業界未経験から「絶対無理だと思った」スクール講師に。大躍進の理由に迫る

業界未経験から「絶対無理だと思った」スクール講師に。大躍進の理由に迫る

Rurika Shimizu

Rurika Shimizu

Webデザインスクール・デジLIG運営のるりです。

デジLIG(デジタルハリウッドSTUDIO by LIG)とは
株式会社LIGとデジタルハリウッドが業務提携をし、運営しているWebクリエイター養成スクールのこと。現在、上野・池袋・大宮・北千住・川崎にて受講生を募集していて、個別説明会は各STUDIOとオンラインで開催中!

本連載では、デジLIG卒業生のスクール体験談や転職の成功事例をとおして、Webデザインを勉強中の方に役立つ情報をお届けしています。

今回は、業界未経験からWebデザインを学び、WebデザイナーとしてWeb制作会社に入社し、現在はデジLIGのトレーナーとして講師業もされている岸川さんをインタビューしました。スクールでの学びや現在のお仕事についてお話いただいたほか、トレーナーとして受講生へのアドバイスもいただきました。Webデザインを学習中の皆さんはもちろん、これから学んでみたいと考えている皆さんもぜひご覧ください!

ico 人物紹介:岸川さん【STUDIO池袋 2020年5月生/Webデザイナー専攻グラフィック経験者プラン】
2020年10月にスクールを卒業し、WebデザイナーとしてWeb制作会社へ入社。現在はデジLIGでトレーナー業務も兼任している。

デザインを独学するのは難しい

――岸川さんがWebデザインを学ぼうと思ったきっかけを教えていただけますか?

もともと大学でプロダクトデザインの勉強をしていたんです。卒業後は住宅機器の商品開発の仕事をしていましたが、2年ほど経ったタイミングで、やっぱりデザインの仕事がしたいと思うようになって。

ポスターや資料などの平面デザインが好きで、IllustratorやPhotoshopも使えたので、グラフィックデザインの道に行こうと思っていたんです。でも調べているなかでWebデザイナーという仕事を知りました。グラフィック系もできるしコーディングなどいろいろなスキルが必要とされる職業ということで魅力を感じ、一度Webデザインを勉強してみようと思ったのがきっかけです。

――プロダクトデザインとWebデザイン、それぞれを学ばれて感じた共有点や異なる点があれば教えてください。

使う技術は違うのですが、ターゲットや目的を設計してからデザインに落とし込んでいく、という基本的な点は一緒かなと。ただプロダクトの場合、たとえば「椅子の名作」といえば有名ブランドの歴史ある椅子がたくさん挙がるのですが、Webの場合は(そういうものがなく)トレンドも技術も移り変わるのがすごく早いので、このスピード感が違うのかなと思います。

――なるほど! Webデザインを学ぶために、独学ではなくスクールに通う選択をした理由は何ですか?

自分がいいなと思っていても、プロのデザイナーの方からするとかっこいいだけが良いわけじゃないんですよね。目的に沿ってデザインできているかが重要で、独学だとその観点の判断が難しいと思ったので、相談できる先生がいるスクールに通うことにしました。

――正解がわからないから迷走してしまう、という声は私もよく聞きます。たくさんスクールがあるなかで、デジLIGを選んでくださったのはどうしてですか?

デジLIG池袋は勉強するスペースと休憩スペースとで分かれているし、トレーナー(講師)も個性的で自由な雰囲気があったのがよかったです。他校は黙々とやっている印象があって、あんまり堅苦しいところだと萎縮しちゃうのと、黙々とやるならそれこそ独学で良いと思ったので……。

▲STUDIO池袋

Webは「法則」の勉強の積み重ね

――デジLIGの校風に魅力を感じていただいたのですね! 入学後にギャップはありましたか?

