未経験からWebデザイナーとして制作会社に就職するには?採用する側に評価ポイントを聞いてみた

未経験からWebデザイナーとして制作会社に就職するには?採用する側に評価ポイントを聞いてみた

Jumpei Hayashi

Jumpei Hayashi

こんにちは、Digital Education部の林です。

私たちは「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG(通称デジLIG)」というWebクリエイタースクールを運営していて、日々Webクリエイターを目指す方の学習支援を行っています。

「未経験からの転職の場合、採用基準はどんなところにあるの?」
「転職するためにやるべきことは?」

そんな疑問を持つ未経験からWeb制作会社への就職を目指す方に向けて、本日は採用する側から考える「転職成功のヒント」をお伝えしていきます。

実際に多くの業界未経験者を採用している、Web制作会社イッパイアッテナの吉富さん、中野さんにお話を伺いました。吉富さんはデジLIGのトレーナー(講師)も務められています。

未経験から制作会社を目指したい方、これからWebクリエイターを目指す方は、ぜひご覧ください。

株式会社イッパイアッテナ 執行役員/アートディレクター 吉富 友希表現の自由さを最大限に生かしながら、論理的に効果を生み出し、愛されるデザインを日々目指しています。ジントニックをのむとごきげんになります。
株式会社イッパイアッテナ ディレクター 中野 大河白いシャツへの異常なまでのこだわりを見せる。日々ベストな着心地を探している。
株式会社イッパイアッテナとは?
都内のWeb制作会社。「デザインと教養と想像力で 世界を正解でイッパイに」をミッションに掲げ、デザインの力で企業の課題解決に取り組む。

未経験者の評価ポイントとは?

――イッパイアッテナさんでは、執行役員の吉富さんがデジLIGで講師をしているということもあり、デジLIGの卒業生を多く採用いただいています。実際に何人くらいいて、どのように働いているのでしょうか?

中野:人数は10名弱ぐらいで、社員の人、業務委託で副業としてお願いしている人、アルバイトでお願いしている人とさまざまです。職種についてもディレクターとして働いている人もいれば、デザイナーとして働いている人もいます。

――どのような形でデジLIG生の採用がはじまったのでしょうか?

吉富:最初は本当に会社立ち上げの頃だったので、案件に対して人手が足りなかったんですよね。既存の案件に対して、「教えるから手を貸して」みたいな感じで手伝ってもらったのが最初です。できる範囲で、徐々にお仕事を振ってきました。

デザイナーの場合

――未経験者の場合、どのような点を評価しているのでしょうか?

吉富:デザイナーに関して、私はデザインは法則だと思っているので1回やったことを次に反映できるかを大事にしています。毎回同じことを教えないといけないということは身についていないということなので、まだ勉強するべきフェーズでお仕事としては難しいなと思いますね。

実際に採用した岸川さんという卒業生を例に挙げると、ちょっとアドバイスしたら次のときにすごくいい形にしてきたんです。情報整理が上手で質問も的確なので、 教える側も求める情報をすぐに与えられたんですよね。正直にお話しすると、デザインのスキルはそこそこだったのですが、言われたことを素直に吸収できるので、どんどんデザインスキルも身につけていって、今では一線で活躍しています。

あとはやはりデザインが好きな人を採用するようにしています。よく言われるように、Web制作業界は稼げるし、自由な働き方も実現できます。しかしデザイナーはずっと学び続けないといけないし、楽しいことばかりではなく大変なことも多いです。なので、デザインが好きというのは選ぶ基準になってます。

――簡単な作業を手伝ってもらいながら、その人の成果物やコミュニケーションの中で、「デザイン好きなんだな」とポテンシャルを見出して採用に繋げていらっしゃるんですね。

ディレクターの場合

――ディレクターの採用基準はいかがでしょうか?

中野:作業ができる・できないとか、作業が速い・遅いとかはあまり見ていなくて。Webディレクターは相手の気持ちを考えられるかどうかが大事だと思います。

たとえば、「今日この8時間分の仕事をお願いします」となったときに、4時間経って「今進捗3時間くらいなので、もしかしたら今日終わらないかもしれません」っていう連絡を入れられるかどうかとか、気持ちよく仕事するために大切ですよね。事前に言ってもらえればこちらで対処できるので、終わらせられるかよりも連絡が大切だったりします。

――プロジェクトを進行するなかで、情報の共有はWebディレクターとして必要なスキルですね。

中野:あとは、先ほどの岸川さんについてディレクター目線でお話しすると、自分のデザインについて「このデザインについてこういう意図がある」とデザイナーの視点できちんと意見をしてくれるのがいいと思いました。

企業として未経験者を活かすには?

――イッパイアッテナさんでは多くのデジLIG卒業生が活躍されていますが、未経験で駆け出しの方を活かすために、何か企業としてされている工夫はありますか?

