価がやや強まったように感じます。当ブログでも情報が古いものや一次情報が不足した記事はやや順位が下落しました。
この他にも、アップデートの気づきがあり次第更新していきたいと思います。
ペナルティを受けている
- これに当てはまったら注意
-
- アップデートはきていないのに検索順位が一気に下がった
- リライト後、急に圏外になった
ペナルティには手動ペナルティと自動ペナルティの2種類ありますが、よほどのことをしていなければ自動ペナルティと考えられます。自動ペナルティとは、Googleのアルゴリズムによって自動的にペナルティ判定を受けるもので、実際にペナルティを受けているかどうかを調べることはできません(手動ペナルティは、Google Search Consoleに警告がきます)。
上記に当てはまっていればペナルティを受けていることを疑い、対策をとることをおすすめします。以下に考えられる具体的な原因と対策をまとめましたので参考にしてください。
ペナルティによる検索順位下落の原因①「対策キーワードの使いすぎ」
ペナルティによる検索順位下落の原因は、「対策キーワードの使いすぎ」であることが多いです。具体的にはコンテンツの以下の点を確認してみましょう。なお、対策キーワードとはその記事で上位表示したいキーワードのことです。
- タイトルに対策キーワードを2回以上、不自然に使っていないか
- 見出し(H2とH3)に対策キーワードを入れすぎていないか(半数以上に入れていたら要注意)
- 本文内に対策キーワードを意図的に詰め込んでいないか(目安として3%以上は要注意※)
とくに見出しは、対策キーワードを使いすぎているケースがよく見受けられます。当てはまったら、対策キーワードの使用回数を減らすなどし、改善してみてください。
※本文内のキーワードの使用比率はキーワード出現率チェックツール(無料)で調べることができます。数値目安はあくまで経験上からの目安であり、Googleが公式に見解を述べているものではありません。また、2023年時点での情報であり、今後アップデートにより変わる可能性があることにご留意ください。
ペナルティによる検索順位下落の原因②「不自然なリンク(内部・外部)」
不自然なリンクも、ペナルティを受ける原因となります。リンクには外部リンクと内部リンクで異なるリスクがあるので、それぞれ解説していきます。
まずは内部リンクについてです。
内部リンクによるペナルティは、同一ページへの内部リンクを張りすぎていることが原因であることが多いです。たとえば、Webサイト内に100ページの記事コンテンツがあり、このうち99ページから、残り1ページへ(ユーザーのニーズを無視して)内部リンクを張っていたとします。
もちろんこのリンクがユーザーニーズに沿ったものであれば問題ありませんが、検索順位を上げることを目的としているのであれば、不自然なリンクとしてペナルティを受けるリスクが高まります。内部リンクはあくまでも、ユーザーにとって有益と考えられる場合のみ張ることが基本です。
続いて、外部リンクについて解説します。
外部リンクによるペナルティは、たとえばリンク集サイトからのリンク、スパムリンクなどが原因である可能性があります。
外部リンクの状況はGoogle Search Consoleのメニューバーにある「リンク」からチェックしてみてください(メニューバーをスクロールすると見つかると思います)。
リスクのある外部リンクが多い場合はリンク否認などの対策が必要です。
リンク否認の具体的な方法はSrerch Consoleヘルプページに記載があるので必要に応じてご活用ください。
ただしリンク否認は見極めが大切です。Googleのジョン・ミューラー氏はTwitterで、「本質的には、リンクを購入していないのであれば否認しないことだ」と述べており、明らかなスパムリンクなどでなければ、不用意に否認すべきではありません。不安な場合は専門家に相談することをおすすめします。
検索ニーズの変化
- これに当てはまったら注意
-
- コンテンツに修正を加えておらず、アップデートも来ていないのに検索順位が落ちた
- 数ヶ月以上コンテンツを更新していない
ユーザーの検索ニーズは、時間の流れとともに変わることがあります。ここまで紹介したものに当てはまらないけど検索順位が下がった場合は、コンテンツ内容が“今”の検索ニーズにあっているかをあらためて確認してみてください。
たとえば「スマートフォン」という検索キーワードについて考えてみると、スマートフォンが発売された当初であれば、ユーザーは「スマートフォンってそもそもなに? 従来の携帯電話となにが違うの?」といった基礎的な情報を欲していたと思います。しかし現在では、「おすすめのスマートフォンが知りたい」などがメインのニーズです。
これはわかりやすい例ですが、同様にして、時間の流れとともに検索ニーズが変わっていくことがあります。とくに同じ業界に長くいると、意外とニーズの変化に気づきにくいです。
上位に来ているコンテンツをあらためて分析したり、ツールを活用してニーズを調べるなどし、コンテンツ内容を改善しましょう。
Googleの不具合が起きている
Googleは日々細かなアルゴリズムのテストや修正を繰り返しており、稀に不具合でおかしな動きをすることあります。これはとくに対策をせず、戻るのを待つしかありません。