ギャップはあまり感じませんでした。自由なぶん本人次第みたいなところはありますが、運営スタッフの方や同期生などいろいろな人の意見を聞くこともできるし、トレーナーさんに質問すればしっかり教えてくれるので。

――よかったです! トレーナーさんとの距離が近いのもデジLIGの魅力ですよね。在学中はトレーナーさんや受講生さんと交流はされましたか?

正直自分から積極的に交流するのは苦手なのですが、同期や卒業制作(最終課題)のグループでの繋がりもあったので、コミュニケーションは取りやすかったです。卒業制作の打ち上げに担当トレーナーさんも参加されたりしてすごく楽しかったですね!

いろいろな受講生の作品を見れることがすごく刺激になったし、自分の制作に対しても意見がもらえたので、スクールに通って良かったと感じます。

――自分の期以外の卒業制作発表会も見学できますし、おっしゃるとおり他の作品に触れる機会は多いと思います! 学習中にもっとも楽しかったことは何ですか?

やはりデザインをするときですね! 以前は自分の好きなように「なんかかっこよくてイイ感じのものを作る」感覚でした。それはそれですごく楽しかったのですが、デジLIGに入ってトレーナーさんの意見を聞くなかで、こういうイメージにするには、こういう色とかこういうあしらいを使うといいなど……いろいろな法則があることを知りました。デザインってなんとなくじゃなくてぜんぶ考えられて作られてるんだということがわかってきた瞬間に、デザインをするのがもっと楽しくなった記憶があります。

Webは法則の勉強の積み重ねで、それを知っているか知らないかの世界だと思っています。それがすごく面白いです。

Webデザイナーになって2年。最初は知らない法則がありすぎて先輩に教えてもらわないとできませんでしたが、1年経つと「あのとき教わったものが使えるな」ということも増えてきました。トレンドまとめサイトや参考サイトなどを分析して、法則を見つけてインプットしています。

――どんどんできることを増やされていて素晴らしいです! 逆に大変だったことはありますか?

コーディングですね。今でもデザインだけじゃなくフロントエンドも担当することがありますが、会社でもずっと「コーディングは嫌です」って言っています(笑)。

ただ、嫌いと言いつつも最低限仕事で使えているのは、コーディングが嫌いだからこそ、早く終わらせるために勉強をちゃんとしているからだと思います。「コーディングが早く終わればデザインがいっぱいできる」と思って頑張っています。

――コーディングに壁を感じている受講生はたくさんいらっしゃいます……! アドバイスをするとしたら何を伝えますか?

嫌いなままでもいける、ですかね。嫌いなことは仕方ないし、「できるようになったこと」に重きを置くと良いと思います。

思いどおりにならない瞬間はたくさんあると思います。そこでトレーナーさんにすぐ聞いたら答えはもらえるんですが、嫌いながらも自分でもがくというか、手を動かして自分で調べる力がつくとコーディングはすごく伸びると思っているので、早く終わるようにとにかく手を動かしてみてください。

――ありがとうございます。皆さんにお伝えしたいと思います!

仕事と学習を両立するコツ

――働きながら学習を進めるポイントを教えてください。

土日などまとまった時間ができたらやろうとなりがちですが、忘れちゃうので毎日ちょっとずつ学習することでしょうか。

Any(動画教材)は一つひとつが5〜15分と短いので、私の場合は平日仕事終わってから1時間だけとか、ちょっとした隙間時間でコツコツ技術を学んで、課題制作はまとまった時間で進めていました。働きながらでしんどいのはもう仕方ないので、時間の使い方を考えながら学習をするのがいいと思います。

――週にどのくらいの学習時間をとっていましたか?

平日は帰ってきてから夜寝る前までの1~2時間くらい、休みの日は土日の両方勉強するときもありましたが、外に遊びに行く時間も大事にしていたので、基本は土曜日だけなどにしていました。正直めちゃめちゃ勉強していたわけではないですね。

――仕事と学習を両立するには、プライベートの時間もしっかり確保しておくことが重要ですね!

