編集者ではない私が、LIGブログ編集長代理に就任しました。

編集者ではない私が、LIGブログ編集長代理に就任しました。

Mako Saito

Mako Saito

みなさんこんにちは、LIGのマーケターのまこりーぬ(@makosaito214)です。

私事で恐縮ではございますが、2021年7月より当LIGブログの編集長代理も務めることになりました。

……え!? 編集長代理!?」と、当の本人もわりと、いえ結構驚いています。

私はこの1〜2年でよく記事を書くようにはなりましたが、あくまで職種はマーケターであり、編集者として働いたことは一度もありません。そんな人間が約15年にわたり運営を続けているオウンドメディアの編集長代理になるとは……。ちゃんとやっていけるだろうか。

試行錯誤しながら取り組んでいる真っ最中ではありますが、ここからグッとアクセルを踏んでいくためにも、いまの自分が考える「編集長代理がやるべき仕事」を言語化して整理してみました。

いつもLIGブログを見てくださっているみなさまへ、運営体制の近況報告にもなれば幸いです。

私が編集長代理になった背景

なぜLIGブログの編集長は長らく不在だったのか

はじめに少し経緯をお話しします。

LIGブログには歴代編集長が存在し、それぞれメディア運営を牽引されてきました。しかし直近約4年間については、実は編集長が不在だったんです。

私がLIGに入社した時点ではすでに不在だったこともあり、特に疑問を抱くこともありませんでした。しかしこの記事を書くにあたり「そういえば、どうして長らく編集長不在だったんですか?」と社長のゴウさんに聞いてみたところ……

ico社員全員をライターとして捉え、それをマネジメントするという仕事が特殊すぎて、なかなか適任者が見つからなかったため。プロのライターでもなんでもない人たちに、通常業務が忙しい中でコンスタントに記事を書いてもらうためには、編集者としての能力というよりも、組織マネジメント・人事的な視点で物事を捉えてコントロールしなければならず。そこが非常に難しいんだよね。

な、なるほど……。「全社員がライター」はLIGブログならではの特徴です。どんなに百戦錬磨な編集者の方であったとしても、全社員に記事を書いてもらうためにはまた別のスキルが必要なのかもしれません。

しかしなにはともあれ、長が不在のなかでも、編集部の力でこの4年間毎日滞りなく記事は公開されていました。ニュースメディアではないLIGブログを毎日更新し続けるのは簡単なことではありません。編集部のすばらしい実績です。……なんですが。

嵐のようにやってきた元執行役員

運営を続けていくなかで、LIGブログにはいくつかの課題がありました。しかし編集メンバーは直近2名しかおらず、毎日の更新で手一杯の状態。なかなか抜本的な改善ができずにいたんです。

状況を見かねた経営陣が、2020年12月にLIGブログの改革を決断。「プロの力を借りよう」と、LIGの元執行役員であり、株式会社MOLTS代表の寺倉そめひこさんにコンサルティングを依頼することになりました。いつもゴウさんに部屋を改造されているあの人です。

……ということで、現在LIGブログはそめひこさんと一緒にあらゆる改革を進めています

私はちょうど2020年秋頃からそめひこさんと別件でお仕事をご一緒していたこともあり、プロジェクトの一員として呼ばれ、そこからLIGブログの運営に片足を突っ込むことになりました。

そめひこさんはいままで出会ってきた人のなかでもっともワーカホリックで、嵐のような人で、そして心から頼れる、もう一人の上司のような存在です。

「編集長、やったらどう?」

数カ月間LIGブログ改革プロジェクトを進めていくなかで、一つ新たな課題が浮上しました。それは「誰が最終的にLIGブログの記事のクオリティに責任をもつんだ問題」です。一部の記事のクオリティを上げようと試行錯誤し始めたからこそ、「この記事もあの記事も、もっとよくなるんじゃないか?」なんて反省する機会が増えていたんです。

そめひこ:やっぱりLIGブログには編集長がいると思うんだよね
まこりーぬ:そうですね……私もそう思います……。
そめひこ:自分、やったらどう?
まこりーぬ:ん?

