LIGブログ編集長代理のまこりーぬ(@makosaito214)です。
早いもので編集長代理となり1年が経ちました。
編集者ではない私が、LIGブログ編集長代理に就任しました。
たかが1年、されど1年。ここには胸を張って書けないようなことも含めて本当にいろんなことがありましたが、チームメンバーと力を合わせて日々奮闘しております。
さて、先日弊社LIGでは「メディアコンサルティングプラン」を新しくリリースしました。「お客様のオウンドメディア、伴走しまっせ!」というサービスです。そのご支援の際、お客様より
「LIGブログはどのようにして成長したんですか?」
としばしばご質問いただきます。今回はその回答ができればと思い、筆を執りました。とくに私が入社した2018年以降の話は赤裸々に書いておりますので、オウンドメディアを運営するみなさまにとって少しでも参考となれば幸いです。
※2017年以前につきましては、私が事実として把握している大きなトピックスのみ取り上げています。何卒ご了承くださいませ。
立ち上げ期(2007年〜)
2007年にWeb制作会社として生まれたLIGは、創業当初よりブログにて情報発信をおこなっています。
理由は単純明快で、「営業したくなかったから」。創業メンバーである前代表の吉原ゴウやエンジニアのづやは昔から個人サイトを運営しており、営業は苦手でもブログは得意だったのです。
LIGブログの前身ともいえる「お空の下で遊ぶしねぇ?」には、現世では完全にアウトなネタばかり転がっています。時代の流れを感じますね。
情報発信を続けていくと、着実にお仕事のご相談は増えていったと聞きます。なかでも強烈にLIGを世間に知ってもらうきっかけとなったコンテンツがありました。「伝説のWebデザイナー」です。
「社長を砂浜に埋めるやつでLIGを知りました」と10年経ったいまでも言われます。まさにレジェンド的コンテンツですね。
これにてすっかり勢いづいたLIGは、おもしろ記事をどんどん世の中に公開していくようになります。その結果PVが伸びに伸び、「うちのサービスの広告をLIGブログに載せてくれませんか?」とお問い合わせをいただくほどに成長しました。
一企業のオウンドメディアとして始まったLIGブログは、こうして事業化を果たしました。
伸び盛り期(2013年〜)
2013年、「オウンドメディア」ブーム到来。LIGにはおもしろ記事を得意とするメンバーがさらに集まりました。
世界一即戦力な男、菊池良が株式会社LIGに入社する事になりました。 結婚のご報告。30年彼女がいなかった僕が、秒速で結婚できた理由。 入社して3ヶ月で、アメリカ大陸を横断することになりました。本当にありがとうございました。 【渋谷】仕事が嫌になったので、ハロウィンで仮装している人の「職業」を聞いてみた
ちなみに私は「世界一即戦力な男・菊池良さんが就職先に選んだ変な会社」として初めてLIGのことを知りました。約5年後、その変な会社を自分も就職先に選ぶとは誰が予想したでしょうか。人生とは不思議なものです。
この時期はバズコンテンツの裏側でがっつりSEOコンテンツも仕込まれており、メディアのPVを大きく支えていました。SNSでバズるたびに、ドメインが評価され、サイト全体の検索順位も上がる。そんな理想的なサイクルでMAX月間800万PVという記録を叩き出したのです。
当時の先輩方、ほんとすごいっす。
停滞期(2016年〜)
右肩上がりに急成長してきたLIGブログですが、おもしろ記事を得意とする社員の退職を機に、停滞期に突入していくことになります。
停滞したといっても毎月数百万の検索流入があり、ありがたいことに毎月30〜40件は指名でお問い合わせをもらい続けていました。
まさにLIGブログは、「放っておいてもお問い合わせがくる装置」になったのです。
しかしながら、理想を実現してしまったがゆえに、社内には「緩み」のようなものが生まれていたのではないかと感じます。
私が入社した2018年当時、「社員は月に1本記事を書く」というルールがありました。しかし残念ながら「業務が忙しい」という理由で記事を書いていない社員が大多数。……なにもしなくても毎月十分なPV・お問い合わせを得られるのだから、そうなってしまう気持ちもわかります。
しかもタイミングが悪いことに当時は編集長も不在で、「この状況を改善しよう」と責任を持って取り組める人がいませんでした。そうこうしているうちに、じわじわ、じわじわと時間をかけて検索流入はゆっくりと落ちていったのです。
改革期(2021年)
「さすがにこの状況のままだとよくないね」と経営陣が判断し、LIGブログの改革に踏み切ったのは2021年頭の話でした。
伸び盛り期のLIGブログを支えたOBに約1年間コンサルティングに入ってもらい、運営方針や体制を大きく見直していきました。私がLIGブログの運営に入ったのもこのタイミングです。
一緒にLIGブログを創っていきませんか by そめひこ