絶対無理だと思っていたトレーナー業

――ここからは、デジLIG入学から現在までの流れについて伺います。転職活動はどのようにされていましたか?

スクールでのつながりで、Web制作会社に転職しました! 人との縁がきっかけだったので、実はあまり転職活動をしていないんです。転職したのは翌年2月なので、それまでは前職の仕事を続けていました。

2020年5月 前職と並行して、デジLIGの学習スタート!
2020年10月 デジLIG卒業
2021年2月 前職を辞めて、デジLIGでのつながりをきっかけにWeb制作会社へ転職
2022年2月 Web制作会社で働きながら、デジLIGトレーナーに!

――実際にWebデザイナーになられていかがですか?

個人的にひとつのことに集中するよりもいろいろな知識や技術を覚えていきたいタイプなので、その点でWebは苦手なコーディングも含め、いろいろ覚えていくのが当たり前でそれを仕事にできるので、今がすごく楽しいです。

Webに限らずですが、デザイナーって自分が街を歩いていて見かけたお店のディスプレイや雑誌、映画など、日常生活で感じたことすべてをデザインに活かせるんですよね。

――日常生活や趣味の経験が活きた具体例はありますか?

映画やアニメ、ゲーム、漫画など個人の趣味がデザインに活かされていると思うことがあります。たとえばゲームのボタンのデザインや、ゲーム・アニメーションの動きもWebでは見たことないけど使えるんじゃないかな……とかふだんから考えています。趣味がいっぱいある人は強いと思います。本を読んでデザインの勉強をするのも大事ですが、日常生活をちゃんと楽しむこともデザインに活きてくると思います。

――素敵です! Web制作会社に入ってみていかがですか?

うちの会社の場合はどんどん仕事を任せてもらえました。はじめはバナー制作からはじまり、ある程度できるようになったらいきなりWebサイトのトップページをやってみようという感じで……。やりがいはあるけれど、そのぶん大変でプレッシャーもあります。

――すごいスピード感……! 転職されて1年後にデジLIGトレーナー業務も始められるわけですが、きっかけは何だったのですか?

今の上司であるトレーナーに「できるよ」と言われたことがきっかけです。でも正直絶対無理だと思っていたんですよ。まだ入社して1年しか経っていないし、会社でも私は教えてもらう立場で、私の下はいないから教えた経験もないので……。でも教えるのはすごく勉強になると言われて、できないかもしれないけどまずはやってみようかなとチャレンジのつもりで始めました。

――トレーナーを始められてから約5ヶ月経ちましたが、いかがですか?

自分の考えを言葉にするのが難しいです。ふだんデザインするときに自分の頭では考えているけど言葉にはしないで作っているところを、「こういうデザインにしたいからこの色を使ってる」など、一つひとつ言語化して伝えないといけないので、それがすごく勉強になっています。「このデザインはダメだね」ではなく、「これはこういうターゲットでこういう雰囲気のサイトだから、この色は合っていない」というふうに、「なんで」の部分をしっかり言語化するようにしています。

ズバリ、こんな人は伸びる!

――Webデザイナーになりたい方に向けて、卒業生として、トレーナーとして、アドバイスをお願いします!

未経験からぜんぜん違う業界、しかもWebデザイナーっていうコーディングもデザインも勉強しないといけない、すごく大変なことをしようとしているのはみんな一緒です。最初はわからないことだらけだと思うのですが、それは悪いことではないので焦りも感じなくて大丈夫です。

私は覚えたことを1回でちゃんと身につけるというのを大事にしていて、「知らないことを知った」という事実に重きをおいて学習ができるといいのかなと思っています。バラバラの知識として習得していたものが結びついていく瞬間があるので、一つひとつ着実に積み重ねていくことが大事ですね。

――トレーナー業務をしていて、これから伸びそうだなと感じるのはどんな方ですか?

