LIGブログ編集長のMakoです。
弊社が運営するWebクリエイタースクール「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」(通称デジLIG)は、2023年に「リーダーズ講座」を開講します。
- リーダーズ講座とは
- 本気でクリエイターを目指すみなさんの学びを支援すべく、業界歴10年以上のトップクリエイターを講師に迎えお届けするデジLIGだけの特別講座。詳細はこちら
初回講座に先んじて、講師陣からデザインを学ぶみなさんへメッセージを頂戴しました。第三回目はQUOITWORKS代表のムラマツさん(@muuuuu_chang)。クリエイティブ業界の最前線でお仕事されているかたわら、TwitterやYouTubeでの情報発信も積極的におこなわれています。
先日YouTubeチャンネル「MUUUUU.TV(ムーテレ)」の公開収録イベントもご一緒させていただきましたが、即日満席となる人気っぷりでした……!
もちろん当日の会場も大盛況。ご参加いただいたみなさまの感想noteから、その熱量が伝わってくるかと思います。
#ムーテレ の公開収録リアルイベントが最高すぎた
#ムーテレ 公開収録版の交流の“しかけ”(というか“圧”)がスゴかった|鷹野 雅弘
娘のデザイン英才教育のために#ムーテレ公開収録に参戦したら、運営視点で大変勉強になったお話
そんな人気者ムラマツさんからの言葉の数々、ぜひご注目ください!
講師:株式会社クオートワークス 代表取締役 ムラマツ ヒデキ氏 東京のデザイン会社QUOITWORKSの社長。MUUUUU.ORG/MUUUUU.TV運営。2007年から都内受託系デザイン会社3社を経て2013年より独立、2015年に法人化。専門誌掲載多数。書籍寄稿多数。イベント登壇多数(NHK高校講座、CSS Niteなど)。世界的なWebデザインアワードAwwwardsの審査員も務める。最近ではYouTuberとしても活躍中。主な守備領域はプロデュース、ディレクション、デザイン。 |
聞き手:株式会社LIG Digital Education部マネージャー 林 隼平 日本大学芸術学部卒業後、テレビ、ラジオ、Webメディア、プロスポーツイベントなど、複数の媒体にてディレクター職を経験。2018年9月からLIGにセールスメンバーとして入社し、教育事業部に配属(現デジタルエデュケーション部)。自身のクリエイターとしての経験を生かし、現在はマネージャーとしてWebクリエイタースクール事業「デジタルハリウッドSTUDO by LIG」の事業企画、運営を行い、クリエイター育成をミッションとしている。 |
褒め言葉を燃料に
林:リーダーズ講座、お引き受けいただきありがとうございます! はじめに、ムラマツさんがWebデザイナーになった背景をぜひ教えてください。
ムラマツ:19歳で上京したのですが、スキルも資格もなく就職に結構苦労したんですよ。その当時、学歴不問で独学でできて、そこそこお金も稼げる仕事を探した結果、たどり着いたのがWebデザイナーという仕事だったんです。
「これでダメだったら実家に帰る」という覚悟で臨みました。
ムラマツ:もともと昔から憧れていたわけではなく、「今自分ができそうなことから逆算して見つけた仕事」というのが正直なところなんですが、やっていくうちに「Webデザイナーってめちゃくちゃおもしろいな」と感じるようになったんですよ。自分一人で作ったものが世界中から褒められることがある仕事って、なかなか他にはありませんよね。しかも賞を獲れたり、雑誌に載ったりすることもある。僕にとってはそれがとても嬉しくて、「もっと頑張ろう」という燃料になりました。
あとは、せまい業界なので切磋琢磨できる友だちを作りやすいことも魅力に感じましたね。上京してしばらく僕には友だちがまったくいなかったんですよ。でも初めて入った制作会社では、休日も家にお邪魔して一緒に勉強するような仲間ができました。友だちがいると楽しいことも増えますし、頼れる友だちがたくさんいたほうが、未知の課題に対する解決策も導き出しやすくなります。
林:ムラマツさんが感じている仕事のおもしろさ、これからWebデザイナーを目指すデジLIG生にもぜひ伝えていきたいと思います。
ムラマツ:ただ、楽しさだけではなく厳しさも遠慮なく伝えようと思っています。経験も資格もいらない実力社会は、まったくもってキラキラしたもんじゃないんですよ。できない人はどんどん淘汰されていくし、くじけた人なんていくらでもいる。僕自身、何度もくじけました。でもその上でやる気を出してもらいたいんです。やれば絶対できるので。難しいゲームだからおもしろいんですよ。
キャリアの選択は、早いほうがいい
林:デザインを独学されていた当時を振り返り、「もっとこうしておけばよかった」と思うことはありますか?