予期せぬ提案すぎて、最初は本当に「ん?」というリアクションだった気がします。

私は自分でやった方が早い病を患っているような人間なんですが、唯一この提案だけは「あ、じゃあ私がやりますよ」と即答できなかった。イヤというわけではなく、「この仕事は片手間で引き受けてはならない!」と反射的に思ったのです。それほど、覚悟が問われるものでした。

そうこうしているうちに「やったらどう?」が「やろう!」という提案に変わっていき……。最終的には編集長代理になることを決断。いまに至ります。

ちなみになぜ私に任せることを了承してくれたのか、社長のゴウさんに聞いてみたところ……

ico先ほどのとおり、編集者としての能力よりも、組織をコントロールする能力の方がLIGブログの編集長ポジションには求められます。その点を評価して、まずは代理としてまこりーぬに任せてみようということになりました。「代理」ってなんやねんって話ですけどねw

……どうやら任命してくれた人たちも「代理ってなんやねん」と思いながら、私の力量に合わせて「代理」とつけてくれたようです。本当にありがとうございます。

こちらのコメントから、改めて自分に期待されていることがクリアになりました。また、完全に勝手な解釈ですが「とことん組織と向き合って、自分一人ではできないことに挑戦せよ」という機会を会社からもらえたのかな、と感じています。

編集長(代理)がやるべき仕事

決断したのはいいものの、当然ながら「編集長業務マニュアル」なんてものはありません。本やWebでも編集長の仕事を一応調べてはみましたが、一言にまとめると「メディアの方向性を定めて責任をとる仕事」という内容になってしまい、なかなか具体的なアクションの参考にはならず……。

よってひとまずは「LIGブログを、LIGの柱にする」というミッションを達成するために、編集長代理という立場でなにをやるべきかを自分の頭で考えて動いてみるしかありませんでした。

当記事の後半では、まだ約1ヶ月ほどではありますが、実際に動いてみたなかで「編集長代理として、きっとこんなことを注力していかなきゃいけないんだろうな」と肌で感じていることを、自分なりの言葉でまとめてみます。

※あくまでLIGブログにおける、個人的な仕事の定義です。

数字を伸ばす

ミッションを達成するためには、「いい記事を増やすこと」「数字を伸ばすこと」が欠かせません。この2つは表裏一体ですが、私はあえて「数字を伸ばす」を一番に掲げたいと思っています。

これは「数字はあまり伸びなかったけど、自分たちにとっては “いい記事” だったよね!」と言い訳しないようにするため、ただそれだけです。LIGブログはSNSやメルマガなど記事を届けるチャネルをいくつか持っています。いい記事ならば、必ず一定の数字がついてくるはずなんです。※手段を選ばず数字を伸ばす、なんてつもりは一切ないのでご安心ください。

なにより、数字の伸びは「またいい記事を書こう!」という社員のモチベーションにつながります。だからこそ愚直に追い求めたい。まだまだそめひこさんにおんぶにだっこ状態ですが、数字を伸ばすために私自身もアレコレ奔走し続けようと思います。

いい記事を増やす

いい記事を増やす施策は、現在まさに試行錯誤中です(具体的な取り組みはまた別の記事にて)。

記事のよしあしの判断は想像以上に難しく、「そんなの受け手の感性に寄るじゃん」なんて思う部分も正直あります。しかしLIGブログにおける「いい記事とはなにか」を決めなければ、「いい記事を書こう!」と組織を導くことができません。人それぞれだよね、ではなく、誰かが決めるしかないのです。

では、LIGブログにとってのいい記事はなにか。現時点では、「同じような仕事に取り組む人たちの役に立つよう、自分が業務を通じて得た知見をシェアする記事」だと考えます。

実際にここ最近LIGブログで公開している知見のシェア記事は非常に臨場感があり、唯一無二のコンテンツがたくさんあります。「これはきっとプロのライターにも書けない! あぁ、いい記事ばかりだなぁ……」なんて、手前味噌ながら、わりと本気で思っています。