まずは「社員みんなで記事を書く」というLIGのカルチャーを活かした体制変更をおこなうことになりました。「2ヶ月に1本、“業務で学んだこと” をテーマに記事を書こう」と全社員に徹底させたのです。
徹底のため、経営陣から何度も「全社のルールだ」と発信してもらい、全社員が見えるスプレッドシートに提出状況を可視化し、提出が遅れたメンバーには「X日までに必ず提出してほしい」と直接説明をして回りました。きっと社員のみんなからすれば私は “鬼のリマインダー” に見えたことでしょう。
おかげさまで(遅れて提出する人はいましたが)提出率は毎回100%でした。
……実際に半年ほど走ってみると、この体制のメリット・デメリットが見えてきました。メリットは、具体的で濃い一次情報が盛り込まれた記事が増えたこと。デメリットは、あらゆる職種のメンバーが執筆するがゆえに「LIGブログはどんなターゲットにどんな情報を届けたいのか」が非常にわかりづらいことでした。
これは昔のLIGでは起きなかった、事業が多角化したいまだからこそ起きた悩みです。
しかも我々はちょうど「DX支援会社へ変貌するぞ」とCI(コーポレート・アイデンティティ)を刷新するタイミングでもありました。なれば「LIGブログにおける情報発信も新たなCIが反映されたものにすべきだよね」ということで、もう一度大きく運営体制を見直すことになったのです。
現在(2022年)
2022年4月からは、編集部中心にCIに沿った企画を立て、必要な社員を巻き込みながら記事を制作する方針に変更しました。「世の中一般的な編集部になった」とも言えます。
この体制変更は、これまで社員が書いた記事をどんどん編集して公開することが仕事だった編集部メンバーにとっては非常に大きな変化でした。
新設したばかりの事業部においては私ですら顧客理解度が低く、「たくさん企画を出しているのに事業部OKが出ない」なんてことが続きました。「テーマはズレてないけど社内に知見がないから協力できない」という理由で断られることも多く、「このままでは平日1本記事を公開できない……穴が空いてしまう……」と焦った時期もありました。
企画の精度があがるまで、余裕を持って公開スケジュールを組めるようになるまでには、おそらく3ヶ月はかかったのではないかと思います。しっかりとコミットしてくれたチームメンバーには感謝しています。
また、何度NGを食らっても「こういう方向性だったらどうですか?」と再提案し続けるなかで、「まぁ編集部も頑張ってるし協力してやるか」という空気が事業部側にも生まれてきているような気がします。ご協力ありがとうございます(気のせいだったらすみません笑)。
こうした体制変更を経て、課題となっていた「情報発信の方向性」はある程度コントロールできるようになりました。しかしまだまだ改善点は山積みです。
たとえば、与えられたテーマよりも書きたいテーマで書いてもらったほうが熱を帯びた記事になることが多いように、編集部が介在することで失ってしまった “執筆者の持ち味” があると感じています。また、記事のテーマが包括的だとなかなか独自性のある情報が引き出せず、無難なコンテンツに仕上がってしまうようなジレンマも起きています。
これらの課題はこれからどんどん改善していく所存です。個人的には、いまのスピードの2倍くらいでPDCA回したい。回していきます。
未来(2025年)
さて、そんなLIGブログはどこに向かっていくのでしょうか。
私のチームは、「LIGブログをLIGの柱にすること」をミッションにおいています。
過去のLIGブログのあり方に引っ張られることなく、そのとき在籍している社員一人ひとりが “自発的に” 「書きたい」「協力したい」とLIGブログに関わり、永続していくようなオウンドメディアを作りたい。理想論かもしれませんが、そこを目指してみたいのです。
そのためにやるべきは、いまのLIGにとって必要な認知やお問い合わせを獲得し、「LIGブログがこれだけ事業成長に貢献しています」と、いま在籍している社員に体感してもらうことだと考えています。
つまりは、事業貢献にコミットする、ということです。険しい道ではありますが、チームメンバーとともに一つでも多くの成果を残していきたい、と強く思います。
さいごに
LIGブログという巨大なオウンドメディアを内側から見てきた立場として、LIGブログの「成長の秘訣」は2つあります。
1つは、「経営陣が情報発信を楽しむ気持ちを強く持っている」こと。そうでなければ、LIGブログは始まることも広がることも、そして続くこともなかったでしょう。
もう1つは、「会社の変化に合わせて柔軟に体制を変更し、改善を積み重ねている」こと。こちらはまだまだ×100 道半ばですが、引き続き邁進してまいります。
今後のLIGブログにも、どうぞご期待ください。
また、これまでのオウンドメディア運用のなかで培ってきた知見を活かし、お客様のオウンドメディアのご支援もおこなっています。オウンドメディアでお悩みの際には、ぜひご相談ください。