もしなにか不具合があれば、公式でアナウンスがあります。または、Twitterなどで同じような状況が起きているか調べるのもよいと思います。基本的には数日で元に戻るので、焦らずに回復を待ちましょう。
「検索順位が下がった」と焦らないために
SEO担当者であれば、誰しもが検索順位が下がったと焦った経験がある思います。また、今後もSEO対策をおこなうなかで同じようなケースに直面することもあるでしょう。そんなときに焦らないために、普段からできることをまとめました。
ユーザー第一で考える
SEO担当者であれば口すっぱく言われていることと思いますが、これはアップデートが来ても変わることがない本質です。
もともとSEO対策は、そもそもロボットが検索順位を決定していることから、その傾向に対して対策をおこなっていました。
しかし現在はロボットの精度が高くなっており、ほぼ人間と同じように文章を理解できるといわれています。
そのため、「ユーザーにとっていいと思ったことはする、逆にそうではないことはしない」というユーザー思考を徹底していれば、急に検索順位が下がったと焦ることは少なくなるはずです。
SEO対策については「キーワードを入れたほうがいい」「内部リンクを張ったほうがいい」などのさまざまな情報が飛び交っていますが、ぜひ「それはユーザーにとって必要な対策なのか?」を自問自答してみてください。
近年のGoogleコアアルゴリズムアップデートの傾向を知る
ユーザーにとって良いコンテンツかどうかを判断する基準に、E-E-A-T(旧E-A-T)というものがあります。
E-E-A-T(旧E-A-T)とは、以下の頭文字をとったもので、Googleの品質評価ガイドラインで定義されている評価基準です。ここ数年でより重視されるようになっており、コンテンツを作るうえではこの基準を満たすことが求められます。
- Experience(経験):経験を基に書かれたコンテンツであるか
- Expertise(専門性):そのトピックに関する十分な知識や技術があるか
- Authoritativeness(権威性):コンテンツ制作者やWebサイトはそのトピックに対する情報源としての権威があるか
- Trustworthiness(信頼性):正確な情報を発信しているか・Webサイトは安全であるか(SSL対応をしていないなども検索順位下落の原因になります)
とくにYMYL※と呼ばれるユーザーの金銭・生命に重大な影響を与える可能性があるトピックについては、よりE-E-A-Tが重視される傾向にあります。このようなトピックでコンテンツを作成するときは、必要に応じて専門家に監修に入ってもらうなどの対策が必要です。
- ※YMYLの主な分野
-
- 医学的分野
- ジャーナル分野
- 科学的分野
- 法律や税務
- 住宅のリフォーム(多額の費用がかかり、生活環境に影響を及ぼす可能性があるため)
- 子育て
ドメインパワーの対策をおこなう
ドメインパワーとは、「そのドメインがGoogleからどれくらい信頼されているか」を表す指標です。
Googleはドメインパワーがランキング要因であるとは名言していないものの、事実として、ドメインパワーが弱いと良いコンテンツでも上位表示されにくいことがあります。とくにYMYL領域ではこの傾向が顕著です。
また、現場でSEO対策をおこなっていると、さきほど検索順位が下がる原因としてあげたペナルティもドメインパワーが低いほど受けやすい印象があります。
そのためSEO対策をおこなう上では、ドメインパワーを上げる対策は欠かせません。
ドメインパワーは一朝一夕で改善できるものではないので、普段からコツコツと対策しておくことが大切です。以下に具体的な対策を挙げたので参考にしてみてください。
良質なコンテンツを増やす
第一に、良質なコンテンツを増やすことが大切です。検索エンジンに評価されるコンテンツを作り続けることで、サイト自体の信頼度を上げていきましょう。
“良質なコンテンツ”についてはさまざまな意見があると思いますが、私は「コタツ記事と呼ばれるネット上の情報を集めたような記事ではなく、そのサイトでしか読めない一次情報を含むコンテンツ」だと考えています。
今回の記事テーマとは少しずれますが、もし順位が下がってお悩みであれば自社サイトでしか発信できない情報は何かも改めて考えてみてください。
企画系コンテンツも作成する
SEOコンテンツだけでなく、話題になるような企画系コンテンツを作成することも、ドメインパワーを上げるために有効な施策です。
企画系コンテンツを作成するメリットは主に、
- SNS上での拡散(この場合、SNSの運用もセットでおこなう必要があります)
- 被リンクの獲得
などです。
1については、流入数が増えることはもちろんのこと、インターネット上で話題になるだけでも一定の評価が得られると言われています。
また、被リンクの獲得という点でもこの施策が有効です。たとえばユーザーの実態調査などを実施しそれをプレスリリースなどで発信すれば、ニュースサイトなどに取り上げられる可能性があります。
地味な作業にはなりますが、このような施策をコツコツと行うことでその領域に専門性のあるWebサイトとして評価が高まることも期待できるでしょう。