ムラマツ:自分が理想とするキャリアから逆算して、“やらないこと” をもっと早く決めておけばよかったと感じています。
というのも、初学者向けの本や記事ってたいてい「Web制作をやるならPHPもJavaScriptも書けたほうがいい」とあれこれ網羅的に学ぶことを勧めてくるんですよ。もちろん僕も一生懸命勉強して、しばらくはデザインもコーディングも両方やっていました。
しかしある日、業界10年目の僕と、デザインだけ6年間やってきた人のデザインスキルのレベルがあまり変わらないことに気づいたんです。「まんべんなくスキルは身についていたけど、尖っていないな」と当時反省しました。
なのでデジLIG生のみなさんには、 Webデザイナーになりたいのか、あるいはプログラマーになりたいのか、自分がどういうキャリアに進みたいのかを早い段階で決めてもらいたいですね。Webデザイナーになりたいのに、「気づけばコーディングの勉強ばかりしていた」なんてことが起きないように。
林:キャリアを定めきれずまんべんなくスキルを身につけてしまっている方、たくさんいらっしゃると思います。スクール運営者として、ムラマツさんのメッセージを参考にアドバイスしていきたいと感じました。
錆びないスキルを身につけよう
林:リーダーズ講座ではどんなお話をされる予定でしょうか?
ムラマツ:“錆びないスキル” を教える場にしたい、また独学デザイナー代表として必死に試行錯誤して編み出した技、楽しさと厳しさをあますことなく伝えたいと考えています。
たとえば、流行りのデザインツールの使い方はすぐに錆びてしまいますが、お客様の声を聞き、形にしていくディレクション力は決して錆びることがありません。そのため講座では、普遍的なデザインのノウハウはもちろんのこと、コミュニケーション力や課題解決力といった “デザイナーと相性がいいビジネススキル” についてもお話しできればと思っています。しかも、ビジネスの現場で本当に役に立つものだけを厳選して。
林:スクールとして、デザインについて学ぶ機会は多く用意してきましたが、ビジネススキルにまで踏み込んだ講座はいままでにありませんでした。開講が非常に楽しみです!
ムラマツ:デザイナーは、お客様の懐に入り込んで、本当に欲しいものを聞き出して、お客様の代弁者となりアウトプットしなければいけません。しかもそのアウトプットを見た人に、狙い通りの印象を与えなければならない。これって直接話している目の前の相手に狙い通りの印象を与えるより、相当高度なコミュニケーションですよね。
なので “より強いデザイナー” になるためには、デザインスキルの向上に努めるだけでなく、ビジネススキルもあわせてトレーニングしていくことをオススメします。
ビジネススキルは、努力すれば誰だって身につけられます。だって世の中にはたくさんのノウハウ本が出回っているじゃないですか。どんどん人に会って、本で学んだノウハウを実践してみる。「1人でiPhoneのゲームアプリを作ってください」というお題よりずっと簡単なはずです。“伸びる人” はみんな、めんどくさがらずに行動し続けていますよ。
林:力強いメッセージ、ありがとうございます! お話の続き、講座でうかがえるのが楽しみです。
ムラマツ:YouTubeでのいろいろな経験を踏まえ、誰よりもおもしろい講義にするつもりなので、期待してもらえたら嬉しいです。正直教えるというか、“楽しませたい” んですよね。
……ちなみにこれって、YouTubeの撮影もして大丈夫なんでしたっけ!?
林:はい。デジLIG生限定の講座ではありますが、一部であればOKです!(笑)
ムラマツ:それはよかったです。半分は撮影して、半分はオフレコ話や質問コーナーにできればと構想を練っています。前回の公開収録イベントはハイボール片手に登壇しましたが、今回は飲みませんのでご安心ください(笑)。
僕自身、若い人たち、やる気がある人たちから刺激を受けて、今後の自分のやる気に変えていきたいと思っています。いまから本当に楽しみです!
林:そう言っていただけて幸いです! 講座当日はよろしくお願いいたします!
さいごに
私たちデジLIGは、「スクールを卒業してデザイナーになること」がゴールではなく、5年後10年後に「クリエイターとして良いキャリアを築くこと」を本気で支援したいと考えています。当講座を通じて、プロとして活躍しているクリエイターのマインドセットが垣間見えれば幸いです。
ムラマツさんの初回授業は2023年4月に開催予定。本気でクリエイターを目指すみなさん、デジLIGにてお待ちしております!
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