自分の力になる質問方法をする方ですね。たとえば「ここは何色がいいと思いますか」と聞くよりかは、「こういう雰囲気にしたいんですけど、どうしたらいいですか」というように、質問意図の説明ができる方は伸びると思います。

あと、今はすぐ教えてもらえる環境ですが、就職したあとのことを考えると、聞く前に自分で調べて試行錯誤できる力があったほうがよいです。私自身、そう簡単に先輩の時間を奪えないなと思いながら仕事しているので……。漠然とした状態で聞くと回答も長くなっちゃうじゃないですか。「これとこれとこれは試したけどできなかったので、他の方法はありますか」というふうに聞くようにしています。

――自分で手を動かして調べることで、その後の知識の定着度合いも変わってきますよね!

ほかにはフィードバック後の修正方法にも個性が出ます。トレーナーさんにフィードバックをもらったあとに、言われたことだけ(たとえば「ここのフォントサイズを◯◯ピクセルにする」など)をやるのではなくて、それを調整したことによって変わる他の要素を言われなくてもちゃんと修正できているかどうか。1聞いて1だけ返すだけではなく、しっかり自分の頭で考えられているかが大事だと思います。

――最後に、今後のキャリアビジョンや目標を教えてください!

デザインもコーディングもぜんぶできる人になりたいです。スペシャリストまでいかなくともWebのフローを網羅できるというだけで価値があると思うので、これからもいろいろと知識を身につけていきたいですね。

【番外編】デジLIG時代の岸川さんについて聞いてみました

デザイン経験はあったものの、業界未経験からトレーナーとして活躍されている岸川さん。デジLIG時代はどんな受講生だったのでしょうか? 当時の担当トレーナーである吉富トレーナーに、岸川さんの印象をお聞きしました!

ico

①ヒントをもとに自分の頭で考えて進められる

1教えると10くらい先を進めるなど、基礎をもとに応用できる力がありました。実際、これは難しいんじゃないかと思うことも、次に会ったときに完成させていてびっくりしました。

②当たり前の基準が高い

細かく見ることと俯瞰して見ることのどちらもできるのと少しずれていたら気持ち悪いという感覚を無視しないことなど、デザイナーに必要な「ここまでできていて当たり前」という基準が高かったので、知識を増やして経験を積めばすぐ伸びるだろうなと感じていました。

③新しい挑戦を楽しめる

正直デザインのアウトプットがものすごくよかったかと聞かれると、そこまでではなかったのですが、壁を壁ととらえずに新しいことにどんどん挑める姿勢が素晴らしかったですね。

受講生時代から高い評価を受けていたのが伺えます。みなさんもWebデザイナーを目指す上で、ぜひこちらのポイントを心がけてみてくださいね!

まとめ

今回は、業界未経験からWebデザインを学び、現在はWeb制作会社で働きながらデジLIGトレーナーとしても活躍している岸川さんのお話を伺いました。

まずは自分で考えて手を動かし、苦手なことでも乗り越えようとする姿勢がとても印象的でした。スクールの学習環境を最大限に利用しながらも、自走していくことの大切さを改めて実感しました。元受講生、現役Webデザイナー、トレーナーそれぞれの視点からのお話しが聞けた今回。少しでもWebデザイナーを目指す方の学習の参考になれば幸いです!

デジLIGでは、Webクリエイター・動画クリエイターを目指す方を応援しております! 転職、フリーランス、副業、スキルアップ、趣味など……少しでもご興味をお持ちの方はお気軽に無料個別説明会にご参加ください。各校舎、オンラインともに実施しております◎

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Rurika Shimizu
Rurika Shimizu Digital Education / Education / School Adviser / 清水 るり夏

大学を卒業後、LIGに入社。大学で教職課程をとり教員免許を取得した経験や、イラストや広告などクリエイティブなものを見たりつくったりするのが好きだった経験から『デザイン×教育』に携わることができるDigital Education部にて、「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」でのカウンセリング、スクール運営・企画、受講生のサポートを行う。

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