他のメディアに露出をする
インタビューを受けるなどして、他のWebサイトから被リンクを獲得するのもよく用いられる被リンク対策方法です。
前述した話題性という意味でも、取り組む企業は多い印象があります。
ただし、ドメインパワーはリンクの量だけでなく、質も考慮されると考えられています。
そのため、自社サイトであつかうトピックに関連しているWebサイトを選ぶことが望ましいです。ドメインパワーの対策方法についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
ドメインパワーとは?SEO対策への影響と対策方法を解説
検索順位が下がったときに確認すべきこと
検査順位が下がったときには、サイト状況をしっかりと把握することが大切です。具体的には、次のようなことを確認しましょう。
- サイト全体で検索順位が下がったのか、ページ単位で下がったのか
- どのページの検索順位が下がったのか
- 検索順位が下がったページは、どのクエリで順位が下がったのか
上記のことを調べるには、Google Search Consoleが便利です。以下より手順を解説するので、確認してみてください。
サイト全体の検索順位の変化を確認する方法
まずはサイト全体の状態の確認します。Google Search Consoleにアクセスをし、以下の手順で操作をしてください。
1. メニューバーの「検索結果」をクリック
2. 「平均掲載順位」にチェック
3. 「日付」をクリック
4. タブの「比較」>カスタムから、検索順位が下がった前後の日付を設定する
ページ別に検索順位の変化を確認する方法
続けて、どのページの検索順位が下がったのか見ていきます。
1. タブの「ページ」をクリック
画面を下にスクロールすると画像のようなタブがでてくるので、「ページ」をクリックします。
2. 「掲載順位差※」をクリックし、マイナス差が大きい順に並び替える
これで順位下落が大きかったページを確認することができます。
※「掲載順位差」は一番右にあります。見つからない場合はスクロールしてみてください。
検索クエリの順位変化を確認する方法
1. 詳しく調査したいページのURLをコピーする
URLにカーソルを合わせると、コピー用アイコンがでてきます。
2. 「+新規」>「ページ」から、コピーしたURLでソートをかける
3. タブ「クエリ」をクリック
- Google アナリティクス(GA4)で確認する方法
- Search Consoleと連携※をしていれば、GA4でも自然検索の状況を調べることができます。基本的にはSearch Consoleの方が見やすくおすすめですが、GA4で確認したい場合は、メニューバー「レポート」>「Search Console」>「Googleオーガニック検索レポート」の順にクリックしてみてください。
※連携したはずなのにメニューバーに「Search Console」が表示されない場合、公開設定をおこなっていない可能性があります。レポートメニューのメニューバー下にある「ライブラリ」から、Search Consoleの公開設定をおこなうと、表示されるようになるはずです。
さいごに
検索順位が下がったときの原因と対策方法について紹介しました。最後におさらいも兼ねて、ここまでの内容をまとめます。
- 検索順位が下がったときに考えられる要因
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- コアアルゴリズムのアップデート
- ペナルティ(キーワードの使いすぎ、不自然なリンク)
- 検索ニーズとのずれ
- Googleの不具合
上記のうち、コアアルゴリズムのアップデートが原因と考えられる場合は、なにもせずに様子をみるようにしましょう。
- 今後「順位が下がった」と焦らないためにできること
-
- ユーザーを第一に考えたコンテンツ、サイトづくりを意識する
- コンテンツを作るときはE-E-A-Tの基準を満たすこと
- ドメインパワーを上げる対策もおこなう
以上がこの記事の内容です。SEO対策を担当していると、検索順位が下がって焦ることは多くの方が経験します。そんなときは冷静に原因を特定して、やるべき対策を見極めていきましょう。
※コンサルティング会社へ相談をしたい方は、こちらの記事で業界でも知名度が高いおすすめのSEOコンサルティング会社9社を紹介しています。
よくある質問
検索順位が回復するにはどれくらいかかりますか?
順位が下がった原因がペナルティの場合、問題を解消後にGoogle Search Consoleでインデックス登録のリクエストを送信すると、基本的にはクローリング後すぐに反映されます。
ニーズのずれが原因の場合、改善後1週間から1ヶ月程度様子を見てみましょう。なお、改善後すぐは一時的に検索順位が落ちることがあります。この場合でも我慢して、しばらく様子を見るようにしましょう。
検索順位が下がる理由にはどのようなものがありますか?
この内容を実践しても順位が上がらないときは、以下の記事もご覧になってみてください。SEO担当者に順位が上がらないときに試してほしい6つのことをまとめています。
検索順位が上がらないときの6つの確認ポイント【SEO担当者へ】