気持ちを盛り上げる

いい記事が書ければ、数字が伸びる。数字が伸びれば、次もいい記事を書こうと思う。……理想のサイクルはこうですが、残念ながら最初から全員のPVがグイーンと伸びて反響ザックザク! なんて夢のようなことは起きません。

だからこそ、1件の反響であっても嬉しい内容であれば執筆者にお知らせする、「あなたにはぜひこんな記事を書いてほしいです!」と期待を伝える。そんな細かな声かけの積み重ねで社員の “気持ち” を盛り上げていくことはとても大事だと思っています。

本来は時間の許すかぎり個々人とコミュニケーションをとっていきたいところですが、なかなかそうもいきません。「こんな表彰制度があるといいのでは?」「模範となる記事は全社にもどんどん共有しよう!」など、1対Nのコミュニケーションも模索している最中です。

仕組みを作る

社員が書いた記事を公開するまでの過程には編集部(インハウスエディターとデザイナー)が携わっており、彼ら彼女らの働きによって、LIGとしてベストな記事をお披露目することができています。よって編集部メンバーが気持ちよく働けて、パフォーマンスを発揮できるように仕組みを整えることも、私の大事な仕事の一つです。

編集部をガラッと再構築したいまだからこそ、既存のオペレーションに対して「もっと効率化できないの?」「これはいい記事を作ることにつながるの?」と疑ってみることができると感じています。つまり、現在がもっとも仕組み作りを推進できるタイミングでもあるんです。

メンバーからも積極的にアイディアをもらいながら、採用含め、もっといい環境に整えていきたいと考えています。

どんな業務にも誠実である

最後は、もはや編集長代理ではなくあらゆる仕事に当てはまるかもしれませんが(笑)、人になにかをお願いしたいのならば、日頃の信頼関係が欠かせないと強く感じています。

たとえば、ふだんなにも情報発信していないのに、案件がほしいときだけお客様にガンガン電話やメールをするとか、記事を読んでほしいときだけ「拡散希望」とシェアするとか。そんなの都合がよすぎますし、うまくいくはずありません。

ふだんの信頼関係があるからこそ、いざなにかをお願いしたいときに耳を傾けてもらえて、声が届くようになります。私は、みんなに記事を書いてもらいたい。だからこそ、LIGブログ運営業務に限らない場所でも気持ちよく仕事ができるビジネスパーソンであらねばと、改めて強く思うのです。

おわりに:決意表明

私は、LIGブログのおかげで人生が好転した人間の一人です。

人脈が増え、仕事が増え、おそらく会社をクビになっても一人で生きていけるだけのパワーを身につけることができました。LIGブログをかなり使い倒している自覚があります。本当にすみません。本当にありがとうございます。

LIGブログの媒体力を武器に勝手に取材へ出かけ、そこで貴重な学びを得たこと、すばらしい先輩方と出会えたこと、その記事をたくさんの方が読んでくれたこと。そしてさらに、新しい仕事や出会いが増えていったこと。最高じゃないですか? 最高なんですよ。

そんな喜びを一人でも多くのメンバーに感じてもらえるといいなぁ……と、そんな思いを忍ばせながら、編集長代理の仕事に日々励んでいます。

誰かに魂を込めて記事を書いてもらうことは、自分で魂を込めて記事を書くより正直なところ100倍難しい。だけどその「難しい」を、周りの人の力をめちゃくちゃ借りながら、全力でやっていくのみです。

LIGブログは、いまよりももっともっといいメディアになります

今後のLIGブログに、どうぞご期待ください!

 

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Mako Saito
Mako Saito LIGブログ編集長 / 人事部長 / 齊藤 麻子

1992年生まれ。2014年九州大学芸術工学部卒業後に採用コンサルティング会社へ新卒入社。法人営業から新規事業推進、マーケティング業務に従事したのち、2018年にLIGへ。2023年にLIGブログ編集長、2024年に人事部長に就任し、現在は自社のマーケティング・人事業務を担う。副業ではライターとして活動中。あだ名は「まこりーぬ」。著書『デジタルマーケの成果を最大化するWebライティング』(日本実業出版社)

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