吉富:基本的には、自分が巻き取れない仕事は振らないようにしています。最初のスタンスが「自分でやらなきゃいけないことを手伝ってくれている」という感覚なので、たとえば仕事の5%手伝ってくれてた子が、だんだんできるようになって、20%30%と徐々にお願いするようにしています。

――なるほど。いきなり仕事をお願いするというよりは、手伝ってもらいながら育成をしながら任せているわけですね。未経験を雇うことの難しいポイントはなんでしょうか?

吉富:難しいというか、最悪期日までに完成しないということもありますね。終わらせることもできるのですが、求めているものに達していない。もちろん求めているものに対して期待を超えてくることもあるんですけどね。

――終わらなかった場合にはどのように対処するのでしょうか?

吉富:ひとまず納品しないといけないので、私自身が巻き取ってしまいます。そこからなんで終わらなかったのか、最初に報告を入れなかったのがいけなかったなど、それぞれ改善点が見えると思うので、そこをアドバイスするようにしています。

――一方で未経験を採用するメリットはなんでしょうか?

中野:僕ら自身未経験の方から学ぶことはすごく多いです。ベンチャーなので、教育っていう観点で見ると、まだまだ拙い部分が多いんですよね。そこにいろいろな方が入社してくれて、「この伝え方じゃわからない人もいるんだな」などがわかり、ルールが徐々にできてきました。

吉富:いろいろな業界の視点を持った人がいるのもいいところですね。もともとアパレルにいた人とか、ガソリンスタンドにいた人とか、さまざまな経験をしてきた人が入社してくれると会社としての知識が増えた感じがしますね。

――異業種を経験してきたからこそ、活かせる知識がありそうですね。今後も積極的に未経験の方を採用していく予定なのでしょうか?

吉富:その予定です。やりたいことに対して人が足りていないので、今後もどんどん会社を拡大していきたいです。

制作会社に入るためにやるべきこと

――業界未経験の方が、制作会社に入るためにやっておくべきことはなんでしょうか?

吉富:デザイナーだったら、1,000本ノックのつもりでデザインをたくさん作ることが大切だと思います。

みなさん小学1年生のとき、漢字の練習をちゃんとしたと思うんですよ。部首を覚えて、なぞって、何回か書いてテストに挑んだと思います。デザインも一緒で、見るだけではできるようにならないんですよね。なので漢字を練習したように、とにかくトレースをやってみる。トレースも最初は見ながらだとできないので、なぞることから始めて、手を動かしてみたらいいと思います。

たくさんデザインを作っているかどうかはアウトプットするデザインでわかってしまうと思います。たくさん練習するとやっと違和感に気づけるようになって、違和感あるものを作らなくなっていく、という感じですね。

――自分自身でデザインの課題を見つけるにはどうしたらいいでしょうか?

吉富:私自身はお菓子が好きで、お菓子のパッケージっていいデザインのものがたくさんあるので、買って、 家で写真を撮って、それをトレースしていました。自分の中で「いいな」と引っ掛かっているものは、魅力的な商品だと思うんですよね。ネタが尽きないし、自分も美味しいものを食べられるし、お菓子のトレースを続けていました。みなさんも好きなものでやってみたらいいと思います。

さいごに

――多くのデジLIG在校生が熱い眼差しを送るイッパイアッテナさんですが、今後どのような企業を目指していかれますか?

吉富:デザイン会社として、「デザイン=問題解決」という枠をどんどん広げていきたいと思っています。ビジュアルのデザインを作るだけではなく、サイトを制作して、その会社が抱えてる問題を根本的に解決したりとか、戦略の立案をしたりしたいです。 サイト制作だけでなく、Web業界内の問題提起とか、課題解決をしていける存在になりたいと思っています。

――吉富さん、中野さん、ありがとうございました!

さいごに

未経験から制作会社に転職するためには、学んだことや教えられたことを吸収しようとする姿勢やデザインを好きだという気持ちが大切だということがわかりました。またデザインにかぎらずですが、報連相もしっかり行っていきましょう。Webクリエイターを目指す方は今日のお話しを参考に、ぜひ前のめりな気持ちで頑張ってみてください!

私たちが運営するデジタルハリウッドSTUDIO by LIGでは、未経験の方がWebクリエイターというキャリアに進むための学習の場を整えています。今回のインタビューでWebデザイナーを目指したい、スクールで学んでみたいと思った方は、ぜひ無料説明会にもご参加ください!

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日本大学芸術学部卒業後、テレビ、ラジオ、Webメディア、プロスポーツイベント等、複数の媒体にてディレクター職を経験。2018年9月からLIGにセールスメンバーとして入社し、教育事業部に配属(現デジタルエデュケーション部)。自身がクリエイターを行なっていた経験を生かし、現在は部長としてWebクリエイタースクール事業「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」の事業企画、運営を行い、クリエイター育成をミッションとしている。

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